こどもの頭痛

こどもの頭痛

神経・発達・こころβ版・逐条レビュー継続中

2026-07-31更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

家族説明を開く

当院の当直帯に頭部CT・MRIは撮れない(2026-09-14 確認)。腰椎穿刺はできる
下の詳細リファレンスは、レッドフラグ陽性の頭痛にCTのオーダー基準を置いている。当院では「CTを撮る基準」がそのまま「送る基準」になる
当直帯に頭痛で拾うべきものは、突然発症の最悪の頭痛/朝方に強い頭痛と嘔吐/神経所見/発熱+項部硬直/意識変容——いずれも画像なしで拾える所見。拾えたら撮らずに動く。

30秒要約

  • こどもの頭痛。家族説明と同じ受診サインで切る。
  • まず毒性・気道・循環を見る。迷ったら上級医。
  • 家族には説明ページを渡し、様子見の自己判断を止めさせる。

レッドフラグ

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見家族に伝えること
当日今までに経験したことのない、突然の激しい頭痛家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日朝早くや夜中に頭痛で目が覚める、朝に何度も吐く家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日手足に力が入りにくい、ろれつが回らない、物が二重に見える、ふらついて歩きにくいなど、いつもと違う体の症状がある家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日ぼんやりして反応が鈍い、急に性格や様子が変わった家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日日を追って頭痛がだんだん強く・頻繁になってきている家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日頭の後ろのほうが痛む家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日6歳未満のお子さんで、初めて経験するような頭痛家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日高い熱があり、首を前に曲げると痛がる・嫌がる家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日頭に「シャント」という治療の管が入っているお子さんで、いつもと違う頭痛や様子の変化がある家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日横になっていると強くなる、あるいは逆に立ったり座ったりすると強くなるなど、体の向きで痛みが大きく変わる家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日医師から「この症状が出たらすぐ受診してください」と伝えられている、その症状が出たとき家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す

問診チェック

初期プラン(コア)

  1. ABC と毒性を先に見る。
  2. 上のレッドフラグで 119 / 今日受診 / 説明して帰宅 を分ける。
  3. 検査・薬は施設プロトコル。用量は書かない。
  4. 家族説明を渡す。

家族に渡す一文

この説明ページに、今日の判断と受診の目安がまとまっています。当てはまるサインがあれば様子を見続けずに連絡してください。
https://ampl-kids-health-guide.pages.dev/patient/こどもの頭痛について_患者説明_2026-07-31.html

エスカレーション

  • レッドフラグ、判断に迷う → 上級医

出典

  • Family Guide headache と整合

処方

kgこのシートの計算すべてに反映。タブを閉じるまで保持されるので、患者が変わったらクリアする。
処方

処方の考え方

小児片頭痛の急性期は鎮痛薬が第一選択。頭痛発症後できるだけ早期に、十分量を内服する。緊張型頭痛主体・起立性調節障害の合併例では非薬物療法(生活リズム・誘因除去)を優先する。

段階

鎮痛薬の頻回使用は薬物乱用頭痛(MOH)を招く。トリプタン・オピオイド・配合鎮痛薬は月10日以上、単純鎮痛薬は月15日以上の使用が3か月超続くとリスク。⚠ 27.5%という数字の母数に注意。原典は「12〜17歳の慢性連日性頭痛(CDH)の76.3%は慢性片頭痛・慢性緊張型頭痛のいずれにも分類できず、その分類不能群のうち27.5%がMOH基準を満たした」であり、CDH全体に占める割合はこれより低い。正本§2・§4はいずれも母数の取り方が原典と一致しないと検証で指摘されている。いずれにせよ鎮痛薬の使用日数を必ず確認する。レッドフラグ陽性例に画像検査を先送りしたまま鎮痛薬のみで経過観察しない。起立性調節障害が主体の頭痛に鎮痛薬中心で対応しない(効果が乏しく、OD自体の治療が優先される)。

