多形紅斑

多形紅斑

アレルギー・皮膚β版・逐条レビュー継続中

2026-09-13更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

施設プロファイル: 二次救急/皮膚科の入院設備なし。粘膜疹(口唇・眼・陰部)があれば薬疹・SJS/TEN・DIHSとして扱う。

30秒要約

  • 分岐は「粘膜疹があるかどうか」多形紅斑(EM)とは、境界のはっきりとした赤い発疹やときに水ぶくれが出現し拡大する病気です。発熱などの全身症状、くちびるのただれや目の充血を伴い、発疹が体全体に広くみられる場合があり、多形紅斑重症型(EM major)と呼びます。くちびるや目の症状が強いときは「スティーヴンス・ジョンソン症候群」と診断されます。
  • 原因は薬だけではない多形紅斑は薬剤に対する反応のほか、感染、自己免疫疾患、妊娠、寒冷刺激、内臓悪性腫瘍など様々な原因で発症する。特にマイコプラズマや連鎖球菌などの細菌感染や単純ヘルペスウイルス感染に伴う多形紅斑は、しばしば薬剤性の多形紅斑との鑑別が必要となる。
  • 粘膜症状なし・全身状態良好なら当院で完結できる多くは原因薬の中止とステロイド外用、中等量までのステロイド全身投与で治癒するが、発熱が続き、粘膜症状がある場合(EM major)スティーヴンス・ジョンソン症候群との鑑別が必要となるため、入院のうえ観察を行う。
  • 発熱が続き、粘膜症状があるとき(EM major)は話が変わる。SJSとの鑑別が必要になる(下記「鑑別:見逃してはいけないもの」)。当院に皮膚科の入院設備はない(要確認)。
  • 急激な拡大か全身症状・粘膜症状があれば迷わず紹介医療関係者は、急激な皮疹の拡大を認めた場合や全身症状・粘膜症状を伴う場合、スティーヴンス・ジョンソン症候群の恐れがあるため、早急に入院設備のある皮膚科の専門機関に紹介する。

レッドフラグ → 次の一手

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見その場で次にやること時間の勝負
119全身の広範囲に水疱・表皮剥離が急速に拡大、または呼吸困難・循環不全TEN相当。薬疹・SJS/TEN・DIHSの119対応へ切り替える。持てない即時
緊急急激な皮疹の拡大、または全身症状・粘膜症状を伴う医療関係者は、急激な皮疹の拡大を認めた場合や全身症状・粘膜症状を伴う場合、スティーヴンス・ジョンソン症候群の恐れがあるため、早急に入院設備のある皮膚科の専門機関に紹介する。薬疹・SJS/TEN・DIHSも参照即時
緊急発熱が続き、粘膜症状がある(EM major)多くは原因薬の中止とステロイド外用、中等量までのステロイド全身投与で治癒するが、発熱が続き、粘膜症状がある場合(EM major)スティーヴンス・ジョンソン症候群との鑑別が必要となるため、入院のうえ観察を行う。入院設備は要確認(下記)当日
当日境界明瞭な紅斑・標的状皮疹のみ、粘膜症状なし、全身状態良好被疑薬があれば中止し、ステロイド外用。再診の日を決める当日

