1-4 発熱児のトリアージ

緊急

1-4発熱児のトリアージ

発熱・水分不良・活気低下
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次10項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3重症度(NICE NG143 トラフィックライト)

GREEN(低リスク)皮膚色正常・機嫌よい・水分とれる・呼吸問題なし自宅経過観察+再受診サインを説明
AMBER(中間リスク)反応が普段と違う、CRT≥3秒、哺乳不良、発熱5日以上対面での経過観察・フォローアップ設定
RED(高リスク)無反応、呻吟・高度陥没呼吸(呼吸数:生後0-5か月>60/分・6-12か月>50/分・12か月超>40/分、SpO2≤95%)、大泉門膨隆・項部硬直・けいれん重積・non-blanching疹緊急・上位医療機関への搬送/入院を検討
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4計算・スコア

計算

アセトアミノフェン頓用量

kg
いつ使う

発熱・疼痛のつらさ緩和目的の頓用。解熱剤は「つらさ緩和」であり治癒判定ではない(本シート正本の記載)。熱の数字を下げること自体は目的にしない。

落とし穴
  • 1回上限と1日上限は別々に効く。体重26kg以上では、1回量の上限を4〜6時間ごとに4回打つと1日上限(1,500mg)を超える。上の「1日の回数」はその逆算で、数字が4未満なら間隔を空けるか1回量を下げる
  • 1回500mg・1日1,500mgの上限を超えない(体重約33kg以上では体重換算より1回上限が先に当たる)
  • ここに出るのは体重換算の「考え方」。個別の処方値は診察で決定し、基礎疾患・併用薬を確認する
次の一手

解熱の有無にかかわらず、水分・反応・呼吸の観察を続ける。受診判断は本シート上部のレッドフラグ表へ。

出典

カロナール(アセトアミノフェン)添付文書(PMDA): 1回10〜15mg/kg・4〜6時間以上あけて投与・1日総量60mg/kgを限度(1回500mg・1日1,500mgを超えない) 添付文書(正本で照合済み・2026-08-14リンク更新)

判定

年齢別のバイタルと低血圧の閾値

歳
回/分
/分
mmHg

年齢を入れると基準が出ます

    呼吸数60回/分以上・脈拍160/分以上は月齢によらず異常とされる。数値が基準内でも、陥没呼吸・鼻翼呼吸・呻吟・活気や哺乳の低下といった所見を優先する。血圧低下は代償が破れた後に現れる遅い指標で、正常でもショックを否定しない。

    いつ使う

    年齢を入れると、その年齢帯の呼吸数の生理的範囲と、低血圧とみなす収縮期血圧の閾値が出る。実測値も入れると基準と突き合わせる。

    落とし穴
    • 低血圧の定義は年齢の関数:乳児〜10歳以下は収縮期 [70+(2×年齢)] mmHg未満、成人は90mmHg未満。または平時比30%超の低下。年齢を当てはめずに「90未満」で判断すると、年少児の低血圧を見逃す
    • 呼吸数の生理的範囲は年齢で大きく違う(新生児30〜60/乳児30〜40/幼児20〜30)。成人の感覚で「多い」と判断しない
    • 細気管支炎では呼吸数60〜70回/分以上が重症化のサインとされるが、研究によって一貫しない
    出典

    低血圧の定義はアナフィラキシーのシート(血圧低下の定義)、呼吸数の年齢帯は気管支喘息発作のシート(年齢別標準呼吸数)と急性細気管支炎のシート(生理的範囲・60回/分以上は異常)。いずれも正本の記載。

