喘息の発作

喘息の発作

呼吸器β版・逐条レビュー継続中

2026-07-30更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

家族説明を開く

30秒要約

  • 重症度は会話・姿勢・チアノーゼで切る。ゼーゼーが消えて苦しそうなのは危険。
  • 処方済み発作止めがあれば指示どおり。効かなければ様子見を続けない。
  • 異物とアナフィラキシーを喘息に誤らない。

レッドフラグ

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見家族に伝えること
119チアノーゼ、一声も出ない、意識変容、silent chest家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
緊急前かがみ必須、強い陥没、吸入しても改善しない/すぐ再悪化家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
緊急食事中の急なむせ(異物)、蕁麻疹・口唇腫脹(アナフィラキシー)家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す

問診チェック

初期プラン(コア)

  1. 楽な姿勢(座位・前かがみ)。横強制はしない。
  2. 発作吸入は指示どおり。15-30分後に再評価。
  3. 効かない・再悪化は早期エスカレーション。自己判断の経過観察はしない。
  4. 家族説明 → Family Guide「喘息の発作」。

家族に渡す一文

「座らせて落ち着かせ、処方されている発作止めを指示どおり使ってください。15から30分見て、良くならない・また苦しくなるときは早めに連絡。ゼーゼーが急に静かになったのに苦しそうなときは危険です。」
https://ampl-kids-health-guide.pages.dev/patient/喘息の発作について_患者説明_2026-07-30.html

エスカレーション

  • 重症発作、silent chest、異物、アナフィラキシー → 上級医 / 救急

出典

  • Family Guide asthma-attack(2026-07-30)と整合

計算

kgこのシートの計算すべてに反映。タブを閉じるまで保持されるので、患者が変わったらクリアする。
判定

喘息発作強度の判定(JPGL)

主要所見のうち最も重度のもので判定する(JPGL)。該当する所見を選ぶ。

会話

興奮・意識

起坐呼吸

喘鳴

陥没呼吸

チアノーゼ

%

判定: 小発作

喘鳴の「減少・消失」は改善ではなく呼吸不全のサインであり得る。SpO2はCO2を評価できない — 呼吸不全を疑えば血液ガスへ(大発作以降でPaCO2が急上昇)。

いつ使う

急性増悪(発作)時の強度判定と初期治療の選択(本シート§4の強度別プランへ接続)。判定は主要所見(意識状態・会話・体位・喘鳴・陥没呼吸・チアノーゼ・SpO2)の最重度で行う。

落とし穴
  • 参考所見(呼気延長・呼吸数・PEF・PaCO2)は補助的に用いる — 呼気延長が吸気の2倍以上は大発作水準
  • 年齢別標準呼吸数: 0〜1歳30〜60/1〜3歳20〜40/3〜6歳20〜30/6〜15歳15〜30(回/分)
  • 呼吸不全列の一部項目は引用元でも空欄(JPGL2023原本 表8-1で要確認・本シート注記)
次の一手

強度に応じて§4(β2吸入・ステロイド・酸素・アドレナリン筋注の適応)へ。大発作・呼吸不全は入院/上位施設連携を前提に動く。

出典

小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2023 第8章の発作強度判定(本シート詳細リファレンス§2に全表と出典URL)。

参考計算・参考判定です。適用は添付文書・現行ガイドライン・院内採用・患者個別要因を確認のうえ医師が判断してください。

処方

処方

処方の考え方

上の発作強度判定から重症度が入る(主要所見のうち最も重度のもので判定)。SABA吸入量は体重によらず年齢帯で決まる(JPGL2017改訂以降)ので、ここでは体重換算しない。

発作強度(JPGL)

発作時に吸入ステロイド薬を増量するだけで全身性ステロイド投与の代替としない(システマティックレビューで、予定外受診・緊急入院・全身性ステロイド投与の回避といった有効性は示されていない)。アミノフィリンの安易な使用を避ける(2歳未満、痙攣既往・中枢神経系疾患合併例、テオフィリン徐放製剤による副作用既往がある患者には推奨しない)。「強い喘息発作のサイン」がある状態での自宅経過観察の継続指導もしない。

