睡眠の問題

睡眠の問題

神経・発達・こころβ版・逐条レビュー継続中

2026-09-13更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

施設プロファイル: 二次救急/小児精神科・睡眠専門外来の常勤なし。いびき・無呼吸の本体は睡眠時無呼吸・いびき、起立性調節障害の本体は起立性調節障害、けいれんの可能性は初発の無熱性けいれん・てんかんの入口へ渡す。このシートは「睡眠の問題」を主訴に来た人をどこへ振り分けるかの入口。

30秒要約

  • 当直で「眠れない」「夜泣きがひどい」「寝ぼける」を主訴に来たときにやることは1つ。見逃してはいけないものを外してから、多くは正常な発達経過として説明して返すこと。生活指導そのものを当直で作り込む必要はない。
  • 子どもの睡眠の悩みはありふれている。実にこどもの4~5人に1人は、睡眠不足や夜型生活による起床困難や日中の眠気などの睡眠習慣の問題、閉塞性睡眠時無呼吸や睡眠時随伴症など、何らかの睡眠障害を抱えていることが明らかになっています
  • 寝ぼけ・寝言・夜泣きの多くは自然経過。こどもの睡眠中の異常行動は、年齢とともに自然に消失するケースがほとんどですので心配しすぎなくても良いでしょう。ただし、動きが毎回そっくり同じ・覚醒後の意識障害が長いなら、パラソムニアと決めつけず初発の無熱性けいれん・てんかんの入口の枠組みで見る。
  • 睡眠時間の目安は年齢で決まっている。小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保する
  • 「いびき+無呼吸の目撃」「不登校化する起きられなさ」「睡眠中の呼吸停止」は当院で完結させない。それぞれ専用のシートへ渡す。

レッドフラグ → 次の一手

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見その場で次にやること時間の勝負
119睡眠中の呼吸停止・チアノーゼ・ぐったりを目撃した蘇生評価を優先。持てないBRUE(乳児の短時間の危急事態)・無呼吸発作即時
119夜間に定型的に繰り返す運動+覚醒後の意識障害・錯乱が長い「寝ぼけ」と決めつけない。けいれんとして扱う初発の無熱性けいれん・てんかんの入口即時
緊急いびき+無呼吸の目撃+日中の強い眠気・学習能力の低下その代表は閉塞性睡眠時無呼吸で、小児の数%で閉塞性睡眠時無呼吸がみられます。重度の場合には、日中の集中困難や学習能力の低下がみられますから要注意です睡眠時無呼吸・いびき当日〜数日
緊急慢性的な夜ふかしで朝起きられず、遅刻・不登校が進んでいる起立性調節障害の合併を疑う。睡眠・覚醒相後退障害の6割近くに起立性調節障害を合併すると報告されていますこの状態になると、二次的に学業の遅れや、友人関係の障害が進⾏しやすいため、できるだけ早く医師に相談することが重要です起立性調節障害不登校・こころのSOS数日
緊急夜間、脚の不快感で寝つけない・じっとしていられないむずむず脚症候群・鉄欠乏を疑う(鉄が足りない貧血(鉄欠乏性貧血)数日
当日授乳と夜泣きへの対応で養育者が消耗している・眠れていない特に著しい睡眠不足や夜間の中途覚醒が多い人は、産後うつのリスクが高くなります。養育者自身の状態も聞く数日
当日肥満とともにいびきがある夜ふかし・朝寝坊習慣は慢性的な睡眠不足を伴うことが多く、肥満のリスクともなりますさらに肥満は閉塞性睡眠時無呼吸(⇒睡眠障害の章参照)のリスクとなり、これにより生じる睡眠の質の低下から、朝の目覚めを悪くし、夜ふかし・朝寝坊化をさらに促し、肥満のリスクをさらに高めるといった悪循環が形成されやすくなりますこどもの肥満睡眠時無呼吸・いびき数日
当日皮膚の痒みで夜中に何度も目が覚めるかゆみのコントロールを先に(アトピー性皮膚炎数日