この数字の意味

体重換算の考え方であって処方箋ではない。実際の剤形・力価(ドライシロップ10%/20%等)と採用薬は施設ごとに違い、本シートの「院内ローカルルール」(§6)は未確定のまま。g・包数への換算は院内採用を確認したうえで行う。

薬剤名だけで用量が出ないものは、正本にその記載が無いということ。推測の数字は出さない。

参考計算・参考判定です。適用は添付文書・現行ガイドライン・院内採用・患者個別要因を確認のうえ医師が判断してください。

詳細リファレンス8章(正本より)

出所: 正本「小児の頭痛_2026-07-31.md」(起草→敵対的検証→一次資料照合→独立再検証済み)。同期日: 2026-08-14。
用量・基準は「考え方」の記載であり、適用前に一次資料と院内採用・添付文書を確認すること。「医師確認事項」に残る論点は未確定。

  • 区分: 外来編/疾患別ワークフロー
  • 記録日: 2026-07-31
  • 状態: 下書き(要・本人確認)
  • 対象: 小児外来(愛育病院)

⚠ 本ファイルはAIが最新の文献・ガイドラインをWeb検索して起草した下書き。最終的な臨床判断は医師(岡本)が確認して確定する。用量は体重換算の「考え方」のみ・個別処方値や患者情報は書かない。

0. 一目でわかるフロー
受診(頭痛主訴)
   │
   ▼
① 問診・神経学的診察でレッドフラグの有無を確認 [→§1](全例必須)
   │
   ├─ レッドフラグ陽性 ──────────────▶ 二次性頭痛を疑う
   │                                        │
   │                                        ▼
   │                          バイタル・血圧測定+眼底検査(乳頭浮腫の有無)
   │                                        │
   │                                        ▼
   │                          頭部画像検査(CT/MRI、適応に応じ選択)[→§3]
   │                             +発熱・意識障害があれば髄膜炎精査
   │                                        │
   │                    ┌───────────────┴───────────────┐
   │                    ▼                                   ▼
   │              異常あり                                異常なし
   │        専門科(小児神経・脳神経外科・     一次性頭痛として再評価
   │        眼科)紹介/入院 [→§5]              (§2へ)
   │
   └─ レッドフラグ陰性 ──▶ 一次性頭痛の病型判定 [→§2]
                              │
                ┌─────────────┴─────────────┐
                ▼                                       ▼
          片頭痛パターン                        緊張型頭痛/起立性調節障害等
          (前兆の性状も確認)                   (鑑別を意識)
                │                                       │
                ▼                                       ▼
          非薬物療法(睡眠・食事・誘因除去)を土台に共通       生活指導・非薬物療法中心
                │
                ▼
          第一選択:イブプロフェン/アセトアミノフェン(体重換算・早期十分量)[→§4]
                │
                ▼(無効・頻回、特殊な前兆型でない場合のみ)
          トリプタン検討(適応外使用の説明・同意が前提)
                │
                ▼(月4〜8回以上・生活支障大/非薬物療法でも無効)
          予防薬検討(アミトリプチリン等)
                │
                ▼
          改善なし/増悪/新規レッドフラグ出現
                │
                ▼
          §1に戻り再評価・紹介検討 [→§5・§6]
1. レッドフラグ(見逃し厳禁)

小児の二次性頭痛は感染症(多くはウイルス性感冒随伴)が最多で、通常は自然軽快する良性のものである[2]。一方で、以下のサインは中枢神経の器質的疾患(SOL・脳腫瘍・出血・髄膜炎・特発性頭蓋内圧亢進症など)を示唆し、精査(画像・眼底・場合により髄液検査)と上位/専門紹介の閾値を下げるべきサインである。