この数字の意味

体重換算の考え方であって処方箋ではない。実際の剤形・力価(ドライシロップ10%/20%等)と採用薬は施設ごとに違い、本シートの「院内ローカルルール」(§6)は未確定のまま。g・包数への換算は院内採用を確認したうえで行う。

薬剤名だけで用量が出ないものは、正本にその記載が無いということ。推測の数字は出さない。

参考計算・参考判定です。適用は添付文書・現行ガイドライン・院内採用・患者個別要因を確認のうえ医師が判断してください。

詳細リファレンス10章(正本より)

出所: 正本「気管支喘息発作_2026-07-30.md」(起草→敵対的検証→一次資料照合→独立再検証済み)。同期日: 2026-08-14。
用量・基準は「考え方」の記載であり、適用前に一次資料と院内採用・添付文書を確認すること。「医師確認事項」に残る論点は未確定。

  • 区分: 外来編/疾患別ワークフロー
  • 記録日: 2026-07-30
  • 状態: 下書き(要・本人確認)
  • 対象: 小児外来(愛育病院)

⚠ 本ファイルはAIが文献ベースで起草した下書き。最終的な臨床判断は医師(岡本)が確認して確定する。用量は体重換算の「考え方」のみ記載し、個別患者値は書かない。

準拠GL: 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2023(日本小児アレルギー学会・気管支喘息委員会編、協和企画、2023年11月18日発刊。Mindsガイドラインライブラリ掲載)。急性増悪(発作)対応の章は第8章。ただし本ドラフトはJPGL2023の書籍本体(有料・全文非公開)を直接参照できておらず、発作強度判定表・治療フローの数値は、JPGL2017版の当該表を逐語引用した査読済み解説論文(手塚 2019、出典7-2)を主に用いて再構成した。JPGL2020/2023でも同じ章立て・表番号(第8章 表8-1=発作強度判定表)が踏襲されていることは岐阜県医師会資料・JPGL2023 web版の相互参照から確認できたが、2023版で数値そのものが改訂されていないかは書籍原本での確認が必要(詳細は7. 出典・末尾の注記)。

追記(2026-07-30・敵対的検証後): JPGL2023はCQ形式に再構成されており、二次情報(つだ小児科クリニックのCQ要約)によれば、全身性ステロイドに関するCQ10「入院患者全般への投与を推奨する強い根拠は存在しない(発作強度・改善度に応じ漫然投与せず必要十分な期間で使用、との提案)」、CQ11「急性増悪時の特定の経口ステロイド使用法(種類・用量・期間)は提案されない」、CQ12「急性増悪時のICS増量は提案されない」という記載がある可能性が高い。事実であれば、本ワークフローが4章で示す具体的数値(PSL 1〜2mg/kg/日等)はJPGL2023の正式な推奨ではなくJPGL2017由来の参考値という位置づけになる。二次情報のため書籍原本(第8章CQ9〜CQ12)での一次確認が必須(医師確認事項1参照)。

医師確認事項(要・岡本判断)

