亀頭包皮炎・包茎・陰唇癒合

亀頭包皮炎・包茎・陰唇癒合

腎・泌尿器β版・逐条レビュー継続中

2026-09-13更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

施設プロファイル: 二次救急/外科的処置を持たない(環状切除・背面切開・陰唇癒合の切開は当院でやるか要確認)。

30秒要約

  • 小児の包茎は病気ではなく、生理的な状態です無理にめくらない。新生児ではほぼ100%、学童でも約30%にみられ、思春期以降に自然に軽快していく。
  • 亀頭包皮炎は陰茎の発達過程である2-5歳ころに発生しますが、必ずしも包茎の治療が必要な理由にはなりません。抗菌薬で数日のうちに改善する。
  • 診察で包皮を翻転させたら、必ず元に戻す放置すると、亀頭部への血液の流れが滞り、嵌頓包茎(かんとんほうけい)となることがあります
  • 嵌頓包茎(翻転した包皮が戻らない)は至急に受診が必要。整復できなければ持てない。
  • 陰唇癒合は先天性ではなく後天的な疾患で、多くは無症状のまま乳児健診で見つかる症状(排尿障害・繰り返す膀胱炎や腟炎)がなければ治療を急がない

レッドフラグ → 次の一手

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見その場で次にやること時間の勝負
119嵌頓包茎(翻転した包皮が戻らず亀頭が腫脹)急いで戻さないと亀頭の血のめぐりが悪くなることがある。用手整復を試みる(当院でどこまで行うか要確認)。戻らなければ持てない・搬送即時
緊急亀頭包皮炎+発熱・全身状態不良(特に乳児)局所感染にとどまらないか評価。乳児期早期の発熱発熱即時〜当日
緊急陰唇癒合+排尿困難・尿閉導尿の可否を評価。導尿当日
緊急説明のつかない外陰部の所見病歴と所見が一致するか確認。施設内の虐待対応の枠組みへ歩かない・手足を動かさない当日
当日亀頭包皮炎(全身状態良好)抗生物質をのんだり軟膏を塗って治療します(薬剤名・用量は院内採用・アンチバイオグラムに従う。本シートは書かない)当日
当日陰唇癒合+繰り返す膀胱炎・腟炎小児外科・婦人科へ紹介数日
当日埋没陰茎の疑い埋没陰茎は通常の環状切除をしてはならず、小児泌尿器科専門医に相談していただくことが望ましい疾患です数日〜
当日陰唇癒合、無症状で健診・おむつ替え時に偶然発見保護者へ説明。経過観察か紹介かを判断数日〜

包茎・亀頭包皮炎・陰唇癒合とは(家族と申し送りに使う)

  • 包茎とは陰茎先端の亀頭部が包皮で被われて亀頭が露出していない状態をいいます乳幼児期は内板と亀頭はくっついていて皮膚がはっておらず、折り返しの部分(包皮口)が生理的に狭くなっています生まれたばかりの男の子は全くむけない状態が正常で、いつむけるようになるかは子供によって様々です
  • 真性包茎は年齢が上がるにしたがって少なくなり、新生児ではほぼ100%、1歳までの乳児では約80%、1歳から5歳の幼児では約60%、小学生では約30%でみられ、思春期以降ではさらに少なくなります。日本人の調査でも、亀頭がほぼ露出する割合は6ヶ月未満では5%未満ですが、3-4歳では約半数にちかづき、11-15歳で7割を超えます
  • 亀頭包皮炎は、包茎状態の場合、包皮と亀頭部の間に細菌が繁殖し、感染すると発症します。具体的には黄色ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌などが原因になることがあるようです陰茎先端および、時には先端から2cm程度離れた部分まで、包皮が赤く腫れます。腫れた部分に触れると痛みます。排尿時に痛みを感じることや、陰茎先端から膿が分泌されることもあります
  • 陰唇癒合は女児の小陰唇(左右のひだ)の癒合で、新生児は全例開存しており、陰唇癒合は先天性の疾患ではなく後天的な疾患である陰唇癒合の原因は、湿潤環境、低エストロゲン状態、感染による二次的な癒着である症状はほとんどありません。だから、放置されがちです。しかし、おしっこがでにくく、膀胱炎や腟炎をおこしやすい状態です

