2-5気胸・緊張性気胸
このページの目次12項目
1胸膜腔の空気から閉塞性ショックへ
2病歴・所見を組み合わせる
3喘息・肺炎・異物との見分け
喘息は通常びまん性の呼気性喘鳴だが、重症例では呼吸音が乏しくなりうる。片側の減弱、突然の胸痛、吸入に反応しない経過では気胸や異物を再評価する。胸痛だけでも肺炎、胸壁痛、心筋炎などがあり、画像・バイタル・経時変化を合わせる。自然気胸の診断がついても基礎肺疾患や外傷性を見落とさない。[1]
4安定例の画像、緊張性例の臨床診断
5緊張性気胸は搬送と減圧を同時に考える
緊張性気胸を臨床的に疑い呼吸・循環が破綻している児は、X線確定や搬送先到着を待たず緊急減圧が必要である。RCH小児外傷一次評価と日本救急医学会は、生命危機に対する胸腔減圧を初期蘇生に置く。当院は胸腔ドレーンによる継続管理を持たないが、既存オペシートには切迫例の針穿刺減圧が記載されている。実施可能な訓練・器具・院内手順を直ちに確認し、上級医のもとで減圧と受入先への連絡を並行する。「ドレナージがないから電話して待つ」ことは、切迫例の対応ではない。[2][3]
院内の既存18G留置針という規格と、既存JATEC引用の「18Gより太い」という表記には差がある。このページから規格を上書きせず、径・カテーテル長・体格への適合、在庫・手技体制を医師/施設が再確認する。緊急減圧の成功と再緊張の有無を反復評価する。
6減圧後も終わりではない
7安定例の管理と退院後
安定した原発性自然気胸では、サイズだけで一律の処置を決めず、疼痛・呼吸困難・低酸素、年齢、再発/基礎疾患、観察体制で決める。RCHは大きな気胸、症状、12歳未満、続発性・外傷性・再発例などを専門相談の対象とする。当院にはドレナージ管理がなく、2026-09-25の既存院内方針は程度によらず全例を専門施設へ連絡・搬送する。観察や胸腔処置の方法は受入専門施設が判断し、当院で経過観察を継続する方針に読み替えない。再発時の胸痛・呼吸困難、運動・航空機搭乗等の制限について退院先の指示を家族へ明確にする。[1]
8出典
- [1] Royal Children's Hospital Melbourne.Clinical Practice Guideline: Primary spontaneous pneumothorax(2026-10-02確認)。小児の症状・画像・管理・転送。
- [2] Royal Children's Hospital Melbourne.Major paediatric trauma: primary survey(2026-10-02確認)。緊張性気胸の初期蘇生と胸腔減圧。
- [3] 日本救急医学会.医学用語解説集:緊張性気胸(2026-10-02確認)。病態・X線を待たない緊急処置。
- [4] 日本呼吸器学会.G-04 気胸(2025更新、2026-10-02確認)。一般向けの症状・病型の説明。実処置の根拠は[1]–[3]を優先。
9臨床医が迷う場面
10胸痛が軽いので、小さな気胸なら全員帰宅できる?
大きさだけでなく呼吸苦、酸素化、循環、背景肺疾患、経時変化と再診の確実性で判断する。画像上小さくても症状が強い例は観察・専門相談が必要。当院では胸腔ドレナージの継続管理ができないため、必要時は早く搬送先と調整する。
11喘息の吸入後も片側の呼吸音が弱い。薬を追加する?
突然の胸痛、左右差、治療不応は気胸を再評価する。安定していれば画像で確認し、不安定で緊張性気胸を疑えば画像待ちにしない。酸素・監視と搬送連絡を行い、ショックや高度呼吸不全では既存院内手順による緊急減圧を並行する。
12症状が消えたら、運動や飛行機はすぐ再開してよい?
痛みの消失だけで肺の再膨張を確認できない。再診画像と原因・再発リスクを踏まえて専門医が活動再開を判断する。飛行や潜水は圧変化を伴うため別途相談し、自己判断で再開しない。新しい胸痛・息切れは再発の可能性として速やかに受診する。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。