5-15吐血・上部消化管出血
とけつ・こくしょくべん・上部GI出血
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 鼻出血/口腔出血、母乳児の母体血、強い嘔吐、NSAIDs、異物/腐食剤、慢性肝疾患と新生児のビタミンK歴を確認する。[2]
- 持続出血、頻脈、循環不良、意識変化:出血性ショックを評価し、静脈路確保と必要な輸液・輸血準備、GI/外科/集中治療連絡を並行する。[1][2]
- 重症では絶飲食・監視を行い、原因に応じて酸分泌抑制や止血を専門医と選ぶ。静脈瘤疑いの治療はGI/集中治療と相談する。[1][2]
2鑑別のながれ
- 血のような嘔吐→鼻出血・口腔出血、母体血または着色食品→嚥下血/非出血を確認する。[2]
- 吐血+肝疾患→静脈瘤/門脈圧亢進の背景→静脈瘤出血として専門止血を急ぐ。[1][2]
3検査
- 出血が有意なら血算・凝固、肝機能と輸血適合検査を行い、経時的な循環・出血量・Hbを追う。[1][2]
- ボタン電池疑いは画像と緊急摘出経路を確認する。内視鏡は蘇生と専門相談の後に出血原因/持続性で計画する。[1][2]
4対応の注意
避けること・注意:少量で明らかな良性原因と大量持続出血を同じ検査セットにしない。検査や内視鏡の準備で蘇生を遅らせない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 重症では絶飲食・監視を行い、原因に応じて酸分泌抑制や止血を専門医と選ぶ。静脈瘤疑いの治療はGI/集中治療と相談する。[1][2]
フォローと再評価
- 退院時は再出血・黒色便増加・失神や顔色不良時の受診を説明し、原因治療と必要な血算再検を設定する。[1]
根拠と適用範囲
- CHOP Upper Gastrointestinal Bleed Clinical Pathway:小児救急/ICU/病棟、2026年10月改訂
- Perth Children’s Hospital Gastroinestinal bleeding upper GIT:小児救急、2025年承認
6帰宅・入院の目安
- 帰宅出血が止まり、循環/診察が安定し飲めて、原因と再診計画が明確な場合に限り外来を検討する。[1]
- 入院有意な出血、再発/持続、循環不良、貧血や基礎疾患がある例は入院管理を行う。[1][2]
- 搬送・紹介持続出血・静脈瘤・食道電池は消化器/外科へ緊急相談する。[2]
7診療中の疑問と回答
- 吐血したがHbは正常。帰してよい?
- 急性出血直後はHbだけで出血量を判断できない。頻脈、灌流、意識、持続出血、背景疾患を評価し、必要なら血算を経時的に確認する。循環不良では蘇生と輸血準備・専門連絡を優先し、採血結果や内視鏡の準備が済むまで待たない。
根拠:Perth小児病院 上部消化管出血(海外) - 鼻血を飲んだだけかもしれない。何を確認する?
- 鼻・口腔の出血、嘔吐の経過、乳児では乳頭出血などを確認する。一方で繰り返す吐血、黒色便、循環異常、肝疾患や出血傾向があれば上部消化管出血として評価する。見た目や少量という説明だけで良性とせず、出血源と全身状態を合わせて判断する。
根拠:Perth小児病院 上部消化管出血(海外) - 胃薬を始めて血が止まれば、原因検索は不要?
- 酸分泌抑制で改善しても、NSAIDs、異物・腐食剤、潰瘍、門脈圧亢進など原因は残り得る。反復出血や基礎疾患があれば小児消化器へ相談する。重い出血では絶飲食・監視と循環管理を行い、薬の反応だけで内視鏡などの必要性を取り消さない。
根拠:Perth小児病院 上部消化管出血(海外)
8家族への説明
赤い嘔吐物には血以外や飲み込んだ血もあるが、ぐったり、顔色不良、出血継続は急ぐ。量と色、薬や異物の可能性を伝える。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。