亀頭包皮炎・包茎でやってはいけないこと

やってはいけない理由
生理的包茎を無理にめくる包皮を引っ張って無理におちんちんの頭を出そうとすると、狭い皮膚で締め付けられて、亀頭がひどく腫れてしまうようになります(嵌頓包茎)
めくった包皮を戻さないまま放置する包皮が翻転できた場合、そのまま放置すると、亀頭部への血液の流れが滞り、嵌頓包茎(かんとんほうけい=包皮が戻らなくなり腫れや痛みを起こす)となることがありますしたがって、小児のうちは包皮をむいた後、必ず包皮を元に戻すようにしてください
保存療法で強く剥く保存療法として翻転を促す場合も、皮膚が裂けないように注意します
保護者・本人まかせで自己流の翻転訓練を繰り返させる中野こども病院小児外科(単一医師の解説記事、要確認)は包茎で一番やってはいけないことは、無理矢理めくることです。無理にめくるとめくれますが、一時的に包皮が切れてめくれただけです。痛いし、出血するし、子供さんに恐怖心を与えますと述べ、無理矢理めくるのと、ストレッチとは違いますとしている。翻転を促す指導をするなら、自己流にさせず医師の管理下で行う
家族の希望だけで手術を急ぐ包皮は将来大切な部分ですので、手術的治療は極力控えます。手術の適応は限られている(下記「送る/持つ」参照)

やること:翻転できるか確認するときは無理をしない。剥けたら(剥かせたら)必ず元に戻す。嵌頓包茎になれば用手整復を試み、戻らなければ持てない・搬送。

鑑別:よくあるもの

病態特徴当院の扱い
生理的包茎(真性・仮性)小児の包茎は病気ではなく、生理的な状態です。無理には剥けないが、痛み・発赤はない経過観察。保存療法(下記)を説明
亀頭包皮炎包皮・亀頭の発赤腫脹、排尿時痛、時に排膿当院で抗菌薬治療(薬剤名・用量は院内採用に従う)
バルーニングおしっこをするときに、包皮におしっこがたまってふくらんだり、おしっこが細くしか出なくなることがあります手術またはステロイド軟膏治療のいずれかを選択可能です(適応は専門医判断)
陰唇癒合(無症状)健診・おむつ替えで偶然発見。膣や尿道口の前で陰唇が両サイドからくっついているため見えない経過観察または紹介。当院での切開の可否は要確認

鑑別:見逃してはいけないもの

病態見分け当院の扱い
嵌頓包茎翻転した包皮が戻らず亀頭が腫脹。放置で血流障害用手整復を試みる(要確認:当院でどこまで)。戻らなければ持てない・搬送
埋没陰茎「埋没陰茎(まいぼついんけい)」といわれる特殊なタイプ。見かけ上は包茎に見えるが別の病態で、特別な検査はありませんが…区別する必要があります持てない埋没陰茎は通常の環状切除をしてはならず、小児泌尿器科専門医に相談していただくことが望ましい疾患です
精巣捻転(急性陰嚢症)陰嚢の急激な腫脹・強い痛み。亀頭包皮炎とは部位が異なる持てない小児の急性陰嚢症
陰唇癒合+排尿障害・尿路感染おしっこがでにくく、膀胱炎や腟炎をおこしやすい状態です紹介。無症状として放置しない
説明のつかない外陰部の所見病歴と所見が一致しない、受傷・発症の説明が変わる施設内の虐待対応の枠組みへ歩かない・手足を動かさない

治療ワークフロー(当院でやること)

