計算
使うものを1つ選ぶと、それだけが出る。体重は一度入れれば全部に反映される。各ツールから、それが載っているシートへ戻れる。
kgこのシートの計算すべてに反映。タブを閉じるまで保持されるので、患者が変わったらクリアする。前の画面から引き継いだ体重です。
選んだツール
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kg
いつ使う
発熱・疼痛のつらさ緩和目的の頓用。解熱剤は「つらさ緩和」であり治癒判定ではない(本シート正本の記載)。熱の数字を下げること自体は目的にしない。
落とし穴
- 1回上限と1日上限は別々に効く。体重26kg以上では、1回量の上限を4〜6時間ごとに4回打つと1日上限(1,500mg)を超える。上の「1日の回数」はその逆算で、数字が4未満なら間隔を空けるか1回量を下げる
- 1回500mg・1日1,500mgの上限を超えない(体重約33kg以上では体重換算より1回上限が先に当たる)
- ここに出るのは体重換算の「考え方」。個別の処方値は診察で決定し、基礎疾患・併用薬を確認する
次の一手
解熱の有無にかかわらず、水分・反応・呼吸の観察を続ける。受診判断は本シート上部のレッドフラグ表へ。
出典
カロナール(アセトアミノフェン)添付文書(PMDA): 1回10〜15mg/kg・4〜6時間以上あけて投与・1日総量60mg/kgを限度(1回500mg・1日1,500mgを超えない) 添付文書(正本で照合済み・2026-08-14リンク更新)
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kg
重症(頻脈・末梢冷感・傾眠〜意識障害・ショック徴候)は経静脈輸液を優先 — この計算の対象外(本シート参照)。
いつ使う
急性胃腸炎などの軽症〜中等症脱水の欠乏量補正。ORSが第一選択(軽症・中等症とも)。数値は体重減少%に対応する目安(乳児: 軽症5%=50mL/kg・中等症10%=100mL/kg/年長児: 軽症3%=30mL/kg・中等症5〜6%=50〜60mL/kg)。
落とし穴
- 乳児と年長児で同じ「軽症」でも補正量が異なる(体液組成の差)
- NICEは年齢・軽重を区分せず「臨床的脱水あり」で一律50mL/kg(4時間)+維持量の簡略設計 — どちらの設計で運用するかは施設判断
- 高Na血症性脱水(易刺激性・筋緊張亢進・けいれん)は急速補正を避け別管理
次の一手
4時間補正後に再評価→是正されていれば通常の食事・水分へ。進まなければ点滴適応の判断へ(本シート§4)。
出典
小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017/NICE NG29/MSD Manual Professional(年齢別区分・Finberg分類由来)。全出典URLは本シート詳細リファレンス参照。
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mmHg
mEq/L
アニオンギャップ(任意)
mEq/L
mEq/L
静脈血は動脈血の代用になる項目とならない項目がある。pH(静脈は平均0.033低い)とHCO3⁻(静脈は平均1mEq/L高い)はばらつきが狭く代用に適するが、PCO2は静脈血単独での代用は困難(静脈PCO2 55mmHgのとき動脈は44.3〜57.4mmHgの幅)。呼吸性の異常が疑われる場面(細気管支炎の疲弊によるCO2貯留、喘息重積)は、経時的なトレンドと臨床所見(努力呼吸・意識レベル・SpO2)と組み合わせて判断する。
いつ使う
代謝性の酸塩基平衡異常(脱水・DKA・敗血症の乳酸評価など)はpHとHCO3⁻が動脈血とよく相関するため静脈血ガスを積極的に使ってよい。呼吸性の異常は静脈血だけでの代用が難しい。
落とし穴
- 新生児・低月齢乳児は腎での重炭酸再吸収閾値が生理的に低く、HCO3⁻がやや低め(軽度の代謝性アシドーシス寄り)に振れやすい。この年齢層は哺乳・活気・体重増加とあわせて評価する
- AGの基準値は施設依存。一般に12とすることが多いが、本邦のようにClをイオン選択電極法で測定する場合は10程度と低くなる。古典的な基準範囲として12±4(8〜16)を挙げる教科書もある
- 呼吸性代償の予測よりPaCO2が高ければ代償不全=疲弊・呼吸障害の合併を疑う。数字が「代償されている」ように見えても臨床像を見る
