2-5 気胸・緊張性気胸

緊急

2-5気胸・緊張性気胸

突然の胸痛と呼吸困難
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次8項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4緊張性気胸の穿刺減圧・開放創の被覆

  1. 緊張性気胸を疑い、徐脈・ショック・高度呼吸不全のいずれかがあれば、搬送を待たずに穿刺減圧する(院内方針院内)
  2. 高流量の酸素投与または補助換気を開始する(陽圧換気は気胸を悪化させるので注意)
  3. 患側の第2肋間・鎖骨中線を確認する(体表からは胸骨角に付着する肋骨が第2肋骨)
  4. 穿刺部位をアルコールで消毒する。時間が許せば局所麻酔を行うが、心停止切迫時は省略してよい
  5. 第2肋間中央に18Gの静脈留置針(外套カテーテル付き)を刺入する
  6. 針が胸膜を貫き空気の流出を確認したら、肺損傷を防ぐため外筒(カテーテル)のみ進めて内筒(針)を抜去する
  7. バイタルサインを確認する。脱気不良なら第4〜5肋間中腋窩線前方の腋窩アプローチへ切り替える(体格が大きい患者では特に推奨される)
  8. 減圧はあくまで橋渡し。当院は院内胸腔ドレナージができないので、穿刺と並行して受け入れ先へ搬送する
  9. 胸壁に開放創があるときは、傷より大きな密閉できるもの(ビニール片・油紙など)をガーゼに当てて開放創をふさぐ
  10. ガーゼの4隅のうち3隅だけをテープで留め、1辺は開けたままにする(三辺テーピング法)。開けた1辺が呼気時の空気の逃げ道になり、緊張性気胸への進行を防ぐ
  11. 高濃度酸素をリザーバー付きマスクで投与する(10〜15L/分が目安)。血圧・SpO2・心電図のモニタを装着する
  12. 受け入れ先へ「緊張性気胸を疑っている」と最初に言う。X線を撮っていないならその旨も伝える
やってはいけない・落とし穴
  • 緊張性気胸を疑うときはX線を待たない。確診を待って穿刺・搬送が遅れるのが一番の落とし穴
  • 空気の流出を確認したら内筒(針)はすぐ抜く。刺したまま進めると肺損傷のリスク
  • 穿刺も被覆も根本治療ではない。胸腔ドレナージができる施設への搬送は省略しない
  • 開放創は完全に密閉しない。三辺のみ固定し1辺を開けておく(完全密閉は緊張性気胸を招く)
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5送る/持つの目安

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6診療中の疑問と回答

胸痛が軽いので、小さな気胸なら全員帰宅できる?
大きさだけでなく呼吸苦、酸素化、循環、背景肺疾患、経時変化と再診の確実性で判断する。画像上小さくても症状が強い例は観察・専門相談が必要。当院では胸腔ドレナージの継続管理ができないため、必要時は早く搬送先と調整する。
根拠:RCH 小児自然気胸(海外) / 日本救急医学会 緊張性気胸
喘息の吸入後も片側の呼吸音が弱い。薬を追加する?
突然の胸痛、左右差、治療不応は気胸を再評価する。安定していれば画像で確認し、不安定で緊張性気胸を疑えば画像待ちにしない。酸素・監視と搬送連絡を行い、ショックや高度呼吸不全では既存院内手順による緊急減圧を並行する。
根拠:RCH 小児自然気胸(海外) / 日本救急医学会 緊張性気胸
症状が消えたら、運動や飛行機はすぐ再開してよい?
痛みの消失だけで肺の再膨張を確認できない。再診画像と原因・再発リスクを踏まえて専門医が活動再開を判断する。飛行や潜水は圧変化を伴うため別途相談し、自己判断で再開しない。新しい胸痛・息切れは再発の可能性として速やかに受診する。
根拠:RCH 小児自然気胸(海外) / 日本救急医学会 緊張性気胸
緊張性気胸はX線で確認してから動く?
画像確認を待たない。緊張性気胸を疑ったら酸素・監視と専門施設への連絡・搬送を手配する。徐脈・ショック・高度呼吸不全を伴う場合は、既存院内方針院内に従い搬送前の針穿刺減圧を並行する。
自然気胸はどんな子に多い?
10〜30代のやせ形の男性に好発する。中学生〜高校生男子の突然の胸痛では鑑別に入れる。
開放創があるときは?
ビニール片の三辺固定で開放創を被い、胸腔内への空気流入を防いでから搬送する。
喘息発作として吸入したのに良くならない、次は?
喘息発作として扱い続けない。胸部X線で気胸・異物を外す。
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8家族への説明

肺を包む膜の中に空気がたまって、肺がしぼんでいる状態です。突然の胸の痛みと息苦しさが特徴です。しっかり空気を抜く処置(胸に管を入れる処置)は当院ではできませんので、できる病院へ移っていただきます。命に関わる状態のときは、移動までの間に当院で緊急に針で空気を抜くことがあります。移動の間も酸素を使います。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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