11-24微量栄養素欠乏・極端な偏食
びりょうえいようそ・偏食・壊血病・ビタミン欠乏
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 食事の全体像と摂る食品群、サプリ、除去の理由を確認し、皮膚・歯肉・目・骨・神経所見を診る。[1]
- 発達退行、意識変化、歩行困難、眼症状、けいれん:不可逆的障害を防ぐため症候性欠乏を緊急評価し、必要な補充の開始を専門医と相談する。[1][2]
- 栄養士と不足成分の補充・維持量と食事支援を計画し、摂食機能・感覚過敏・アレルギー評価を連携する。[1]
2鑑別のながれ
- 体重正常でも不調→食品群が著しく限られる→微量栄養素欠乏を否定せず食事歴と検査を組む。[1]
- 骨痛/下肢変形→低Ca/P、ALP/PTHや25OHDの異常→ビタミンD欠乏性くる病と別の骨/代謝疾患を区別する。[2]
3検査
- 血算、電解質/Ca/Mg/P、肝機能・鉄等を基本に、食事歴と所見に合ったビタミン・微量元素検査を選ぶ。[1]
- 採血への負担と必要検体量を考え、可能ならまとめて採取する。ビタミンD欠乏だけで骨病変の原因を断定しない。[1][2]
4対応の注意
避けること・注意:正常体重を欠乏の否定材料にしない。複数サプリを無調整に重ねず、栄養素同士の相互作用や過剰症を確認する。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 栄養士と不足成分の補充・維持量と食事支援を計画し、摂食機能・感覚過敏・アレルギー評価を連携する。[1]
- 補充後の症状・検査を追い、食事リスクが残る間は維持管理を続ける。病気による吸収/利用障害も再評価する。[1]
フォローと再評価
- 補充後の症状と検査、食事の種類を再評価し、摂取リスクが残る間は維持補充を検討する。[1]
根拠と適用範囲
- RCH Clinical Practice Guidelines: Micronutrient deficiency:2023年、小児の制限食・症候性欠乏
- 日本小児内分泌学会 ビタミンD欠乏性くる病・低カルシウム血症の診断の手引き:国内資料。ビタミンD欠乏の診断に限定
6帰宅・入院の目安
- 帰宅症状が安定し摂取方法と再診・再検が具体化していれば外来で支援を継続する。[1]
- 入院神経・眼・心症状、重い電解質異常、経口補充困難、栄養経路の導入が必要なら入院を検討する。[1]
- 搬送・紹介原因不明、吸収障害、摂食障害/発達特性を伴う場合は関連専門科と栄養支援へ紹介する。[1]
7診療中の疑問と回答
- 体重が正常なら、極端な偏食でも採血はいらない?
- エネルギーが足りていてもビタミン・ミネラルは欠乏し得る。食べている食品群と量、サプリ、皮膚・口腔・骨・神経症状を確認する。制限が強い児は無症状でも必要な栄養評価を検討し、採血負担に配慮して検査をまとめ、栄養士と支援を組む。
根拠:RCH 微量栄養素欠乏(海外小児指針) - 検査結果が届くまで補充を待つ?
- 意識変化、歩行困難、眼症状、けいれんなどの症候性欠乏では不可逆的障害が問題になる。必要な治療前検体を採れる範囲で確保し、専門医と補充開始を急ぐ。一方、無症状の児へ不足成分を推測して高用量サプリを重ねず、検査と食事歴に基づき選ぶ。
根拠:RCH 微量栄養素欠乏(海外小児指針) - サプリで数値が正常になれば通院終了でよい?
- 食事制限の原因と再発リスクが残っていないか確認する。補充量から維持量への変更、再検時期、食べられる食品を増やす支援を計画する。複数サプリは同じ栄養素の重複や相互作用を確認し、感覚過敏・嚥下や摂食の問題も必要な専門職へつなぐ。
根拠:RCH 微量栄養素欠乏(海外小児指針)
8家族への説明
食べる量だけでなく食品の種類を確認する。無理強いではなく、足りない成分を補い、安全に食べられる範囲を広げる。[1]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。