鑑別:よくあるもの

病態見分け次の一手
乳児の夜泣き生後数週間〜数か月。授乳と夜泣きへの対応で、養育者の睡眠も細切れになります発達過程として説明。安全な寝かせ方を確認(下記)
錯乱性覚醒(寝ぼけ)入眠後まもなく、ぼんやりした状態で動く・泣く。翌朝の記憶がないこどもの睡眠の不安定さや症状は、睡眠の成熟の過程で一時的に出現することが多く、年齢とともに自然に消失するケースがほとんどです錯乱性覚醒の発生率は3~13歳では17%ですが、15歳以上では3%程度です
睡眠時遊行症(夢遊病)睡眠中に歩き回る。本人に記憶がないことが多い睡眠時遊行症は8~12歳がピークといわれています。多くは自然に消失する
夜驚症(睡眠時驚愕症)入眠後まもなく突然の号泣・恐怖様の様子。あやしても覚醒しない睡眠時遊行症などと同じ睡眠時随伴症の一種(下記参照)。反復・定型的な運動を伴うなら初発の無熱性けいれん・てんかんの入口で除外
寝言・歯ぎしり頻度が高くても健康な子どもにみられる睡眠中に生じるねぼけ、夜尿、歯ぎしり、悪夢など望ましくない現象を総称して睡眠時随伴症と呼んでいます
夜尿(おねしょ)乳幼児から小学生頃まではよくある夜尿症(おねしょ)
就寝時刻の先延ばし(学童・思春期)特段の理由なく夜ふかしをしている。動画・ゲーム・SNSが続く就寝時刻の先延ばしにより、睡眠時間が短くなることで翌日の眠気や疲労感が強くなるだけでなく、寝つきの悪さを生じるとともに、翌朝の登校時刻に目覚められなくなる概日リズム睡眠・覚醒障害(⇒睡眠障害の章参照)を生じる素地となります
4〜5歳以降の昼寝の悪影響夜の寝つきが悪い幼児が昼寝を続けている4〜5歳以降は昼寝の必要性が低下し、昼寝をすることによりむしろ、夜の寝つきの悪さ、睡眠不足、朝の目覚めの悪さなどが悪化する可能性が報告されていますこのため夜の寝つきが悪い幼児は、昼寝をしない選択肢が望ましい可能性があります

鑑別:見逃してはいけないもの

病態見逃しの形当院の扱い
閉塞性睡眠時無呼吸いびきを「体質」で流すその代表は閉塞性睡眠時無呼吸で、小児の数%で閉塞性睡眠時無呼吸がみられます。無呼吸の目撃・学習低下があれば睡眠時無呼吸・いびき
睡眠関連のけいれん(夜間てんかん発作)「寝ぼけ」「夜驚症」と即断して帰す動きが定型的に繰り返す覚醒後の意識障害が長いなら初発の無熱性けいれん・てんかんの入口の枠組みで評価。本シートでは鑑別の臨床所見までは踏み込んでいない(下の医師確認事項)
睡眠・覚醒相後退障害+起立性調節障害「夜ふかしの生活習慣」で終わらせる睡眠・覚醒相後退障害の6割近くに起立性調節障害を合併すると報告されています起立性調節障害不登校・こころのSOS
むずむず脚症候群(鉄欠乏)「落ち着きがない」で片付ける鉄が足りない貧血(鉄欠乏性貧血)で鉄欠乏を確認
睡眠不足による注意欠陥多動性障害様症状そのままADHD疑いとして紹介する眠気のためにもうろうとして授業に集中できず、学習障害や注意欠陥多動性障害などの発達障害と間違われてしまったケースもあります。まず睡眠習慣を確認(必要なら赤ちゃん・こどもの発達
養育者の産後うつ「夜泣きの相談」として子どもだけを診る女性の10~20%が産後うつを経験すると報告されています特に著しい睡眠不足や夜間の中途覚醒が多い人は、産後うつのリスクが高くなります
乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクとなる寝かせ方「よく眠る」ことを良いことと捉え、うつぶせ寝や柔らかい寝具を止めない赤ちゃんが自分で寝返りができるようになる1歳頃までは、柔らかすぎる寝具を避け、寝かせるときは仰向けに寝かせましょう窒息事故や、何の既往歴もない乳幼児が、予兆なく睡眠中に突然死に至る、乳幼児突然死症候群という病気が報告されており発症予防のために上記の対策が推奨されています養育者の喫煙もリスクになると報告されているため、禁煙を心がけましょう

治療ワークフロー(当院でやること)

当院の仕事は「見逃してはいけないものを外して、正しい行き先に振り分ける」こと。睡眠指導の作り込みは outpatient の仕事。

時間やること
0分主訴を1文で言い直させる。「無呼吸・いびき」「起きられない・不登校」「夜間の異常な動き」「乳児が泣いて眠れない」のどれかを先に分ける
0〜5分年齢を確認。乳児(授乳・夜泣き)/幼児〜学童(寝ぼけ・夜尿・昼寝)/思春期(夜ふかし・起立性調節障害)で相場が違う
5〜10分いびき・無呼吸の目撃の有無を必ず聞く。あれば睡眠時無呼吸・いびきの分岐へ
10〜15分夜間の異常な動きの目撃があれば、定型的に繰り返すか覚醒後の様子を具体的に聞く(けいれんの可能性を残すか外すか)
15〜20分体重の推移(肥満・体重増加不良)、日中の眠気・学業への影響、平日と休日の起床時刻の差を確認
20分養育者自身の睡眠・気分も一言聞く。乳児連れなら特に
判断見逃してはいけないものが外れ、正常な発達経過として説明できるなら、当院で完結。外れないものは各専用シートへ

