7-6 耳・鼻の異物

緊急

7-6耳・鼻の異物

ボタン電池・磁石・虫・ビーズ
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次7項目

ページ内目次

1ポイント

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2検査

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3当院での摘出(学会が示す家庭と同じ範囲に限る)

  1. まずボタン電池か、磁石が2個以上かを確認する(視診、必要ならX線)。疑いがあれば気づいた時刻を記録し、以降の操作を増やさない。
  2. 体位を整える:仰臥位で患側の耳・鼻が見やすい向きに頭を固定する。不安が強ければ保護者の膝の上に座らせ、保護者の両大腿で患児の両下肢を挟み、両上肢で体幹を抱えて固定してもらう
  3. 耳鏡・前鼻鏡(あれば内視鏡)+光源(ヘッドライト等)で異物と鼓膜の状態を確認する。水に濡れた形跡のあるビーズ(PVA製など)には触れない
  4. 耳のBB弾・ビーズ等:鼓膜が見えて接着がなければ、耳介を後上方に引っ張って耳を下向きにし、反対側の側頭部を軽く叩く
  5. 耳の虫:鼓膜が見えて穿孔を疑わなければ、オリーブ油などの植物性油を外耳道に入れて殺虫だけ行い、器具で摘出しない。鼓膜が見えない・穿孔を疑うときは油も入れない。どちらも耳鼻咽喉科へ(院内方針院内)
  6. 鼻のBB弾・ビーズ等:詰まっていない側の鼻を指で軽く押さえ、強く鼻をかませる
  7. この3つ以外の方法(鑷子・フックなど器具を使った摘出、洗浄、陽圧法など)は当院では行わない。試みは1回だけとし、取れなければそれ以上追加しない。無理に押し込むと悪化する
やってはいけない・落とし穴
  • ボタン電池・複数磁石・鼓膜近接や接着・出血・気道症状があれば、それ以上の摘出操作をせず直ちに耳鼻咽喉科へ
  • 水で膨張・接着するビーズ玩具(PVA製など)の耳内異物は点耳薬・耳洗浄をせず、当直では全例耳鼻咽喉科へ紹介する(鼓膜穿孔のリスク)
  • 鎮静下での摘出は家庭と同じ範囲を超えるため行わない。鎮静で咽頭反射が弱まると、鼻腔異物が気道に落ち込むリスクが増えることも知られている
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4帰宅・入院の目安

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5診療中の疑問と回答

見えている鼻の異物なら何回か摘出を試してよい?
最初の試行が最も成功しやすい。材質、深さ、出血と協力の可否を確認し、当院の一回のみという方針を守る。失敗、奥への移動、出血があれば反復せず耳鼻科へ。強い咳や呼吸症状が出たら気道に落ちた可能性を優先する。
根拠:Queensland 小児鼻腔異物救急指針
ボタン電池や磁石でも翌日の耳鼻科でよい?
鼻・耳のボタン電池は時間とともに組織障害が進むため直ちに摘出可能な施設へ相談する。左右の鼻にある磁石や複数個の磁石は鼻中隔を挟む危険がある。通常の異物と同じ待機紹介にせず、追加の家庭処置を勧めない。
根拠:Queensland 小児鼻腔異物救急指針
鼻から取れた後は確認せず帰してよい?
異物が全部取れたか、粘膜損傷・出血と残存物を確認する。悪臭鼻汁や片側の鼻閉が続けば残存や別の病変を考える。電池や磁石では取り出せても組織損傷の追跡が必要で、耳鼻科の再診計画を共有する。
根拠:Queensland 小児鼻腔異物救急指針
家庭でやるのと同じ方法を当院で試みてよいか?
学会が示す家庭と同じ範囲の方法に限り、医療者が1回だけ試みてよい。取れなければ搬送・紹介する。
ボタン電池はどれくらい急ぐか?
時間がたつほど組織障害が進む(電流が周囲の組織を傷つける機序は鼻・耳を問わない)。鼻腔異物では摘出まで4時間だった症例でも鼻中隔穿孔をおこした例がある。
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7家族への説明

耳や鼻に入ったものの種類によって、急いで取り出す必要があるものと、少し様子を見てよいものがあります。ボタン電池と、磁石が複数入っている場合は急いで取り出す側です。ボタン電池は短い時間しか入っていなくても周りの組織を傷つけることがあります。当院ではこの摘出ができないので、できる病院にすぐお願いします。ご家庭では、綿棒やピンセットなどで無理に取り出そうとしないでください。かえって奥に入ってしまうことがあります。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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