RSV・細気管支炎

緊急

RSV・細気管支炎

呼吸器β版・逐条レビュー継続中

2026-10-02更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。

家族説明を開く

30秒要約

  • 乳児のよくあるウイルス性下気道炎。主役は呼吸仕事と哺乳。
  • 気管支拡張薬・ステロイド・抗菌薬は細気管支炎には原則効かない。
  • 急に楽になったのにぐったり・チアノーゼは疲弊。良くなったと誤らない。

レッドフラグ

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見家族に伝えること
119無呼吸、チアノーゼ、反応不良家族ページの「すぐ受診」の項目を指して伝える
緊急疲弊(努力が消えてぐったり)、陥没・鼻翼、哺乳減・尿減家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
緊急生後3か月未満の発熱合併家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す

問診チェック

初期プラン(コア)

  1. ABC・呼吸仕事・哺乳を先に。疲弊サインを見落とさない。
  2. 支持療法が本体。鼻汁吸引は優しく。補液・酸素は適応で。
  3. ルーチンの気管支拡張薬・ステロイド・抗菌薬は使わない(別病名なら別)。
  4. 12歳未満にコデイン含有市販薬は使わない。
  5. 家族説明 → Family Guide「RSV・細気管支炎」。

家族に渡す一文

「多くの赤ちゃんは自然に良くなります。鼻水をやさしく取って、水分をこまめに。苦しそうだったのに急に静かでぐったり・顔色が悪いときは、良くなったのではなく疲れ切っているサインです。」
→ https://ampl-kids-health-guide.pages.dev/patient/RSV・細気管支炎について_患者説明_2026-07-30.html

エスカレーション

  • 無呼吸、酸素需要、3か月未満発熱、基礎疾患、疲弊 → 上級医

手技

手技

RSV細気管支炎は支持療法に徹し、疲弊のサインを見逃さない

気管支拡張薬・ステロイド・抗菌薬は原則使わない。支持療法(酸素・水分・鼻腔吸引)が本体。それまで目立っていた努力呼吸が急に消えて活気低下・顔色不良を伴う場合は「改善」でなく疲労徴候で、喘息のsilent chestと同型の落とし穴になる。緊急度3層区分・疲労徴候の記載・鑑別診断の追加は敵対的レビューでの追記であり、院内運用としての妥当性は医師(岡本)の確認待ちの論点である。

始める前に

  • 初発の喘鳴・多呼吸を反射的に「細気管支炎」と診断しない。肝腫大・ギャロップ・心雑音・成長不良→先天性心疾患/心不全、先行するかぜ症状なく突然発症し左右差のある呼吸音→気道異物、発作性の咳嗽・無呼吸が前景で低月齢かつワクチン未接種→百日咳、を鑑別に挙げる(この鑑別追加は敵対的レビュー指摘に基づく院内プロトコル整合が未確認の論点)
  • 診断は病歴・身体診察で行い、画像・検査所見をルーチンに追加しない
  • 生後12週未満、早産の既往、血行動態的に問題となる先天性心疾患、慢性肺疾患(気管支肺異形成症)、免疫不全を重症化リスク因子として評価する
  • 生後90日未満(特に60日未満)で発熱を伴う場合は、RSV等が陽性であっても重症細菌感染症(特に尿路感染症、報告により0.8〜3.1%)の合併リスクが残ることを踏まえ、発熱を機械的に随伴症状として片付けない
  • 低月齢児・早産児は典型的な喘鳴が目立たず無呼吸だけが前景に立つ非典型的な経過を取り得るため、月齢が若いだけで「軽症そうに見える」と判断しない

手順

  1. 1

    パルスオキシメトリでSpO2を評価する。酸素投与を要さない児での連続モニタリングは必須ではなく間欠的な評価で足りる

  2. 2

    room airでSpO2が90%を上回っていれば酸素投与を必須としなくてよい

    SpO2 90%を目標値とした場合と94%を目標値とした場合とで安全性・臨床的アウトカムは同等だった(BIDS試験)

