予防接種を受けられないとき・注意が必要なとき

予防接種を受けられないとき・注意が必要なとき

予防接種・健診β版・逐条レビュー継続中

2026-07-31更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

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30秒要約

  • 予防接種を受けられないとき・注意が必要なとき。家族説明と同じ受診サインで切る。
  • まず毒性・気道・循環を見る。迷ったら上級医。
  • 家族には説明ページを渡し、様子見の自己判断を止めさせる。
家族に渡す説明を開く同じ内容を、家族に読める言葉で。URLも渡せます。

レッドフラグ

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見家族に伝えること
当日接種後、顔や唇の腫れ、息苦しさ、じんましんが全身に広がるなど、強いアレルギー症状が出たとき(多くは接種後30分以内に起こります)家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
緊急接種後に高い熱が続き、ぐったりして元気がないとき家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日接種後にけいれんが起き、数分以上続く、または繰り返すとき家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日生きたワクチン(BCG・麻疹風疹混合〈MR〉・水痘・おたふくかぜなど)を受けたあと、いつもと違う長引く発熱・発疹・リンパ節の腫れが続くとき家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日BCGを受けたところが、接種後10日以内に強く赤く腫れてきたとき家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す

問診チェック

初期プラン(コア)

  1. ABC と毒性を先に見る。
  2. 上のレッドフラグで 119 / 今日受診 / 説明して帰宅 を分ける。
  3. 検査・薬は施設プロトコル。用量は書かない。
  4. 家族説明を渡す。

家族に渡す一文

この説明ページに、今日の判断と受診の目安がまとまっています。当てはまるサインがあれば様子を見続けずに連絡してください。
https://ampl-kids-health-guide.pages.dev/patient/予防接種を受けられないとき・注意が必要なときについて_患者説明_2026-07-30.html

エスカレーション

  • レッドフラグ、判断に迷う → 上級医

出典

  • Family Guide vaccine-contraindications と整合
詳細リファレンス8章(正本より)

出所: 正本「接種不適当者・要注意者_2026-07-30.md」(起草→敵対的検証→一次資料照合→独立再検証済み)。同期日: 2026-08-14。
用量・基準は「考え方」の記載であり、適用前に一次資料と院内採用・添付文書を確認すること。「医師確認事項」に残る論点は未確定。

  • 区分: 外来編/予防接種
  • 記録日: 2026-07-30
  • 状態: 下書き(要・本人確認)
  • 対象: 小児外来(愛育病院)

⚠ 本ファイルはAIが最新の文献・ガイドラインをWeb検索して起草した下書き。最終的な臨床判断は医師(岡本)が確認して確定する。用量は体重換算の「考え方」のみ・個別患者値や患者情報は書かない。

0. 要点(3行)
  • 「接種不適当者」(法定・打ってはいけない)と「接種要注意者」(添付文書上の注意対象・慎重に判断すれば打てる)は法的重みがまったく違う[1][2]。要注意者を不適当者と混同して不要に延期しないこと。
  • 忘れがちな「原則接種可」の3枠:卵アレルギー(インフルエンザ・MRとも)軽微な感冒(元気で悪化傾向がなければ可)熱性けいれん既往(日本小児神経学会 熱性けいれん診療ガイドライン2023 CQ8-1の現行の立場は待機期間を一律に提示せず、有用性・副反応と対応を説明し同意を得れば接種可。「2〜3か月」は平成15年見解由来の歴史的な目安であり現行の必須要件ではない)は、いずれも接種を止める理由にならない[3][7][8]。
  • 本当に止めるべきは:37.5℃以上の発熱当該ワクチン成分によるアナフィラキシー既往細胞性免疫不全・高用量ステロイド/免疫抑制薬内服中の生ワクチン妊娠中の生ワクチンの4つに絞られる[1][3]。
1. いつ使う・いつ使わない(適応/非適応)
  • 使う(適応):
  • 予診票の「基礎疾患あり」「アレルギーあり」「けいれんの既往あり」「近親者に先天性免疫不全の疑いあり」等の回答欄に○がついた時の接種可否判断
  • 卵アレルギー児のインフルエンザ・MRワクチン接種相談
  • ステロイド治療中・免疫抑制薬内服中・悪性腫瘍治療中・臓器移植後の児の生ワクチン接種可否相談
  • 妊娠中/妊娠を希望する女性・その同居家族へのMR・風疹含有ワクチン接種相談
  • 熱性けいれん・てんかんの既往がある児への予防接種の説明
  • 使わない・過剰になりがち:
  • 卵アレルギーを理由にインフルエンザ・MRワクチンを一律に見送る(大部分は接種可)[3][7][8]
  • 微熱なし・軽い鼻汁や咳のみの児を「体調不良」として延期する
  • 熱性けいれん既往を理由に、以後の予防接種全般を長期間避ける
  • 安定期の慢性疾患(寛解期のネフローゼ症候群、コントロール良好な糖尿病等)を理由に一律延期する[3]
  • 「近親者にアレルギー体質がいる」を「先天性免疫不全の疑い」と混同する(予診票の別項目)
2. 実際(読み方・基準値・手技・スケジュール等)