  • 早朝/起床時に増悪する頭痛・夜間に痛みで目が覚める頭痛: 臥位が続くことで頭蓋内圧が上昇しやすいため、腫瘍性病変等による頭蓋内圧亢進を示唆する。特発性頭蓋内圧亢進症でも頭痛・嘔吐・うっ血乳頭が三徴とされる[4]。
  • 嘔吐を伴う頭痛(特に朝の噴出性嘔吐): 頭蓋内圧亢進の随伴症状[4]。ただし片頭痛でも悪心・嘔吐は高頻度にみられるため[2][3]、「頭痛と無関係に朝方だけ嘔吐する」パターンかどうかで区別する。
  • 神経局在徴候(複視、片麻痺、失調、構音障害等): 器質的病変を強く示唆する。ただし脳幹性前兆を伴う片頭痛・片麻痺性片頭痛など「特殊な前兆を伴う片頭痛」でも一過性に類似症状が出現するため、典型的な片頭痛との併存(報告では約4.3%)を念頭に鑑別する[3]。
  • 意識・性格の変化: 髄膜炎・脳炎・脳腫瘍による頭蓋内圧亢進や脳浮腫を示唆する。
  • 進行性に増悪する頭痛(頻度・強度が週〜月単位で増している、今までと違う性状、経験したことのない激しさ): 器質的疾患を示唆するパターンとして専門家が強調している[3]。
  • 後頭部痛: 小児の後頭部痛は、片側性・両側性を問わず稀であり、器質性疾患によるものが多いと考えられている(ガイドライン明記)[2]。診断上の注意を要する。
  • 6歳未満での発症: 幼児期(2〜5歳)の頭痛は約7割が感染症由来の二次性頭痛との報告があり[2]、年少児ほど一次性頭痛(片頭痛等)自体の有病率が低く、相対的に二次性頭痛の割合が高い。新規頭痛を訴える年少児は特に慎重に評価する。
  • 体位で変化する頭痛: 臥位で増悪する場合は頭蓋内圧亢進を、起立・座位で増悪する場合は低髄液圧症候群(起立性頭痛)を示唆する古典的所見[要確認:小児に特化した一次資料は本稿執筆時点で確認できておらず、成人領域の一般的知見を準用]。
  • 視神経乳頭浮腫(うっ血乳頭): 頭蓋内圧亢進の他覚的所見として最重要。眼底検査で確認する[4]。
  • 発熱・項部硬直等の髄膜刺激徴候を伴う急性発症の頭痛: 細菌性髄膜炎を含む中枢神経感染症を示唆する。二次性頭痛全体では(多くは良性の)ウイルス性感染症が最多だが[2]、髄膜刺激徴候を伴う場合は緊急性が高く見逃し厳禁。
  • 突然発症・雷鳴様の頭痛(数秒〜数分でピークに達する最悪の頭痛): 頭蓋内出血を示唆する所見として一般的に重視される[標準的な臨床知見。本セッションでは小児特化の一次資料までは再確認できておらず要確認]。
  • VP(脳室腹腔)シャント留置歴のある児の新規・増悪する頭痛: シャント機能不全(閉塞・感染)による頭蓋内圧亢進を疑う。小児二次性頭痛の原因としてシャントトラブルは一定の頻度で報告されている(外来集計で0.3〜11.5%)[2]。忘れがちだが必ず既往歴で確認する。
2. 重症度・病型の判定