分岐所見やること
最初の視診剥けるか剥けないか、赤く腫れているか、翻転した包皮が戻るか上のレッドフラグ表に当てはめる
嵌頓包茎翻転した包皮が戻らない用手整復を試みる(要確認:手技・鎮静の要否・当院での実施可否。処置時の鎮静・鎮痛
亀頭包皮炎(全身状態良好)発赤・腫脹・排尿時痛、時に排膿抗生物質をのんだり軟膏を塗って治療します。当院で治療を開始(用量は院内採用に従う)
亀頭包皮炎+発熱・全身状態不良特に乳児局所感染にとどまるかを評価。乳児期早期の発熱
剥いた(剥かせた)後は必ず戻す診察・処置で包皮を翻転させた場合戻さずに放置しない(医原性の嵌頓包茎リスク)
陰唇癒合(無症状)健診・偶然発見、排尿正常保護者へ説明。経過観察か紹介かを判断(要確認:当院で切開するか)
陰唇癒合(排尿障害・尿路感染合併)排尿困難・繰り返す尿路感染婦人科・小児外科へ紹介

所見の取り方

所見取り方所見があったら次にどうする
包皮の翻転無理をせず、剥けるところまで。皮膚が裂けないように注意する剥けなければ生理的包茎。無理をしない
亀頭・包皮の発赤腫脹範囲を見る(先端のみか、先端から2cm程度離れた部分まで広がるか)亀頭包皮炎として抗菌薬治療を検討
翻転した包皮が戻るか診察で剥いたら、その場で元に戻せるか確認する戻らなければ嵌頓包茎。用手整復へ
陰唇の癒合線正中に薄い癒合線があるか、膣や尿道口が見えるか見えなければ陰唇癒合
排尿の勢い・排尿時痛問診+観察(保護者の申告が中心)バルーニング・排尿障害の評価

問診チェック

  • いつから症状があるか(急性か慢性か、繰り返しか)
  • 発熱の有無、全身状態
  • 排尿時痛・排尿困難・尿の勢い(バルーニングの有無)
  • 亀頭包皮炎、尿路感染を繰り返しているか(手術適応の判断材料)
  • 陰唇癒合ならいつの健診・きっかけで指摘されたか
  • 環状切開術など包皮の手術歴(後天性包茎の原因になりうる)
  • 家族の希望・宗教上の理由の有無(包茎手術の適応の判断材料の一つ)
  • 病歴と外陰部の所見が一致するか

送る/持つ(当院=二次救急・外科的処置を持たない)

状態当院の扱い
生理的包茎(無症状)経過観察。保存療法を説明
亀頭包皮炎(全身状態良好)当院で抗菌薬治療
亀頭包皮炎+発熱・全身状態不良(乳児)精査(乳児期早期の発熱
バルーニング保存的経過観察が基本。手術・軟膏治療の適応は専門医判断
嵌頓包茎(整復できた)帰宅後に泌尿器科・小児外科フォロー
嵌頓包茎(整復できない)持てない。搬送
埋没陰茎持てない。小児泌尿器科専門医へ
包茎の手術適応(繰り返す亀頭包皮炎・尿路感染、排尿障害、嵌頓包茎、家族の希望、宗教上の理由)持てない。適応判断と手術は専門医へ
陰唇癒合(無症状)経過観察または紹介。当院で切開するかは要確認
陰唇癒合(症状あり・再発)+排尿障害・尿路感染小児外科・婦人科へ紹介

エスカレーション(施設オーバーレイで上書き)

  • 要確認:小児泌尿器科・小児外科・婦人科の紹介先(平日・夜間)
  • 要確認:当院で嵌頓包茎の用手整復を行うか。鎮静・鎮痛の体制(処置時の鎮静・鎮痛
  • 要確認:当院で陰唇癒合の切開を行うか。切開は再癒合しやすいとされ、フォロー体制も含めて要検討(下記「医師確認事項」)
  • 要確認:抗菌薬の選択と用量(本シートは意図的に薬剤名と用量を書いていない)。院内採用・アンチバイオグラムに従う
  • 要確認:外性器の診察に保護者同席・説明をどう行うか(羞恥・心理的配慮への院内方針)

家族に渡す一文

「お子さんの包茎は、ほとんどの場合、病気ではなく成長の途中の自然な状態です。無理にめくろうとすると、皮膚が裂けたり、めくったまま戻せなくなって腫れる(嵌頓包茎)ことがあるので、無理に剥かないでください。今回の赤み・腫れ(亀頭包皮炎)は、多くの場合、抗菌薬の治療で数日のうちに良くなります
女のお子さんで、外陰部の左右のひだ(小陰唇)がくっついてしまうことがあります(陰唇癒合)。生まれつきではなく、生まれたあとに起こるもので、多くは症状がありません。おしっこの出にくさや膀胱炎を繰り返すなどの症状がなければ、まずは経過をみることが多い状態です。」