  3. 3

    経口摂取が困難な場合は経鼻胃管または静脈路で補液する。輸液は等張液を基本とし、低張液は避ける

    低張液は抗利尿ホルモン分泌不適合様の病態を背景とした低ナトリウム血症のリスクを高める

  4. 4

    鼻腔吸引は必要時のみ浅く行う

    頻回・深い鼻咽頭吸引はかえって入院期間の延長と関連したとする報告がある

  5. 5

    母乳栄養の児には生後6ヶ月まで母乳栄養継続を推奨する

  6. 6

    入院患児には3%高張食塩水吸入を選択してよいが、救急外来単独での投与は推奨されない

やってはいけない

  • 気管支拡張薬(アルブテロール/サルブタモール吸入)は投与しない(Evidence Quality B、Strong Recommendation)
  • アドレナリン吸入は投与しない(Evidence Quality B、Strong Recommendation)
  • 全身性ステロイドはあらゆる場面で健康な乳児に投与しない(Evidence Quality A、Strong Recommendation)
  • 抗菌薬は二次的な細菌感染の合併、または強い疑いがない限り投与しない(Evidence Quality B、Strong Recommendation)
  • 胸部理学療法(バイブレーション・パーカッション等)は推奨しない
  • ルーチンの深い鼻咽頭吸引は避ける(入院期間の延長と関連したとの報告あり)
  • 市販の総合感冒薬・咳止め(コデインリン酸塩水和物・ジヒドロコデインリン酸塩を含む製剤)は12歳未満に禁忌
  • 胸部X線のルーチン施行はしない。無気肺像を細菌性合併症と誤認し不要な抗菌薬投与につながることがある
  • 血液検査(血算等)・迅速ウイルス抗原検査のルーチン施行は診断・管理方針の決定に日常的には不要
  • 低月齢児・早産児は典型的な喘鳴が目立たず無呼吸だけが前景に立つ非典型的な経過を取り得るため、月齢が若いだけで「軽症そうに見える」と判断しない

終わったあと

  • 【今すぐ救急車を呼ぶ/今すぐ受診】呼吸が止まって見える瞬間があった、顔色や唇・皮膚の色が悪い、ぐったりして反応が乏しい、それまで苦しそうだったのに急に呼吸が落ち着いたように見えてかつぐったりしている・顔色が悪い、と伝える
  • 【数時間〜当日中に連絡・受診】呼吸がはっきり速い・苦しそう(陥没呼吸の増悪、肩呼吸、鼻翼呼吸)、おっぱい・ミルクの量が明らかに減った、おしっこの回数が減った、と伝える
  • 【数日以内に相談】症状が長引く、咳が強くなってきた等の軽度な変化があれば数日以内に相談するよう伝える
  • 症状は通常発症後2〜3日で悪化のピークを迎えその後徐々に軽快する。咳嗽は治癒後も2〜3週間程度残ることがあると伝える
  • 細気管支炎後は咳嗽が数週間残ることがあり市販の咳止め(コデイン類)は12歳未満禁忌であることを説明時に明示的に注意喚起する

この場で持てない・送る

  • 低月齢児(生後12週未満、特に正期産児で生後1ヶ月未満・早産児で修正週数48週未満)や早産児での無呼吸(既往含む)
  • SpO2が90%を下回る、または持続する低酸素
  • 哺乳不良・脱水徴候(経口摂取困難で経鼻胃管/静脈路での補液を要する場合を含む)
  • 高度陥没呼吸・呼吸数60〜70回/分以上の多呼吸、チアノーゼ
  • 血行動態的に問題となる先天性心疾患、慢性肺疾患(気管支肺異形成症)、免疫不全等の基礎疾患の合併
  • 家族の観察・対応能力(自宅で経過を見られるか、再受診できる体制があるか)も入院要否の判断に含める
  • 要確認:入院基準の数値閾値、酸素投与の開始・中止基準、高張食塩水吸入の採用有無、ハイフローネーザルカニューレの適応、予防医薬品(パリビズマブ/ニルセビマブ/RSV母子免疫ワクチン)の導入状況、生後90日未満・発熱児への尿検査等の院内方針院内、既接種児が受診・入院した場合の連絡・確認体制、当直帯での低月齢児無呼吸疑い例の対応・上位施設(NICU/PICU)への連携経路
  • 要確認:緊急度3層区分(今すぐ救急要請/当日中受診/数日以内相談)の文言・閾値、努力呼吸の見かけ上の消失=疲労徴候の記載、鑑別診断の追加(先天性心疾患/心不全・気道異物・百日咳の除外プロトコル)は、いずれも敵対的レビューでの追記であり院内運用としての妥当性は医師(岡本)の確認待ち
  • 要確認:AAP 2014年版ガイドラインは発行から約11年が経過しており、最新のreaffirm(見直し)状況を一次情報で確認できていない

手順・適応・禁忌はすべて本シートの正本の記載のみ。院内の器材・採用薬・搬送先は施設ごとに違うため、適用前に院内ルールを確認すること。

病態・根拠13章
病態から診療を組み立てる

狭い細気管支が閉塞するので、喘鳴だけを治療目標にしない

RSV細気管支炎では、上皮の炎症・浮腫と分泌物で細い気道が閉塞する。乳児は気道が細く、同じ腫れでも抵抗が増えやすい。空気の出入りが不均一になり、喘鳴、捻髪音、頻呼吸、陥没呼吸、低酸素が組み合わさる。鼻閉と速い呼吸は哺乳も妨げるため、診察では呼吸仕事と飲水・尿量を並べて評価する。RSV陽性は原因の手がかりであり、酸素化・換気・脱水の重症度を示す検査ではない。[14][15]