敵対的検証で洗い出された、AIが単独で確定できない論点。ここだけ見て判断できるよう集約する。

  1. JPGL2023でのステロイド推奨の強さ変更(要書籍原本確認・高優先度): 二次情報によればJPGL2023はCQ10〜12で「経口ステロイドの特定用法は提案しない」「入院患者全員への投与を推奨する強い根拠はない」「ICS増量は提案しない」としている可能性がある。本ワークフロー4章の具体的数値(PSL 1〜2mg/kg/日、最大60mg/日等)はJPGL2017由来の参考値であり、2023版での位置づけ(強い推奨/弱い提案/エビデンス不十分のいずれか)を書籍原本(第8章CQ9〜CQ12)で確認し、注記の書きぶりを確定してほしい。
  2. 喘鳴発作として治療する前提そのものの妥当性(安全性・最優先): 喘息の診断が未確定な急性喘鳴(初回喘鳴・突然発症・食事中/摂食直後の急な咳き込み、蕁麻疹・口唇腫脹随伴等)について、気道異物・アナフィラキシー・RSウイルス等の鑑別を同時に進める旨を1章・0章に追記した。院内での鑑別の運用(誰がいつ判断するか)は要確認。
  3. 家庭での救急車(119番)要請の明記: レッドフラグ出現時・治療反応「不良」時に「自家用車ではなく救急車を呼ぶ」ことを明記に追加した。院内の保護者指導文書・パンフレットの表現と整合するか確認してほしい。
  4. 硫酸マグネシウムの記載欠落: JPGL2017/2023系の資料体系には硫酸マグネシウムの記載が見当たらないが、国際標準(GINA等)では重症・治療抵抗例のアジュバントとして使われることがある。院内プロトコルとして採用するかは医師判断(書籍原本に記載があるかも要確認)。
  5. 入院閾値のリスク因子への「ICU入院・人工呼吸管理歴」明記: 5章のリスク因子列挙に「過去の重症発作でのICU入院・人工呼吸管理歴(near-fatal asthma)」を追加した。院内での運用(この既往がある場合に具体的にどう閾値を下げるか)は要確認。
0. 一目でわかるフロー
受診(主訴:喘鳴・呼吸困難・咳嗽増悪・啼泣時のゼーゼー等)
  → ⚠喘息の診断が未確定な場合は、発作強度に応じた治療と並行して
     気道異物・アナフィラキシー・RSウイルス等の鑑別も同時に進める(1章参照)
  → レッドフラグ評価(silent chest・チアノーゼ・意識低下・SpO2持続低下・会話困難
     → 該当あれば発作強度に関わらず「大発作・呼吸不全」として直ちに酸素投与+上位対応
       +自家用車を待たず救急車〈119番〉要請)
  → 発作強度判定(小発作/中発作/大発作/呼吸不全)
     主要所見=意識・会話・起坐呼吸・喘鳴・陥没呼吸・チアノーゼ・SpO2(room air)
  → 検査(SpO2モニタリング必須。中発作以上で聴診・呼吸数実測、必要時血液ガス)
  → 治療(β2刺激薬吸入を反復 → 反応評価 → 不十分なら酸素+全身性ステロイド追加)
  → 反応評価(良好/不十分/不変・悪化)に基づき 帰宅 or 入院 の判断
  → 発作後:長期管理(吸入ステロイド薬等)の見直しと個別対応プランの説明
1. レッドフラグ(見逃し厳禁)

⚠要医師確認 喘鳴=喘息発作と決めつけない: 本ワークフローは喘息の診断が既についていることを前提に組んである。しかし小児では喘息の診断が未確定な急性喘鳴で受診することも少なくない。その場合は発作強度に応じた治療を行いながら、気道異物、アナフィラキシー、RSウイルス感染症など他の急性喘鳴をきたす疾患の鑑別を同時に進める(手塚2019 p.913「医療機関での対応」冒頭)。特に以下は喘息発作以外を積極的に疑うトリガーとして意識する。

  • 突然の激しい咳き込みで発症(既往症状なし・食事中/摂食直後)→ 気道異物を疑う。
  • 蕁麻疹・口唇/眼瞼腫脹の随伴、食物摂取直後の発症→ アナフィラキシーを疑う(エピネフリン投与を含む上位対応を優先)。
  • 小発作への治療で十分に改善しない場合は、中発作への治療に移行するのと並行して他疾患の鑑別も考慮する(JPGL2023 web版)。

