4-10血栓症・DICを疑うとき
けっせんしょう・DIC・播種性血管内凝固
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 中心静脈ライン、重症感染、悪性疾患などの背景と、局所腫脹・出血・臓器機能の変化をまとめる。[1][2]
- 急な呼吸・循環不全、意識変化、進行する出血・臓器障害:蘇生評価と集中治療・血液専門への緊急相談を行う。[1][2]
- 原因疾患の治療と呼吸循環支持を並行する。VTEの抗凝固は年齢、部位、症状、出血リスク等で個別に判断する。[1][2]
2鑑別のながれ
- 出血・血小板低下→重症感染や悪性疾患等の背景、凝固異常・臓器障害→DICを含む消費性病態とTMA等を専門家と鑑別する。[2]
- 局所腫脹・呼吸症状→ラインや入院・重い基礎疾患などリスク→局所VTE・肺塞栓等を疑う場合は部位別画像と専門評価へ進む。[1]
3検査
- 血算・凝固系、フィブリノゲン、FDP/Dダイマー等を背景と推移で評価し、血栓部位に応じ画像を専門家と選ぶ。[1][2]
- DICとTMA、他の凝固異常を区別する必要がある。成人の診断スコアを新生児・小児へ無検討で転用しない。[2]
4対応の注意
避けること・注意:VTEとDICを同じ病態として一律の抗凝固薬を開始しない。[1][2] 単一のDダイマー値だけで血栓の確定・除外、薬量や輸血を決めない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 原因疾患の治療と呼吸循環支持を並行する。VTEの抗凝固は年齢、部位、症状、出血リスク等で個別に判断する。[1][2]
- DIC治療は背景疾患によって異なり、抗凝固と止血支持は専門家が判断する。[2]
フォローと再評価
- 確定例の治療期間・再画像・出血監視は小児血液専門チームの個別計画とする。[1]
根拠と適用範囲
- ASH/ISTH Treatment of VTE in Pediatric Patients 2025:小児VTEの対象と成人との差、治療個別性。全文推奨は未採用。
- 日本血栓止血学会 DIC診療ガイドライン2024:curl→pdftotextで病態概念・背景疾患別方針を確認。小児専用GLではない。
- JCCG HLHの解説:HLHに伴うDICと凝固因子消費の国内小児専門資料。
6帰宅・入院の目安
- 入院急性症状、出血、臓器障害を伴う疑い例は入院管理可能な施設で評価する。[1][2]
- 搬送・紹介血液専門医・集中治療と、基礎疾患担当科へ早期相談する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- ライン側の腕が腫れた。Dダイマー高値だけで抗凝固を始める?
- 血栓の部位・症状、カテーテルとの関係を画像で評価し、出血リスクと原疾患を合わせる。Dダイマー単独で確定せず小児血液科に相談する。呼吸循環の急変は肺塞栓などを疑い緊急対応する。成人の薬量・治療期間を小児へそのまま用いない。
根拠:ASH/ISTH 小児VTEガイドライン2025要約 - カテーテル関連血栓があれば、ラインは直ちに抜く?
- ラインが機能し今後も必要か、感染があるか、抗凝固下で症状が改善するかを確認する。必要性のあるラインを血栓だけで一律に抜去しない。不要・機能不良例も抜去時期と抗凝固を専門医と調整し、処置を先に進めない。
根拠:ASH/ISTH 小児VTEガイドライン2025要約 - 症状が消えたら抗凝固を中止してよい?
- 症状消失だけで決めず、誘因が解消したか、血栓の残存、再発歴、出血、基礎疾患を再評価する。小児では誘発性血栓でも短期治療の対象条件があり、全員に同じ期間を当てはめない。処方医と画像・再診予定を確認して終了を判断する。
根拠:ASH/ISTH 小児VTEガイドライン2025要約
8家族への説明
血が固まる問題と出血しやすくなる問題が同時に起こる場合があり、原因の病気と出血リスクを見て治療を選ぶと説明する。[2][3]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。