低月齢・早産児では、軽いかぜのように見えても観察を厚くする

年長児の再感染と乳児の初感染では経過が違う。低月齢、早産、心肺疾患、神経筋疾患、免疫不全では呼吸障害や無呼吸を警戒する。保護者が見た「息が止まる」「顔が青い」は受診時に再現しなくても重く扱う。発症早期の一度の診察では、その後の悪化を見切れない。呼吸状態の推移、哺乳の持続性、家庭での観察能力を含めて入院を判断する。[14][16]

典型像から外れた所見に、別の診断を割り当てる

左右差や突然の咳込みは気道異物、発作性咳嗽・無呼吸と家族の長引く咳は百日咳を考える。反復する喘鳴では喘息を再評価する。発熱の再増悪・局所性の呼吸音・全身状態不良では肺炎や細菌感染を検討する。頻脈が呼吸所見に比べて強い、肝腫大、心雑音、成長不良があれば心不全の評価が必要であり、夜間に心エコーの判読ができないことを踏まえて専門施設へ相談する。[14][15][16]

検査を減らせるのは「典型的で安定した細気管支炎」の範囲

診断のための一律の胸部X線・採血は不要である。X線の過膨張や無気肺を細菌性肺炎と読み違えると、不要な抗菌薬につながる。診断不確実、想定外の増悪、呼吸不全・合併症疑いでは目的を決めて検査する。血液ガスは換気不全を疑う場面の補助であり、検査待ちで呼吸補助を遅らせない。発熱した低月齢児の感染評価は、本ページの院内日齢別方針を別に適用する。海外の典型的細気管支炎の検査省略を、そのまま新生児や院内方針院内に外挿しない。[14][15][16]

支持療法を選ぶ理由と、薬剤を常用しない理由

酸素・水分・栄養の確保は、気道炎症が軽快するまでの生理的負担を支える。鼻閉が哺乳を妨げる場合は必要な範囲の浅い吸引を検討する。強い呼吸仕事や疲労があれば、経口摂取を無理に続けず投与経路を見直す。閉塞の主体が浮腫や分泌物であるため、喘息と似た喘鳴でも気管支拡張薬の反応は同じではない。典型例へのルーチンβ2刺激薬・ステロイドは入院や病期を改善する根拠が乏しく、アトピー家族歴だけで常用の適応にしない。抗菌薬は細菌感染の根拠がある場合に限る。重症例の呼吸補助は専門施設の管理を含めて相談し、院内のHFNC実施体制を推測して指示を作らない。[14][15][16]

帰宅はSpO2単独で決めず、呼吸と哺乳の回復を確認する

安静時の酸素化、呼吸仕事、活気、哺乳と尿量が改善傾向にあることを繰り返し確認する。呼吸が静かになっても、覚醒や空気の入りが悪くなった場合は疲労として再評価する。家庭には無呼吸・顔色不良、呼吸の苦しさ、飲めない・尿が減る場合の再受診と連絡先を具体的に伝える。症状が軽くても高リスク児、観察困難、再診が難しい家族では観察入院を考える。CPSは主に基礎疾患のない乳幼児、RCHは豪州施設の診療指針であり、当地の酸素閾値や機器運用を新しい院内基準として採用したものではない。[15][16]

夜間の培養運用:低月齢発熱の院内方針院内は下記のとおり。夜間は培養提出ができず、採取後の保存・搬送条件も未確認である。検査室と上級医に採取・提出方法を確認し、必要な検査を安全に確保できない場合は紹介先と相談する。検体保管を可能と決めつけず、必要な経験的治療は提出待ちで遅らせない。

0. 一目でわかるフロー
受診(鼻汁・咳嗽が先行し、その後喘鳴・多呼吸が出現。多くは2歳未満、ピークは生後2-6ヶ月)
  → レッドフラグ評価(緊急度を3層で判定)
      ①今すぐ救急要請/直接救急外来 → 無呼吸(既往含)・チアノーゼ・意識レベル低下/反応が乏しい・努力呼吸の急な「消失」(疲労徴候)
      ②当日中に受診・電話再評価 → SpO2低下疑い・哺乳不良/脱水徴候・高度陥没呼吸/多呼吸
      ③数日以内に相談 → 軽度の症状遷延
  → 重症度・病型の判定(病歴・身体所見中心。ただし先天性心疾患/心不全・気道異物・百日咳等の模倣疾患の除外を先に行う)
  → 検査(原則不要。SpO2測定のみ通常施行、画像・血液・迅速抗原検査はルーチン不要)
  → 治療(支持療法が基本:酸素・水分管理・鼻腔吸引。気管支拡張薬・ステロイド・抗菌薬は原則不要。市販の咳止め・総合感冒薬〈コデイン類含有〉は12歳未満禁忌)
  → 再診・帰宅指導(再受診サイン説明・緊急度3層で保護者に伝える)・入院/紹介基準の判断
1. レッドフラグ(見逃し厳禁)

以下の緊急度3層区分は敵対的レビューで指摘された「無呼吸・チアノーゼ」と「多呼吸・哺乳不良」が同列に並び緊急度が区別されていない問題への追記。文言・閾値の院内運用としての妥当性は当院確認待ち。