次の一手
AGが開大していれば高AG性の鑑別へ、正常AG(高Cl性)なら別の鑑別へ(本シート§3)。乳酸は正常なら動脈も正常域とみなせるが、上昇時は動静脈差が拡大する(高乳酸血症で1.06±1.30mmol/L)ため幅を持たせて解釈する。
出典
動静脈同時採血のメタ解析(本シート§2-1)/基準値は成書的な代表値(§2-2)/代償の予測式と酸血症の閾値は§2-3。URLは本シート詳細リファレンス参照。
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kg
cm
年齢帯(目安の幅がちがう)
6歳未満は肥満度ではなくこの指数を用いる。カウプ指数の正常範囲は年齢とともに低下するため、一律の数値で判定せず年齢別の目安幅を用いる。1回の測定値だけで判定せず、成長曲線の軌道を見る。
いつ使う
3か月〜5歳の体格評価。計算式は体重(kg) ÷ 身長(cm)² × 10⁴(=体重(g) ÷ 身長(cm)² × 10)。学童以降(6〜17歳)は肥満度を使う。
落とし穴
- 目安幅は年齢帯ごとに違う(3か月〜1歳未満 16〜18/1〜2歳 15〜17/3〜5歳 14.5〜16.5)。同じ数値でも年齢で判定が変わる
- 日本では成人のようにBMI絶対値をそのまま用いない。身長別標準体重に基づく肥満度(村田式)が学童以降の標準
- 単一時点の値で安心・心配をしない。軌道を見る
出典
本シート「小児肥満 外来評価と介入」「成長曲線・低身長・思春期」の記載。式と年齢別の目安幅はいずれも正本§2由来。
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kg
kg
身長別標準体重の表は本サイトに入っていない。村田式の係数表(性・年齢・身長から求める)は正本に収録されていないため、標準体重は手元の表から入力する。この計算機は式を代行するだけで、標準体重そのものは出せない。
いつ使う
学童以降(6〜17歳)の肥満の程度。肥満度=(実測体重 − 身長別標準体重) ÷ 標準体重 × 100(%)。6歳未満はカウプ指数を使う。
落とし穴
- 日本ではBMIの絶対値をそのまま用いない。年齢・身長変化の影響を受けるため、身長別標準体重に基づく肥満度(村田式)が標準
- 6歳未満にこの式を当てない(カウプ指数へ)
出典
本シート「小児肥満 外来評価と介入」§2の判定表(20%未満/20〜30/30〜50/50%以上)と式。
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kg
場面
この道具の目的は量を出すことではなく、場面を取り違えないこと。同じ「初期輸液」でも 10mL/kg と 20mL/kg が場面によって使い分けられており、量そのものよりどの場面かの判断が先にある。とくにショックでないDKAに 20mL/kg を急速投与すると脳浮腫のリスクを上げる。実施は院内プロトコルに従い、医師が判断する。
いつ使う
体重と場面を選ぶと、正本が挙げている初期輸液の量と投与時間が出る。「ショックなら20mL/kg」と丸暗記していると、DKA・アナフィラキシーで量も時間も変わることを見落とす。
落とし穴
- 10mL/kg と 20mL/kg は矛盾ではなく場面の違い。どちらか一方を既定値として覚えない
- 敗血症性ショックでは J-SSCG2024 が10〜20mL/kg ずつ反復し、反応を評価する形をとる。1回で決め打ちにせず、輸液過剰の所見や反応の鈍化があれば中断を検討する
- アナフィラキシーのガイドラインは成人量(総量1〜2L)が先に目に入る書きぶりになっている。「1〜2L」は成人の総量目安で、小児にそのまま当てはめない
- 胃腸炎で使う「下痢1回ごとに10mL/kg追加(上限240mL/回)」は経口の追加量であって、ここでいう静脈内ボーラスとは別物
- 維持輸液(Holliday-Segar)とボーラスは別の話。ボーラス後の維持は別に計算する
出典