鑑別:よくあるもの

疾患見分け当院の扱い
単純ヘルペス関連の多形紅斑単純ヘルペスの症状を確認する。出現部位は主として顔面や四肢末端で、紅斑の多くは直径 20mm 以下である。典型的には中心部の発赤が強い辺縁の隆起した紅斑(typical targets)がみられる。粘膜症状なければ当院でステロイド外用。抗ヘルペス薬の適応は要確認
マイコプラズマ関連の多形紅斑四肢を中心に体幹にもみられる浮腫性の紅斑で、ときに水疱・びらんを伴う。発熱や咽頭炎、肺炎を伴うことがある。胸部レントゲンにて肺炎像の有無を確認する。ただし、明らかな胸部レントゲン異常を認めないこともある。マイコプラズマ肺炎の診断を確認する。重篤な粘膜疹を伴うとスティーヴンス・ジョンソン症候群と診断される。胸部レントゲンとマイコプラズマの診断確認(マイコプラズマ
多発性固定薬疹薬剤の摂取 1〜数時間後に口唇、外陰部、眼角といった粘膜皮膚移行部や顔面、四肢に生じる浮腫性の類円形紅斑で、色素沈着を残して治癒する。皮疹の出現時は灼熱感やぴりぴりした痛みを伴い、中心部に水疱やびらんを伴うことがある。原因薬剤の再投与で同一部位に再燃するが、繰り返すと次第に増加する。感冒薬や消炎鎮痛薬、抗菌薬によるものが多い。被疑薬の記録と再投与防止
水痘体幹に大豆大までの浮腫性紅斑としてはじまり、すぐに小水疱と化す。新旧の皮疹が混在し、個疹は数日で乾燥して痂皮となる。水痘

鑑別:見逃してはいけないもの

一次資料が挙げる判別が必要な疾患は、単純ヘルペス関連・マイコプラズマ関連・多発性固定薬疹(上の表)と、スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死融解症の4つ。ここでは最後の1つと、その手前にある「多形紅斑重症型(EM major)」の扱いを整理する。

疾患見分け当院の扱い
スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死融解症スティーヴンス・ジョンソン症候群は粘膜症状が重篤であり、高熱や臓器障害をともなうなど、より重症である。持てない薬疹・SJS/TEN・DIHSへ切り替える

多形紅斑重症型(EM major)とSJSは別の病気。日本皮膚科学会のガイドラインは「多形紅斑重症型(erythema multiforme[EM]major)とは比較的軽度の粘膜病変を伴う多形紅斑をいう.皮疹は四肢優位に分布し,全身症状としてしばしば発熱を伴うが,重症感は乏しい.SJS とは別疾患である.」と定義し、SJSの診断基準は主要所見の一つとして「多形紅斑重症型(erythema multiforme[EM]major) **を除外できる.」ことを求めている。EM majorはSJSの前段階ではなく、除外して初めてSJSと診断される、という位置づけになる。

見分け方(CQ8「多形紅斑重症型との区別はどのようにするか」):「多形紅斑では多形紅斑重症型(EM major)と SJS との鑑別診断を必要とする.」

所見EM majorSJS
皮疹の分布・型四肢優位、typical/raised atypical targets体幹優位、flat atypical targets
口唇粘膜発赤・腫脹が主体、びらんは部分的広範囲のびらんと出血・血痂
侵される粘膜の数1つのことが多い2つ以上のことが多い(ただし統計学的有意差はない)
眼症状乏しい角膜上皮障害and/or偽膜形成を伴う点がEM majorと異なる
全身状態重症感は乏しい発熱・倦怠感・重症感、経口摂取低下がより高度

(口唇粘膜・侵される粘膜の数・眼症状の欄は「口唇粘膜は EM majorでは発赤,腫脹が主体で,びらんは部分的であるのに対し,SJS では広範囲のびらんと出血・血痂が特徴である.」「SJS では 2 つ以上の粘膜が侵されることが多いが,EM major との間に統計学的有意差はない」「眼症状は SJS では角膜上皮障害 and/or 偽膜形成を伴う点がEM majorと異なる.」を要約。原表現は出典参照)

治療ワークフロー(当院でやること)