緊急度3層(保護者・当直スタッフ向けの対応区分)

  • ①今すぐ救急要請(119)/直接救急外来へ: 無呼吸(既往含む)・チアノーゼ、意識レベル低下・呼びかけへの反応が乏しい、それまで目立っていた陥没呼吸・多呼吸がかえって減少し活気低下・顔色不良を伴う場合(下記「疲労徴候」)。
  • ②当日中に受診・電話再評価: SpO2低下疑い、哺乳不良・脱水徴候、高度陥没呼吸・多呼吸。
  • ③数日以内に相談: 軽度の症状遷延のみ。

以下、個別のレッドフラグ詳細。

  • 無呼吸(既往を含む)・チアノーゼ: 細気管支炎は無呼吸から進行性の呼吸窮迫まで経過が多様である[1]。特に低月齢児・早産児では、無呼吸が典型的な喘鳴や陥没呼吸に先行し得る点に注意する[1]。
  • 努力呼吸の見かけ上の「消失」=疲労徴候: それまで陥没呼吸・多呼吸が目立っていた児で、努力呼吸や呼吸数がかえって減少し、かつ活気低下・顔色不良・反応の乏しさを伴う場合は、呼吸筋疲労による呼吸不全・呼吸停止の前兆であり「改善」と誤認しない。喘息の重症発作における「サイレントチェスト」と同型の落とし穴である[1]。
  • SpO2低下: 室内気でSpO2が90%を下回る、または持続する低酸素[1][3]。
  • 哺乳不良・脱水徴候: 過去24時間の哺乳量が普段よりはっきり少ない、尿量減少、活気低下[1][4]。ある研究では、前日24時間の哺乳量が普段の50%未満であることがSpO2 95%未満と関連していたと報告されている[1]。
  • 多呼吸・高度陥没呼吸・鼻翼呼吸・呻吟: 目安として呼吸数60〜70回/分以上は重症化のサインとされる(研究によっては一貫しないが、呼吸数70回/分以上〈tachypnea〉が重症化リスクと関連したとする報告がある)[1]。新生児・乳児の呼吸数の生理的上限(新生児30〜60回/分、乳児30〜40回/分。呼吸数60回/分以上は月齢によらず異常とされる)を踏まえ、これを明らかに超える頻呼吸は要注意[5]。
  • 低月齢・早産児・基礎疾患: 生後12週未満、早産の既往、血行動態的に問題となる先天性心疾患、慢性肺疾患(気管支肺異形成症)、免疫不全は重症化リスク因子として評価する[1]。上記の年齢・既往基準を当院の目安として採用し、該当児はモニタリング入院とする。
  • ぐったり・意識レベル低下・活気不良。
  • 生後90日未満・発熱を伴う場合の重症細菌感染症リスク: RSV等が陽性であっても、生後90日未満(特に60日未満)で発熱を伴う児では重症細菌感染症(特に尿路感染症、報告により0.8〜3.1%)の合併リスクが残る。発熱を機械的に「ウイルス性細気管支炎の随伴症状」として片付けない[7][8]。決定=生後60日未満は「生後3か月未満の赤ちゃんの発熱」(young-infant-fever)・「発熱児のトリアージ」(fever)両トピックの年齢帯決定に完全同期する:生後8-28日=血液培養・カテーテル尿(培養含む)・髄液検査(LPは安全条件を優先し、禁忌時は穿刺せず安定化・治療・専門相談を先行)を全例検討し、結果を待たず経験的抗菌薬・入院。生後29-60日=血液培養・尿検査・炎症マーカーを全例施行し原則入院。RSV等ウイルス陽性はこれらの必須検査を省略する理由にならない。60〜89日はfever・young-infant-fever双方が要確認のまま残す範囲であり、引き続き全身状態・経過で個別に判断する。