問診チェック

  • 主訴の具体的な中身(何が、いつから、どのくらいの頻度)
  • 年齢と発達段階(乳児/幼児/学童/思春期)
  • いびき・無呼吸の目撃、日中の眠気・学業成績
  • 夜間の異常な動きの具体的な様子(定型的に繰り返すか、覚醒後の記憶・意識状態)
  • 就寝時刻・起床時刻(平日と休日の差)、昼寝の有無と年齢
  • 就寝前・寝床でのデジタル機器使用
  • 授乳・夜泣きへの対応の実際(誰が、どう対応しているか)
  • 体重の推移(肥満、乳児なら増加不良)
  • 皮膚の痒み・鉄欠乏の既往・偏食
  • 養育者自身の疲労感・気分の落ち込み
  • 母子健康手帳の睡眠に関する問診項目(2023年度より母子健康手帳に、睡眠に関する問診項目が追加されました)の記載内容

所見の取り方

所見取り方所見があったら次にどうする
体重・身長成長曲線に乗せる増加不良・肥満のいずれも次の一手が変わる
扁桃・アデノイドざっと視診大きければ睡眠時無呼吸・いびきの分岐へ
神経学的所見意識レベル・左右差夜間の異常な動きがけいれん疑いのときのみ必須
発達の里程標年齢相応かをざっと確認気になれば赤ちゃん・こどもの発達

送る/持つ(当院=二次救急・小児精神科と睡眠専門外来の常勤なし)

状態当院の扱い
正常な発達経過として説明できる(寝ぼけ・夜泣き・夜尿・寝言)当院で完結。経過観察でよいことを伝える
いびき+無呼吸の目撃+日中症状当院では確定診断できない睡眠時無呼吸・いびきの紹介先へ
睡眠中の呼吸停止・チアノーゼの目撃持てないBRUEとして搬送・精査
夜間の異常な動きがけいれんの可能性を残す持てない初発の無熱性けいれん・てんかんの入口の分岐へ
睡眠・覚醒相後退障害+起立性調節障害の疑い当院では専門的な治療は完結しない起立性調節障害不登校・こころのSOSの紹介先へ
むずむず脚症候群の疑い鉄が足りない貧血(鉄欠乏性貧血)の評価から
養育者の産後うつが疑われる当院の小児科の役割を超える。産婦人科・精神科・保健師につなぐ

エスカレーション(施設オーバーレイで上書き)

  • 要確認:小児の睡眠専門外来・小児神経科の紹介先(終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)ができる施設を含む)
  • 要確認:耳鼻科(アデノイド・扁桃)への紹介ルート(睡眠時無呼吸・いびきと共通)
  • 要確認:産後うつのスクリーニング(EPDS等)を当直でどこまで行うか、保健師・地域の相談窓口への連絡経路
  • 要確認:乳幼児健診・母子健康手帳の睡眠問診項目で拾われたケースが、当院にどう連携されてくるか
  • 要確認:夜間の異常な動きをけいれんとして扱うかどうかの当直判断基準(脳波検査の依頼先を含む。初発の無熱性けいれん・てんかんの入口参照)

家族に渡す一文

「お子さんの睡眠でご心配な点をうかがいました。寝ぼけて泣いたり、寝言を言ったり、夜中に歩き回ったりすることは、多くの場合、年齢とともに自然になくなっていきます。心配しすぎなくて大丈夫です。ただし、規則正しい生活と十分な睡眠時間を確保することが、こうした症状を減らすためにも大切です。いびきに無呼吸(呼吸が止まる瞬間)が伴っていたり、日中とても眠そうにしていたりする場合は、耳鼻科での相談をお勧めします。赤ちゃんの場合は、窒息や乳幼児突然死症候群を防ぐために、1歳頃までは仰向けで、柔らかすぎない寝具に寝かせてください。今日の診察で心配な所見は見当たりませんでしたが、症状が続く・悪化する場合や、体の動きが毎回そっくり同じで繰り返す場合は、再度受診してください。」

医師確認事項(要・岡本判断)