やること
1皮疹を見る。皮疹:多発する紅色丘疹で始まり、拡大して境界の明瞭な類円形の紅斑となり癒合する(図 1)。紅斑の中心に水疱およびびらんをみる。
2口唇・眼・陰部の粘膜を必ず見る。粘膜症状:伴わないことが多いがときに結膜の充血などの軽微な症状を認める(EM major)。
3発熱の有無を確認する(38℃以上か)。全身症状:中等度の発熱を伴うことがある。
4薬剤歴を時系列で聴取する。原因医薬品の服用後 2 週間以内に発症することが多いが、数日以内あるいは 1 ヶ月以上服用してから発症することもある。
5感染症状を聴取する。単純ヘルペス(口唇の水疱の既往)・マイコプラズマ(咽頭痛・肺炎)を疑う所見がないか(上の鑑別表)
6判断:粘膜症状+発熱(EM major)か? → SJSとの鑑別が必要。入院のうえ観察へ(薬疹・SJS/TEN・DIHS、入院先は要確認)
7粘膜症状なし・全身状態良好 → 被疑薬があれば中止。まず被疑薬の服用を中止する。皮疹部に strong クラス以上のステロイド軟膏を塗布する。38℃以上の発熱や多数の水疱形成がみられる場合にはプレドニゾロン換算で 0.3〜0.5 mg/kg/日程度のステロイド全身投与を行うこともある。効果がみられたら症状に応じて適宜漸減する。
838℃以上の発熱や多数の水疱形成があれば、全身ステロイド投与の適応を専門医と相談する(下記医師確認事項)

所見の取り方

  • 皮疹の形皮疹:多発する紅色丘疹で始まり、拡大して境界の明瞭な類円形の紅斑となり癒合する(図 1)。紅斑の中心に水疱およびびらんをみる。紅斑が環状または標的状の部分は隆起性で、typical targets/raised atypical targetsと呼ばれる
  • 分布:顔面・四肢末端優位(単純ヘルペス関連)か、四肢優位(EM major)か、体幹優位(SJSを疑う所見。上の鑑別表)
  • 粘膜:口唇・眼・陰部を必ず見る。粘膜症状:伴わないことが多いがときに結膜の充血などの軽微な症状を認める(EM major)。EM majorとSJSでは粘膜所見の程度が異なる(上の鑑別表)
  • 全身状態全身症状:中等度の発熱を伴うことがある。重症感・倦怠感・経口摂取の程度を見る

検査

  • 血液検査(C 反応性蛋白(CRP)増加、白血球増加もしくは白血球減少を含む造血器障害、肝機能障害、腎機能障害)
  • 尿検査(尿蛋白、尿潜血)
  • 感染による多形紅斑が疑われる場合は感染症の検索(マイコプラズマ抗体・単純ヘルペス抗体など)
  • 胸部レントゲン撮影
  • 皮膚の病理組織検査(特に全身症状を伴う場合)

問診チェック

  • 薬剤歴(何を、いつから、何日目か)。市販薬も聞く
  • 原因医薬品の服用後 2 週間以内に発症することが多いが、数日以内あるいは 1 ヶ月以上服用してから発症することもある。
  • 医薬品を服用し、皮疹や呼吸器症状・肝機能障害などを認めた既往のある患者には、注意して医薬品を使用する。
  • 肝・腎機能障害のある患者では、当該副作用を生じた場合、症状が遷延化・重症化しやすい。
  • 感染症状(咽頭痛・肺炎・単純ヘルペスの既往)
  • 皮疹の拡大速度(急激な拡大はレッドフラグ)
  • 原因と考えられる医薬品:推定原因医薬品は、抗菌薬、解熱消炎鎮痛薬、感冒薬、抗けいれん薬、非イオン性造影剤、抗悪性腫瘍薬、痛風治療薬、サルファ剤、消化性潰瘍薬、精神神経用薬、筋弛緩薬、高血圧治療薬など広範囲にわたり、その他の医薬品によっても発生することが報告されている。

送る/持つ(当院=二次救急・皮膚科の入院設備なし)

状態当院の扱い
粘膜症状なし・全身状態良好の多形紅斑当院で対応。被疑薬中止+ステロイド外用
発熱が続き、粘膜症状がある(EM major)入院のうえ観察が必要。当院に皮膚科の入院設備はない。紹介先は要確認
急激な拡大・SJSを疑う所見持てない薬疹・SJS/TEN・DIHS
単純ヘルペス関連・マイコプラズマ関連の多形紅斑(粘膜症状なし)当院で対応しつつ、原因の診断を進める(マイコプラズマ

エスカレーション(施設オーバーレイで上書き)