2-1. 接種不適当者(法定除外・原則接種しない)

予防接種法施行規則第2条(予防接種の対象者から除かれる者)に規定される法定事由[1]。

事由内容
明らかな発熱体温37.5℃以上(この数値は日本小児科学会の実務解釈[3]。予防接種法施行規則第2条の条文自体は「明らかな発熱を呈している者」という文言のみで、数値基準は明記されていない)[1][3]
重篤な急性疾患かかっていることが明らかな者。軽症と判断できれば接種可(要相談)[3]
当該ワクチン成分によるアナフィラキシー既往明らかな場合は接種不可[1]
妊娠中の生ワクチン麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ等は妊娠中絶対禁忌(詳細は2-6)。予防接種法施行規則第2条は麻しん・風しんに係る予防接種について「妊娠していることが明らかな者」を対象者から除く旨を明記しているとの情報あり(本セッションでは条文要約の再取得にとどまり全文の逐語確認はできていない[要確認・検索で裏取れず])[1][3]
その他上記に準じ、医師が接種を行うことが不適当な状態にあると判断した者(包括規定)[1]
  • 発熱の再検温は必須:自己申告で「熱はない」でも、来院時の検温で発熱に気づくことがある。検温結果を予診票に残す[4]。
  • 発熱後の接種再開の目安(学会見解):通常のウイルス感染症は治癒後1〜2週間、麻疹は治癒後4週間程度、風疹・水痘・おたふくかぜは治癒後2〜4週間程度あける[3]。

2-2. 接種要注意者(添付文書「9.1」相当・禁忌ではなく「慎重に判断して接種」)

各ワクチンの添付文書「特定の背景を有する者に関する注意」に共通する標準項目(ワクチン共通の基本構成)[9]。該当=接種不可ではなく、健康状態・体質を勘案し、必要性と副反応を説明し同意を得た上で接種する対象

区分内容
基礎疾患心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等[9]
アレルギー既往接種後2日以内の発熱(非特異的な発熱反応であり厳密にはアレルギー反応ではないが、添付文書の標準区分に従いここに整理)、全身性発疹等アレルギーを疑う症状の既往[9]
けいれんの既往詳細は2-7[9]
神経系の既往前回接種後の急性脳症・脳炎の既往(アレルギー反応や熱性けいれんとは別枠の神経学的要注意事項として添付文書上区別される)[9]
免疫不全過去に免疫不全の診断/近親者に先天性免疫不全症の疑い[9]
血液系血小板減少症、凝固障害、抗凝固療法中(筋注部位の出血リスク)[9]
呼吸器疾患間質性肺炎、気管支喘息等[9]
アレルギー素因ワクチン成分・鶏卵・鶏肉等由来物へのアレルギーの恐れ(詳細は2-3)[9]