ショック時20mL/kg=本サイト「経口補水・外来輸液」「血液ガスの読み方」。敗血症性ショック10〜20mL/kgずつ反復=J-SSCG2024 小児章。アナフィラキシー小児10mL/kg=日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン2022(図12ステップ8・p19、「4 症状別の治療/補液」p24)。DKA=ISPAD 2022 および 日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会 2024コンセンサスガイドライン第9章。ショックでない重症発熱性疾患にルーチンのボーラスを行わない、および最初の1時間の合計上限(40〜60mL/kg)=JRC蘇生ガイドライン2020 第3章 p.200-201「8 ショック」(原文PDFで直接確認・2026-09-13)。いずれも本サイトの該当シートに一次出典のURLを載せている。
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歳
cm(任意)
kg(任意)
算出式は指標であって、確定ではない。実際のサイズは声門・気管の見え方と換気の状態で決める。挿管後は聴診で両肺換気を確認し、頭位が変わるたびに確認し直す(前屈で深く、後屈で浅くなる)。体重が不明なときに年齢から体重を推定して代用しない — JRCは実際の体重を用い、わからない場合はあらかじめ投与量が計算された身長テープを用いることを示している。
いつ使う
2歳以上の小児で、年齢からチューブ内径と経口固定長の目安を出す。固定長は式ごとに数cm違うので、幅として持っておいて聴診で詰めるのが正しい使い方。
落とし穴
- 2歳未満はこの算出式の対象外。年齢式を無理に当てない
- カフなしとカフ付きで式が違う。さらにカフ付きにもMotoyama(大きめ)とKhine(小さめ)の2流儀があり、JRCはどちらも併記している。Motoyamaはシーリング性が高い反面サイズ過大の可能性、Khineは過大を避けられる反面リークでチューブ交換が必要になる可能性
- 内径×3 の固定長はカフなしチューブを前提とした式で、カフ付きにそのまま適用できない
- 狭すぎるチューブは気道抵抗と呼吸仕事量を増やし、リークを減らそうとして過大なカフ圧を要することになる
- 「引き抜き法」は信頼性が低い可能性がある。深さマーキングも製品ごとに位置が違い統一されていない
次の一手
カフ付きを使うときは、カフを膨らませない状態で陽圧換気によるリークを確認し、カフ圧を最大20(〜25)cmH2O となるようモニタリングする。カフ圧も頭位で変わり、頭頸部の回旋・前屈・後屈で2.6〜6.9 cmH2O変化する。
出典
JRC蘇生ガイドライン2020 第3章 小児の蘇生(PLS)p.172-173「4)カフなしチューブとカフ付きチューブ」。Cole の式・Motoyama の式・Khine の式、固定長の3式、内径×3の簡便式、カフ圧の記載はいずれも同ページ。原文PDFで直接確認(2026-09-13)。
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kg
エネルギー量は成人量を上限とする。機器で設定できる値に丸めて使う。電気ショックを1回実施したらただちに胸骨圧迫からCPRを再開し2分間行い、以後2分おきにリズムチェックと電気ショックを繰り返す。体重が不明なときに年齢から体重を推定して代用しない — JRCは実際の体重を用い、わからない場合は身長テープを用いることを示している。
いつ使う
体重を入れると、VF・無脈性VTに対する除細動と、血行動態が不安定な頻拍に対する同期電気ショックのエネルギー量、および専門医コンサルト後の抗不整脈薬量が出る。
落とし穴
- JRCは初回も2回目以降も 4 J/kg で統一している。AHAは初回2〜4 J/kg(教材上は2 J/kg)から段階的に増やす立場で、同じ場面でも数字が違う。院内でどちらに揃えるか決めておく
- 除細動(非同期)と同期電気ショックは桁が違う。同期は 0.5〜1.0 J/kg から始める。4 J/kg を同期に当てない
- 同期電気ショックが不成功なら 2 J/kg まで上げて再度施行する。それでも不成功、または短時間で再発する場合は、3回目の前に抗不整脈薬を考慮する(専門医コンサルト)
- 乳児にベラパミルを用いない(難治性低血圧・心停止をきたすことがある)。小児でも低血圧・心筋抑制のため慎重に
出典
JRC蘇生ガイドライン2020 第3章 小児の蘇生。除細動4 J/kg・成人量を上限=p.185-186「5 電気ショック 3)電気ショックのエネルギー量」。同期電気ショック0.5〜1.0→2 J/kg、ATP・プロカインアミド・アミオダロン=p.193-194「3 頻拍アルゴリズム」図4およびボックス6〜8。原文PDFで直接確認(2026-09-13)。
