11-22 白血病・悪性腫瘍を疑うとき

緊急

11-22白血病・悪性腫瘍を疑うとき

長引く発熱・蒼白・出血・骨痛・腫瘤
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次10項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3帰さない基準(血算3系統)

2つ以上が異常血算3系統のうち2つ以上鏡検を待たず動く。入院して翌朝の血液像につなぐか、その場で小児血液へ相談
2つ以上が減少血算3系統のうち2つ以上持てない。骨髄検査が要る
芽球確認末梢血の芽球・異常細胞フラグその日のうちに小児血液へ搬送。帰さない
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4検査

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5対応の注意

避けること・注意:原因不明の発熱・関節痛・リンパ節腫大に診断がつく前にステロイドを出すこと、気道圧迫がある子への鎮静、腹部腫瘤の繰り返す強い触診。
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6治療ワークフロー(当院でやること)

  1. バイタル。気道圧迫の兆候(起座呼吸・顔面のむくみ・頸静脈怒張)があれば仰臥位にしない
  2. 全身を見る:眼瞼結膜(蒼白)、皮膚(点状出血・紫斑)、口腔(歯肉腫脹・出血)、リンパ節(鎖骨上窩を必ず触る。腫大は原則すべて異常)、腹部(肝脾腫・腫瘤)、四肢(骨の圧痛)、眼(白色瞳孔)
  3. 血算+末梢血液像を必ずセットでオーダーする。血液像は翌朝にオーダーし、その間は帰さない
  4. LDH・尿酸・生化(K・P・Ca・Cr)・凝固を測る
  5. 化学療法中・免疫抑制中の発熱は、ANCを待たず主治医・血液腫瘍担当・上級医へ直ちに連絡し、搬送を並行調整する。初回抗菌薬の開始時点とレジメンをその電話で確認し、搬送待ちで治療を遅らせない。不安定なら蘇生と同時に緊急指示を受ける。
  6. 胸部X線(前縦隔腫瘤)。腹部腫瘤に触れたら、エコーを待たず(当直帯は撮れない)その事実だけで小児血液・腫瘍へ相談する
  7. 芽球があればその場で小児血液のある施設に電話する。帰さない
やってはいけない・落とし穴
  • ステロイドを先に投与しない(白血病細胞を部分的に殺して診断を困難にする)
  • 気道圧迫がある子に鎮静をかけない
  • 腹部腫瘤を繰り返し強く触らない
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7帰宅・入院の目安

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8診療中の疑問と回答

リンパ節腫脹と咳があり、横になると苦しい。鎮静してCT?
縦隔腫瘤による気道・循環圧迫を疑う。楽な体位を維持し、鎮静や全身麻酔で悪化する危険を考える。CTや生検のために安易に鎮静せず、麻酔科・小児腫瘍科・集中治療のある施設と直ちに検査と搬送を調整する。
根拠:RCH Oncological emergencies: Mediastinal mass
腫瘍を疑う呼吸苦に、ステロイドを先に投与する?
ステロイドは腫瘍の縮小で診断に影響し得るため、原則として腫瘍科と相談せず開始しない。ただし切迫する気道・循環障害では救命の対応が最優先となる。体位・酸素化を保ち、必要な緊急処置と診断確保の順序を専門チームと決める。
根拠:RCH Oncological emergencies: Mediastinal mass
縦隔陰影があるが落ち着いている。後日紹介でよい?
無症状に見えても体位や処置で急変し得る。起坐呼吸、顔・頸部腫脹、失神、酸素化を評価して同日専門科に相談する。検査のために仰臥位を強制せず、診断確定までの観察場所と安全な搬送を決める。
根拠:RCH Oncological emergencies: Mediastinal mass
血算だけで白血病を疑える?
血算3系統(貧血・血小板減少・白血球異常)と5つの鍵(長引く発熱・蒼白・出血・骨痛・肝脾腫やリンパ節腫大)を組み合わせて判断する。2つ以上そろったら血算、1つでもおかしければ血算を出す。
化学療法中の子の発熱にはまず抗菌薬?
ANCを待たず主治医施設と院内上級医へ即時連絡し、初回抗菌薬の開始時点・レジメンを確認。搬送調整と安定化を並行し、連絡や搬送待ちで治療を遅らせない。不安定例は蘇生と同時に緊急指示を受ける。連絡不能・搬送遅延は直ちにエスカレーションする。
ステロイドを先に使っていい?
使わない。白血病細胞を部分的に殺して診断を困難にするため、血算と末梢血液像を先に出して専門施設に相談する。
腹部腫瘤を見つけたら?
当直帯はエコーが無い。硬い腹部腫瘤を触れた事実だけで小児血液・腫瘍へ相談し、画像待ちで搬送を遅らせない。繰り返し強く触らず、神経芽腫・腎芽腫等を考える。
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10家族への説明

今日の検査では、ふつうのかぜでは説明がつかない所見があります。血液の病気を含めて、詳しく調べられる病院で確かめる必要があります。今すぐ悪いものと決まったわけではありませんが、この種類の病気は進みが速いことがあるので、確かめるのを遅らせないのが原則です。今日のうちに紹介先の病院に行っていただきます。血液の病気の場合、骨髄(骨の中で血液をつくる場所)を調べる検査が必要になりますが、子どもでは眠るお薬を使って行うので、起きたまま痛みに耐えるようなことはありません。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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