13-2 乳幼児健診

緊急

13-2乳幼児健診

DDH・心雑音・斜視/白色瞳孔・停留精巣を月齢ごとに拾う
β版 · 紙面の最終確認 2026-09-27

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

2鑑別のながれ

3計算・スコア

判定

乳幼児健診 — 時期別の診察項目と判定基準

どの健診か

—

判定は異常なし/要観察/要紹介(既医療含む)の3区分。公式の診察項目表・判定基準表が存在するのは3〜4か月/9〜10か月/1歳6か月/3歳の4区分だけで、1か月と6〜7か月には無い。無い回は施設の様式が実質の基準になる。

いつ使う

健診の枠に入る前に、その回で公式に見ることになっている項目と判定の線を確認する。回ごとに項目が入れ替わるので、記憶で流さない。

落とし穴
  • 回によって見る項目が違う。3歳で眼・耳鼻咽頭が加わり、9〜10か月はDDH・心雑音・斜視・停留精巣を拾い直す最後の乳児期の機会になる
  • 1か月と6〜7か月には公式の判定基準表が無い。「基準どおりに見た」と思い込まない
  • 成長曲線は帯の中なら安心・外れたら異常ではない。その子なりのカーブから急に外れていないかを見る。体重増加不良の判定は「%タイル曲線を2本下降」
  • 健診は母子健康手帳の接種歴を確認する定点観測ポイントでもある。接種漏れ・スケジュールのずれを必ず見る
出典

診察標準項目と判定基準=国立成育医療研究センター 乳幼児健康診査マニュアル。DDH=日本小児整形外科学会・日本整形外科学会「乳児健康診査における股関節脱臼二次検診の手引き」。3歳児視覚検査=日本眼科医会ほか「3歳児健診における視覚検査マニュアル」(令和3年7月)。M-CHAT日本語版。離乳=厚労省「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改定版。いずれも本シートの詳細リファレンスにURLを載せている。

4検査

5対応の注意

避けること・注意:DDHの開排制限を「男児だから硬いだけ」と決めつけて左右差を確認しない。心雑音を1回の聴診だけで判断する。停留精巣を「そのうち下りる」と手術適期を過ぎるまで経過観察する。成長曲線を数値だけカルテに記載してグラフに描かない。

6頚定・斜視・紅色反射の診かた

  1. 頚定(引き起こし反応):仰臥位の児の両手首を持つ(またはてのひらに検者の親指を握らせて手を包み込むように持つ)。ゆっくり座位まで引き起こす。判定は3条件——①腹臥位で頭を持ち上げられる/②引き起こし45度で頭が後ろに倒れない/③座位で揺らしても首が安定している
  2. 斜視スクリーニング(角膜反射法):児の顔から30cmの位置からペンライトで両方の瞳孔を照らす。瞳孔の中心に反射があれば正常
  3. 反射に左右のずれがあれば遮蔽試験を追加する:ずれていない(正常の)目を手または遮蔽板で隠し、患側の目が動くかどうかをみる
  4. 紅色反射(Red reflex法):児の瞳孔から50cmの位置から直像鏡(なければペンライトでも可)を照らし、眼底からの反射を左右で見比べる。暗室で行うと反射が見やすい
  5. 左右差または白色反射があれば、精査対象として眼科へ紹介する
やってはいけない・落とし穴
  • 頚定は引き起こしの所見だけで判定しない。伏臥位での頭部挙上・座位での安定性とあわせた3条件で見る
  • 斜視は1回の判定で終わらせない。3〜4か月・9〜10か月・1歳6か月・3歳と毎回評価する連続的なプロセス
  • 白色瞳孔(cat's eye reflex)を認めたら精査を急ぐ。網膜芽細胞腫は95%が5歳までに診断される小児がんで、暗くない診察室では見落としやすい

7帰宅・入院の目安

8Q&A

股関節の開排が硬いのは男児だから普通?
決めつけない。男児は女児より股関節が硬い傾向はあるが、必ず左右差で判定する。向き癖の反対側の開排制限を見落としやすい。
心雑音を1回聴いて『無害性』と判断してよい?
1回の聴診で終わらせない。無害性雑音は体位変換で減弱するのが特徴で、体位を変えて再聴診する。
停留精巣はいつまで様子を見てよい?
片側なら生後6か月以降は自然下降しにくい。3-4か月・9-10か月時点で下降していなければ、1歳6か月を待たず泌尿器科紹介の検討を。新生児期に両側とも触れない場合は生後6か月まで待たず、判別不明性器に準じて迅速に紹介する。
股関節の開きに左右差があると言われた家族に何と伝える?
念のため骨の専門の先生(整形外科)にもう一度診てもらいましょう、10〜15人に1〜2人くらいの割合で紹介になるので特別なことではありません、と伝える。
心雑音を指摘した家族に何と伝える?
体位を変えても変わらない・少し強めの雑音が聞こえます、多くは心配のいらない音ですが念のため心エコーで確認しましょう、と伝える。
目の所見(斜視・見え方)を指摘した家族に何と伝える?
目の使い方・見え方は6〜8歳ごろまでに完成する発達の途中なので、今のうちに調べておくことで間に合ううちに治療できます、と伝える。
停留精巣を指摘した家族に何と伝える?
精巣が下りてきているかの確認です、まだ下りていない場合は手術のタイミングがあるので経過を見ながらしかるべき時期に専門の先生につなぎます、と伝える。
O脚・歩容の異常があれば何を疑う?
くる病を鑑別に入れる。母乳栄養や紫外線回避志向によるビタミンD欠乏性くる病の再興が指摘されている。

9家族への説明

今日の健診の結果は母子手帳に記録しました。気になる点があればいつでもご相談ください。

詳しい根拠・出典は 詳細リファレンス へ

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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