医師確認事項(要・岡本判断)

  • 要確認:本シートの包茎・亀頭包皮炎の記載は日本小児外科学会「包茎」日本小児泌尿器科学会「包茎」の一般向け解説を一次資料としている。診療ガイドラインではない。日本小児泌尿器科学会のガイドライン一覧ページ(jspu.jp/ippan_32.html)にも包茎・亀頭包皮炎の診療ガイドライン・診療手引きは掲載されていないことを確認済み(掲載は停留精巣・水腎症・VUR・昼間尿失禁のみ)。
  • 要確認:亀頭包皮炎の抗菌薬治療について、済生会(社会福祉法人・公的医療機関)の一般向け解説記事(執筆:今津哲央・千里病院泌尿器科部長)を補助的に用いた。学会の公式資料ではない。薬剤名・用量は一次資料に記載がないため本シートには書いていない。
  • 要確認:嵌頓包茎の用手整復の具体的な手技(減張・圧迫・砂糖法・穿刺など)は、本シートで一次資料を確認していない。当院でどこまで行うか、鎮静・鎮痛の要否も含めて決めておきたい。整復できない場合の搬送先も明確にしたい。
  • 要確認:陰唇癒合には、日本小児外科学会・日本小児泌尿器科学会のいずれにも一般向けの疾患解説ページが見当たらない(学会サイトの疾患一覧を機械的に確認し、該当ページなしを確認済み)。本シートの陰唇癒合の記載は、中野こども病院小児外科(松川泰廣医師)の医師向け・家族向け解説ページを一次資料相当として用いた。単一施設・単一医師による解説記事であり、学会のガイドラインではない。ページが参考文献に挙げる学会誌論文(日本小児外科学会雑誌 41巻・44巻など)の原著そのものは本シートでは確認していない。
  • 要確認:陰唇癒合の切開の適応・時期の基準エストロゲン軟膏の日本国内での扱い(引用元は「日本では製剤なし」と記載)は要確認。当院で切開を行うかどうかも含め、産婦人科・小児外科と方針をすり合わせたい。
  • 要確認:説明のつかない外陰部所見での虐待対応は、本シートの一次資料(包茎・陰唇癒合の解説記事)には記載がない一般的な安全対策としての記載であり、歩かない・手足を動かさないの一次資料(日本小児科学会 子ども虐待問題プロジェクト)を援用した判断である。院内の虐待対応プロトコルとの整合を確認したい。
  • 要確認:埋没陰茎の当院での初期対応(用手的な整復を試みてよいか、そのまま紹介か)。引用元は「通常の環状切除をしてはならず」とのみ述べ、初診時の当院対応には触れていない。
  • 要確認:「亀頭包皮炎・包茎でやってはいけないこと」表の自己流の翻転訓練を戒める記載は、中野こども病院小児外科(単一医師)の家族向け解説記事を根拠にしている。学会のガイドラインではなく、単一施設・単一医師の見解。当院で保護者に翻転(ストレッチ)指導をするかどうか、するなら誰が・どこまで指導するかは決めていない。

