1-17 水痘(みずぼうそう)

緊急

1-17水痘(みずぼうそう)

掻痒を伴う全身性皮疹・紅斑→水疱→痂皮
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

↑ このページの入口へ

2鑑別のながれ

↑ このページの入口へ

3重症度

軽症重症化リスク因子なし外用剤・掻痒対策・解熱を中心とした対症療法。抗ウイルス薬のルーチン投与は必須ではない
重症化リスクあり新生児・生後12か月未満・13歳以上・慢性皮膚/肺疾患やステロイド常用・家族内二次発症例・免疫不全経口抗ウイルス薬を検討。皮疹出現後24時間以内の開始が望ましい
重症急性小脳失調・肺炎・重症二次感染・意識障害などレッドフラグ該当精査・専門紹介・入院を検討
↑ このページの入口へ

4検査

↑ このページの入口へ

5処置・処方例

Rp. 1フェノール亜鉛華リニメント(カチリ) 体重換算の用量規定なし(外用) 外用
水疱の乾燥を早め、細菌性二次感染を防ぐ目的で患部に塗布する。重症化リスクがない軽症例の対症療法の基本
  1. 水疱に直接塗布する。回数・部位あたり量の定めはなく、乾燥を早め二次感染を防ぐ目的の外用剤
Rp. 2アセトアミノフェン 1回10〜15mg/kg、6時間以上あけて頓用。1日総量60mg/kgを超えない(1回最大500mg、1日最大1,500mg) 内服
解熱・不快感の緩和に使う対症療法
  1. シロップ(カロナールシロップ2%=20mg/mL):—〜— を1回
  2. 細粒(カロナール細粒20%=200mg/g):—〜— を1回
  3. 坐剤:1回 —〜— に一番近い規格・個数を選ぶ(アンヒバ/アルピニー 50・100・200mg)
  4. 次は6時間以上あける。1日の合計は — まで
Rp. 3アシクロビル(ゾビラックス顆粒40%/アシクロビルDS80%など) 1回20mg/kg・1日4回 内服
重症化リスクがある場合に検討。皮疹出現後24時間以内の投与開始が望ましい
  1. 1回 — を1日4回内服。水痘(帯状疱疹と同枠)での1回最高用量は800mgを超えない
  2. 顆粒40%(ゾビラックス顆粒40%など)・DS80%(アシクロビルDS80%など)で含有量が異なる。採用品の濃度で1回量をgに換算する
Rp. 4バラシクロビル顆粒(バルトレックス顆粒50%など) 1回25mg/kg・1日3回・5日間投与 内服
40kg未満の小児は顆粒製剤を使う(錠は体重40kg以上に限った用法)。乳児は安全性未確立・水痘への保険適用は書籍と添付文書で記載が食い違う(当院は院内現行の添付文書を優先)ため、乳児にはアシクロビルを優先する
  1. 1回 — を1日3回、5日間内服。1回最高用量1000mgを超えない
  2. バルトレックス顆粒50%など、含有量は製剤ごとに異なる。採用品の濃度(%表示)で1回量をgに換算する
Rp. 5アシクロビル 1回5mg/kg・1日3回(8時間毎)=15mg/kg/日相当 点滴静注
経口摂取困難・重症例で上位施設と連携する。投与は1時間以上かけ、脱水を助長しないよう十分な水分補給を行う
  1. 1回 — を1日3回、8時間ごとに1時間以上かけて点滴静注
  2. 脳炎・髄膜炎や免疫不全での病勢進行例は1回 — まで増量できる
  3. 投与前後は十分な水分補給を行う(脱水下の急速投与は結晶尿・急性腎障害のリスク)
新生児のIVアシクロビルは小児量と別の用法(1回10mg/kg・1日3回・8時間毎に10日間、上限1回20mg/kg)が添付文書に定められている。新生児の投与設計は新生児科に委ねる。 避けること・注意:アスピリン(サリチル酸系製剤)は原則禁忌(ライ症候群のリスク)。バラシクロビルは乳児(生後12か月未満)で安全性未確立・水痘への保険適用は書籍と添付文書で記載が食い違う(当院は院内現行の添付文書を優先)ため、乳児にはアシクロビルを優先する。重症化リスクのない健常な低年齢児への抗ウイルス薬のルーチン投与、皮疹出現後72時間以降の抗ウイルス薬の新規開始は避ける。
↑ このページの入口へ

6送る/持つ

↑ このページの入口へ

7診療中の疑問と回答

水痘なら全員に抗ウイルス薬を処方する?
健常児の典型的な軽症例では一律投与を必要としない。発疹開始時刻と免疫抑制、慢性皮膚・肺疾患などの重症化リスクで判断する。内服の利益は早期開始ほど大きいが、重症・免疫不全例を発症日数だけで治療対象外にしない。
根拠:CDC 重症水痘リスクと治療
抗ウイルス薬の開始が遅れた重症例は経過観察でよい?
肺炎、脳炎、出血性病変、内臓病変や免疫不全を疑う場合は入院・静注治療の適否を専門科と判断する。軽症児の早期内服の時間枠を重症例に転用しない。呼吸苦、意識変容、強い皮膚痛や再発熱があれば直ちに再評価する。
根拠:CDC 重症水痘リスクと治療
家族に水痘が出たが免疫抑制児は症状が出るまで待つ?
曝露時刻、接触状況、罹患・接種歴と免疫抑制の程度を確認し、発症予防の適否を当日主治医へ相談する。生ワクチンや免疫グロブリンの適応・入手は国内条件に従い判断する。発症後は受診前に連絡し、待合での曝露を避ける。
根拠:CDC 重症水痘リスクと治療
抗ウイルス薬はいつから始める?
皮疹出現後24時間以内の開始が効果を得るうえで重要。72時間以降の新規開始は効果が期待しにくい。
軽症の健常児にも抗ウイルス薬を使う?
ルーチン投与は必須ではない。外用剤・掻痒対策・解熱を中心とした対症療法が基本。
登園はいつから?
すべての発疹が痂皮化するまで出席停止。「熱が下がったら」「一部かさぶたになったら」では判断しない。
↑ このページの入口へ

9家族への説明

水痘(みずぼうそう)です。発疹は紅斑→水疱→痂皮の順に経過し、通常1週間前後ですべてかさぶたになります。登園・登校は、すべての発疹がかさぶたになるまでお休みです。ぐったりして反応が悪い、まっすぐ歩けない、呼吸が苦しそう、発疹が急に赤く腫れて痛む、水分が摂れない、といった様子があればすぐにご連絡ください。痛み止め・解熱に市販のアスピリンは使わないでください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

スペースで絞り込み(例:夜尿症 休薬)↑↓ 移動 / Enter 開く