12-10 採血・末梢ルート確保(取れないときの判断)

緊急

12-10採血・末梢ルート確保(取れないときの判断)

いつ諦めて骨髄路・応援に切り替えるか
β版 · 紙面の最終確認 2026-09-28

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次8項目

ページ内目次

1ポイント

2鑑別のながれ

3検査

4対応の注意

避けること・注意:抗菌薬を先に入れて培養を出せなくする、点滴側から採血して希釈・電解質の偽値を出す、時間の上限を決めずに末梢に固執する、細い針での強い陰圧(K・LDH偽高値の原因)、血液培養のコンタミ(鼠径部を避け十分に消毒)。

5骨髄路(末梢が取れないとき)

  1. 適応:全年齢で緊急に輸液ライン確保が必要かつ血管確保が困難な場合(心停止・ショック・広範な火傷/外傷など)。上肢・下肢で末梢が取れないときに限り選択肢。使えるかは施設の在庫・当直医の習熟次第
  2. 禁忌:穿刺する長管骨の骨折・穿通、穿刺部位の感染(蜂窩織炎・骨髄炎など)は絶対禁忌。骨形成不全症・骨粗鬆症は相対禁忌
  3. 部位・針:2歳以下は脛骨近位側または腓骨遠位側に18Gまたは16G、3〜5歳は同部位に16Gまたは15.5G、6歳以降は腓骨遠位側に15.5G
  4. 穿刺部位を確認し、ポビドンヨードで十分に消毒する
  5. 利き手でないほうの手で穿刺する足を固定する。穿刺部位の真裏に手を添えない
  6. 利き手で針を持ち、力を込めて回転させながら垂直方向に穿刺する。回転の軸を保ち針を揺らさない
  7. 骨の皮質を抜けると急に抵抗がなくなる。そこで穿刺をやめ内筒を抜く
  8. シリンジを接続して吸引し骨髄液がひけるか確認する。ひけない場合は生理食塩液を少量注入し漏れがないことを確認する
  9. 確保できたら輸液ラインをつなぎ固定する。薬剤投与の前後は生理食塩液でラインをフラッシュする
  10. 留置は24時間以内に抜去する(長期留置には適さない)
  11. 確保後は速やかに静脈路へ移行を検討する
やってはいけない・落とし穴
  • 合併症:骨折・コンパートメント症候群・骨髄炎・骨片や脂肪による塞栓

6帰宅・入院の目安

7Q&A

末梢が取れないとき、何分粘ってよい?
敗血症性ショック・重症では5分以内に静脈路・骨髄路を確保する。取れなければ骨髄路。
抗菌薬を先に入れてから培養を採ってもよい?
だめ。培養が出なくなる。採血→抗菌薬の順を守る。ただしそのために抗菌薬投与が遅れないようにする。
小児の採血量に上限はある?
ある。血液培養は全血液量の1%を超えないようにすべきとされ、目安は体重あたり0.8mL/kg。貧血のある児・新生児・繰り返し採血する児では累積量を意識する。今日どうしても要る項目を先に絞る。
何回まで試してよい?
同一者2回まで、合計3回で交代する。それでも取れなければ骨髄路・応援要請を検討する。
末梢が上肢・下肢で取れないとき、頭皮に刺してよい?
上肢・下肢での確保が困難な場合に限り、頭皮静脈を選択肢とする。
乳児の痛み対策は何を使う?
生後〜数か月の乳児にはショ糖水を用いた非薬物的鎮痛を標準で使う。
末梢が取れないとき、エコーガイド下穿刺を試してよい?
当直帯にエコーガイド下穿刺は使えない。取れないときの選択肢は骨髄路・人を替える・搬送の3つに限られる。

8家族への説明

お子さんの血管は細く、こわがって動くこともあるため、一度で入らないことがあります。そのときは、むやみに続けず、人を替えたり、方法を変えたりします。痛みをやわらげる方法も用意していますので、遠慮なくお申し出ください。そばにいていただくか、外で待っていただくかは、お母さん・お父さんが選んでかまいません。どちらでもお子さんのためになります。また、必要な検査だけに絞って採血します。小さなお子さんは採れる血液の量に限りがあるためです。

詳しい根拠・出典は 本文の出典欄を参照。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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