⚠ 低月齢児・早産児では「典型的な喘鳴が目立たず無呼吸だけが前景に立つ」非典型的な経過を取り得るため、月齢が若いだけで「軽症そうに見える」と判断しない。

2. 重症度・病型の判定

以下の「除外すべき鑑別」は敵対的レビューで指摘された模倣疾患見落としリスクへの追記。院内の実際の除外プロトコル(検査要否含む)との整合は当院確認待ち。

  • 除外すべき鑑別(見逃し厳禁): 初発の喘鳴・多呼吸を反射的に「細気管支炎」と診断しない。以下の所見があれば支持療法のみでの経過観察に進まず再評価する[1][8]。
  • 肝腫大・ギャロップ・心雑音・成長不良を伴う → 先天性心疾患/心不全の初発・増悪を疑う。
  • 先行するかぜ症状なく突然発症、左右差のある呼吸音 → 気道異物を疑う。
  • 発作性の咳嗽・無呼吸が前景で低月齢かつワクチン未接種 → 百日咳を疑う。(鑑別出典[9])
  • 診断は病歴・身体診察で行い、画像・検査所見をルーチンに追加しない(AAP Key Action Statement 1a・1c、Evidence Quality B、Strong〜Moderate Recommendation)[1]。
  • 重症度の目安(病歴・身体所見に基づく。妥当性が確立した単一の重症度スコアは存在しない点に注意[1])
  • 軽症: 鼻汁・咳嗽が主体、喘鳴や陥没呼吸があっても軽度、哺乳良好、SpO2は室内気で正常域。
  • 中等症: 喘鳴・軽〜中等度の陥没呼吸あり、哺乳量がやや低下、SpO2が90〜94%程度で変動することがある。
  • 重症: 高度陥没呼吸・鼻翼呼吸・呻吟、呼吸数60〜70回/分以上の多呼吸、チアノーゼ、無呼吸、SpO2が90%を下回る、哺乳不能・経口摂取困難[1][4]。
  • 参考: 年齢別の呼吸数の生理的範囲(新生児30〜60、乳児30〜40、幼児20〜30回/分。呼吸数60回/分以上・脈拍160/分以上はいつでも異常)[5]。
  • 典型的な経過: ウイルス性の急性気道感染症状(鼻汁・咳嗽)が先行し、その後2〜3日程度で下気道症状(喘鳴・多呼吸)が悪化、通常は病日3〜5日目頃にピークを迎え、その後軽快に向かう[4]。
  • 主な原因ウイルス: RSウイルスが最多で、ヒトメタニューモウイルス・ライノウイルス・パラインフルエンザウイルス・アデノウイルス・インフルエンザウイルス等も原因となる。生後2年以内にほぼ全員がRSウイルスに感染し、うち最大40%が下気道感染を来すとされる[1]。国内では例年の流行時期が変化し、近年は夏季(7月頃)にピークを迎える年が続いている点に留意する[実務上の傾向。次回確認時に最新の流行状況を要確認]。
3. 検査
  • 必要:
  • パルスオキシメトリによるSpO2評価(臨床評価の一部として)。ただし、酸素投与を要さない児での連続モニタリングは必須ではなく、間欠的な評価で足りるとされる(Evidence Quality D、Weak Recommendation)[1]。
  • 不要・過剰になりがち:
  • 胸部X線のルーチン施行: 多くの細気管支炎児で異常影を認めるが、重症度と相関するというエビデンスは不十分。無気肺像を細菌性合併症と誤認し、不要な抗菌薬投与につながることがある[1]。ICU入院を要するほど呼吸努力が高度な場合や気道合併症(気胸等)を疑う場合に限り施行を検討する[1]。
  • 血液検査(血算等)のルーチン施行、迅速ウイルス抗原検査のルーチン施行: 診断・管理方針の決定に日常的には不要(AAP Evidence Quality B、Moderate Recommendation)[1]。パリビズマブ/ニルセビマブ(ベイフォートス)既接種児、または母親がRSV母子免疫ワクチン(アブリスボ、2026年4月定期接種化)接種済みの児が入院した場合の原因鑑別(ブレイクスルー感染か他病原体か)など、限定的な場面でのみ考慮する[1][10][11]。院内でどの予防法が導入されているかは6章参照。
4. 治療
  • 第一選択(支持療法が基本。個別の体重換算値はここでは記載せず、考え方のみ):
  • 酸素投与: room airでSpO2が90%を上回っていれば、酸素投与を必須としなくてよい(Evidence Quality D、Weak Recommendation)[1]。SpO2 90%を目標値とした場合と94%を目標値とした場合とで、安全性・臨床的アウトカム(咳嗽消失までの期間等)は同等であったとする二重盲検同等性試験(BIDS試験、Lancet 2015、対象:生後6週〜12ヶ月・入院児615例)が報告されている[3]。
  • 水分・栄養管理: 経口摂取が困難な場合は経鼻胃管または静脈路での補液を行う。輸液は等張液を基本とし、低張液は抗利尿ホルモン分泌不適合様の病態を背景とした低ナトリウム血症のリスクを高めるため避ける(Evidence Quality X、Strong Recommendation)[1]。呼吸数がおおむね60〜70回/分を超えると哺乳中の呼吸との協調が障害され誤嚥リスクが上がるとされ、経口摂取の可否判断の目安となる[1]。
  • 鼻腔吸引・体位・加湿等の一般的な支持療法[4]。ただし、頻回・深い鼻咽頭吸引はかえって入院期間の延長と関連したとする報告があり、必要時のみ浅い吸引にとどめる[1]。
  • 母乳栄養の児は、罹病率低下のため生後6ヶ月まで母乳栄養継続を推奨する(Evidence Quality B、Moderate Recommendation)[1]。
  • 第二選択・無効時:
  • 3%高張食塩水吸入: 入院患児に対しては投与を選択してよいとされる(Evidence Quality B、Weak Recommendation〈対照試験の結果が一貫しないことに基づく〉)が、救急外来単独での投与は推奨されない(Evidence Quality B、Moderate Recommendation)[1]。国内ガイドラインでの明示的な推奨の有無は本ファイル作成時点で確認できておらず要確認。
  • 高流量鼻カニューレ酸素(High-flow nasal cannula): 挿管率低下との観察研究報告があるが、無作為化比較試験によるエビデンスは限定的であり、現時点でルーチン使用を推奨する段階にはない[1]。