まず二次性頭痛を除外する(§1) ことが一次性頭痛診断の前提である。器質的疾患を否定した上で一次性頭痛の診断を行う[3]。

  • 片頭痛(前兆のない片頭痛): 国際頭痛分類(ICHD)を用いて診断するが、小児では成人と異なる点がある。
  • 持続時間: 診断基準上は4〜72時間だが、小児では2時間程度でもよいとされる(臨床実務)[2][3]。
  • 部位: 成人は片側性が典型だが、年少児では両側性(前頭側頭部)が多い。片側性パターンは思春期以降に成人型へ近づく[2]。
  • 拍動性: 年少児では自覚・表現が難しく、認識できないことが少なくない[3]。
  • 随伴症状: 悪心・嘔吐は高頻度。光過敏・音過敏は年少児では行動から推測する(例:「明るい部屋と暗い部屋どちらがいい?」といった年齢に応じた具体的な問診が有用)[2][3]。
  • 緊張型頭痛: 両側性・非拍動性・軽〜中等度・日常動作による増悪なし、が典型像。片頭痛との鑑別が難しく、小児では両者の併存や慢性連日性頭痛への移行もある[2]。
  • 特殊な前兆を伴う片頭痛(要注意サブタイプ): 脳幹性前兆を伴う片頭痛(構音障害・回転性めまい・耳鳴・難聴等)、片麻痺性片頭痛(前兆に上下肢の麻痺を伴う)、網膜片頭痛(単眼のみの視覚前兆。片目を隠して確認しないと両眼性か単眼性か判断できない)[3]。典型的な片頭痛と併存することが多く、前兆の「有無」だけでなく「性状」を確認しないと見逃す。治療選択(トリプタンの可否)に直結するため重要[3]。
  • 慢性連日性頭痛(CDH): 月15日以上の頭痛が3か月以上持続するもの。小児の有病率は年齢層により1.5〜3.5%程度(頭痛専門外来ベースではより高頻度)[2]。サブタイプは慢性片頭痛(CM)と慢性緊張型頭痛(CTTH)。CTTHのうち相当数(報告では約27.5%)が薬物乱用頭痛(MOH)の基準を満たすとされ、鎮痛薬の使用状況の聴取が必須[2]。精神疾患(不安障害・気分障害・身体表現性障害)や不登校の併存も高頻度で、生活支障度の評価が要る[2]。
  • 起立性調節障害(OD)との鑑別: 起床時〜午前中に強く午後に軽快する頭痛パターンをとることがあり、片頭痛・緊張型頭痛と合併することもある。鎮痛薬が効きにくいのが特徴で、貧血・心疾患・内分泌疾患・てんかん等を除外した上で新起立試験により診断する[6]。「頭痛=鎮痛薬」で片づけず、起立性の随伴症状(立ちくらみ、朝の起床困難、動悸)があればODを疑う。
  • 年齢因子のまとめ: 年少児ほど(1)二次性頭痛の割合が高い、(2)片頭痛の部位が両側性、(3)持続時間が短く自覚症状の言語化が難しい、という3点を踏まえて問診・診察を組み立てる[2][3]。
3. 検査
  • 必要:
  • 全例: 詳細な問診(頭痛日誌的な聴取=頻度・持続時間・部位・性状・誘因・随伴症状・家族歴)と神経学的診察。
  • レッドフラグ陽性時: バイタル・血圧測定、眼底検査(乳頭浮腫の有無)[4]。
  • レッドフラグ陽性かつ画像適応あり: 頭部画像検査(CT/MRI)。急性外傷・急性出血が疑われる場合はCTが第一選択、腫瘍性病変や慢性の頭蓋内圧亢進の精査ではMRIが望ましいが、被ばくを避ける観点からも状況に応じて選択する[2][5]。「病因の説明のつかない最近始まった頭痛」や「基礎疾患のあるもの」は画像検査の適応とされる[2]。
  • 発熱・意識障害・髄膜刺激徴候を伴う場合: 髄膜炎精査(血液検査、必要に応じ髄液検査)。ただし頭蓋内圧亢進や脳ヘルニアのリスクが否定できない場合は、画像で除外した上で専門科が腰椎穿刺の適否を判断する。
  • VPシャント既往児の頭痛: シャント機能評価(画像+脳神経外科/シャント外来紹介)[2]。
