5-3 周期性嘔吐症(自家中毒・アセトン血性嘔吐)

緊急

5-3周期性嘔吐症(自家中毒・アセトン血性嘔吐)

初回・非典型はDKA・頭蓋内圧亢進・消化管閉塞を除外
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3対応の緊急度

119意識変容、項部硬直、ショック直ちに上級医コール・救急対応
緊急胆汁性嘔吐・板状腹・経口不可外科・上級医へ相談
当日発作が長引く、尿が減る経過観察を強化し早期再受診
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4検査

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5処置・処方例

Rp. 1ブドウ糖・糖分を含む水分(ジュース・OS-1・砂糖水等) ティースプーン程度から少量頻回に、嘔吐がなければ漸増する 経口
軽症(経口摂取が部分的に可能、脱水が軽度)
  1. ティースプーン1杯程度から少量ずつ与える
  2. 嘔吐がなければ少しずつ量を増やす(漸増)
  3. 脂肪分の多い食事は数日控える
  4. 安心感を与え、休息(睡眠)させる
Rp. 2ドンペリドン(ナウゼリン坐剤) 3歳未満10mg/3歳以上30mgを1日2〜3回(年齢帯での規定、個別処方値は診察時に判断) 坐剤
消化管出血・イレウス・穿孔、プロラクチン分泌性下垂体腫瘍のある患者には禁忌。消化管閉塞の除外が投与前提
  1. 投与前に胆汁性嘔吐・腹部膨満・排便排ガス停止がないか確認する(消化管閉塞の除外)
  2. 3歳未満:ナウゼリン坐剤10(10mg)を1回1個、肛門から挿入
  3. 3歳以上:ナウゼリン坐剤30(30mg)を1回1個、肛門から挿入
  4. 1日2〜3回まで(間隔・回数は診察時に判断)
  5. 錐体外路症状(後屈頸・眼球側方発作等)のリスクがある。1歳以下の乳児は用量に特に注意し、3歳以下の乳幼児は7日以上の連用を避ける
Rp. 3ブドウ糖加電解質液(維持輸液。例:ソリタ-T3号相当=Na 35mEq/L・K 20mEq/L・ブドウ糖4.3%) 体重あたりの必要維持量に脱水補正分を加味して算定(個別の速度・組成は診察時に判断) 点滴
中等症〜重症(嘔吐が持続し経口摂取が困難、または中等度以上の脱水)は経口摂取を中止しこれを第一選択とする。既知の周期性嘔吐症で同じ発作型なら当院で開始し夜間入院できる
  1. 経口摂取を中止し、末梢静脈ルートを確保する
  2. ブドウ糖加電解質液(例:ソリタ-T3号相当、Na 35mEq/L・K 20mEq/L・ブドウ糖4.3%)を投与する
  3. 投与速度は体重あたりの必要維持量に脱水補正分を加味して算定する。個別の速度・組成は診察時に判断する(院内輸液プロトコル)
  4. ブドウ糖投与でケトーシスの原因である相対的飢餓状態が是正され、嘔吐は輸液開始後に比較的速やかに軽快することが多い
避けること・注意:消化管閉塞を除外せずにドンペリドン等の制吐薬を投与しない。低血糖の存在を確認せず経口摂取のみを促し続けない(低血糖脳症のリスク)。初発・非典型例を機械的に「いつもの自家中毒」と決め打ちしてDKA・代謝疾患のスクリーニングを省略しない。オンダンセトロン等の5-HT3受容体拮抗薬は国内適応外(周期性嘔吐症・自家中毒への適応なし)で、当院は院内原則使用しない方針(院内方針院内)。
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6帰宅・入院の目安

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7診療中の疑問と回答

いつもの自家中毒なら検査せず補液してよい?
今回の年齢・誘因・持続時間・間欠期の状態が過去と同じか確認する。発熱、持続する頭痛、胆汁性嘔吐、多尿多飲、成長不良は診断を見直す所見。低血糖と脱水を評価し、初発や非典型の嘔吐を周期性嘔吐と決めつけない。
根拠:RCH Vomiting(非典型嘔吐の再評価)
制吐薬で止まったので帰宅でよい?
嘔吐が止まっても閉塞や頭蓋内病変は除外できない。腹部所見、頭痛・神経所見、血糖、飲水を再評価する。国内適応と院内方針院内を確認し、制吐薬への反応だけで追加薬や帰宅を決めない。胆汁性嘔吐・意識障害は救急対応する。
根拠:RCH Vomiting(非典型嘔吐の再評価)
補液でよくなったが、どこまで確認して退院する?
経口摂取が再開でき、循環と低血糖が安定したか確認する。重篤な原因を除外または追跡できる計画があり、家族が早期補水と再受診条件を理解していることが必要。嘔吐型が変わる、夜間・早朝の頭痛、緑色の嘔吐、尿量低下は再評価する。
根拠:RCH Vomiting(非典型嘔吐の再評価)
いつもの発作と同じに見えるが本当にそうか?
初発・非典型例(発症年齢・経過が定型から外れる、間欠期に無症状でない等)は代謝疾患を疑い、機械的に「いつもの自家中毒」と決め打ちしない。
制吐薬は使ってよいか?
消化管閉塞を除外してからドンペリドンを検討する。禁忌(消化管出血・イレウス・穿孔・プロラクチン分泌性下垂体腫瘍)の確認が前提。
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9家族への説明

いつもの発作でも、意識がおかしい、胆汁、お腹が板のように硬い、水分が取れないときは、いつもの薬で待たずに連絡してください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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