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kg
大腿部中央の前外側に筋注(殿部・上腕皮下は吸収が不確実で不可)。投与時刻を記録し、治療抵抗性なら5〜15分毎に反復する。「1回打ったら終わり」ではない。
いつ使う
アナフィラキシーを疑った時点で直ちに。診断は「皮膚粘膜症状+呼吸/循環/消化器のいずれか」または「既知アレルゲン曝露後の急な血圧低下・気管支攣縮・喉頭症状」。体重が分かっていれば年齢区分より体重換算(0.01mg/kg)を優先する(肥満・低体重児で年齢区分と実体重が乖離するため)。
落とし穴
- エピペンには体重15kg未満の承認用量区分が無い。15kg未満への0.15mg処方は適応外使用にあたり過量投与のおそれ — アンプルでの用量調整を検討する
- 逆に体重が増えた患児の処方が0.15mgのまま更新されていないかを確認する
- 投与部位の誤り(殿部・上腕皮下)は吸収が不安定・遅延する
- 症状消失直後の帰宅 — 二相性反応は小児で最大11%、その約半数が6〜12時間以内。複数回投与例・重症例・投与が遅れた例では観察を延長する
- エピペン処方だけで終わらせない。実技指導と学校・保育所の生活管理指導表までがセット
次の一手
投与後は仰臥位+下肢挙上、酸素・輸液路の確保、院内観察へ(本シート§2)。βブロッカー投与中でアドレナリン反応不良ならグルカゴンを考慮(小児20〜30μg/kg・最大1mg)。帰宅時はエピペン処方+実技指導+生活管理指導表まで。
出典
アナフィラキシーガイドライン2022(日本アレルギー学会)/エピペン注射液0.15mg・0.3mg 添付文書(2026年3月改訂 第6版)の用法・用量および警告(9)。全出典URLは本シート詳細リファレンス参照。
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kg
等張液を第一に考える。低張液は医原性低Naのリスク。新生児(生後28日未満)は対象外。個別処方ではない。
いつ使う
点滴が必要になった場合の維持輸液量。Holliday-Segar式は古典的な出発点(個別処方箋ではなく考え方の例示)。最初の10kgまで100mL/kg、次の10kg(11〜20kg分)+50mL/kg、20kgを超える分+20mL/kg。
落とし穴
- これは量の出発点であり、個別の処方ではない
- Holliday-Segar式は「量」の計算式であって輸液の種類を規定しない。従来セットで使われてきた低張液(1/3〜1/4生食相当)は、嘔吐・疼痛・脱水による非浸透圧性ADH分泌と重なると医原性低Na血症・けいれんのリスクを上げる
- AAP 2018: 生後28日〜18歳で維持輸液を要する患者には等張液を第一選択
- 現代は「Holliday-Segar算出量をそのまま入れる」運用ではない。国内総説も「Holliday-Segar式に基づく従来の低張液から、より制限した輸液量での等張液選択が主流になっている」としている。高ストレス下の小児では算出量の1/3〜1/2に制限する提案もある
- この式には上限が組み込まれていない。体重が大きいほど式をそのまま延長すると非現実的な量になる。院内の上限を決めておくこと
- 除外(適用範囲外): 神経外科疾患、先天性/後天性心疾患、肝疾患、悪性腫瘍、腎機能障害、尿崩症、大量の水様性下痢、重度熱傷、生後28日未満またはNICU、18歳超
- K追加は排尿(尿量)を確認し、腎機能に問題がないことを確認したうえで
- 新生児(生後28日未満)は対象外
次の一手
維持輸液が必要なら等張液を第一に考える。Kは尿量確認と腎機能OKのうえで追加。経口摂取が可能になれば経口へ。
出典
Holliday-Segar式/坂井 2025 日小児腎臓病学会誌/Feld et al. AAP 2018 Pediatrics。全出典URLは本シート詳細リファレンス参照。
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2つの分類は6〜7点の扱いが異なる(院内採用基準は確定待ち・要医師確認)。6〜7点を安易に「中等症・様子見」と判断しない。
いつ使う