※ 本節の各項目は各ワクチン添付文書「9.1 接種要注意者」の標準記載[9]および学会解説[3]に基づく整理。予防接種実施規則第6条([2])は「接種不適当者」の定義規定(予防接種法施行規則第2条第2号~第10号に掲げる者を準用する規定)であり、本節の「接種要注意者」の各項目を直接列挙する条文ではない(原文確認済み。旧版で[2]を要注意者の根拠として付していたのは誤りのため削除した)。

2-3. 卵アレルギーとインフルエンザ・MRワクチン(原則接種可)

ワクチン製法と卵成分接種の考え方
MRワクチン(麻疹・風疹)発育鶏卵ではなくニワトリ胚由来初代培養細胞で製造されており、卵白タンパクをほぼ含まない卵アレルギーは接種を避ける理由にならない。原則通り接種可[7][8]
インフルエンザワクチン発育鶏卵で製造されるため、オボアルブミン等の卵タンパクが微量残留する国際的にも接種可の方向へ拡大:ACIP 2011年「じんま疹程度なら安全に接種可能」→2016年「重症例もアレルギー対応可能な施設であれば接種可能」[7]。大部分の卵アレルギー児に安全に接種可能。卵によるアナフィラキシーの既往がある重症例のみ、アレルギー専門医と連携し、接種後の観察時間を延ばす等の対応で接種を検討[3][7]
  • 卵アレルギー以外のアレルギー疾患全般についても、学会見解は「ワクチンやその成分で激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こしたことがなければ、すべての予防接種ができる」[3]。
  • ACIPは2016年の「じんましん程度なら安全に接種可」に続き、2017年以降は卵アレルギーの重症度を問わず、インフルエンザワクチン接種後の院内観察時間の延長等の特別な予防措置自体が不要という整理にさらに進んでいるとされる。この2017年以降の動きは本セッションではWebSearch予算切れのため一次資料を再確認できていない[要確認・検索で裏取れず]。現状の記載(ACIP 2011→2016まで)は安全側(より慎重)に振れているため運用上の危険はないが、最新版を掲げる以上、本人確認時にACIP/AAP Red Book該当箇所の最新版を照合すること。

2-4. 免疫不全と生ワクチン禁忌の考え方

  • 高度の免疫抑制状態、特に細胞性免疫不全(T細胞機能不全)では、生ワクチンがワクチン株のまま増殖し致死的な感染症を起こしうる:BCG後の播種性BCG感染症、麻疹ワクチン後の致死的麻疹感染症、水痘ワクチン後の播種性水痘、ムンプスワクチン後の髄膜脳炎、ポリオ生ワクチン後の麻痺、ロタウイルスワクチン後の難治性下痢症の報告がある[5]。
  • 重症複合免疫不全症(SCID)は生後数か月で重症感染症に至り、未治療なら生後1年以内に90%以上が死亡する。国内では新生児マススクリーニングでの早期発見体制整備が進むとされる(出典[6]の作成時点=2024年6月の記載。2026年7月時点の最新カバレッジ状況は本セッションでは裏取れず[要確認・検索で裏取れず])が、少なくとも[6]作成当時の記載では全国一律ではなく、BCGの標準接種時期が生後5か月〜8か月未満に設定されているのは、生後3か月未満での接種を避け、この間に先天性免疫不全症を発見できるようにする配慮という側面がある[6]。
  • ロタウイルスワクチンは基礎疾患のある児では別枠の禁忌:SCID、腸重積症の発症を高める可能性のある未治療の先天性消化管障害(メッケル憩室等)、腸重積症の既往[3]。
  • 免疫抑制薬(メトトレキサート、タクロリムス、アザチオプリン等)・生物学的製剤内服・投与中は原則生ワクチン禁忌。専門施設では免疫学的パラメータ(CD4+T細胞数、PHAリンパ球幼若化反応、血清IgG等)を満たせば接種する取り組みも報告されているが、これは腎臓・膠原病・移植等の専門診療領域の判断であり、一般外来では専門医紹介が原則[5]。

2-5. ステロイド・免疫抑制薬内服中の生ワクチン(一般外来での目安)