⚠要医師確認: 以下[2]の引用元は『小児RSウイルス感染症診療ガイドライン2021』(前版)。2026年4月17日発行の改訂版『小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2026』(協和企画・日本小児呼吸器学会/日本新生児成育医学会、10CQに再編)が既発行であることはWebSearchで確認したが、CQ3・CQ4・CQ5・高張食塩水の推奨内容が変更されたか原本未確認。原本の取り寄せ・確認が必要。また出典[2]は原典ではなくクリニックブログ経由の孫引きである点にも留意。

  • やってはいけない/非推奨(エビデンスに基づき投与しないことを推奨):
  • 気管支拡張薬(アルブテロール/サルブタモール吸入): 投与しないことを推奨(Evidence Quality B、Strong Recommendation)[1]。国内のRSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021でも、β2刺激薬は呼吸障害や重症度スコア・入院率・入院期間を改善しないためルーチンに使用しないことを推奨している(CQ4)[2]。
  • アドレナリン吸入: 投与しないことを推奨(Evidence Quality B、Strong Recommendation)[1]。
  • 全身性ステロイド: あらゆる場面で健康な乳児に投与しないことを推奨(Evidence Quality A、Strong Recommendation)[1]。国内ガイドラインでも、ステロイドの全身投与・吸入いずれについても有用性を示すデータはないとされる(CQ3)[2]。
  • 抗菌薬: 二次的な細菌感染の合併、または強い疑いがない限り投与しない(Evidence Quality B、Strong Recommendation)[1]。ウイルス感染が主体であり、抗菌薬投与は原則的に不要である(CQ5)[2]。
  • 胸部理学療法(バイブレーション・パーカッション等): 推奨しない(Evidence Quality B、Moderate Recommendation)[1]。
  • ルーチンの深い鼻咽頭吸引: 前項のとおり入院期間の延長と関連したとの報告があり、ルーチン施行は避ける[1]。
  • 市販の総合感冒薬・咳止め(コデインリン酸塩水和物・ジヒドロコデインリン酸塩を含む製剤): 12歳未満に禁忌(2019年7月9日付で添付文書改訂)。呼吸抑制による死亡例が海外で報告されている。細気管支炎後は咳嗽が数週間残ることがあり保護者が市販薬を使いたがる場面が起こり得るため、説明時に明示的に注意喚起する[12]。
5. 再診・帰宅指導・保護者説明

