10-22発達の検査(スクリーニング)
M-CHAT-R/F・遠城寺式など使い分け
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次6項目
1ポイント
- 乳幼児の「発達が心配」という主訴だけでいきなり専門検査に飛ばず、まず外来で使える一般スクリーニング(M-CHAT-R/F・遠城寺式・KIDS・津守式・ASQ-3)から入る。新版K式・PARS-TRは専門職が実施する精査系。
- M-CHAT-R/Fは生後16〜30か月に限り有効な2段階ツール。点数ごとの対応は次の表のとおり。
- フォローアップ面接で2項目以上「FAIL」ならスクリーニング陽性=要精査(診断確定ではない)。
- 退行(できていたことができなくなった)は通常のスクリーニングと同列に扱わない。問診で必ず個別に聴取する。
- M-CHAT-R/Fの項目・順序・指示文は改変しない(院内独自の簡易版を作らない)。中リスクでのフォローアップ面接省略、DQ・IQの数字だけでの説明、使用中の版(20項目版か23項目版か)を確認しない採点はしない。
2M-CHAT-R/Fのスコアリング(第1段階20項目)
| 低リスク(軽度) | 0〜2点 | それ以上の対応は不要。ただし24か月未満は24か月時に再スクリーニング |
|---|---|---|
| 中リスク(中等度) | 3〜7点 | 第2段階:M-CHAT-R/Fフォローアップ面接を実施 |
| 高リスク(重度) | 8〜20点 | フォローアップ面接を省略し、直ちに診断的評価・早期介入の適格評価へ |
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3検査
- M-CHAT-R/F(16〜30か月):保護者記入20項目。第2段階フォローアップ面接で2項目以上FAILなら陽性
- 遠城寺式乳幼児分析的発達検査(0か月〜4歳8か月):移動運動・手の運動(運動系)、基本的習慣・対人関係(社会性系)、発語・言語理解(言語系)の3系6領域。DQ=(発達年齢/生活年齢)×100
- KIDS乳幼児発達スケール:年齢帯でタイプA〜Tに分かれ、タイプB・Tは9領域、タイプCは8領域、タイプAは6領域
- 津守・稲毛式乳幼児精神発達診断(0歳〜7歳):養育者記入の質問紙
- ASQ-3日本語版(生後1〜66か月):保護者が自己記入できる5領域スクリーニング
- 新版K式発達検査2020(0歳〜成人):専門職(臨床心理士等)に依頼。小児科医の役割はオーダーと結果の解釈まで
- PARS-TR(3歳以上が主対象):専門知識をもつ評定者が養育者に面接。診断ツールではない
- DENVER II(0〜6歳):DQのような数量指数は出せない。国内での採用は施設によりばらつきがある
- 学童の不注意・多動の相談はADHDの外来評価へ。家庭・学校の情報と診察を基本に、WISCは認知・学習支援、PARS-TRはASD特性の評価に選ぶ。全例の必須セットにはしない。
4診療中の疑問と回答
- M-CHAT-Rが中等度リスクならすぐ陽性としてよい?
- 合計3〜7点は、点がついた項目について規定のFollow-Upを行う。追加面接後も2項目以上が陽性なら発達評価と早期支援へ紹介する。質問の省略や独自の言い換えで判定を変えず、面接を実施できない場合も懸念を放置しない。
根拠:M-CHAT-R/F 公式採点手順 - 高リスクのとき追加面接を待つ必要はある?
- 合計8〜20点ならFollow-Upを省略して、診断評価と早期支援へ直接つなげられる。スクリーニング陽性は自閉スペクトラム症の確定診断ではないと説明し、紹介状には言語や対人反応、退行など実際の懸念も記載する。
根拠:M-CHAT-R/F 公式採点手順 - 低リスクなら今後の健診だけでよい?
- 0〜2点でも、診察や保護者の相談に発達上の懸念があれば評価への紹介を考える。2歳未満で低リスクだった場合は24か月以降に再スクリーニングする。点数が低いことを理由に、聴力や言語発達の相談を打ち切らない。
根拠:M-CHAT-R/F 公式採点手順
- M-CHAT陽性はASD確定?
- 確定ではない。要精査のサイン。フォローアップ面接で2項目以上FAILなら陽性=紹介対象。
- 16か月未満・30か月超の子にM-CHATを使っていい?
- 適用月齢外。杓子定規に使うと精度が落ちる。年齢を確認してから使う。
- 低リスク(0〜2点)なら安心?
- 24か月未満なら24か月時の再スクリーニングが前提。1回の陰性で終わらせない。
- ADHD疑いではWISCとPARS-TRを両方行う?
- 全例に両方を必須とはしない。家庭・学校の情報と臨床評価を基本に、認知・学習支援が必要ならWISC、ASDが疑われるならPARS-TRを選ぶ。ADHDの外来評価を参照。
6家族への説明
この説明ページに、今日の判断と受診の目安がまとまっています。当てはまるサインがあれば様子を見続けずに連絡してください。
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