以下は「大発作」「呼吸不全」相当、または急速に呼吸不全へ進行しうるサイン。1つでも該当すれば発作強度の形式判定を待たずに酸素投与・上位対応(入院/救急搬送)を検討する。自家用車での来院を待たず救急車(119番)を要請する。

  • 喘鳴の急激な減弱・消失(silent chest): 気流そのものが乏しくなっているサインで、「ゼーゼーが増えた」ときより「急に静かになった」ときの方が危険。JPGLの発作強度判定表でも呼吸不全の所見は喘鳴「減少または消失」とされる。
  • チアノーゼ(口唇・爪床の色が白っぽい〜青〜紫色): 大発作以降で出現する所見。
  • 意識レベルの低下・錯乱(ぼーっとしている、呼びかけに反応が乏しい)、または逆に過度の興奮・暴れる(大発作=興奮、呼吸不全=錯乱・低下、いずれも危険域)。
  • 会話・啼泣が「一語区切り〜不能」または発語不能(文で話せる→句で区切る→一語区切り〜不能→不能、の順に重症化)。
  • SpO2の持続低下(room airで≦91%は大発作相当の目安。酸素投与下でも95%以上を維持できない・低下し続ける場合はさらに重症)。ただし肺炎など他の低酸素化疾患の合併がないか常に確認する。
  • 高度な陥没呼吸・シーソー呼吸・鼻翼呼吸前かがみでないと呼吸できない(起坐呼吸の増悪)。
  • 乳幼児では「強い喘息発作のサイン」14項目(激しい咳嗽・著明な喘鳴/時に減弱・胸骨上窩・鎖骨上窩・肋間の陥没・頻呼吸・鼻翼呼吸・シーソー呼吸・起坐呼吸・不眠・チアノーゼ・呻吟・頻脈・不機嫌・興奮して泣き叫ぶ・意識レベル低下)のいずれかがあれば、保護者にも「直ちに受診(自家用車ではなく救急車=119番を要請)」を指導する対象。
  • 呼吸数や脈拍の「不定」化(頻呼吸→減少・不規則、頻脈→徐脈への転換)は呼吸停止に近い危険信号として見逃さない。
2. 重症度・病型の判定

JPGLの発作強度判定は、主要所見(意識状態・努力呼吸を評価する症状・身体所見・SpO2)のうち最も重度のもので判定する。参考所見(呼気延長・呼吸数・PEF・PaCO2)は補助的に用いる。

項目小発作中発作大発作呼吸不全
興奮状況平静平静興奮錯乱
意識清明清明やや低下低下
会話文で話す句で区切る一語区切り〜不能不能
起坐呼吸横になれる座位を好む前かがみになる(記載なし)
喘鳴軽度軽度著明減少または消失
陥没呼吸なし〜軽度なし〜軽度著明(記載なし)
チアノーゼなしなしあり(記載なし)
SpO2(room air)≧96%92〜95%≦91%(記載なし・実測困難なことが多い)
呼気延長吸気の2倍未満吸気の2倍未満吸気の2倍以上吸気の2倍以上
呼吸数(年齢別標準との比較)正常〜軽度増加正常〜軽度増加増加不定
PEF(吸入前)>60%30〜60%<30%測定不能
PEF(吸入後)>80%50〜80%<50%測定不能
PaCO2<41mmHg<41mmHg41〜60mmHg>60mmHg

年齢別標準呼吸数の目安(回/分): 0〜1歳 30〜60/1〜3歳 20〜40/3〜6歳 20〜30/6〜15歳 15〜30/15歳〜 10〜30。

補足:

  • SpO2はJPGLでも「非侵襲的・リアルタイム・連続測定可能」な点で発作強度判定に有用とされる一方、血液中の二酸化炭素は評価できないことに注意。PaCO2は大発作以降で急激に上昇するため、呼吸不全を疑う場合は動脈血液ガス分析が必須。小児では動脈穿刺が容易でないため、比較的軽度と考えられる場合は静脈血液ガスをスクリーニングとして用い、CO2高値ならば動脈血液ガスで確認する。
  • 表中「(記載なし)」とした呼吸不全列のセルは、引用元の表でも空欄(大発作と同一またはその時点では実測評価が困難なため未設定と考えられる)。この解釈が正しいかはJPGL2023原本(第8章 表8-1)で要確認
3. 検査
  • 必要:
  • SpO2モニタリング(パルスオキシメーター)— 全例で発作強度判定の主要所見として必須。
  • 中発作以上で呼吸数の実測・聴診(喘鳴の程度、呼吸音減弱=silent chestの有無)。
  • 大発作以上、または呼吸不全を疑う場合の動脈血液ガス分析(PaO2・PaCO2の評価。特にPaCO2は大発作以降で急上昇するため必須)。
  • 発作が比較的軽度と考えられる場合の静脈血液ガス分析(スクリーニング。CO2高値なら動脈血液ガスで確認)。
  • 不要・過剰になりがち:
  • 軽症(小発作)でのルーチン胸部X線・血算・CRP(他疾患鑑別が必要な場合を除き不要)。
  • 軽症例への動脈血液ガス分析のルーチン実施(侵襲的で小児では容易でない)。
  • PEF測定は一般に5歳以上が対象。乳幼児で無理に測定を試みるより、身体所見とSpO2で判定する。
4. 治療
  • 第一選択(β2刺激薬吸入・反復吸入を含む。※用量は年齢帯による一般的な考え方。個別処方量は書かない):
  • 短時間作用性β2刺激薬(SABA、サルブタモールまたはプロカテロールなど)の吸入量は、JPGL2017改訂以降体重によらず年齢帯(乳幼児/学童以上)で一定量とする考え方。ネブライザー吸入液の考え方は乳幼児0.3mL、学童以上0.3〜0.5mL(サルブタモールとして生理食塩水またはDSCG1アンプルに希釈)、pMDIは1〜2puff(スペーサー使用推奨)で同等に有効とされる。⚠要確認: サルブタモール吸入液(ベネトリン吸入液0.5%等)の添付文書上の小児用量は1回0.1〜0.3mLであり、学童以上で0.3mLを超える量(〜0.5mL)は適応外使用となり得る。院内採用製剤の添付文書を確認し使用可否を判断する。
  • 治療への反応は吸入後15〜30分程度で評価。改善が不十分・不変〜悪化の場合は20〜30分ごとに反復(目安として最大3回程度まで)
  • 中発作ではSpO2を測定し、95%未満であれば酸素投与を考慮(目標はSpO2 95%以上の維持)。
  • 第二選択・無効時:
  • 中発作でβ2刺激薬の反復吸入のみでは反応不十分な場合、または大発作以上では全身性ステロイド薬を追加する。
  • ⚠要医師確認(JPGL2023での位置づけ): 以下の数値はJPGL2017(手塚2019逐語引用)由来の参考値。二次情報によればJPGL2023はCQ形式に再構成されており、CQ10「入院患者全般への全身性ステロイド投与を推奨する強い根拠はない(漫然投与せず必要十分な期間で使用、と提案)」、CQ11「急性増悪時の特定の経口ステロイド使用法(種類・用量・期間)は提案されない」としている可能性がある。数値そのものは臨床的な目安として有用だが、JPGL2023の正式な推奨強度(強い推奨か弱い提案かエビデンス不十分か)は書籍原本での確認が必要(医師確認事項1)。
  • 考え方の目安: プレドニゾロン換算で概ね1〜2mg/kg/日(経口、分1〜3)を目安とし、最大投与量はPSL換算60mg/日。静脈内投与の場合はヒドロコルチゾン(初回・定期とも5mg/kg、6〜8時間ごと)またはプレドニゾロン/メチルプレドニゾロン(初回・定期とも0.5〜1mg/kg、6〜12時間ごと)という考え方。静脈投与と経口投与で効果に差はないとされ、内服可能なら経口を優先してよい。嘔吐等により経口摂取・保持が困難な場合は静脈内投与に切り替える。
  • 静脈内投与の注意点: ヒドロコルチゾンはミネラルコルチコイド作用も有するため数日以内の使用にとどめる。静脈内投与では稀に即時型アレルギー反応が誘発されることがあるため投与時は観察を怠らない。
  • 投与期間は3〜5日間を目安とし漫然と継続しない。投与期間が7日以内であれば中止にあたって漸減の必要はない