  • 要確認:夜驚症・睡眠時遊行症などのパラソムニアと、夜間てんかん発作(特に夜間前頭葉てんかん)を鑑別する具体的な臨床所見(発作の定型性・持続時間・一晩の頻度・覚醒後の記憶の有無など)は、本シートで一次資料を確認していない。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」はパラソムニアの自然経過を述べているのみで、てんかんとの鑑別には触れていない。実際の当直判断は初発の無熱性けいれん・てんかんの入口の枠組みと、その場の臨床判断に委ねている。
  • 要確認:小児の閉塞性睡眠時無呼吸への当直での具体的対応(パルスオキシメトリーの適応、緊急気道確保の要否、紹介の緊急度)は睡眠時無呼吸・いびき側の医師確認事項と重複するため、そちらを参照してほしい。
  • 要確認:本シートは厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)の「こども版」章と、e-ヘルスネット(健康日本21アクション支援システム)の解説記事を一次資料としている。いずれも健康増進のための生活指針・解説であり、疾患の診断・治療基準を定めた診療ガイドラインではない
  • 要確認:夜泣きへの対応について、本シートが引用した「米国の研究では、しばらく対応せずに様子をみる方がそのまま眠れることが増え、夜泣きが減ると報告されています」は米国の研究を根拠としたものであり、ガイド自身も「わが国では、赤ちゃんが泣くたびに抱き上げてあやすことが多いと思います」と述べ、断定的な指導にはしていない。当院として一律にどちらを勧めるかは決めていない。
  • 要確認:産後うつのスクリーニングを小児科の当直でどこまで行うか、行った場合の連携先。本シートは「聞く」ことだけを求めており、評価尺度の使用や介入までは書いていない。
  • 要確認:乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防策(仰向け寝・硬めの寝具・禁煙)は睡眠ガイド2023の記載を採用しているが、厚生労働省の乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン本体は本シートで確認していない

