5-10急性膵炎・胆道疾患
すいえん・たんせき・胆嚢炎
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 上腹部痛、背部への痛み、嘔吐を確認する。黄疸や発熱は胆道閉塞・感染の手がかりとなる。[1][2]
- 循環不全、低酸素、尿量低下または黄疸を伴う発熱:臓器障害/胆道感染を考えて入院評価し、消化器・外科と救急対応を開始する。[1][2]
- 循環・尿量を追って輸液と鎮痛を調整し、禁忌がなければ軽症では早期の経口/経腸栄養を検討する。[1]
2鑑別のながれ
- 上腹部痛+嘔吐→リパーゼ等上昇、画像が膵炎に適合→急性膵炎の診断組合せを確認する。[1]
- 右上腹部痛+黄疸/発熱→胆石や胆管拡張→胆道閉塞/胆嚢炎・胆管炎を評価し専門介入を相談する。[2]
3検査
- 小児急性膵炎は典型的腹痛、膵酵素の有意上昇、適合する画像のうち2項目で診断する。初回は肝胆道系、Ca、中性脂肪も評価する。[1]
- 初期画像は腹部エコーを検討し、複雑例や原因に応じて追加画像・専門的内視鏡を選ぶ。[1]
4対応の注意
避けること・注意:無菌性膵炎に予防抗菌薬を一律投与しない。長期絶食を全例の標準とせず、輸液量も一律に固定しない。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 循環・尿量を追って輸液と鎮痛を調整し、禁忌がなければ軽症では早期の経口/経腸栄養を検討する。[1]
- 胆道閉塞や胆石性膵炎ではERCP・胆嚢手術の適応/時期を専門医と判断する。[1][2]
フォローと再評価
- 再発の有無と原因、栄養・疼痛、胆石処置計画を退院前に確認する。[1][2]
根拠と適用範囲
- NASPGHAN Management of Acute Pancreatitis in the Pediatric Population:2018小児clinical report。成人外挿/専門家意見を含む
- NASPGHAN GIKids Gallstones:学会患者資料、小児胆石の無症候/症候性・合併症
6帰宅・入院の目安
- 帰宅無症候性胆石は合併症・閉塞の有無を確認し、専門医と外来経過観察を検討する。[2]
- 入院急性膵炎の初期や胆嚢炎/閉塞、摂取不能、全身不良は入院管理を検討する。[1][2]
- 搬送・紹介消化器・小児外科へ連携し、再発膵炎や構造異常は追加の原因評価を行う。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 膵酵素が高ければ、腹痛の原因は膵炎で確定?
- 小児急性膵炎は典型的腹痛、膵酵素が正常上限の3倍以上、適合する画像所見のうち2項目以上で判断する。酵素上昇だけで確定せず、薬剤、外傷、胆道疾患など原因を確認する。全身状態が悪い場合は画像確定を待たず入院・専門評価を進める。
根拠:NASPGHAN 小児急性膵炎clinical report(海外) / NASPGHAN GIKids 胆石 - 酵素が正常になるまで絶食を続ける?
- 軽症では嘔吐や疼痛、全身状態を見ながら早期の経口・経腸栄養を検討する。酵素の正常化だけを再開条件にしない。輸液と鎮痛を調整し、飲めない状態や臓器障害が続けば専門医へ相談する。全例で長期絶食や静脈栄養を標準化しない。
根拠:NASPGHAN 小児急性膵炎clinical report(海外) / NASPGHAN GIKids 胆石 - 発熱がある膵炎には予防的に抗菌薬を出す?
- 無菌性膵炎そのものに一律の予防抗菌薬を投与しない。胆管炎、感染性合併症、他の感染源を評価して適応を決める。黄疸と発熱、胆道閉塞が疑われる場合は抗菌薬だけで完結させず、胆道の処置が可能な消化器・外科へ早期に相談する。
根拠:NASPGHAN 小児急性膵炎clinical report(海外) / NASPGHAN GIKids 胆石
8家族への説明
痛みを抑えるだけでなく膵臓と胆汁の通り道を調べる。熱や黄疸、強い痛みが出たら早く受診する。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。