  • 大発作・呼吸不全(意識障害を伴う場合は人工呼吸管理を含む)は原則入院対応。イソプロテレノール持続吸入療法・アミノフィリン持続点滴は、血中濃度モニタリングと小児喘息治療に精通した医師の管理下(入院設備)が前提であり、外来完結の対象ではない(詳細は入院後・上位施設のプロトコルに委ねる)。⚠要確認: JPGL2017/2023系の資料体系には静注硫酸マグネシウムの記載が見当たらないが、国際標準(GINA等)では重症・治療抵抗例へのアジュバントとして用いられることがある。院内プロトコルとして採用するかは医師判断(書籍原本〈第8章〉に記載があるかも要確認、医師確認事項4)。
  • やってはいけない/非推奨:
  • 発作時に吸入ステロイド薬を増量するだけで全身性ステロイド投与の代替とすること(システマティックレビューで、予定外受診・緊急入院・全身性ステロイド投与の回避といった有効性は示されていない)。
  • アミノフィリンの安易な使用(2歳未満、痙攣既往・中枢神経系疾患合併例、アミノフィリン/テオフィリン徐放製剤による副作用既往がある患者には推奨しない)。
  • 反応不良・不変にもかかわらず外来での反復吸入のみで様子を見続け、入院適応の判断を先送りすること。
  • 「強い喘息発作のサイン」(レッドフラグ、1章参照)がある状態での自宅経過観察の継続指導。
  • 全身性ステロイドの外来使用が1か月に3日間程度・年間数回程度を超える場合に、専門医紹介なくそのまま自院で反復投与し続けること。
5. 再診・帰宅指導・保護者説明
  • 再受診すべきサイン(保護者に伝える):
  • 乳幼児の「強い喘息発作のサイン」(チアノーゼ、呻吟、意識レベル低下、頻脈、シーソー呼吸など)が出現したら直ちに受診(自家用車ではなく救急車=119番を要請する)
  • 自宅での吸入・内服治療で軽快しない場合、発作を繰り返す場合は早めに受診。
  • 治療反応が「不十分」(症状は改善するが残存、PEFが改善するが80%未満)の場合は、軽快しなければ受診。「不良」(症状不変・悪化、PEF不変・低下)の場合は直ちに救急車を要請する
  • 経過の見通し:
  • 良好な反応の目安: 喘鳴・努力呼吸の消失、身体所見の正常化、SpO2≧97%かつ%PEF≧80%。これを満たせば帰宅可とし、自宅でβ2刺激薬吸入の反復と患者指導を行う。
  • 紹介・入院の閾値:
  • 大発作以上は原則入院(治療は外来であっても迅速に開始したうえで入院への移行を進める)。
  • 中発作でも初期治療(β2刺激薬反復・酸素投与)への反応が不十分な場合は、2〜3時間程度を目安に治療しつつ、その間に入院の適応を考慮する。
  • 乳幼児、重症化の既往、フォローアップが困難な家庭背景、過去にICU入院・人工呼吸管理を要した重症発作の既往(near-fatal asthma)などのリスク因子がある場合は、現在の発作強度によらずより早期からの入院・上位医への相談閾値を下げることを検討する(早期入院を要する具体的な状況一覧=JPGL原典の該当表があるが本ドラフトでは未入手。詳細基準は書籍原本で要確認、医師確認事項5)。
  • 発作後の長期管理導入(退院時・発作後指導の型):
  • 喘息の病態(気道の慢性炎症性疾患であること)の説明。
  • 今回の発作強度と現在の重症度(真の重症度:間欠型/軽症持続型/中等症持続型/重症持続型/最重症)の確認。
  • 今回の発作対応が適切だったか、改善すべき点があるかの振り返り。
  • 予防的治療(長期管理)と発作治療の違いの再確認。
  • 喘息発作強度の判断方法と発作時の家庭対応(強い喘息発作のサイン、頓用薬の使い方と受診タイミング)の説明。
  • 5歳以上ではPEFモニタリングの活用方法の説明。
  • 家庭に発作時用のβ2刺激薬(吸入薬・内服薬)がなければ処方し、使用法を説明。
  • 上記を踏まえた喘息個別対応プランの作成。
  • 発作誘因(アレルゲン・感染・運動・喫煙曝露など)の検索と対策。
  • 長期管理薬(吸入ステロイド薬など)の見直し・吸入手技の再指導。
  • 帰宅後の悪化時対応と、悪化がない場合の次回受診日の設定。
6. 院内ローカルルール(愛育での運用)
  • 要確認(以下、埋まるまで全て要確認)
  • 院内採用のSABAネブライザー吸入液・pMDI製剤、スペーサーの備品状況。
  • 院内採用の全身性ステロイド製剤(経口/静注)と剤形。
  • 酸素投与の運用(設備・流量・モニタリング体制)。
  • 中発作以上での小児科当直医/上位医師への連絡・コンサルトのフロー。
  • 入院適応の院内での閾値、入院先(小児科病棟/NICU・ICU)の判断基準。
  • 大発作・呼吸不全時の上位医療機関(三次救急・小児集中治療)への紹介先・搬送手順。
  • 長期管理薬(吸入ステロイド薬等)導入時の院内処方フロー、退院時指導のテンプレート有無。
7. 出典
  1. 一般社団法人日本小児アレルギー学会.小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2023発刊のご案内.2023-11-09公開.

