4-1BRUE(乳児の短時間の危急事態)・無呼吸発作
来院時にはもう元気、が定義
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
BRUEの観察・リスク再評価の診療パスを開く
このページの目次8項目
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1ポイント
- 来院時にはもう元気。それがこの病態の定義。「今は普通だから帰す」でなく、低リスクの条件を全部満たすかを確認してから判断する。
- 低リスクの条件は7つ。ひとつでも外れたら低リスクではない。
- 低リスクなら、不必要な検査や入院を避けることが推奨されている。むやみに検査を並べない。
- 低リスクでないなら、背景に虐待・代謝疾患・不整脈がありうる。身体診察だけでは拾えない。
↑ このページの入口へ2鑑別のながれ
- 生後60日以下→未熟性・在胎32週未満・修正在胎45週未満も同様→低リスクではない。入院での評価を検討
- 同様の出来事を繰り返す・群発・懸念される家族歴→持続1分以上・専門家のCPRを要した→低リスクではない。不整脈・代謝疾患・虐待を必ず当たる
- 打撲痕がある・受傷機転が説明されない→眼底検査・全身骨X線で拾う所見→虐待を疑う
- 心雑音・頻脈・徐脈→心電図で確認→WPW症候群・QT延長症候群・上室頻拍・心室頻拍
- 低血糖→可能なら補正前にクリティカルサンプルを採取。ブドウ糖投与を遅らせない→脂肪酸代謝異常症も考慮
- 代謝性アシドーシス→ショック以外の原因を考える→有機酸代謝異常症などの代謝疾患も考える
- 意識障害・痙攣があった→アンモニア値を確認する→代謝性疾患を考慮
- 発作性の動きがあった→脳波で評価→てんかん(けいれん重積も考慮)
- 鼻汁・咳が先行→乳児の百日咳は無呼吸で来る→RSV・百日咳
- 授乳・嘔吐との時間的関係がある→授乳中のむせ・嚥下・気道症状を詳しく確認→嚥下障害・誤嚥・気道の問題を評価。逆流だけで説明したと決めず、症状に応じて専門評価
↑ このページの入口へ3計算・スコア
スコア
BRUE 低リスクの7条件
↑ このページの入口へ4検査
- 定義: 1歳未満の乳児で、チアノーゼ/蒼白・呼吸休止/低呼吸/不規則な呼吸・筋緊張の著明な変化・反応レベルの変化のいずれかが突然発症し短時間で回復、かつ適切な病歴確認と診察で事態を説明し得る状況を何も認めない
- 低リスクの7条件: 生後60日を超えている/未熟性がない(在胎32週以上、修正在胎45週以上)/初めての発症(過去の同様の出来事なし、群発なし)/持続時間1分未満/専門家による心肺蘇生を要していない/懸念される病歴がない/診察上懸念される所見がない
- 低リスクでない場合の検査体系: 血算・生化学(低血糖・アンモニア)・血液ガス(代謝性アシドーシス)・全身骨X線・頭部/頸胸部CT・MRI・心エコー・脳波・心電図・眼底検査 等(一律に行うものではない)
↑ このページの入口へ5帰宅・入院の目安
- 帰宅低リスクの7条件をすべて満たす。過剰な検査をせず、再発時の受診条件を渡して観察
- 入院低リスクでない(モニタ下の観察が要る。当院で対応できなければ送る)、虐待を疑う(眼底・全身骨X線・頭部画像が要る。当院で揃わなければ送る)
- 搬送・紹介繰り返す・CPRを要した(持てない。モニタリングと精査ができる施設へ)、不整脈(WPW症候群・QT延長症候群・上室頻拍・心室頻拍など)を疑う場合は小児循環器へ紹介
↑ このページの入口へ6診療中の疑問と回答
- 哺乳中にむせて色が変わった。BRUEとして検査する?
- BRUEは診察と病歴で説明がつかない短いイベントを指す。哺乳との関連、むせ、吐物、体位を詳しく聞き、呼吸・嚥下など説明できる病態を評価する。原因がある事象をBRUEと呼ばず、反復や体重増加不良があればその病態に応じた評価へ進む。
根拠:RCH BRUE(海外指針) - 今は元気でも生後1か月なら、低リスク経路で帰宅できる?
- できない。年齢を含む低リスク条件をすべて満たす必要がある。低リスクから外れるだけで全検査を一律に行うのではなく、感染、不整脈、虐待、代謝異常などを病歴・診察から選択的に評価し、小児科へ相談して観察・入院の必要性を決める。
根拠:RCH BRUE(海外指針) - 低リスクで帰すとき、逆流の薬や家庭モニターを出す?
- 原因不明のイベントだけを根拠に、逆流の薬や家庭心肺モニターを一律に導入しない。観察中に再発がないかを確認し、再発時の救急要請、安全な睡眠環境、保護者の不安と蘇生教育を相談する。フォロー先と時期を決め、原因を説明できないまま安心だけを伝えない。
根拠:RCH BRUE(海外指針)
- 低リスクの条件を一つでも外れたら?
- 低リスクではないと扱う。虐待・代謝疾患・不整脈を必ず当たる。
- 低リスクなら検査は要らない?
- 不必要な検査や入院を避けることが推奨されている。低リスク例に一律の検査は行わない。
↑ このページの入口へ8家族への説明
赤ちゃんが一時的に色が変わった・息が止まった・ぐったりしたように見えた、という出来事です。いま診察では異常がありませんが、原因が分からないことが特徴なので、危険な条件に当てはまらないかを確認します。おうちに帰ってから、同じことがもう一度あった・色が悪い・息をしていない時間がある・ぐったりして起きない、このどれかがあれば、すぐに来てください。そのときの様子(何秒くらいか、色はどうか、体は硬かったか柔らかかったか)を覚えておいてください。