  • うっ血乳頭陽性+画像正常(特発性頭蓋内圧亢進症疑い): MRV含む頭部MRIで器質的病変を除外後、髄液圧測定目的の腰椎穿刺は専門科(脳神経内科/脳神経外科)で施行する[4]。
  • 不要・過剰になりがち:
  • 神経学的所見に異常がなく、パターンが典型的な片頭痛/緊張型頭痛の小児へのルーチンの脳波検査・頭部画像検査(ルーチン検査としての有用性は乏しいとされる)[1][2]。
  • 軽症・典型的パターンでの反復する頭部CT(特に乳幼児では被ばくによる発がんリスクの観点から、不要なCTは可能な限り控える)[5]。
  • 明らかな一次性頭痛パターンに対する血液検査の乱発(甲状腺機能・貧血等のスクリーニングは非典型例や慢性連日性頭痛の初評価時に限定するのが妥当)。
  • 心配な既往歴のない年少児の「頭痛を主訴に受診しただけ」というだけでのCT検査(診断・迅速な治療介入にほとんど寄与しないとの報告がある)[2]。
4. 治療
  • 第一選択: 小児片頭痛の急性期治療は鎮痛薬が第一選択。イブプロフェン(目安 5〜10 mg/kg)またはアセトアミノフェン(目安 10〜15 mg/kg) を頭痛発症後できるだけ早期に、十分量で内服する[2][3]。イブプロフェンとアセトアミノフェンはいずれも有効かつ安全で経済的な薬剤とされ、イブプロフェンが最も良好な鎮痛作用を示すとの報告がある[2]。緊張型頭痛主体・OD合併例では非薬物療法(生活リズム・誘因除去)を優先する。イブプロフェンは国内添付文書上5歳未満で有効性・安全性の臨床試験が未実施=実質適応外。使用可否は医師の個別判断(§1のとおり2〜5歳は二次性頭痛の割合が高い年齢層でもあり、この年齢帯では特に留意する)。
  • 第二選択・無効時:
  • トリプタン: 適切なタイミング・十分量の鎮痛薬内服でも無効な典型的片頭痛が対象。6〜12歳はスマトリプタン点鼻薬またはリザトリプタン(体重40 kg未満は1/2錠、40 kg以上は1錠の考え方)、13〜17歳はスマトリプタン・リザトリプタン・エレトリプタン・ナラトリプタン・ゾルミトリプタンのいずれも1錠から使用可能とされる(専門家提示の目安)[3]。無効時はスマトリプタン+ナプロキセン、あるいはナプロキセンの代わりにアセトアミノフェン/イブプロフェンとの併用も選択肢[3]。
  • 日本では小児に対するトリプタンの保険適用は明記されておらず、多くは適応外使用となるため、本人・保護者への説明と同意が前提となる(2021年時点の情報)[3]。[要確認: 本稿執筆時点=2026年での最新添付文書上の小児適応の有無は必ず処方前に確認する]
  • 予防薬: 月4〜8回以上の頭痛で生活に支障がある場合、または頻回の嘔吐・発作が2〜3日と長い・トリプタンの副作用が出る・特殊な前兆を伴う片頭痛、が目安(一律の回数基準ではなく重症度で判断)。必ず非薬物療法を先行させ、それでも改善しない例が適応となる[3]。第一選択級として臨床で最も頻用されるのはアミトリプチリン(三環系抗うつ薬、少量から漸増)[3]。トピラマート(抗てんかん薬)はRCTでの有効性エビデンスが高いが、日本では保険適用がなく、体重減少・認知機能低下・眠気・めまい等の副作用に留意が必要[2][3]。思春期にはプロプラノロールや塩酸ロメリジンも用いられる[3]。10歳以下で肥満のない児にはシプロヘプタジン(就寝前少量から)も選択肢の一つ[2]。バルプロ酸はRCTで有効性が示されるが、体重増加・多嚢胞性卵巣症候群のリスク・催奇形性の観点から思春期女子への使用には限界がある[2]。
  • 薬物に抵抗感が強い場合の補助的選択肢として、リボフラビン(ビタミンB2)等の栄養補助食品が比較的高いエビデンスレベルで報告されている[3]。
  • やってはいけない/非推奨:
