5-11 細菌性腸炎・腸管出血性大腸菌(EHEC)とHUS

緊急

5-11細菌性腸炎・腸管出血性大腸菌(EHEC)とHUS

止痢薬は使わない・HUSは持てない
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次8項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4処置・処方例

Rp. 1経静脈輸液 ショック:生理食塩水20mL/kgを急速投与。ショックでない:ソリタT1号(開始液)10〜20mL/kg/時で2〜3時間(胃腸炎と脱水の輸液方針を準用。本症〈細菌性腸炎・HUS疑い〉固有の輸液プロトコルとしての確定はまだ無い) 点滴
脱水の有無にかかわらず早期に開始する。輸液不足はAKI・無尿の危険因子。低Na血症(130mEq/L以下)はそれ自体HUSでの無尿・乏尿の危険因子なので、ソリタT1号(Na 90mEq/L)を使う場合も電解質を早期に確認する
  1. ショック(CRT延長・頻脈・意識低下):生理食塩水 — を急速投与し、脈拍・CRT・意識・尿量で再評価。必要なら反復
  2. ショックでなければ:ソリタT1号(開始液)を —〜—/時で2〜3時間投与する(胃腸炎と脱水の決定を準用)
  3. 脱水の有無にかかわらず早期に輸液を開始する。輸液不足はAKI・無尿の危険因子
  4. 電解質(特にNa)を早期に確認する。低Na血症(130mEq/L以下)が判明・持続する場合は輸液内容の見直しを検討する
避けること・注意:止痢薬(HUS発症の危険因子)。抗菌薬もEHEC疑い例では投与しない方針(HUSリスクとの関連が指摘されるため、院内決定)。
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5帰宅・入院の目安

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6診療中の疑問と回答

下痢が減ったので、HUSの心配も終わり?
腸症状の改善後にもHUSが発症し得る。尿量減少、顔色不良、むくみ、紫斑、強い倦怠感を説明し、発症日からの経過と血算・腎機能を追う。疑う変化があれば次回予約を待たず再評価する。初回の血算やCrが正常でも後日の発症は否定できない。
根拠:CDC E. coli感染症の治療 / 国内HUS診断治療ガイドライン
血便があるので、止痢薬と抗菌薬を同時に出す?
止痢薬は使わず、便検査と脱水・腎機能評価を行う。STEC/EHECを疑う場合、抗菌薬は利益とHUSリスクが議論され、当院は院内投与しない既存方針で対応する。他病原体、敗血症、基礎疾患では判断が変わるため、原因を区別して専門医と相談する。
根拠:CDC E. coli感染症の治療 / 国内HUS診断治療ガイドライン
早く補液すべきなら、尿が出なくても大量に入れる?
早期の脱水補正は重要だが、乏尿・無尿や腎傷害が進む場合は体液過剰を避ける必要がある。体重、入出量、呼吸、電解質を反復評価し、漫然と輸液を続けない。HUSが疑わしければCrの閾値到達を待つのではなく、血液浄化に対応する施設へ相談する。
根拠:CDC E. coli感染症の治療 / 国内HUS診断治療ガイドライン
抗菌薬は出すか?
当院は院内投与しない方針(HUSリスクとの関連が指摘されるため)。日本のガイドラインは推奨グレードを「該当せず」としている。
下痢が治まったら登校できるか?
サルモネラ・カンピロバクターは下痢が治まれば登校(園)可能。手洗いを励行する。
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8家族への説明

細菌による腸炎です。下痢止めは使いません。菌や毒素を体の外に出しにくくして、かえって悪化させることがあるためです。血便が出る菌のなかには、下痢が始まってから4〜10日たったころに腎臓に影響が出るものがあります。おしっこの量が減る・顔色が悪い・まぶたや足がむくむ・ぐったりする、このどれかがあれば、日数がたっていてもすぐに来てください。ご家族にも手洗いを徹底してください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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