12-1 おなかのレントゲン

緊急

12-1おなかのレントゲン

便秘・イレウス・遊離ガス・異物
β版 · 紙面の最終確認 2026-09-27

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次8項目

ページ内目次

1ポイント

2鑑別のながれ

3異物の緊急度(NASPGHAN分類の要約)

中等症胃・小腸内の無症状ボタン電池(5歳未満かつ電池径20mm以上)Urgent扱い。連続X線で移動を確認し、移動していれば経過観察でよい。胃内に48時間停滞していれば内視鏡的摘出目的の紹介を検討する
中等症胃・小腸内の無症状の単数磁石Urgent(電池ほどの秒読みではないが経過を追う)
重症食道内のボタン電池(有症状/無症状問わず)、食道内で有症状の磁石、胃・小腸内で有症状の単数磁石2時間以内目安で緊急対応
最重症磁石が複数個、または磁石+金属で隣接Multiple magnet protocolを適用(無症状でも緊急)

4検査

5腹部X線の撮り方(free air確認・異物確認)

  1. 立位で撮影する(横隔膜下の遊離ガス=free airを確認する基本体位)
  2. 立位が困難なら左側臥位(decubitus位)とし、遊離ガスが腹壁と肝表面の間に移動するまで数分(4〜5分程度)待ってから撮影する
  3. 異物(コイン様物・ボタン電池・磁石)を疑うときはPA(正面)と側面の2方向で撮影し、個数・向きを確認する
  4. 臨床的にイレウスを強く疑うのに所見がなければ、2〜3時間後に再撮影する
やってはいけない・落とし穴
  • free air診断精度は概ね70〜80%。陰性でも臨床的に強く疑うなら穿孔を否定しない
  • 複数の磁石が密着していると1個の陰影に見えることがある。必ず2方向で個数を確認する
  • ボタン電池はPA像の二重の輪郭(double halo sign)、側面像の正極・負極のズレ(step-off sign)を確認し、円形陰影をコインと即断しない

6帰宅・入院の目安

7Q&A

X線が正常なら便秘は軽いと言える?
言えない。便貯留スコアは観察者間信頼性にばらつきがあり、臨床的便秘診断児の20%超で偽陰性になりうる。
ボタン電池は症状が無ければ様子を見ていい?
見ない。食道内であれば無症状でも2時間以内目安の超緊急として扱う。
円形陰影が見えたらコインと判断していい?
しない。double halo signとstep-off signを毎回確認し、ボタン電池を除外する。

8家族への説明

ボタン電池(時計や体温計、リモコンなどの小さい電池)を飲み込んだ可能性が少しでもあれば、症状がなくてもすぐに受診してください。様子を見ないでください。磁石のおもちゃを2個以上(または磁石と金属を一緒に)飲み込んだ可能性があるときも、症状がなくてもすぐに受診してください。お腹の中で磁石同士がくっついて腸に穴が開くことがあります。

詳しい根拠・出典は 詳細リファレンス へ

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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