クループ症候群の重症度の定量化。実務上の治療分岐は「安静時に吸気性喘鳴があるか」(あればデキサメタゾン±アドレナリン吸入の適応を判断)。中等症以上で入院考慮、重症で気管内挿管考慮。
落とし穴
- 喘鳴・呼吸音が「静かになる」ことは改善とは限らない — 陥没呼吸・意識の悪化を伴う減弱は閉塞進行の危険サイン
- スコア化の前に、急性喉頭蓋炎・細菌性気管炎・気道異物・アナフィラキシーの除外(本シート§1)。喉の視診・啼泣誘発は避ける
- 生後6か月未満はスコアが低くても入院閾値を下げる考え方あり(要医師確認)
次の一手
安静時喘鳴あり→薬物治療の適応判断(§4)。アドレナリン吸入を使ったら院内で経過観察(rebound注意)。帰宅時は再受診サインの説明へ。
出典
Westley CR, et al. Am J Dis Child 1978;132:484-487(原著)。分類カットオフの相違と要確認事項は本シート§2・医師確認事項3参照。
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スコアの前に診断そのものの要件を満たすか確認する。中等度〜高度の鼓膜膨隆、または急性外耳炎に起因しない耳漏。あるいは軽度の鼓膜膨隆と48時間以内に発症した耳痛(言語化前の児では耳を押さえる・ひっぱる・こすりつける)、あるいは急性発症の耳痛と鼓膜の強い発赤。中耳貯留液がみられない場合は急性中耳炎と診断すべきではない。
いつ使う
急性中耳炎と診断したあとの重症度分類。この点数で第一選択〜第三選択の段が変わる。24か月未満は年齢だけで3点が入るため、同じ所見でも低年齢児は重く出る。
落とし穴
- 鼓膜膨隆と耳漏は加算可(両方あれば合算する)。片方だけ取ると過小評価になる
- 中耳貯留液がない状態でスコアを付けない — 急性中耳炎の診断要件を満たしていない
- どの段階でも鼓膜切開の適応を検討する(高度の鼓膜膨隆、適切な抗菌薬治療でも鼓膜異常所見が改善しない・悪化する場合)。鼓膜切開が可能な耳鼻咽喉科医との連携が必要
次の一手
各段階で3〜5日投与し、改善しなければ次段階へ。経過観察は初診時より3週間までが目安。抗菌薬使用前に細菌学的検査を実施し、選択・変更の参考にする。
出典
小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版(日本耳科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会・日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会編、金原出版)。スコア表・分類・診断要件はいずれも本シート§2の記載。URLは詳細リファレンス参照。
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年齢補正(McIsaac)
3歳未満には通常適用しない — GAS咽頭炎自体が稀で、濃厚接触歴または周囲での流行がなければ検査自体が原則非推奨。最高点(4点)でもGAS陽性率は68%にとどまるため、点数だけで抗菌薬を決めない。
いつ使う
3歳以上の咽頭痛で、GAS迅速抗原検査を出すかどうかの事前確率の当たり付け。原則2〜3点以上で迅速抗原検査を検討する。陽性なら培養は不要(特異度95%)。
落とし穴
- 伝染性単核症(EBV・CMV等)は容易に高得点になる — 耳介後部・後頭部リンパ節腫脹、脾腫、リンパ球分画35%以上が示唆所見
- 咳・鼻汁・結膜炎などウイルスを強く示唆する所見があるときは事前確率が低く、検査自体が過剰
- 無症状児の10〜30%がGAS保菌 — スクリーニング検査は偽陽性的に拾って過剰治療になる
- 迅速検査陰性後の繰り返し検査は陽性率を上げない
- 発熱5日以上・口唇の紅潮亀裂・眼球結膜充血・四肢末端の変化を伴うなら川崎病を鑑別に(猩紅熱様皮疹・いちご舌・頸部リンパ節腫脹は所見が重なる)
次の一手
スコアの前に、まず急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍/咽後膿瘍・Lemierre・劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)のレッドフラグを外す(本シート§1)。陽性ならアモキシシリン水和物10日間の適応判断へ(用量の考え方は§4)。