再受診サインの緊急度区分はと同一論点。表現・線引きの妥当性は当院確認待ち。

  • 再受診すべきサイン(緊急度を分けて保護者に伝える):
  • 【今すぐ救急車を呼ぶ/今すぐ受診】: 呼吸が止まって見える瞬間があった(無呼吸様エピソード)。顔色が悪い・唇や皮膚の色が悪い(チアノーゼ)。ぐったりしている、呼びかけへの反応が乏しい。それまで苦しそうだったのに急に呼吸が落ち着いたように見えて、かつぐったりしている・顔色が悪い(疲労による呼吸停止の前兆のことがある)。
  • 【数時間〜当日中に連絡・受診】: 呼吸がはっきり速い・苦しそう(陥没呼吸の増悪、肩呼吸、鼻翼呼吸)。おっぱい・ミルクの量が明らかに減った、おしっこの回数が減った。
  • 【数日以内に相談】: 症状が長引く、咳が強くなってきた等の軽度な変化。
  • 経過の見通し: 症状は通常発症後2〜3日で悪化のピークを迎え、その後徐々に軽快する。咳嗽は治癒後も2〜3週間程度残ることがある[1][4]。
  • 紹介・入院の閾値(1章のレッドフラグと対応):
  • 低月齢児(生後12週未満、特に無呼吸モニタリングの観点では正期産児で生後1ヶ月未満・早産児で修正週数48週未満)や早産児での無呼吸(既往含む)[1]。
  • SpO2が90%を下回る、または持続する低酸素[1][3]。
  • 哺乳不良・脱水徴候(経口摂取困難で経鼻胃管/静脈路での補液を要する場合を含む)[1]。
  • 高度陥没呼吸・呼吸数60〜70回/分以上の多呼吸、チアノーゼ[1]。
  • 血行動態的に問題となる先天性心疾患、慢性肺疾患(気管支肺異形成症)、免疫不全等の基礎疾患の合併[1]。
  • 家族の観察・対応能力(自宅で経過を見られるか、再受診できる体制があるか)も入院要否の判断に含める[1]。
6. 院内ローカルルール(愛育での運用)
  • 決定=生後90日未満・発熱を伴う細気管支炎児の検査方針は、fever/young-infant-fever正本の年齢帯決定に完全同期する(1章「生後90日未満・発熱を伴う場合の重症細菌感染症リスク」参照)。生後8-28日=血液培養・カテーテル尿・髄液検査(LPは安全条件を優先し、禁忌時は穿刺せず安定化・治療・専門相談を先行)を全例検討、生後29-60日=血液培養・尿検査・炎症マーカーを全例かつ原則入院。60〜89日は個別判断のまま残す(fever・young-infant-fever双方が同日付〈2026-09-25〉で要確認としており、新規決定は求めない)。
  • 未確認: 60〜89日の線引きに使えるAAP2025 PECARN研究(Pediatrics 156(1):e2025070617、61-90日・n=3,678・ウイルス陽性群UTI4.4%/菌血症1.0%等)は、WebSearch予算超過とAAP公式サイトの403エラーにより一次資料で直接確認できていない。60-89日側の運用を固める前に原著の再確認が必要。
  • 未確認: 60日未満に血液培養を追加する場合の当直帯での実際の保管運用(facility.jsonの_cultureNoteは血液培養ボトルの室温保管・尿の冷蔵などを「要確認」としている)。
7. 出典
  1. Ralston SL, Lieberthal AS, Meissner HC, et al. Clinical Practice Guideline: The Diagnosis, Management, and Prevention of Bronchiolitis. Pediatrics. 2014;134(5):e1474-e1502. https://publications.aap.org/pediatrics/article/134/5/e1474/75848/Clinical-Practice-Guideline-The-Diagnosis (PMID: 25349312, https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25349312/ )(2026年7月アクセス確認。全文PDFを直接確認し、Key Action Statement 1a〜9・関連本文〈重症度評価、無呼吸、酸素飽和度、水分・栄養管理〉を引用)
  2. 日本小児呼吸器学会・日本新生児成育医学会編『小児RSウイルス感染症診療ガイドライン2021』CQ3(ステロイド)・CQ4(β2刺激薬)・CQ5(抗菌薬). Mindsガイドラインライブラリでの要約: https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00663/ 。CQ内容の要約引用元: つだ小児科クリニック「小児RSウイルス感染症診療ガイドライン2021のCQ.」https://tsudashonika.com/disease-cat/rsvirus-guideline/ (いずれも2026年7月アクセス確認。原著〈協和企画刊の書籍〉の直接確認が望ましい)
  3. Cunningham S, Rodriguez A, Adams T, et al; Bronchiolitis of Infancy Discharge Study (BIDS) group. Oxygen saturation targets in infants with bronchiolitis (BIDS): a double-blind, randomised, equivalence trial. Lancet. 2015;386(9998):1041-1048. doi:10.1016/S0140-6736(15)00163-4(PMID: 26382998)。日本語要約: ケアネット「乳児の細気管支炎、SpO2値90%でもアウトカム良好/Lancet」https://www.carenet.com/news/journal/carenet/40708 (2026年7月アクセス確認)
  4. MSDマニュアル プロフェッショナル版「細気管支炎」(19. 小児科/幼児における呼吸器疾患). https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/19-%E5%B0%8F%E5%85%90%E7%A7%91/%E5%B9%BC%E5%85%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%91%BC%E5%90%B8%E5%99%A8%E7%96%BE%E6%82%A3/%E7%B4%B0%E6%B0%97%E7%AE%A1%E6%94%AF%E7%82%8E (2026年7月アクセス確認)
  5. 神奈川県立こども医療センター 循環器内科 柳貞光「こどものフィジカルアセスメント〈医療的ケアを必要なこどもへの対応〉」(退院在宅支援 2022年研修会資料)Vital signsスライド(年齢別の呼吸数・脈拍・血圧の目安値). https://kcmc.kanagawa-pho.jp/data/media/08_taiinzaitaku/2022kennshuukai/2022.2.1.pdf (2026年7月アクセス確認。院内研修資料であり一次ガイドラインではない参考値である点に留意)
  6. (参考・全文未確認)プライマリケア(シスメックス)「急性細気管支炎(RSウイルス含む)」における国内実務上の記載〈軽症以外は原則入院、酸素投与・加湿・輸液が基本、呼吸数60回/分以上で重症化〉. https://primary-care.sysmex.co.jp/speed-search/disease/index.cgi?c=disease-2&pk=345 (2026年7月アクセス確認。原典は「臨床医マニュアル第5版」とされ未確認)
  7. Levine DA, Platt SL, Dayan PS, et al. Risk of Serious Bacterial Infection in Young Febrile Infants With Respiratory Syncytial Virus Infections. Pediatrics. 2004;113(6):1728-1734. https://publications.aap.org/pediatrics/article/113/6/1728/64325 (2026年7月アクセス確認。UTI合併率0.8〜3.1%の報告元)
  8. Occult serious bacterial infection in infants ≤3 months with bronchiolitis(2024年レビュー、De Rose et al.). https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC11350802/ (2026年7月アクセス確認。2026-09-26セッションで本文を再確認:アブストラクトの「血液培養66/242例中9.1%陽性」は分子生物学的検査〈T2MR〉併用の数値であり、通常の血液培養単独での陽性は3/66例〈4.5%〉、うち1件は混入〈contaminant〉と明記され、混入除外後の真の病原体は2/66例〈3.0%〉にとどまる。当院での参照時は9.1%を実質的な血液培養陽性率としてそのまま使わない。選択された66/242例〈培養提出対象〉のみの値であり、選択バイアス〈採血対象が重症寄りだった可能性〉は排除できていない点も未確認として残る)
  9. Medscape「Bronchiolitis Differential Diagnoses」(先天性心疾患・気道異物・百日咳等の鑑別). https://emedicine.medscape.com/article/961963-differential (2026年7月アクセス確認。二次資料・要原本確認)
  10. 日本小児科学会「日本におけるニルセビマブの使用に関するコンセンサスガイドライン」2025年8月31日改訂. https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20250831Beyfortus_GL.pdf (2026年7月アクセス確認)
  11. 2026年4月からのRSV母子免疫ワクチン(アブリスボ)定期接種化. 日本経済新聞「RSウイルスワクチン、2026年度から定期接種に 妊婦が対象」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1944N0Z11C25A1000000/ /日本小児科学会「2026年4月からの妊婦を対象としたRSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)の定期接種化にあたって」https://www.jpeds.or.jp/society-activities/pediatric-medical-care/vaccination/opinion/post-155697.html (いずれも2026年7月アクセス確認)
  12. コデイン類・ジヒドロコデイン類の12歳未満禁忌化. 厚生労働省2019年7月9日付通知(添付文書改訂指示)。日経メディカル「コデイン類とトラマドールは12歳未満で禁忌」https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201907/561587.html /薬事日報 https://www.yakuji.co.jp/entry58865.html (2026年7月アクセス確認)
  13. 『小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2026』(協和企画、2026年4月17日発行、日本小児呼吸器学会・日本新生児成育医学会編、前版2021年からの改訂・10CQに再編). 協和企画プレスリリース https://www.kk-kyowa.co.jp/news/press_release/d20260417/ /薬事日報 https://www.yakuji.co.jp/entry134508.html (2026年7月アクセス確認。CQ個別内容〈β2刺激薬・ステロイド・抗菌薬・高張食塩水の推奨変更有無〉は原本未確認。原本取り寄せ必須)

