4-9 急性中毒・誤飲(薬・洗剤・たばこ・石油製品)

緊急

4-9急性中毒・誤飲(薬・洗剤・たばこ・石油製品)

誤飲・意識障害・けいれん・不整脈
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4処置・処方例

Rp. 1活性炭(薬用炭) 1歳以下は1g/kg、1歳超は25〜50g(上限50g程度)を生理食塩液10〜20mL/kgに懸濁 経口/胃管
下記①〜⑤をすべて満たす場合のみ当直医単独で投与可(限定採用)。反復投与はしない
  1. ①意識清明・気道防御良好(挿管なし)で、今後数時間で気道防御が失われるおそれが低い(遷延性の中枢神経抑制薬・大量摂取の徐放性製剤等ではない)
  2. ②腹部所見に腸閉塞・消化管穿孔を疑う所見なし
  3. ③摂取後1時間以内(遅くとも1〜2時間以内)。サリチル酸・バルプロ酸・徐放性製剤は中毒110番に相談し個別判断
  4. ④物質が強酸・強アルカリ製品、石油製品、エタノール、エチレングリコール、ヒ素、カリウム、リチウム、鉄、ホウ酸、ヨード、フッ化物、臭化物のいずれにも該当しない(たばこ・防虫剤はこの除外物質に含まれない)
  5. ⑤投与前に中毒110番へ相談し方針を確認する
  6. 1歳以下は体重1kgあたり—を目安に、1歳超は25〜50gを生理食塩液10〜20mL/kgに懸濁して経口または胃管投与
避けること・注意:①〜⑤のいずれかを満たさない場合、または反復投与が必要と判断される場合は活性炭を投与しない(搬送を検討)。
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5初期対応(体位)と中毒110番の使い方

  1. 意識障害があり嘔吐のおそれがあれば側臥位(回復体位)にする:患者さんの頭部と下あごを持ち、少し引き出して気道を確保する。右手の甲を下あごの下に入れ、安定するように体位を調節する(舌根沈下と吐物の誤嚥を防ぐ)
  2. 医療機関専用の有料電話(365日24時間・1件2,000円)にかける
  3. 物質名・摂取量の推定・摂取時刻をセットで伝える
  4. 活性炭は上の「処置・処方例」の①〜⑤をすべて満たす場合のみ投与可。胃洗浄・解毒薬の適応は物質と経過時間で変わるため相談して決める
  5. 観察時間は物質ごとに決める(相談して決める)
やってはいけない・落とし穴
  • 胃洗浄・解毒薬は自己判断で使わない(中毒110番に相談して決める)。活性炭も①〜⑤のいずれかを満たさなければ使わない
  • 電話番号・院内の支払い手順が決まっていないと夜間に使えない
  • 一般専用電話は無料だが当直医が使うのは医療機関専用(有料)
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6帰宅・入院の目安

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7診療中の疑問と回答

今は無症状なら、少量の誤飲として帰せる?
薬名だけでなく規格、残量、最大摂取可能量、時刻、徐放製剤かを確認する。少量でも重症化する物質や遅れて症状が出る製剤がある。中毒情報機関と観察時間・必要な検査を決め、無症状の一点だけで安全と判断しない。
根拠:RCH Poisoning - Acute Guidelines(海外指針)
飲んでから時間が短いので、まず活性炭を入れる?
適応は限られる。気道防御、物質の吸着性、摂取時刻、閉塞・穿孔の可能性を確認し、既存の院内基準と中毒情報機関への相談を満たす場合だけ検討する。意識が落ちる可能性を無視して経口投与せず、搬送や呼吸循環の安定化を遅らせない。
根拠:RCH Poisoning - Acute Guidelines(海外指針)
本人が少量しか飲んでいないと言う。検査正常なら帰宅?
意図的摂取では量の申告だけで判断せず、併用薬・市販薬も確認し遅発毒性を評価する。医学的観察が終わっても自傷リスク、家庭の安全、精神面の評価が必要である。低毒性の製品でも、帰宅後の安全を確保する計画なしに退院させない。
根拠:RCH Poisoning - Acute Guidelines(海外指針)
吐かせていい?
いけない。吐物が気管に入る危険がある(家庭でも医療機関でも同じ)。
水や牛乳を飲ませていい?
物質による。石油製品・たばこ・防虫剤には飲ませない。防虫剤には牛乳が厳禁。酸性・アルカリ性製品や界面活性剤製品、乾燥剤は飲ませてよい。
摂取量が分からないときは?
残っている量から推定する。製品そのものを持ってきてもらう。
年長児で自分から飲んだ可能性があるときは?
毒性が低くても、意図的な摂取(自傷)が疑われれば帰宅としない。精神科的評価を要する。
活性炭は当直医の判断で使える?
①意識清明・気道防御良好で今後も失われるおそれが低い、②腸閉塞・消化管穿孔の所見なし、③摂取後1時間以内(遅くとも1〜2時間以内)、④除外物質に該当しない、⑤投与前に中毒110番へ相談——の①〜⑤をすべて満たす場合のみ投与できる。たばこ・防虫剤は除外物質に含まれない(活性炭を使ってよい)。満たさなければ投与せず搬送を検討する。
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9家族への説明

飲んだものによって、やってよい対応がまったく違います。吐かせないでください。飲ませてよい飲みものと、飲ませると悪化するものがあるので、自己判断で何かを飲ませないでください。飲んだものと同じ製品、容器、説明書を持ってきてください。残っている量から、どれだけ飲んだかを推定します。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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