出典
厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」第四版 医科・外来編(McIsaac基準=学童期以降の小児編 p.26/Centor基準=乳幼児編 p.64、4点でも陽性率68%・3歳未満の検査適応=p.63-65)。URLは本シート詳細リファレンス参照。
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対象: 鈍的頭部外傷・GCS14〜15点。ごく軽症の受傷機転(転倒のみ等)とGCS13点以下は対象外(重症プロトコルへ)。
PECARNは虐待の検出には鋭敏でない。低リスク判定でも虐待を疑う所見が別途あれば精査に進む(本シート§1・虐待鑑別参照)。
いつ使う
鈍的頭部外傷でGCS14〜15点の小児(18歳未満)のCT適応判断。層別の前に、本シート§1のレッドフラグ(頭蓋底骨折徴候・受傷後けいれん・局所神経所見等)があれば即時対応を優先する。
落とし穴
- 「GCS14」は原文ではGCS<15の意(本ルール対象がGCS14〜15のため実質14点)
- 乳児はGCSの言語・運動評価基準が成人と異なる(乳児版E/V/M表で評価)
- 2歳未満の中間リスクでは生後3か月未満をCT寄りに判断する考慮因子に含める
次の一手
高リスク→CT。中間リスク→経過観察(おおむね6時間目安)またはCT(担当医裁量・所見が複数か・症状悪化・保護者の要望を考慮)。帰宅時は観察期間の目安: 1歳以上24時間・1歳未満48時間(本シート帰宅指導参照)。
出典
日本小児神経学会「小児頭部外傷時のCT撮像基準の提言・指針」2019 / PECARN原著(Kuppermann 2009)。性能: 原著で2歳未満NPV100%・2歳以上NPV99.95%、本邦6施設6,585例の前方視的検証でNPV99.96%(95%CI 99.86-100)。詳細は本シート詳細リファレンス§2の出典参照。
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体重減少率9%超、またはショック/プレショック徴候があればこの評価に依らず重度脱水として経静脈輸液を優先(本シート§4参照)。
いつ使う
外来での急性胃腸炎などの脱水程度の当たり付け。4項目中2項目以上の該当で体重の5%以上の脱水が示唆される(厚生労働省 抗微生物薬適正使用の手引きの簡易評価)。
落とし穴
- 2項目未満でも脱水は否定されない — 経口摂取・尿量・経過と合わせて判断する
- 詳細な重症度分類はCDS(4項目0〜8点: 軽度1〜4点/中等症〜重症5〜8点、小児急性胃腸炎診療GL2017)を併用
次の一手
評価結果に応じて経口補水療法(ORT)または輸液へ(本シート§4と「脱水と水分補給」シート参照)。嘔吐でORTが進まない場合の制吐薬の考え方は詳細リファレンス参照。
出典
厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」(4項目中2項目該当で体重5%以上の脱水が示唆)/日本小児救急医学会「小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017」/Friedman JN, et al. J Pediatr 2004(Clinical Dehydration Scale)。URLは本シート詳細リファレンスの出典参照。
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主要所見のうち最も重度のもので判定する(JPGL)。該当する所見を選ぶ。
喘鳴の「減少・消失」は改善ではなく呼吸不全のサインであり得る。SpO2はCO2を評価できない — 呼吸不全を疑えば血液ガスへ(大発作以降でPaCO2が急上昇)。
いつ使う
急性増悪(発作)時の強度判定と初期治療の選択(本シート§4の強度別プランへ接続)。判定は主要所見(意識状態・会話・体位・喘鳴・陥没呼吸・チアノーゼ・SpO2)の最重度で行う。
落とし穴
- 参考所見(呼気延長・呼吸数・PEF・PaCO2)は補助的に用いる — 呼気延長が吸気の2倍以上は大発作水準
- 年齢別標準呼吸数: 0〜1歳30〜60/1〜3歳20〜40/3〜6歳20〜30/6〜15歳15〜30(回/分)