  • 特殊な前兆を伴う片頭痛(脳幹性前兆・片麻痺性・網膜片頭痛)へのトリプタン投与(安全性が確立されていない)[3]。
  • 鎮痛薬の頻回使用(トリプタン・オピオイド・配合鎮痛薬は月10日以上、単純鎮痛薬は月15日以上の使用が3か月超続くと薬物乱用頭痛のリスク)。小児の慢性連日性頭痛では最大約27.5%がMOH基準を満たすとの報告があり、鎮痛薬の使用日数を必ず確認する[2]。
  • レッドフラグ陽性例に対して、画像検査を先送りにしたまま鎮痛薬のみで経過観察すること。
  • 起立性調節障害が主体の頭痛への鎮痛薬中心の対応(効果が乏しく、OD自体の治療が優先される)[6]。
5. 再診・帰宅指導・保護者説明
  • 再受診すべきサイン(保護者に伝える):
  • 今までにない性状・強さの頭痛、朝方に強く嘔吐を伴う頭痛、片側の手足に力が入りにくい・ろれつが回らない・物が二重に見えるなどの神経症状、意識がぼんやりする/急に性格が変わった、日を追って頭痛が悪化する、後頭部の痛み、6歳未満での新規の頭痛、突然の激しい頭痛(今まで経験したことのない痛み)→ いずれも至急受診の対象として説明する[2][3][4]。
  • 経過の見通し・登園/登校の目安:
  • 一次性頭痛は睡眠リズム・朝食・水分・ストレス管理などの非薬物療法の徹底で軽快することが多い。一方、慢性連日性頭痛は回復に数か月以上を要することもある[2]。
  • 学校を長期欠席すると復帰が困難になりやすいため、いったん休み出す前の早期介入が重要。朝1時間目からの出席が難しい場合は、昼食前後の1〜2時間だけ出席するなど段階的な復帰を考慮する[2]。
  • 紹介・入院の閾値:
  • レッドフラグ陽性+画像異常 → 直ちに小児神経科/脳神経外科紹介、緊急性が高ければ入院。
  • 画像正常+うっ血乳頭陽性(特発性頭蓋内圧亢進症疑い)→ 眼科(眼底・視野)と脳神経内科/脳神経外科へ紹介し、髄液圧測定は専門科で施行[4]。
  • VPシャント児の新規・増悪する頭痛 → 脳神経外科(シャント外来)へ紹介。
  • 特殊な前兆(片麻痺性・脳幹性・網膜片頭痛)が疑われる初発例 → 神経学的評価目的で小児神経科へ一度紹介し確定診断を得る[3]。
  • 予防薬導入を要する頻回発作・生活支障の大きい片頭痛、標準治療抵抗性の慢性連日性頭痛、不登校を伴う例 → 頭痛専門外来/小児神経科(必要に応じ心療内科・臨床心理士)へ紹介[2][3]。
6. 院内ローカルルール(愛育・要確認)
  • 要確認:院内採用のトリプタン製剤(スマトリプタン点鼻薬・リザトリプタン等)の有無と、小児への適応外使用時の説明・同意運用(同意書の要否)。
  • 確定(2026-09-14 確認)当直帯に院内の眼科はいない乳頭浮腫の評価が要ると判断した時点で送る(当直医が自分で眼底を見るかは要確認)
  • 要確認:小児神経科/脳神経外科の紹介先(院内/院外)と、脳ヘルニアリスクが否定できない緊急例の受け入れ体制。
  • 要確認:当直帯でレッドフラグ陽性の頭痛患児を診た場合の頭部CTオーダー基準と読影体制(放射線科当直・遠隔読影の有無)。
  • 要確認:慢性連日性頭痛・片頭痛予防薬導入例のフォロー体制(心療内科/臨床心理士との連携、学校欠席が絡む場合のスクールカウンセラー連携の有無)。
7. 出典(日本のGL優先・URL+版年)

[要確認の一覧(再掲)】: (1) トリプタンの2026年時点の日本国内小児適応・添付文書の最新情報、(2) 頭痛の診療ガイドライン2021における小児章の具体的な改訂差分(2013年版からの変更点)、(3) 体位変化・突然発症(雷鳴様頭痛)レッドフラグの小児特化の一次資料での明記、(4) §6の愛育病院ローカルルール全般。

同じ場面のシート

ほかに開く

↑↓ 移動 / Enter 開く / Esc 閉じる