4-6 意識障害・反応が悪い

緊急

4-6意識障害・反応が悪い

血糖を最初に測る
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

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1ポイント

判断の流れ

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反応が悪い小児でABCと血糖を直ちに確認し、気道・頭蓋内の危険を見て搬送を判断する図
低血糖はその場で補正を検討する。気道不安定・頭蓋内病変が疑われる場合、当院では人工呼吸・脳外科管理ができないため搬送先へ連絡する。RCPCH・Management of children with acute decrease in conscious levelを参照。
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2鑑別のながれ

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3計算・スコア

計算

気管チューブのサイズと固定長(JRC 2020)

歳
cm(任意)
kg(任意・上の体重欄と連動)

算出式は指標であって、確定ではない。実際のサイズは声門・気管の見え方と換気の状態で決める。挿管後は聴診で両肺換気を確認し、頭位が変わるたびに確認し直す(前屈で深く、後屈で浅くなる)。体重が不明なときに年齢から体重を推定して代用しない — JRCは実際の体重を用い、わからない場合はあらかじめ投与量が計算された身長テープを用いることを示している。

いつ使う

2歳以上の小児で、年齢からチューブ内径と経口固定長の目安を出す。固定長は式ごとに数cm違うので、幅として持っておいて聴診で詰めるのが正しい使い方。

落とし穴
  • 2歳未満はこの算出式の対象外。年齢式を無理に当てない
  • カフなしとカフ付きで式が違う。さらにカフ付きにもMotoyama(大きめ)とKhine(小さめ)の2流儀があり、JRCはどちらも併記している。Motoyamaはシーリング性が高い反面サイズ過大の可能性、Khineは過大を避けられる反面リークでチューブ交換が必要になる可能性
  • 内径×3 の固定長はカフなしチューブを前提とした式で、カフ付きにそのまま適用できない
  • 狭すぎるチューブは気道抵抗と呼吸仕事量を増やし、リークを減らそうとして過大なカフ圧を要することになる
  • 「引き抜き法」は信頼性が低い可能性がある。深さマーキングも製品ごとに位置が違い統一されていない
次の一手

カフ付きを使うときは、カフを膨らませない状態で陽圧換気によるリークを確認し、カフ圧を最大20(〜25)cmH2O となるようモニタリングする。カフ圧も頭位で変わり、頭頸部の回旋・前屈・後屈で2.6〜6.9 cmH2O変化する。

出典

JRC蘇生ガイドライン2020 第3章 小児の蘇生(PLS)p.172-173「4)カフなしチューブとカフ付きチューブ」。Cole の式・Motoyama の式・Khine の式、固定長の3式、内径×3の簡便式、カフ圧の記載はいずれも同ページ。原文PDFで直接確認(2026-09-13)。

計算

心停止:投与・除細動計算(AHA 2025)

心停止の用量

医療者向け・AHA 2025。生後28日以降〜思春期前。院内採用手順・製剤・機器の確認前で、院内承認済みの手順ではありません。

CPRや除細動を入力待ちで遅らせない。実測体重を優先し、不明なら検証された身長テープ等を使う。

ソフトウェア入力範囲:0.5〜200 kg。小数3桁まで。年齢の適用範囲とは別です。

抗不整脈薬・脈あり頻拍・出典

難治性VF/無脈性VT:アミオダロン5mg/kgボーラス(初回最大300mg、追加の1回最大150mg)またはリドカイン1mg/kg。反復方法、採用製剤と投与方法は原典・院内手順を確認します。

脈がある頻拍の同期電気ショック・ATP・緩徐投与の抗不整脈薬は、心停止の量と分けて頻拍のページで確認します。

AHA/AAP 2025 小児心停止アルゴリズム/心停止の対応手順

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4検査

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5処置・処方例

Rp. 1ブドウ糖(20%ブドウ糖液) 20%ブドウ糖液1〜2mL/kgをゆっくり静脈内投与 静注
血糖を測定して低血糖を確認したら、検査より先に投与する。可能ならクリティカルサンプル(血糖・血液ガス・電解質・ケトン体・アンモニア等)を先に確保するが、緊急時は投与を優先し採血は事後でもよい
  1. 20%ブドウ糖液を —〜—(1〜2mL/kg)ゆっくり静注する
  2. 投与後に血糖を再検し、反応を見る
  3. 改善しなければ、意識障害の他の原因(ショック・頭蓋内圧亢進・中毒等)を並行して評価する
避けること・注意:瞳孔不同・除脳/除皮質肢位・Cushing現象(徐脈+高血圧)など頭蓋内圧亢進所見があるときは腰椎穿刺をしない(脳ヘルニアのリスク)。
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6帰宅・入院の目安

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7診療中の疑問と回答

低血糖を補正したのに覚醒しない。ブドウ糖を重ねる?
まず血糖を再測定し、補正されたかを確認する。正常化しても反応不良なら、低酸素・ショック、中毒、頭蓋内病変、非けいれん性重積などを並行評価する。血糖だけに原因を固定せず、気道が危うい場合はその場で応援と搬送調整を始める。
根拠:RCH 意識障害(海外指針)
眠剤の誤飲らしいので、眠りから覚めるまで待てる?
薬の種類・時刻・残量を確認するが、推定量だけで安全としない。呼吸数・換気、酸素化、循環、血糖、意識の推移を監視する。原因不明の意識低下を単なる眠気とせず中毒情報と相談する。家庭で吐かせず、気道保護が難しければ集中治療可能な施設へつなぐ。
根拠:RCH 意識障害(海外指針)
熱があり意識が悪い。髄液検査を先に済ませる?
初期安定化を優先する。瞳孔不同、異常肢位、局在神経所見、呼吸循環不安定などでは腰椎穿刺を急がない。中枢神経感染症を疑う場合も、検査の完了を待って抗菌薬や専門連絡を遅らせず、検査可能な上位施設と安全な順序を相談する。
根拠:RCH 意識障害(海外指針)
意識障害でまず何をする?
A・B・Cのあと、血糖を最初に測る。低血糖なら検査より先にブドウ糖を投与する。
乳児の『なんとなく変・ぐったり』は様子見でいい?
軽視しない。腸重積・敗血症が『ぐったり』の顔で来る。哺乳不良・無呼吸・体温不安定は乳児の敗血症の顔。
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9家族への説明

反応が鈍い原因はいくつもあり、血糖が下がっている・感染・頭の中の問題・薬や物を口にした、などを順番に確かめます。まず血糖を測ります。当院でできない検査や治療が必要と判断したら、できる病院へ移っていただきます。いつからどう変わったかを、できるだけ具体的に教えてください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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