- 呼吸不全列の一部項目は引用元でも空欄(JPGL2023原本 表8-1で要確認・本シート注記)
次の一手
強度に応じて§4(β2吸入・ステロイド・酸素・アドレナリン筋注の適応)へ。大発作・呼吸不全は入院/上位施設連携を前提に動く。
出典
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2023 第8章の発作強度判定(本シート詳細リファレンス§2に全表と出典URL)。
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日
この年齢帯は典型的な感染徴候に乏しいまま重症化しうる。全身状態が良く見えても年齢帯の方針を優先する。60日を超える場合はこの表の対象外で、通常の発熱児のトリアージへ。
いつ使う
生後3か月未満(8〜60日)の発熱。日齢で必須検査と腰椎穿刺の扱いが変わる。生後8日未満は本表の対象外で、新生児早期として別に評価する。
落とし穴
- 生後8-21日は例外なくフルワークアップ。炎症マーカーが陰性でも省略の余地はない
- 22-28日はマーカーで分岐するが、陰性でもLPは任意=臨床判断であって「不要」ではない
- 29-60日は外来管理の余地が最も大きいが、shared decision makingが前提
出典
本シート「発熱乳児 3か月未満 初期評価プロトコル」§2の年齢帯表。
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歳
回/分
/分
mmHg
呼吸数60回/分以上・脈拍160/分以上は月齢によらず異常とされる。数値が基準内でも、陥没呼吸・鼻翼呼吸・呻吟・活気や哺乳の低下といった所見を優先する。血圧低下は代償が破れた後に現れる遅い指標で、正常でもショックを否定しない。
いつ使う
年齢を入れると、その年齢帯の呼吸数の生理的範囲と、低血圧とみなす収縮期血圧の閾値が出る。実測値も入れると基準と突き合わせる。
落とし穴
- 低血圧の定義は年齢の関数:乳児〜10歳以下は収縮期 [70+(2×年齢)] mmHg未満、成人は90mmHg未満。または平時比30%超の低下。年齢を当てはめずに「90未満」で判断すると、年少児の低血圧を見逃す
- 呼吸数の生理的範囲は年齢で大きく違う(新生児30〜60/乳児30〜40/幼児20〜30)。成人の感覚で「多い」と判断しない
- 細気管支炎では呼吸数60〜70回/分以上が重症化のサインとされるが、研究によって一貫しない
出典
低血圧の定義はアナフィラキシーのシート(血圧低下の定義)、呼吸数の年齢帯は気管支喘息発作のシート(年齢別標準呼吸数)と急性細気管支炎のシート(生理的範囲・60回/分以上は異常)。いずれも正本の記載。
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g/dL
年齢・区分
生後6か月未満はこの基準の対象外。新生児期は生理的にHbが高く(臍帯血で13.5〜20g/dL程度)、その後生理的下降をたどるため、同じ数値でも意味が違う。フェリチンは炎症の影響を最も受けやすい指標である点にも注意。
いつ使う
WHO 2024年改訂版の年齢別Hb基準で貧血かどうかを切る。鉄欠乏は「貯蔵鉄の減少(フェリチン低下)→血清鉄の低下→Hb低下」の順で進むため、Hbが正常でも鉄欠乏は否定できない。
次の一手
- 鉄剤開始後72〜96時間で網赤血球が上昇し始める
- 開始後4週間でHbが1g/dL以上(Hct 3%以上)上昇していれば鉄欠乏性貧血の診断が確定的
- Hb/Hct正常化後も、貯蔵鉄が回復するまで少なくとも2〜3か月(8〜12週間)治療を続ける。中止後も数か月は再燃を確認する
出典
本シート「鉄・フェリチンと鉄欠乏性貧血」§2-1 の年齢別ヘモグロビン基準値(WHO 2024年改訂版)と治療反応の表。
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どの健診か
判定は異常なし/要観察/要紹介(既医療含む)の3区分。公式の診察項目表・判定基準表が存在するのは3〜4か月/9〜10か月/1歳6か月/3歳の4区分だけで、1か月と6〜7か月には無い。無い回は施設の様式が実質の基準になる。
いつ使う
健診の枠に入る前に、その回で公式に見ることになっている項目と判定の線を確認する。回ごとに項目が入れ替わるので、記憶で流さない。
落とし穴