状況目安
高用量ステロイド:プレドニゾロン換算で体重1kgあたり1日2mg以上、または1日20mg以上生ワクチン・不活化ワクチンともに接種を控える(学会推奨)[3]。米国Red Book/ACIPも同様の閾値(2mg/kg/日未満かつ20mg/日未満であれば接種可)を用いる[5]
免疫抑制薬(種類問わず)内服中原則として生ワクチンは接種しない(不活化ワクチンは可)[3][5]
生物学的製剤による治療中生ワクチンの接種を控える[3]
母親が妊娠中に生物学的製剤の投与を受けた場合児の不活化ワクチンはスケジュール通り生ワクチンは原則生後6か月を過ぎてから。製剤の種類・投与時期・期間により個別判断(母親の担当医+かかりつけ医で相談)[3]
接種前3か月以内の輸血・ガンマグロブリン製剤投与BCG・ロタウイルスワクチンを除く生ワクチンの効果が下がる可能性があり注意。川崎病等で大量ガンマグロブリンを投与された場合は6か月以上あけて生ワクチンを延期(原文[3]で確認済み:「川崎病などに対して大量ヒトガンマグロブリン製剤を投与された場合は、6か月以上過ぎるまで生ワクチンの接種を延期することが勧められています」)[3]
悪性腫瘍治療中完全寛解に入り免疫機能が回復するまでは生・不活化とも控える。維持療法中でも必要性が高い場合は免疫機能検査の上で接種を検討[3]
  • 具体的な投与終了後の待機期間(例:高用量ステロイド中止から何週あければ生ワクチンを打てるか)は、学会文書自体には量の基準(2mg/kg/日・20mg/日)しか明記されておらず、資料間で表現に幅がある[3][5]。一般外来で自己判断せず、専門医または院内基準に確認する(6章参照)。
  • 大量ガンマグロブリン療法後の生ワクチン延期期間の国際差:日本の学会資料[3]は用量を区別せず一律「6か月以上」としている(原文確認済み)。参考情報として、米国CDC/ACIPの General Best Practice Guidelines for Immunization は免疫グロブリン製剤の用量別に麻疹含有ワクチン等の延期期間を細分し、300〜400mg/kgで8か月、ITP高用量1g/kgで10か月、川崎病等の高用量2g/kgで11か月という区分が広く引用されており、日本の「6か月」より長い間隔を推奨する区分が存在する(この日米比較は筆者の既知情報に基づくもので、本セッションではCDC原典・ACIP Pink Bookへの再アクセスができておらず再確認未了[要確認・検索で裏取れず。cdc.govは403で直接取得不可、WebSearchは予算切れ])。麻疹含有ワクチンは受動移行抗体により「接種はしたが免疫がつかない」ワクチン不全を起こしうるため、川崎病等で大量ガンマグロブリンを投与した児への生ワクチン再接種時期は、本人確認の際に必ず最新のACIP/CDC原典および国内専門学会(日本小児科学会・日本小児感染症学会等)の最新見解を突き合わせ、機械的に「6か月経過=免疫あり」と判断しないこと。

2-6. 妊娠・妊娠希望者

対象生ワクチン(麻疹・風疹・水痘・おたふくかぜ・BCG等)不活化ワクチン
妊娠中絶対禁忌(胎児への影響を考慮)[1][3]接種可能(インフルエンザ・百日咳含有ワクチン等はむしろ推奨される)
妊娠を希望する女性(風疹含有ワクチン)接種後2か月間は妊娠を避けるよう指導[3][8]
授乳中接種してよい(乳児への影響なし)[3]接種可能
妊婦の同居家族家族が予防接種を受けても、そこから妊婦に感染することはない[3]
  • 誤って風疹含有ワクチン接種後の避妊期間中に妊娠が判明した場合でも、これまでに胎児への影響が出たという報告はなく、それのみを理由に妊娠を中断する必要はない[3]。