  • 要確認:入院設備のある皮膚科の紹介先(EM majorの観察入院・SJS疑いの両方で必要)
  • 要確認:strongクラス以上のステロイド外用薬の院内採用
  • 要確認:まず被疑薬の服用を中止する。皮疹部に strong クラス以上のステロイド軟膏を塗布する。38℃以上の発熱や多数の水疱形成がみられる場合にはプレドニゾロン換算で 0.3〜0.5 mg/kg/日程度のステロイド全身投与を行うこともある。効果がみられたら症状に応じて適宜漸減する。当院でプレドニゾロン全身投与を開始するか、専門医紹介まで待つか
  • 要確認:皮膚の病理組織検査(皮膚生検)が当院で可能か、可能な場合の依頼先
  • 要確認:マイコプラズマ抗体・単純ヘルペス抗体などの迅速検査の可否

家族に渡す一文

「赤い発疹が皮ふに広がっていて、多形紅斑という状態が考えられます。多くは、原因と考えられるお薬をやめて、塗り薬で良くなります。ただ、熱が続く目・口・陰部の粘膜にも症状が出る発疹がどんどん広がる、という場合は、もっと注意が必要な状態(スティーヴンス・ジョンソン症候群)のことがあるので、皮膚科のある病院で診てもらう必要があります。今日はまず、粘膜の症状の有無と熱を確認します。」

医師確認事項(要・岡本判断)

  • 要確認:本シートは厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「多形紅斑」(平成30年6月、作成:公益社団法人日本皮膚科学会マニュアル作成委員会・一般社団法人日本病院薬剤師会)と、日本皮膚科学会「重症多形滲出性紅斑 スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症診療ガイドライン」(日皮会誌126(9):1637-1685, 2016)を一次資料としている。厚労省マニュアルは行政文書であり診療ガイドラインではない日本皮膚科学会ガイドライン(全49ページ)は、本シートではSJS診断基準〈p.1638-1639〉とCQ8〈p.1649〉の該当部分のみを確認した。ガイドラインの他のCQ・DIHS・TENに関する詳細部分は本シートで確認していない。
  • 要確認:小児に特化した多形紅斑の疫学(好発年齢・単純ヘルペス関連の再発率など)は、両資料とも明記がなく、本シートでは確認していない。臨床的によく言われる「小児の再発性多形紅斑は単純ヘルペス関連が多い」という一般論は、本シートの一次資料からは裏づけられていない。
  • 要確認:まず被疑薬の服用を中止する。皮疹部に strong クラス以上のステロイド軟膏を塗布する。38℃以上の発熱や多数の水疱形成がみられる場合にはプレドニゾロン換算で 0.3〜0.5 mg/kg/日程度のステロイド全身投与を行うこともある。効果がみられたら症状に応じて適宜漸減する。この用量・外用薬クラスの当院での適用(開始者・院内在庫・専門医への相談の要否)は決めていない。
  • 要確認:EM major(発熱+軽度粘膜症状)の「入院のうえ観察」を、皮膚科の入院設備がない当院でどう実行するか。SJSを除外できれば当院の一般病棟での観察という選択肢もありうるが、本シートはその判断をしていない。
  • 要確認:日本皮膚科学会ガイドラインの2025年補遺(SJSTEN2025.pdf)は本シートで確認していない薬疹・SJS/TEN・DIHSの医師確認事項にも同じ記載がある)。
  • 要確認:抗ヘルペス薬(アシクロビル等)の予防投与・治療適応は、両資料に記載がなく本シートでは踏み込んでいない。

