6-6遺伝性血管性浮腫
いでんせいけっかんせいふしゅ・HAE・C1インヒビター・ブラジキニン
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 反復する皮膚/粘膜浮腫、腹痛発作、家族歴、蕁麻疹や抗アレルギー治療への反応を聴く。家族歴がなくても否定できない。[1][2]
- 嗄声、喉頭違和感、呼吸困難等の気道症状:気道専門チームを直ちに呼び、早期気道確保を検討する。診断・採血結果待ちにせず、国内適応・年齢・個別緊急計画に沿うC1-INH製剤等の発作治療を直ちに確保・投与する。在庫がなければ投与可能施設へ緊急搬送を調整する。[1][2]
- 急性発作はC1-INH製剤等によるオンデマンド治療を国内適応・年齢・個別計画に沿い直ちに手配する。ブラジキニン性浮腫には抗ヒスタミン薬・ステロイド・アドレナリンの効果を期待しない。ただしアナフィラキシーを除外できない急性例では筋注アドレナリンを遅らせない。疑い例は免疫/アレルギー専門へつなぎ、確定例は発作薬へのアクセスと家族教育、短期/長期予防を個別に整える。[1][2]
2鑑別のながれ
- 反復浮腫→蕁麻疹、家族歴、経過と治療反応→ヒスタミン性とブラジキニン性を鑑別するが単独所見で断定しない。[1][2]
- 反復する急な腹痛→浮腫の既往や家族歴→HAEを鑑別に加えつつ外科疾患等を評価する。[1][2]
3検査
- C4、C1-INH活性・量を専門医と評価し、異常結果は再確認。C4正常だけで除外しない。乳児の補体系は年齢特性を考慮する。[1][2]
4対応の注意
避けること・注意:喉頭発作を抗ヒスタミン薬/ステロイドの反応待ちにしない。ただし病態未確定のアナフィラキシーが疑われる場面でアドレナリンを遅らせる理由にはしない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 急性発作はC1-INH製剤等によるオンデマンド治療を国内適応・年齢・個別計画に沿い直ちに手配する。ブラジキニン性浮腫には抗ヒスタミン薬・ステロイド・アドレナリンの効果を期待しない。ただしアナフィラキシーを除外できない急性例では筋注アドレナリンを遅らせない。疑い例は免疫/アレルギー専門へつなぎ、確定例は発作薬へのアクセスと家族教育、短期/長期予防を個別に整える。[1][2]
フォローと再評価
- 発作頻度・重症度、薬へのアクセス、学校/生活への影響を確認し予防計画を更新する。[1][2]
根拠と適用範囲
- 日本補体学会 HAE診療ガイドライン2023:国内診断、正常C4の限界、家族検査と急性/予防治療。薬剤適応は更新があり得る。
- WAO 2025 Guidelines for HAE:2025年版国際GL。直接HTTPで本文取得し病態・小児・診断・発作対応を確認。世界の承認差に注意。
6帰宅・入院の目安
- 帰宅気道症状がなく安定し、発作対応計画と専門フォローが確保された場合に個別判断。[1][2]
- 入院気道発作、循環不安定、強い腹部症状や診断不確実性は急性期で監視/治療。[1][2]
- 搬送・紹介小児アレルギー/免疫、気道管理担当。家族スクリーニングも専門相談。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 抗ヒスタミン薬が効かない腫れは、薬を増やす?
- 膨疹を伴わない反復性浮腫、腹痛発作、家族歴を確認し、ブラジキニン性浮腫を考える。家族歴がなくても除外せず補体・C1インヒビターの評価を専門医へ相談する。喉頭症状は検査結果を待たず気道管理と発作治療薬の確保を優先する。
根拠:日本補体学会 HAE診療ガイドライン2023 - 歯科処置の前に、いつもどおり受診してよい?
- 抜歯などの口腔内処置や挿管は発作の誘因になり得る。予定が決まった段階でHAE担当医と短期予防の要否を相談し、処置場所で発作治療・気道管理が可能か確認する。平時に無症状でも、本人の救急計画と治療薬へのアクセスを準備する。
根拠:日本補体学会 HAE診療ガイドライン2023 - 発作が減ったら長期予防を中止できる?
- 発作数だけでなく喉頭発作歴、重症度、学校生活、発作薬を使う負担を評価する。予防中にも発作は起こり得るため緊急薬を不要としない。年齢と国内適応、家族の希望を踏まえ専門医が予防継続を定期評価し、自己判断の中断を避ける。
根拠:日本補体学会 HAE診療ガイドライン2023
8家族への説明
家族内で症状の強さや部位は異なる。学校や歯科処置を含め、発作時の連絡先と使える治療をあらかじめ確認する。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。