出典

  • 一般社団法人日本小児外科学会.小児外科で治療する病気「包茎」http://www.jsps.or.jp/archives/sick_type/houkei (httpでアクセス。2026-09-13閲覧)。「おちんちんの先を包む皮膚(包皮)の口が狭いために、おちんちんの先(亀頭)を出せないものを真性包茎(図1)といい、包皮をめくって先を出せるものは仮性包茎(図2)といいます。一般的に包茎といえば真性包茎をいいます。しかし、小児の包茎は病気ではなく、生理的な状態です」「真性包茎には生まれつきのもの(先天性)と生まれてからおこるもの(後天性)があります。真性包茎は年齢が上がるにしたがって少なくなり、新生児ではほぼ100%、1歳までの乳児では約80%、1歳から5歳の幼児では約60%、小学生では約30%でみられ、思春期以降ではさらに少なくなります。後天性包茎は、包皮が何回もただれたあとや、環状切開術のあとに皮膚が狭くなってできることがあります」「亀頭包皮炎:包皮や全体に赤味や腫れがあり、触らなくても痛かったり、おしっこのときに痛みを感じます。抗生物質をのんだり軟膏を塗って治療します」「嵌頓包茎:包皮を引っ張って無理におちんちんの頭を出そうとすると、狭い皮膚で締め付けられて、亀頭がひどく腫れてしまうようになります(図3)」「排尿障害:おしっこをするときに、包皮におしっこがたまってふくらんだり、おしっこが細くしか出なくなることがあります」「一般的に、こどもの包茎はほとんどが治療を必要としませんが、以下の治療もありますので紹介しておきます」(1)保存療法「両親または患児本人に指で包皮をめくってもらいます。またステロイド軟膏を塗ることもあります。皮膚が裂けないように注意します」(2)手術療法「包皮は将来大切な部分ですので、手術的治療は極力控えます。手術は真性包茎のみに行われます。しかし乳幼児の皮膚はよく伸びて成長とともに自然に治ることが多いので、手術の時期や適応について定まったものはありません。手術は保存療法が無効で、1)繰り返す亀頭包皮炎、尿路感染、2)排尿障害、3)嵌頓包茎、4)家族の希望が強い、5)宗教上の理由、などの場合に限って行われます」図3嵌頓包茎の説明「無理な翻転による絞扼で、包皮が著明な浮腫を起こして元に戻らない状態になっている。急いで戻さないと亀頭の血のめぐりが悪くなることがある」。
  • 日本小児泌尿器科学会.包茎|小児泌尿器科の主な疾患https://jspu.jp/ippan_011.html (2026-09-13閲覧)。「包茎とは陰茎先端(いんけいせんたん)の亀頭部(きとうぶ)が包皮(ほうひ)で被われて亀頭が露出していない状態をいいます。包皮は外板(がいばん)と呼ばれる外から見える皮膚の部分と、内側に折り返している内板(ないばん)と呼ばれる部分からなります。乳幼児期は内板と亀頭はくっついていて皮膚がはっておらず、折り返しの部分(包皮口、ほうひこう)が生理的に狭くなっています」「生まれたばかりの男の子は全くむけない状態が正常で、いつむけるようになるかは子供によって様々です」「日本人の陰茎形態の変化についての調査結果では、亀頭がほぼ露出する割合は6ヶ月未満では5%未満ですが、3-4歳では約半数にちかづき、11-15歳で7割を超えます」「大部分の小児の包茎は正常な発達過程ですが、平均よりもむけにくい場合に受診される男児は多いです」「それ以外の症状としては、包皮が赤く腫れる「亀頭包皮炎」、尿がスムースにでず包皮がふくらむ「バルーニング」があります。また、包皮をむいた後にもどらなくなることを「かんとん包茎」といいますが、これは至急に受診が必要です。特別な検査はありませんが、「埋没陰茎」といわれる特殊なタイプのものは区別する必要があります」「バルーニングは手術またはステロイド軟膏治療のいずれかを選択可能です」「亀頭包皮炎は陰茎の発達過程である2-5歳ころに発生しますが、必ずしも包茎の治療が必要な理由にはなりません」「埋没陰茎は通常の環状切除をしてはならず、小児泌尿器科専門医に相談していただくことが望ましい疾患です」。
  • 日本小児泌尿器科学会.ガイドライン・診療手引きhttps://jspu.jp/ippan_32.html (2026-09-13閲覧)。掲載一覧は停留精巣・小児先天性水腎症・小児膀胱尿管逆流・幼小児の昼間尿失禁の診療と ケアの手引きのみで、包茎・亀頭包皮炎の診療ガイドライン・診療手引きは掲載されていないことの確認に用いた。