出典

  • 厚生労働省.重篤副作用疾患別対応マニュアル 多形紅斑.平成30年6月.作成:公益社団法人日本皮膚科学会マニュアル作成委員会・一般社団法人日本病院薬剤師会.https://www.pmda.go.jp/files/000224779.pdf (2026-09-13閲覧・PDF原文を確認)。「多形紅斑(EM)とは、境界のはっきりとした赤い発疹やときに水ぶくれが出現し拡大する病気です。発熱などの全身症状、くちびるのただれや目の充血を伴い、発疹が体全体に広くみられる場合があり、多形紅斑重症型(EM major)と呼びます。くちびるや目の症状が強いときは「スティーヴンス・ジョンソン症候群」と診断されます。」「様々な原因で発症しますが、お薬やマイコプラズマや連鎖球菌などの細菌や単純ヘルペスウイルスの感染が主な原因として知られています。」「医薬品服用後の境界明瞭な紅斑、紅斑の中央部に形成される水疱、多形紅斑重症型(erythema multiforme [EM] major)では発熱、両眼の結膜充血や口唇の発赤」「医療関係者は、急激な皮疹の拡大を認めた場合や全身症状・粘膜症状を伴う場合、スティーヴンス・ジョンソン症候群の恐れがあるため、早急に入院設備のある皮膚科の専門機関に紹介する。」「原因医薬品の服用後 2 週間以内に発症することが多いが、数日以内あるいは 1 ヶ月以上服用してから発症することもある。」「医薬品を服用し、皮疹や呼吸器症状・肝機能障害などを認めた既往のある患者には、注意して医薬品を使用する。」「肝・腎機能障害のある患者では、当該副作用を生じた場合、症状が遷延化・重症化しやすい。」「推定原因医薬品は、抗菌薬、解熱消炎鎮痛薬、感冒薬、抗けいれん薬、非イオン性造影剤、抗悪性腫瘍薬、痛風治療薬、サルファ剤、消化性潰瘍薬、精神神経用薬、筋弛緩薬、高血圧治療薬など広範囲にわたり、その他の医薬品によっても発生することが報告されている。」「多くは原因薬の中止とステロイド外用、中等量までのステロイド全身投与で治癒するが、発熱が続き、粘膜症状がある場合(EM major)スティーヴンス・ジョンソン症候群との鑑別が必要となるため、入院のうえ観察を行う。」「多形紅斑は薬剤に対する反応のほか、感染、自己免疫疾患、妊娠、寒冷刺激、内臓悪性腫瘍など様々な原因で発症する。特にマイコプラズマや連鎖球菌などの細菌感染や単純ヘルペスウイルス感染に伴う多形紅斑は、しばしば薬剤性の多形紅斑との鑑別が必要となる。」「血液検査(C 反応性蛋白(CRP)増加、白血球増加もしくは白血球減少を含む造血器障害、肝機能障害、腎機能障害)」「尿検査(尿蛋白、尿潜血)」「感染による多形紅斑が疑われる場合は感染症の検索」「胸部レントゲン撮影」「皮膚の病理組織検査(特に全身症状を伴う場合)」「皮疹:多発する紅色丘疹で始まり、拡大して境界の明瞭な類円形の紅斑となり癒合する(図 1)。紅斑の中心に水疱およびびらんをみる。」「粘膜症状:伴わないことが多いがときに結膜の充血などの軽微な症状を認める(EM major)。」「全身症状:中等度の発熱を伴うことがある。」「典型的には、境界明瞭な類円形の紅斑や隆起した標的状紅斑が多発、融合することから診断する。病理組織所見で基底層の液状変性を確認する。」「単純ヘルペスの症状を確認する。出現部位は主として顔面や四肢末端で、紅斑の多くは直径 20mm 以下である。典型的には中心部の発赤が強い辺縁の隆起した紅斑(typical targets)がみられる。」「四肢を中心に体幹にもみられる浮腫性の紅斑で、ときに水疱・びらんを伴う。発熱や咽頭炎、肺炎を伴うことがある。胸部レントゲンにて肺炎像の有無を確認する。ただし、明らかな胸部レントゲン異常を認めないこともある。マイコプラズマ肺炎の診断を確認する。重篤な粘膜疹を伴うとスティーヴンス・ジョンソン症候群と診断される。」「薬剤の摂取 1〜数時間後に口唇、外陰部、眼角といった粘膜皮膚移行部や顔面、四肢に生じる浮腫性の類円形紅斑で、色素沈着を残して治癒する。皮疹の出現時は灼熱感やぴりぴりした痛みを伴い、中心部に水疱やびらんを伴うことがある。