2-7. けいれんの既往

既往接種の考え方
熱性けいれん接種要注意者。日本小児神経学会 熱性けいれん診療ガイドライン2023 CQ8-1の現行の立場は、最終発作からの待機期間を一律に提示しないというもので、有用性・副反応とその対応を説明し保護者の同意を得た上で接種可能[3][9]。「最終発作から2〜3か月の観察期間」は平成15(2003)年の日本小児神経学会見解に由来する歴史的な目安であり、現行GLが必須要件として再掲しているものではない。ワクチン接種後の発熱によるけいれんより、ワクチンで防げたはずの感染症の発熱によるけいれんのリスクの方が高いため、可能な限り接種すべきという立場[3]
てんかん病状が安定しており、かかりつけ医(接種医)が問題ないと判断すれば接種可能。熱性けいれんと同様、固定的な待機期間を一律には設けない[3][6]
3. 鑑別・拾える疾患/注意すべき病態
  • 予診票の「近親者に先天性免疫不全症の疑い」欄:単なるアレルギー体質歴ではなく、乳児期早期死亡・重症感染症の家族歴の有無を具体的に聞く。BCG接種前は特に重要(生後5〜8か月への接種時期設定自体がSCID等の発見猶予を意図している)[6]。
  • 予診票の「けいれんの既往」欄:熱性けいれんか無熱性けいれん(てんかん・代謝性疾患・神経筋疾患)かを鑑別する。無熱性けいれんの場合は基礎疾患検索が先行課題になりうる。
  • 接種要注意者「血小板減少症・凝固障害・抗凝固療法中」:見落とすと筋注部位の血腫リスクが上がる。抗凝固薬内服の有無は予診票の「治療中の病気」欄で確認する[4]。
  • 免疫不全下での生ワクチン株感染症:BCG接種後の播種性BCG感染、麻疹・水痘・ムンプスワクチン後のワクチン株による重症感染症は、免疫不全が未診断のまま生ワクチンを接種した場合に起こりうる。接種後に通常と異なる遷延する発熱・皮疹・リンパ節腫脹等をみたら想起する[5]。
  • BCG接種後のコッホ現象:接種後早期(通常10日以内)に強い局所反応が出る場合、既に結核に感染している可能性を示唆する所見であり、通常の副反応と区別する。
4. 忘れがちポイント・落とし穴 ★
  • 「卵アレルギー=インフルエンザ・MRとも接種不可」は誤り:MRワクチンはそもそも卵タンパクをほぼ含まない製法。インフルエンザワクチンも国際標準は「大部分の卵アレルギー児に接種可能」の方向に大きく変わっており(ACIP 2011→2016)、重症アナフィラキシー既往例のみ専門医連携が必要という整理[3][7][8]。旧知識のまま一律延期・接種拒否をしない。
  • 「接種要注意者」を「接種不適当者」と同じ重さで扱ってしまう:要注意者は「打てない」ではなく「慎重に判断し、説明と同意の上で打つ」対象。基礎疾患・けいれん既往・アレルギー素因があるだけで機械的に延期するのは過剰対応[2][9]。
  • 軽症の急性疾患まで一律延期:37.5℃未満で、鼻汁・咳のみ・元気があれば接種可能な場面は多い。「体調不良疑い」で反射的に延期しない[3]。
  • 熱性けいれん既往を理由に長期間ワクチンを避ける:現行GL(日本小児神経学会 熱性けいれん診療ガイドライン2023 CQ8-1)は待機期間を一律に提示せず、有用性・副反応と対応を説明し同意を得れば接種可という立場。「2〜3か月」は平成15年見解由来の歴史的な目安にすぎず、現行の必須基準ではない。「けいれんを起こした子だから」と漠然と忌避しない[3][9]。
  • ステロイド閾値(PSL換算2mg/kg/日または20mg/日)を覚えていても、投与終了後どれだけ間隔をあけるかを自己流で判断してしまう:学会文書には量の基準しか明記がなく、終了後の待機期間には資料間で幅がある。専門医・院内基準への確認を省略しない[3][5]。
  • 免疫抑制薬内服中の児に「禁忌だから」と機械的に生ワクチンを断り、不活化ワクチンまで延期してしまう:不活化ワクチンは基本的に接種可能(免疫原性がやや低下する可能性があるのみ)。生・不活化を一括りにしない[3]。
  • 予診票の「近親者の先天性免疫不全症疑い」を聞き逃す:単に「家族にアレルギーがいますか」で済ませてしまい、BCG接種前に確認すべき最重要項目が抜ける[2][9]。
  • 接種前の再検温を省略する:保護者の「自宅では平熱でした」の申告のみに頼ると、来院後の発熱に気づかない。予防接種法施行規則上「明らかな発熱」は接種不適当事由の筆頭であり、来院時の検温記録は必須[1][4]。
  • 妊娠中の生ワクチンと「誤接種後の妊娠判明」を混同する:前者は絶対禁忌だが、後者(避妊期間中に妊娠した場合)は胎児リスク上昇の報告がなく、妊娠中断の適応にはならない。この区別を説明できないと保護者に過剰な不安を与える[3]。