  • 済生会.亀頭包皮炎(きとうほうひえん)とは(解説:今津哲央・千里病院泌尿器科部長).https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/balanoposthitis/ (2026-09-13閲覧)。学会の公式資料ではなく、社会福祉法人済生会(公的医療機関)による専門医監修の一般向け解説記事である。「乳児期には包皮が亀頭部を覆っています(包茎=ほうけい状態)が、成長とともに包皮を翻転(はんてん=ひっ繰り返すこと)できるようになります。包茎状態の場合、包皮と亀頭部の間に細菌が繁殖し、感染すると、亀頭包皮炎を発症します。具体的には黄色ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌などが原因になることがあるようです」「陰茎先端および、時には先端から2cm程度離れた部分まで、包皮が赤く腫れます。腫れた部分に触れると痛みます。排尿時に痛みを感じることや、陰茎先端から膿が分泌されることもあります」「抗生物質で治療をします。通常、数日で症状は改善しますが、腫れが治まった後、包茎状態の治療を検討する必要があります」「なお、包皮が翻転できた場合、そのまま放置すると、亀頭部への血液の流れが滞り、嵌頓包茎(かんとんほうけい=包皮が戻らなくなり腫れや痛みを起こす)となることがあります。したがって、小児のうちは包皮をむいた後、必ず包皮を元に戻すようにしてください」。
  • 中野こども病院小児外科(松川泰廣).包茎(家族編)https://nakano-kodomo.or.jp/shounigeka/family/fam_pen01.htm (2026-09-13閲覧)。学会の公式資料ではなく、単科病院(中野こども病院)小児外科医師による家族向け解説記事。「包茎で一番やってはいけないことは、無理矢理めくることです。無理にめくるとめくれますが、一時的に包皮が切れてめくれただけです。痛いし、出血するし、子供さんに恐怖心を与えます。包皮が戻らなくなることもあります(包茎の嵌屯)。その後放置すると、かえって狭くなります。無理矢理めくるのと、ストレッチとは違います」。
  • 中野こども病院小児外科(松川泰廣).陰唇癒合(医師編)https://nakano-kodomo.or.jp/shounigeka/doctor/doc_lab01.htm (2026-09-13閲覧)。学会の公式資料ではなく、単科病院(中野こども病院)小児外科医師による解説記事(著者自身の学会誌論文4件を参考文献に明記。原著は本シートでは未確認)。「女児の小陰唇癒合である。陰唇癒着症ともいう。 Leung(1991)の報告にあるように新生児は全例開存しており、陰唇癒合は先天性の疾患ではなく後天的な疾患である。陰唇癒合の原因は、湿潤環境、低エストロゲン状態、感染による二次的な癒着である」「陰唇癒合は乳児健診で見つけるべき疾患である」「陰唇癒合に関しては多くの誤解がある。小児科の外来でときどき偶然に発見される程度と思われているが決してそうではない。むしろ、頻度の高い新生児、乳児疾患と考えるべきである。北野病院で11ヶ月間に36例の紹介があった。内訳は、3ヶ月健診での発見が19例、6ヶ月健診が15例、1歳以上が2例であった」「切開かエストロゲン軟膏(日本では製剤なし)塗布である。外来で容易に切開できる。が、再発しやすい。特に切開直後は再癒合しやすく、母親に開大、消毒、清潔を指導し、医療施設で厳密にフォローすべきである」「陰唇癒合は、治療よりも予防が大事である」。
  • 中野こども病院小児外科(松川泰廣).陰唇癒合(家族編)https://nakano-kodomo.or.jp/shounigeka/family/fam_lab01.htm (2026-09-13閲覧)。「これでは膣が見えませんね。膣や尿道口の前で陰唇が両サイドからくっついているのからみえないのです」「症状はほとんどありません。だから、放置されがちです。しかし、おしっこがでにくく、膀胱炎や腟炎をおこしやすい状態です」。