原因薬剤の再投与で同一部位に再燃するが、繰り返すと次第に増加する。感冒薬や消炎鎮痛薬、抗菌薬によるものが多い。」「体幹に大豆大までの浮腫性紅斑としてはじまり、すぐに小水疱と化す。新旧の皮疹が混在し、個疹は数日で乾燥して痂皮となる。」「スティーヴンス・ジョンソン症候群は粘膜症状が重篤であり、高熱や臓器障害をともなうなど、より重症である。」「まず被疑薬の服用を中止する。皮疹部に strong クラス以上のステロイド軟膏を塗布する。38℃以上の発熱や多数の水疱形成がみられる場合にはプレドニゾロン換算で 0.3〜0.5 mg/kg/日程度のステロイド全身投与を行うこともある。効果がみられたら症状に応じて適宜漸減する。」「医薬品による多形紅斑の発症頻度は明らかではない。薬疹のなかでは播種状紅斑丘疹型に次いで多くみられる臨床型である。EM major の割合は高くない。」。
  • 重症多形滲出性紅斑ガイドライン作成委員会.日本皮膚科学会ガイドライン 重症多形滲出性紅斑 スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症診療ガイドライン.日皮会誌 126(9):1637-1685, 2016.https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/EM%20major(1).pdf (2026-09-13閲覧・PDF原文を確認。SJS診断基準〈p.1638-1639〉とCQ8〈p.1649〉のみ確認)。SJS診断基準の主要所見の一つ「多形紅斑重症型(erythema multiforme[EM]major) **を除外できる.」、注釈「多形紅斑重症型(erythema multiforme[EM]major)とは比較的軽度の粘膜病変を伴う多形紅斑をいう.皮疹は四肢優位に分布し,全身症状としてしばしば発熱を伴うが,重症感は乏しい.SJS とは別疾患である.」、CQ8の推奨文「SJS の主要症状である皮膚粘膜移行部の広範囲で重篤な粘膜病変,表皮の壊死性障害に基づく皮膚症状(flat atypical targets,水疱,びらん,痂皮,膜様落屑など) ,発熱の有無に加え,経口摂取,重症感・倦怠感,治療への反応,病理組織所見における表皮の壊死性変化の程度などを加味して総合的に判断する.」、解説「多形紅斑では多形紅斑重症型(EM major)と SJS との鑑別診断を必要とする.」「口唇粘膜は EM majorでは発赤,腫脹が主体で,びらんは部分的であるのに対し,SJS では広範囲のびらんと出血・血痂が特徴である.」「SJS では 2 つ以上の粘膜が侵されることが多いが,EM major との間に統計学的有意差はない」「眼症状は SJS では角膜上皮障害 and/or 偽膜形成を伴う点がEM majorと異なる.」。未確認:ガイドライン全文49ページのうち上記以外の部分(TEN診断基準の詳細、DIHS、CQ1〜7・CQ9以降)、2025年補遺(SJSTEN2025.pdf)。

処方

kgこのシートの計算すべてに反映。タブを閉じるまで保持されるので、患者が変わったらクリアする。
処方

処方の考え方

まず被疑薬の服用を中止する。原因医薬品の服用後2週間以内の発症が多いが、数日以内や1か月以上服用してからのこともある。粘膜症状+発熱(EM major)ならSJSとの鑑別が要る

重症度

この数字の意味

体重換算の考え方であって処方箋ではない。実際の剤形・力価(ドライシロップ10%/20%等)と採用薬は施設ごとに違い、本シートの「院内ローカルルール」(§6)は未確定のまま。g・包数への換算は院内採用を確認したうえで行う。

薬剤名だけで用量が出ないものは、正本にその記載が無いということ。推測の数字は出さない。

参考計算・参考判定です。適用は添付文書・現行ガイドライン・院内採用・患者個別要因を確認のうえ医師が判断してください。

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