5-16 肛門周囲膿瘍・裂肛

緊急

5-16肛門周囲膿瘍・裂肛

乳児痔瘻は珍しくない・切開排膿は外科へ
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4処置・処方例

Rp. 1裂肛・痔核の局所治療薬(例:強力ポステリザン軟膏、ポステリザンF坐薬。ステロイド配合) 軟膏は1日1〜3回塗布または注入、坐薬は1回1個を1日1〜3回挿肛。いずれも痛み・出血の症状がなくなるまで 外用(軟膏・坐薬)
対象は年長児のみ。乳児(本シートが対象とする生後1か月前後〜1歳位)には使用しない——医学書の処方例は年長児向けで、乳児での使用実績は本シートで確認していない。ステロイド薬を含むため長期使用はしない。採用品で確認
  1. 乳児には使用しない。対象は年長児のみ(医学書の処方例は年長児向けで、乳児での使用実績は未確認)
  2. 排便後に肛門周囲を清潔にする
  3. 軟膏は1日1〜3回、少量を患部に塗布または肛門内に注入する
  4. 坐薬は1回1個を1日1〜3回、排便後・寝る前を目安に挿肛する
  5. 痛み・出血の症状がなくなれば使用をやめる。ステロイド含有のため長期使用はしない
乳児痔瘻・肛門周囲膿瘍そのものへの内服抗菌薬・軟膏の適応は一次資料(学会解説)に記載がない。上の外用薬は裂肛・痔核に炎症が強いときの対症療法として医学書から補ったもので、医学書の処方例自体が年長児向けのため乳児には使わない。波動を触れる膿瘍の切開排膿は当院で行わず外科へ送る。
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5波動を触れる膿瘍への対応

  1. 波動を触れる・自壊が近い場合は排膿の適応。皮膚に小さな穴を開けて溜まっている膿を出さなければ治らない。
  2. 切開排膿は行わず外科へ送る(当院は院内外科的処置なし)。
  3. 排膿後(または排膿不要なら)下痢を止めて便性を整え、肛門の回りの皮膚を清潔に保つよう指導する。
やってはいけない・落とし穴
  • 非典型(潰瘍・浮腫状皮垂)を「いつもの乳児痔瘻」として軟膏だけで終わらせない
  • 2歳以降も残る・再発を繰り返す痔瘻を「そのうち治る」で経過観察を打ち切らない
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6帰宅・入院の目安

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7診療中の疑問と回答

硬便のあと少量の鮮血。裂肛として何を調整する?
肛門の裂傷と便性状、排便時痛を確認し、便を軟らかく保って痛みからの排便我慢を断つ。出血の量が増える、軟便でも続く、腹痛・下痢・成長不良を伴う場合は裂肛だけと決めず別の腸疾患を評価する。
根拠:GOSH Anal fissure・小児肛門症状 / 北野病院小児外科 肛門周囲膿瘍(乳児痔瘻)
肛門の赤い腫れを外用だけで追ってよい?
発熱、活気低下、波動、周囲へ広がる発赤を確認する。膿瘍は塗り薬だけでは解決しないことがあり、当院では切開排膿をせず小児外科へ紹介する。自宅で絞るよう指示せず、若年乳児の全身症状や急速な悪化は即日評価する。
根拠:GOSH Anal fissure・小児肛門症状 / 北野病院小児外科 肛門周囲膿瘍(乳児痔瘻)
何度も同じ場所が腫れる乳児では何を確認する?
排便と局所の経過を記録し、痔瘻を含め小児外科で評価する。通常の乳児痔瘻の経過だけに当てはめず、年長での発症、複数病変、潰瘍・皮垂、下痢や成長不良は炎症性腸疾患・免疫異常の評価を相談する。
根拠:GOSH Anal fissure・小児肛門症状 / 北野病院小児外科 肛門周囲膿瘍(乳児痔瘻) / CPS 小児皮膚軟部組織感染(反復性肛門周囲膿瘍)
自宅で様子を見てよい膿瘍か迷ったら?
波動を触れる・自壊が近いなら排膿が要る。当院は院内切開排膿を行わず外科へ送る。
いつまで様子を見てよいか?
多くは1〜2歳で自然に治るが、まれに2歳以上になっても残ることがあり、この時にも診察を受けるよう伝える。
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9家族への説明

おしりの周りが赤く腫れて膿を持つ状態は、赤ちゃんには珍しくありません。多くは男の子で、生後1か月から1歳ごろによく見られ、下痢やゆるい便が続いたあとに起こります。膿がたまって腫れが強いときは、皮膚に小さな穴を開けて膿を出す処置が必要になることがあります。出したあとは、下痢を治して便を整え、おしりの周りを清潔に保つことが治療の中心です。多くは1〜2歳までに自然に治りますが、繰り返したり、2歳を過ぎても残るときは、また診せてください。硬い便が原因で肛門が切れる裂肛も、赤ちゃんの血便でいちばん多い原因です。便を柔らかく保つことで治っていきます。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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