手技

手技

亀頭包皮炎・嵌頓包茎—包皮は必ず戻す

小児の包茎は病気ではなく生理的な状態で、無理にめくらない。診察で包皮を翻転させたら必ず元に戻す——放置すると亀頭部への血流が滞り嵌頓包茎になりうる。嵌頓包茎(翻転した包皮が戻らない)は至急受診が必要で、整復できなければ持てない。

始める前に

  • 翻転できるか確認するときは無理をしない。皮膚が裂けないように注意する。
  • 説明のつかない外陰部の所見では、病歴と所見が一致するか確認する(施設内の虐待対応の枠組みへ)。
  • 要確認:外性器の診察に保護者同席・説明をどう行うか(羞恥・心理的配慮への院内方針)。

手順

  1. 1

    最初の視診で、剥けるか剥けないか、赤く腫れているか、翻転した包皮が戻るかを確認する

  2. 2

    嵌頓包茎(翻転した包皮が戻らない)なら用手整復を試みる(当院でどこまで行うか要確認)。戻らなければ持てない・搬送

    急いで戻さないと亀頭の血のめぐりが悪くなることがある

  3. 3

    亀頭包皮炎で全身状態良好なら、抗生物質をのんだり軟膏を塗って治療する

    薬剤名・用量は院内採用・アンチバイオグラムに従う(本シートは意図的に書いていない)

  4. 4

    バルーニング(排尿時に包皮へ尿がたまり膨らむ、または尿が細くしか出ない)は、手術またはステロイド軟膏治療のいずれかを選択できる。適応は専門医判断とし、当院ではまず保存的経過観察が基本

    要確認:具体的な適応基準・当院での軟膏開始可否は一次資料に記載がない

  5. 5

    亀頭包皮炎+発熱・全身状態不良(特に乳児)は、局所感染にとどまらないか評価する

  6. 6

    診察・処置で包皮を翻転させた場合は、必ず元に戻す

    放置すると医原性の嵌頓包茎リスクになる

  7. 7

    陰唇癒合が無症状で健診・偶然発見なら、保護者へ説明し経過観察か紹介かを判断する

    当院で切開するかは要確認

  8. 8

    陰唇癒合+排尿障害・尿路感染の合併なら婦人科・小児外科へ紹介する

やってはいけない

  • 生理的包茎を無理にめくらない(狭い皮膚で締め付けられて亀頭がひどく腫れてしまう=嵌頓包茎になる)
  • めくった包皮を戻さないまま放置しない(亀頭部への血液の流れが滞り嵌頓包茎になる。小児のうちは包皮をむいた後、必ず元に戻す)
  • 保存療法で強く剥かない(皮膚が裂けないように注意する)
  • 保護者・本人まかせで自己流の翻転訓練を繰り返させない(無理にめくると痛い・出血する・恐怖心を与える。ストレッチとは違う)※単一施設・単一医師の見解、要確認
  • 家族の希望だけで手術を急がない(包皮は将来大切な部分のため手術的治療は極力控える)
  • 埋没陰茎は通常の環状切除をしてはならない(小児泌尿器科専門医に相談すべき疾患)

終わったあと

  • 嵌頓包茎が整復できた場合は、帰宅後に泌尿器科・小児外科でフォローする。
  • 陰唇癒合が無症状なら経過観察でよい(排尿障害・繰り返す膀胱炎や腟炎の症状がなければ治療を急がない)。

この場で持てない・送る

  • 嵌頓包茎で整復できなければ持てない。搬送する
  • 埋没陰茎は持てない。小児泌尿器科専門医へ
  • 包茎の手術適応(繰り返す亀頭包皮炎・尿路感染、排尿障害、嵌頓包茎、家族の希望、宗教上の理由)は持てない。適応判断と手術は専門医へ
  • バルーニングの治療適応(手術かステロイド軟膏か)は持てない。専門医判断が要る(当院は保存的経過観察が基本)
  • 精巣捻転(急性陰嚢症)は持てない(亀頭包皮炎とは部位が異なる点に注意)
  • 説明のつかない外陰部の所見は施設内の虐待対応の枠組みへ
  • 要確認:小児泌尿器科・小児外科・婦人科の紹介先(平日・夜間)
  • 要確認:当院で嵌頓包茎の用手整復を行うか。鎮静・鎮痛の体制
  • 要確認:当院で陰唇癒合の切開を行うか
  • 要確認:外性器の診察に保護者同席・説明をどう行うか(羞恥・心理的配慮への院内方針)

手順・適応・禁忌はすべて本シートの正本の記載のみ。院内の器材・採用薬・搬送先は施設ごとに違うため、適用前に院内ルールを確認すること。

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