※ 点数・GLは改定される。運用前に最新版を確認。

  1. 厚生労働省.抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編.2026-01-16.第9章「急性細気管支炎」pp.75–77.https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001630903.pdf (2026-10-02、公開PDF本文確認。臨床診断・リスク・支持療法・抗菌薬の適用範囲)
  2. Canadian Paediatric Society. Bronchiolitis: Recommendations for diagnosis, monitoring and management of children one to 24 months of age. Updated 2021-11-30. https://cps.ca/en/documents/position/bronchiolitis (2026-10-02本文確認。病態・ルーチン薬剤の限界・検査・退院。主に基礎疾患のない乳幼児が対象、新生児・重い基礎疾患は適用範囲外)
  3. Royal Children's Hospital Melbourne. Bronchiolitis. https://www.rch.org.au/clinicalguide/guideline_index/Bronchiolitis/ (2026-10-02本文確認。豪州施設の指針。高リスク・無呼吸・反復観察・標準酸素で改善しない場合の呼吸補助。酸素閾値・機器運用を新しい院内指示として採用していない)
臨床医が迷う場面
ゼーゼーが残るので、気管支拡張薬やステロイドを追加する?

典型的な細気管支炎は浮腫と分泌物が主体で、これらの薬をルーチン追加しない。呼吸仕事量、空気の入り、哺乳、酸素化を評価して支持療法を調整する。反復喘鳴や非典型の経過では別病態を再評価し、通常の喘息と一律に扱わない。

出典:RCH 細気管支炎(海外小児指針) / 厚生労働省 抗微生物薬適正使用第四版

RSV陽性だから、低月齢の発熱精査は省略できる?

陽性でも細菌感染合併は除外できない。月齢、全身状態、尿路感染等のリスクで評価し、本文の院内方針院内に従う。哺乳低下・無呼吸・体温不安定を重視し、必要な培養採取と抗菌薬判断を検査の陽性だけで取り消さない。腰椎穿刺は安全条件を優先する。

出典:RCH 細気管支炎(海外小児指針) / 厚生労働省 抗微生物薬適正使用第四版

酸素を外してSpO2が保てば、すぐ退院でよい?

睡眠時を含む酸素化の持続、呼吸努力、哺乳、無呼吸の有無と家庭の観察体制を確認する。低月齢・早産・基礎疾患があれば慎重に判断する。陥没や頻呼吸が減っても活気・空気の入りが悪ければ疲弊の可能性があり、改善として退院させない。

出典:RCH 細気管支炎(海外小児指針) / 厚生労働省 抗微生物薬適正使用第四版

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