https://www.jspaci.jp/news/both/20231109-4381/
(2023年11月18日発刊、株式会社協和企画、編集:日本小児アレルギー学会・気管支喘息委員会。前版=JPGL2020からの改訂点として「ICS/LABA配合剤が低年齢から使用可能」「新たな生物学的製剤」「長期管理でのICS/LABAの用い方の変更」「章立ての刷新」が挙げられている。急性増悪〈発作〉対応の記述は変わらず第8章)

  1. 一般社団法人日本小児アレルギー学会.小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023(web版:補足図表).

https://www.jspaci.jp/journal/asthma2023/ / PDF: https://www.jspaci.jp/assets/documents/jpgl2023_web.pdf
(2026-07-29確認。第8章「急性増悪(発作)への対応」に表8-4「小児の喘息発作強度とのSpO2」〈Mochizuki H, et al. Am J Respir Crit Care Med. 1995;152:906-910. のデータを引用〉、図8-2、表8-2・表8-5・表8-6等の参照あり。書籍本体の主要表〈表8-1=発作強度判定表〉自体はこのweb版には収録されておらず未確認)

  1. 一般社団法人日本小児アレルギー学会.小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023.Mindsガイドラインライブラリ.

https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00825/

  1. 手塚純一郎.ガイドラインのワンポイント解説 小児気管支喘息治療管理ガイドライン2017―急性増悪(発作)への対応―.アレルギー.2019;68(8):912-918.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/68/8/68_912/_pdf
(2026-07-29確認・原著PDFを画像化して図表を目視確認。本ドラフトの表2〈発作強度判定表〉・図1〈家庭での対応〉・表1〈乳幼児の強い喘息発作のサイン〉・図3〈医療機関での対応〉・表3〈薬物療法プラン〉・表5〈全身性ステロイド薬の投与方法〉は全てこの論文が原典であるJPGL2017から逐語引用している箇所を、本ワークフローの記述に再構成したもの。原典:日本小児アレルギー学会.急性増悪〈発作〉への対応.小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017.東京:協和企画;2017.p.142-162)