  • 同姓同名・きょうだい同時受診時の対象者取り違え、付き添い家族への誤接種:予診票確認の不備として繰り返し報告されている典型的ヒヤリハット。フルネーム・生年月日での再確認を接種直前にも行う[4]。
5. 患者・保護者への説明(要点)
  • 「卵アレルギーがあっても、インフルエンザもMR(麻疹風疹)も、ほとんどのお子さんは通常どおり接種できます。過去に卵で強いアレルギー症状(アナフィラキシー)が出たことがある場合だけ、事前に相談してください」
  • 「少し鼻水や咳が出ていても、熱がなく元気であれば予防接種は受けられます。37.5℃以上の熱があるときだけ、日を改めましょう」
  • 「以前にけいれんを起こしたことがあっても、それだけを理由に長く延期する必要はありません。現在のガイドラインは『何か月あければ良い』と一律には決めておらず、状態を説明したうえで多くの場合は通常どおり接種できます。むしろワクチンで防げる病気にかかったときの熱でけいれんを起こすリスクの方が心配です」
  • 「妊娠中の方はMRワクチンなど生きたウイルスを弱めたワクチンは受けられませんが、インフルエンザワクチンなど不活化ワクチンは妊娠中でも受けられます」
  • 「風疹のワクチンを受けたあとは、2か月間は妊娠を避けてください。ただしもし避妊期間中に妊娠がわかっても、これまで赤ちゃんへの影響が出たという報告はありませんので、慌てて相談にいらしてください」
  • ステロイドや免疫を抑える薬を使っているお子さんについては、「生きたワクチンは主治医と相談してから」という説明にとどめ、個別の可否判断はその場で断定しない。
6. 院内ローカルルール(愛育・要確認)
  • 要確認:接種要注意者(基礎疾患・けいれん既往・アレルギー素因)に該当した場合の院内での最終判断者(外来担当医か、専門科紹介か)の基準
  • 要確認:ステロイド・免疫抑制薬内服中の児の生ワクチン接種可否について、院内で相談すべき専門科(腎臓・膠原病・血液等)の連絡フロー
  • 要確認:卵アレルギー児のインフルエンザ・MRワクチン接種時、接種後の院内待機時間・観察体制の基準(重症アナフィラキシー既往例向け)
  • 要確認:予診票で「近親者に先天性免疫不全症の疑い」に該当した場合のBCG接種の取り扱い(延期・専門科紹介の判断フロー)
  • 要確認:接種前検温の実施者・記録方法(受付/看護師/医師のいずれが最終確認するか)
7. 出典(日本のGL優先・URL+版年)
  • [1] 厚生労働省「予防接種法施行規則」(昭和23年厚生省令第36号)第2条(予防接種の対象者から除かれる者)。最終改正:令和8年3月31日厚生労働省令第53号(公布)、施行日:令和8年6月1日(2026年6月1日)。e-Gov法令API(law_id: 323M40000100036)で構造化条文データを直接取得し確認済み(2026-07-31)。https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100036 (厚労省参考ページ: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79017000&dataType=0&pageNo=1
  • [2] 厚生労働省「予防接種実施規則」(昭和33年厚生省令第27号)第6条(内容=法第七条に規定する「予防接種を受けることが適当でない者」として予防接種法施行規則第2条第2号~第10号に掲げる者を準用する規定。すなわち第6条は「接種不適当者」の定義規定であり、本ファイル2-2節「接種要注意者」の各項目を直接列挙する条文ではない)、最終改正:令和7年11月28日厚生労働省令第117号(公布)、施行日:令和8年5月1日(2026年5月1日)。旧版に記載していた「令和2年3月27日厚生労働省令第5号」はWebFetch要約に基づく誤りだったため訂正(2026-07-31、e-Gov法令API law_id: 333M50000100027で構造化条文データを直接取得し確認済み)。https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000100027 (厚労省参考ページ: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=79018000&dataType=0&pageNo=1