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    5検査

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    6処置・処方例

    Rp. 1アセトアミノフェン 1回10〜15mg/kg、4〜6時間以上あけて。1日総量60mg/kgかつ1500mgを超えない(1回最大500mg) 内服
    第一選択。解熱は苦痛緩和が目的で、治癒判定には使わない
    1. シロップ(カロナールシロップ2%=20mg/mL):—〜—(10〜15mg/kg)を1回
    2. 細粒(カロナール細粒20%=200mg/g):—〜—(10〜15mg/kg)を1回
    3. 坐剤:1回 —〜— に一番近い規格・個数を選ぶ(アンヒバ/アルピニー 50・100・200mg。10kgなら100mgを1個)
    4. 次は4〜6時間以上あける。1日の合計は — まで
    Rp. 2イブプロフェン 国内添付文書は5歳以上の年齢区分のみ規定。5歳未満は事実上の適応外 内服
    第二選択・アセトアミノフェン無効時。脱水徴候があれば避けるか医師が個別判断(AKIリスク)。水痘中は使わない
    1. 5歳以上のみ:1回 —〜—
    2. 1日の合計は600mgまで(4歳以下は安全性未確立)
    解熱薬使用は熱性けいれんの再発予防効果を示すエビデンスに乏しい。解熱の有無で重症度を判断しない。 避けること・注意:インフルエンザにはジクロフェナクナトリウム/メフェナム酸/アスピリンを使わない。水痘にはアスピリンを使わない。水痘中はイブプロフェン等NSAIDs全般を避ける。微温湯清拭による解熱もしない。
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    7帰宅・入院の目安

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    8診療中の疑問と回答

    解熱薬で平熱になれば重症感染は否定できる?
    体温の反応だけでは判定できない。解熱後も呼吸、灌流、反応、飲水と尿量を再評価する。顔色不良、意識変化、呼吸苦が残る場合は熱が下がっても原因評価と入院・紹介を検討する。乳児では月齢と基礎疾患に応じた評価を省略しない。
    根拠:NICE NG143 小児発熱(海外指針) / RCH 重症新生児・乳児の認識(海外)
    熱だけで元気な乳児は、尿検査なしで帰してよい?
    乳児の尿路感染は局所症状に乏しい。月齢、発熱経過、他の熱源、既往を確認し、適切な採尿法で検査の必要性を判断する。当院は院内生後28日以下の発熱をフル精査、60日以下を原則入院とする。元気という印象だけで院内の年齢別対応を省かない。
    根拠:NICE NG143 小児発熱(海外指針) / RCH 重症新生児・乳児の認識(海外)
    熱が5日を超えたら、抗菌薬を追加すればよい?
    発熱日数だけで細菌感染と決めず、川崎病、尿路感染、肺炎などの新たな徴候を診直す。結膜、口唇、皮疹、手足、頸部リンパ節と全身状態を確認する。川崎病を疑う徴候があれば5日を待つ必要はなく、専門評価へつなぐ。検査値だけで判断しない。
    根拠:NICE NG143 小児発熱(海外指針) / RCH 重症新生児・乳児の認識(海外)
    生後1か月未満は日齢で検査を変える?
    変えない。当院は院内日齢によらず全例フル精査(血培・カテ尿・腰椎穿刺)。AAPの22〜28日の段階化は使わない。
    生後29〜60日で検査がすべて陰性なら帰していい?
    AAP 2021では外来管理も選択肢だが、当院は院内原則入院。当直帯はプロカルシトニン・好中球分画が出せず段階的リスク評価ができないうえ、夜間も入院でき、24時間以内の再評価を確実にできるため(院内方針院内)。
    イブプロフェンは何歳から使える?
    国内添付文書は5〜7歳以上の区分のみ規定。5歳未満は事実上の適応外で、使用可否は医師の個別判断。脱水があれば避ける。
    5日以上の発熱で何を疑う?
    川崎病とMIS-Cを鑑別に入れる。結膜充血・口唇変化・頸部リンパ節腫脹・発疹・四肢末端の変化を確認し、疑った時点で専門施設(小児循環器)へ紹介・搬送する(院内方針院内)。
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    10家族への説明

    熱の数字より、水分がとれるか・目が合うか・眠れているかを見てください。

    一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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