  1. 岐阜県医師会.喘息ガイドライン(小児用).

https://www.gifu.med.or.jp/doctor/asthma/guidelines-child/
(JPGL2020準拠と明記。発作強度判定基準を「JPGL2020 表8-1を引用」としており、第8章・表8-1という章立てがJPGL2020時点でも同一であったことの傍証として参照)

  1. つだ小児科クリニック.小児気管支喘息診療・管理ガイドライン2023のCQ.

https://tsudashonika.com/disease-cat/allergies/child-bronchial-asthma-guideline/
(2026-07-30確認・二次情報。CQ10〈入院患者への全身性ステロイド投与を推奨する強い根拠はない〉、CQ11〈急性増悪時の特定の経口ステロイド使用法は提案されない〉、CQ12〈急性増悪時のICS増量は提案されない〉の要約あり。書籍原本〈第8章CQ9〜CQ12〉での一次確認が必要

  1. 日本製薬(グラクソ・スミスクライン).ベネトリン吸入液0.5%添付文書.

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00056440.pdf
(2026-07-30確認。小児用量は1回0.1〜0.3mL〈サルブタモールとして0.5〜1.5mg〉、年齢・症状により適宜増減、と明記)

※ 点数・GLは改定される。運用前に最新版を確認。特に2. の発作強度判定表(表8-1相当)と5. の入院閾値の詳細、および4. の全身性ステロイド用量は、JPGL2017からの引用に基づく再構成であり、JPGL2023書籍本体で数値・文言・推奨の強さに変更がないか医師本人が原本で確認すること(医師確認事項1参照)。

検証・修正ログ(2026-07-30)

敵対的検証(safety/doseレンズ)の所見9件を反映した。状態は引き続き「下書き(要・本人確認)」。

反映した主な変更:

  • 【最重要・要医師確認】喘息の診断が未確定な急性喘鳴について、気道異物・アナフィラキシー・RSウイルス等の鑑別を発作治療と同時に進める旨を0章・1章に追記(原典が明記する安全弁がドラフトから脱落していたため)。
  • レッドフラグ出現時・治療反応「不良」時の行動指示を「受診」から「救急車(119番)を要請する」へ明確化(1章・0章・5章)。
  • SABAネブライザー吸入液の具体的容量(乳幼児0.3mL、学童以上0.3〜0.5mL)と、学童以上0.3mL超は添付文書上の小児用量(0.1〜0.3mL)を超える適応外使用となり得る旨を明記(ベネトリン添付文書で確認済み)。
  • 全身性ステロイド静注の安全性注記(ヒドロコルチゾンのミネラルコルチコイド作用・稀な即時型アレルギー反応)、嘔吐時の静注切替を追記。
  • 【要医師確認】JPGL2023がCQ形式に再構成され、経口ステロイドの特定用法・入院患者全員への投与を「提案しない/強い根拠はない」としている可能性を二次情報で確認し、冒頭注記と4章に反映。数値自体は参考値として維持。
  • 硫酸マグネシウムの記載欠落、ICU入院・人工呼吸管理歴というリスク因子の欠落を明記(いずれも要医師確認)。
  • 乳幼児の陥没呼吸部位に「鎖骨上窩」を追加(原典3部位との整合)。

残る要確認点(詳細は冒頭「医師確認事項」節):

  • JPGL2023書籍原本(第8章CQ9〜CQ12)でのステロイド推奨強度の一次確認。
  • 発作強度判定表(表8-1)・入院閾値詳細の書籍原本での照合(従来からの既知の残課題)。
  • 硫酸マグネシウムを院内プロトコルに含めるかの医師判断。
  • 鑑別診断運用(誰がいつ判断するか)の院内フロー化。

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