  • [3] 公益社団法人日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」A-05「予防接種ができない場合/予防接種に注意が必要な場合」2025/01作成 ver.2。https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_A-05wakuchin_20250228.pdf
  • [4] 公益財団法人予防接種リサーチセンター『予防接種実施者のための予防接種必携 令和2年度(2020)』P.154-164「予防接種を適切に実施するための間違い防止チェックリスト」(文部科学省転載版)。https://www.mext.go.jp/content/20210702-mxt_daigakuc01-000015761_3.pdf 本文全8ページを直接取得・抽出し確認済み(2026-07-31):末尾に「(出典:公益財団法人予防接種リサーチセンター『予防接種実施者のための予防接種必携 令和2年度(2020)』P.154-164 一部改変)」の記載があり、本ファイルの出典表記と文言・ページ番号とも完全一致。発行元(予防接種リサーチセンター)を文部科学省が転載しているという組み合わせも実資料で確認された
  • [5] 亀井宏一「免疫抑制薬内服下での弱毒生ワクチン」日本小児腎臓病学会雑誌、J-STAGE早期公開 2021年10月22日。doi: 10.3165/jjpn.rv.2021.0003。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpn/advpub/0/advpub_rv.2021.0003/_pdf/-char/ja
  • [6] 認定NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会「BCGワクチン」Know VPD!(BCG標準接種期間・SCID発見猶予の考え方)。https://www.know-vpd.jp/children/va_bcg.htm /新生児マススクリーニング(重症複合免疫不全症)に関する解説:国立成育医療研究センター免疫科、2024年6月17日作成。https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/naika/240617-1.pdf
  • [7] 一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会 感染症委員会ワクチンチーム監修「こどもとおとなのワクチンサイト」インフルエンザ(ACIP 2011/2016年の卵アレルギー対応拡大の経緯を含む)。https://www.vaccine4all.jp/news-detail.php?npage=2&nid=129
  • [8] 同サイト「MR(麻疹・風しん混合)ワクチン」(妊娠中・妊娠希望者への接種可否)。https://www.vaccine4all.jp/news-detail.php?npage=2&nid=125
  • [9] PMDA「医療用医薬品 添付文書等情報検索」で確認できる小児用ワクチン(例:乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン等)添付文書「9. 特定の背景を有する者に関する注意」の標準記載構成を参考にした。https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/ ※旧版で参照していた「エフルエルダ®筋注」は国内で65歳以上の高齢者を主対象とする高用量インフルエンザワクチンで小児では使用しない製剤のため、小児科外来向け文書の参考として不適切と判断し差し替えた。ただし差し替え後の具体的な製剤名・添付文書版年はPMDAサイトへの直接アクセスで再確認できておらず特定していない[要確認・検索で裏取れず。本人確認時に実際に使用する小児用ワクチンの最新添付文書「9.1」で個別に照合すること]

※ 接種不適当者・要注意者の判定基準の正本は「予防接種法施行規則」第2条・「予防接種実施規則」第6条であり、各ワクチンの詳細は個別添付文書の「9. 特定の背景を有する者に関する注意」が最終的な拠り所となる。予防接種は改定が速い領域のため、運用前に必ず厚労省・日本小児科学会・各ワクチン添付文書の最新版を確認すること。ステロイド・免疫抑制薬内服中の生ワクチン接種可否の個別判断(専門施設での免疫学的基準運用等)は専門診療領域であり、本ファイルは一般外来での判断の目安にとどめている。

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