- 回によって見る項目が違う。3歳で眼・耳鼻咽頭が加わり、9〜10か月はDDH・心雑音・斜視・停留精巣を拾い直す最後の乳児期の機会になる
- 1か月と6〜7か月には公式の判定基準表が無い。「基準どおりに見た」と思い込まない
- 成長曲線は帯の中なら安心・外れたら異常ではない。その子なりのカーブから急に外れていないかを見る。体重増加不良の判定は「%タイル曲線を2本下降」
- 健診は母子健康手帳の接種歴を確認する定点観測ポイントでもある。接種漏れ・スケジュールのずれを必ず見る
出典
診察標準項目と判定基準=国立成育医療研究センター 乳幼児健康診査マニュアル。DDH=日本小児整形外科学会・日本整形外科学会「乳児健康診査における股関節脱臼二次検診の手引き」。3歳児視覚検査=日本眼科医会ほか「3歳児健診における視覚検査マニュアル」(令和3年7月)。M-CHAT日本語版。離乳=厚労省「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改定版。いずれも本シートの詳細リファレンスにURLを載せている。
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定義(GL2023・すべて満たすことが前提)
発作の持続時間
そのほかの所見
乳児・低年齢児では髄膜刺激徴候が乏しくても細菌性髄膜炎は除外できない。全身状態(活気・哺乳・機嫌・意識の質)を優先する。5分以上の発作、特にベンゾジアゼピン反応不良例では血糖測定を必須とする。
いつ使う
発熱+けいれん様エピソードの受診時。病型の判定が、脳波・画像などの検査適応と紹介の判断に効く。判定の前にレッドフラグ(髄膜刺激徴候・意識回復不良・Todd麻痺・繰り返す嘔吐・点状出血/紫斑)を外す(本シート§1)。
落とし穴
- 定義のいずれかを外れるものは「熱性けいれん」ではない — 生後6か月未満の初発は髄膜炎・代謝異常・てんかんの除外診断を優先する
- 複雑型で脳波を考慮する場合は発作後7日以降が望ましい(直後は非特異的異常が出やすく予測精度が落ちる・CQ3-3)
- 髄膜刺激徴候の陰性を除外根拠にしない
次の一手
単純型で全身状態が良ければ検査は原則不要、帰宅指導へ(本シート§3・§6)。複雑型・重積、または定義から外れる場合は検査・紹介の適応を検討する。
出典
日本小児神経学会「熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023」(定義・病型分類・CQ1-1〜1-3・CQ3-3)。URLは本シート詳細リファレンス参照。
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添付文書は年齢・症状に応じたレンジ規定で、全身投与薬のような厳密なmg/kg換算ではない。体重では決まらない。
クループへのアドレナリン(ボスミン)吸入は適応外使用。ボスミン外用液0.1%の承認適応は「気管支喘息・百日咳に基づく気管支痙攣の緩解」等で、クループ(喉頭炎)の記載はない(PMDA原本 2026年3月改訂第3版を直接確認済み)。院内プロトコル化・保護者説明の際は、この適応外性を明記すること。
いつ使う
喘息発作時のSABAネブライザー。pMDI+スペーサーとネブライザーは有効性が同等で、JPGL2023 CQ9はどちらも提案するとして優劣をつけていない。重症度が高く反復投与・酸素同時投与が必要ならネブライザーが扱いやすい。
落とし穴
- Cochrane(Cates 2013)の小児サブグループではスペーサー使用群のED滞在時間が平均約33分短い(103分 vs 70分)。メタ解析では有害事象(頻脈等)もスペーサー群で少ない傾向
- JPGL2023は「国内は小児でのプロカテロールpMDI使用データが乏しく、用量設定・衛生面の留意が必要」として両論併記にとどめている
- 軽〜中等症でスペーサー手技を指導できる年齢・状況なら、pMDI+スペーサーは積極的に検討してよい(エビデンス上「劣る」わけではない)
次の一手
反応を見ながら20〜30分間隔で反復可能。発作強度の判定と全身性ステロイドの適応は「気管支喘息発作」のシートへ。
出典
プロカテロール(メプチン吸入液0.01%)・サルブタモール(ベネトリン吸入液0.5%)の各添付文書、JPGL2023 CQ9、Cates 2013(Cochrane)。本シート§2-1・2-2。