一次資料が挙げる判別が必要な疾患は、単純ヘルペス関連・マイコプラズマ関連・多発性固定薬疹(上の表)と、スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死融解症の4つ。ここでは最後の1つと、その手前にある「多形紅斑重症型(EM major)」の扱いを整理する。
| 疾患 | 見分け | 当院の扱い |
|---|
| スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死融解症 | スティーヴンス・ジョンソン症候群は粘膜症状が重篤であり、高熱や臓器障害をともなうなど、より重症である。 | 持てない。薬疹・SJS/TEN・DIHSへ切り替える |
多形紅斑重症型(EM major)とSJSは別の病気。日本皮膚科学会のガイドラインは「多形紅斑重症型(erythema multiforme[EM]major)とは比較的軽度の粘膜病変を伴う多形紅斑をいう.皮疹は四肢優位に分布し,全身症状としてしばしば発熱を伴うが,重症感は乏しい.SJS とは別疾患である.」と定義し、SJSの診断基準は主要所見の一つとして「多形紅斑重症型(erythema multiforme[EM]major) **を除外できる.」ことを求めている。EM majorはSJSの前段階ではなく、除外して初めてSJSと診断される、という位置づけになる。
見分け方(CQ8「多形紅斑重症型との区別はどのようにするか」):「多形紅斑では多形紅斑重症型(EM major)と SJS との鑑別診断を必要とする.」
| 所見 | EM major | SJS |
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| 皮疹の分布・型 | 四肢優位、typical/raised atypical targets | 体幹優位、flat atypical targets |
| 口唇粘膜 | 発赤・腫脹が主体、びらんは部分的 | 広範囲のびらんと出血・血痂 |
| 侵される粘膜の数 | 1つのことが多い | 2つ以上のことが多い(ただし統計学的有意差はない) |
| 眼症状 | 乏しい | 角膜上皮障害and/or偽膜形成を伴う点がEM majorと異なる |
| 全身状態 | 重症感は乏しい | 発熱・倦怠感・重症感、経口摂取低下がより高度 |
(口唇粘膜・侵される粘膜の数・眼症状の欄は「口唇粘膜は EM majorでは発赤,腫脹が主体で,びらんは部分的であるのに対し,SJS では広範囲のびらんと出血・血痂が特徴である.」「SJS では 2 つ以上の粘膜が侵されることが多いが,EM major との間に統計学的有意差はない」「眼症状は SJS では角膜上皮障害 and/or 偽膜形成を伴う点がEM majorと異なる.」を要約。原表現は出典参照)