出典

  • 厚生労働省.健康づくりのための睡眠ガイド2023(令和6年2月 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会).https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf (2026-09-13閲覧・PDF)。「こども版」推奨事項として「小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保する。」「朝は太陽の光を浴びて、朝食をしっかり摂り、日中は運動をして、夜ふかしの習慣化を避ける。」。夜ふかし・朝寝坊の項で「夜ふかし・朝寝坊の習慣が長く続くと、朝起きることが難しくなり、遅刻が増加したり、登校が困難になったりすることもあります。これは睡眠・覚醒相後退障害と呼ばれる睡眠障害の一つであり」「睡眠・覚醒相後退障害の6割近くに起立性調節障害を合併すると報告されています」「この状態になると、二次的に学業の遅れや、友人関係の障害が進⾏しやすいため、できるだけ早く医師に相談することが重要です」。就寝時刻の先延ばしの項で「就寝時刻の先延ばしにより、睡眠時間が短くなることで翌日の眠気や疲労感が強くなるだけでなく、寝つきの悪さを生じるとともに、翌朝の登校時刻に目覚められなくなる概日リズム睡眠・覚醒障害(⇒睡眠障害の章参照)を生じる素地となります」「デジタル機器は寝室には持ち込まず、電源を切って、別の部屋に置いておきましょう」「特に、寝そべりながらデジタル機器を使うと、ディスプレイの視聴距離が近くブルーライトを浴びやすくなるため、寝つきや睡眠の質の悪化につながります」。肥満との悪循環について「夜ふかし・朝寝坊習慣は慢性的な睡眠不足を伴うことが多く、肥満のリスクともなります」「さらに肥満は閉塞性睡眠時無呼吸(⇒睡眠障害の章参照)のリスクとなり、これにより生じる睡眠の質の低下から、朝の目覚めを悪くし、夜ふかし・朝寝坊化をさらに促し、肥満のリスクをさらに高めるといった悪循環が形成されやすくなります」。運動について「小・中・高校生は1日当たり60分以上からだを動かし、スクリーンタイムは2時間以下にすることが推奨されています」。Q&Aで「こどもの睡眠中の異常行動は、年齢とともに自然に消失するケースがほとんどですので心配しすぎなくても良いでしょう」「ただし、睡眠が不足したり、生活が不規則になると、睡眠中の異常行動が増えます」「規則正しく十分な睡眠時間を確保することが大切です」、昼寝について「4〜5歳以降は昼寝の必要性が低下し、昼寝をすることによりむしろ、夜の寝つきの悪さ、睡眠不足、朝の目覚めの悪さなどが悪化する可能性が報告されています」「このため夜の寝つきが悪い幼児は、昼寝をしない選択肢が望ましい可能性があります」。「妊娠・子育て・更年期と良質な睡眠について」の章で「赤ちゃんが自分で寝返りができるようになる1歳頃までは、柔らかすぎる寝具を避け、寝かせるときは仰向けに寝かせましょう」「窒息事故や、何の既往歴もない乳幼児が、予兆なく睡眠中に突然死に至る、乳幼児突然死症候群という病気が報告されており」「発症予防のために上記の対策が推奨されています」「養育者の喫煙もリスクになると報告されているため、禁煙を心がけましょう」「女性の10~20%が産後うつを経験すると報告されています」「特に著しい睡眠不足や夜間の中途覚醒が多い人は、産後うつのリスクが高くなります」「夜泣きがあると養育者も眠れずにつらい思いをします」「米国の研究では、しばらく対応せずに様子をみる方がそのまま眠れることが増え、夜泣きが減ると報告されています」「わが国では、赤ちゃんが泣くたびに抱き上げてあやすことが多いと思いますが、あやしても赤ちゃんがなかなか寝つけない場合、住宅事情で難しい場合もありますが、一呼吸おいてみてもよいでしょう」「乳幼児から小学生頃までのこどもは、錯乱性覚醒(寝ぼけ)、睡眠時遊行(夢遊病)、夜尿(おねしょ)など睡眠の問題が生じやすく、心配される養育者も少なくありません」「こどもの睡眠の不安定さや症状は、睡眠の成熟の過程で一時的に出現することが多く、年齢とともに自然に消失するケースがほとんどです」「錯乱性覚醒の発生率は3~13歳では17%ですが、15歳以上では3%程度です」「睡眠時遊行症は8~12歳がピークといわれています」「ただし、睡眠時間が極度に不足したり、生活が不規則になると、睡眠症状が増えるため」「規則正しく、安心して就寝できる睡眠環境を整え、十分な睡眠時間を確保することを心がけてください」「夜中、お子さんが途中で目覚めたときに、部屋を明るくしたり動き回ったりすると、再度寝つくのにかえって時間がかかることがありますので注意が必要です」「こどもは、大人よりも光の影響が強いことがわかっています」「小さなこどもの場合、真っ暗で眠るのがこわいというケースもあるかもしれませんが、寝室の照明をつける場合でも、照度は落とすようにしましょう」「2023年度より母子健康手帳に、睡眠に関する問診項目が追加されました」。
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(健康日本21アクション支援システム).こどもの睡眠(執筆:三島和夫).https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-007.html (2026-09-13閲覧)。「実にこどもの4~5人に1人は、睡眠不足や夜型生活による起床困難や日中の眠気などの睡眠習慣の問題、閉塞性睡眠時無呼吸や睡眠時随伴症など、何らかの睡眠障害を抱えていることが明らかになっています」「米国睡眠医学会は、1〜2歳児は11〜14時間、3〜5歳児は10〜13時間、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間の睡眠時間を推奨しています。」「眠気のためにもうろうとして授業に集中できず、学習障害や注意欠陥多動性障害などの発達障害と間違われてしまったケースもあります。」「その代表は閉塞性睡眠時無呼吸で、小児の数%で閉塞性睡眠時無呼吸がみられます。重度の場合には、日中の集中困難や学習能力の低下がみられますから要注意です。」「睡眠時遊行症(いわゆる夢遊病)や睡眠時驚愕症(夜驚)などの睡眠時随伴症、睡眠リズムが大きく遅れる睡眠・覚醒相後退障害などの概日リズム睡眠・覚醒障害、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)などの睡眠関連運動障害、アトピー性皮膚炎の痒みやストレスによる不眠症など、大人と同様にさまざまな睡眠障害がみられます。」「寝ている途中に呼吸が止まってしまう、眠りの質が悪い、寝入りばなや夜間に身体の異常な動きがある、日中の眠気が強すぎる、このような症状が1カ月以上にわたって続くときにはかかりつけの小児科医に相談しましょう。
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(健康日本21アクション支援システム).睡眠時随伴症https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/yk-025.html (2026-09-13閲覧)。「睡眠中に生じるねぼけ、夜尿、歯ぎしり、悪夢など望ましくない現象を総称して睡眠時随伴症と呼んでいます。」「主として運動面の問題として現れるものとして睡眠時遊行症、夜驚症、レム睡眠行動障害、寝言などいわゆるねぼけに含まれるものがあります。」「また、自律神経の問題が主なものとしては、睡眠時遺尿症(夜尿症)、乳児睡眠時無呼吸症などがあります。その他のものとしては、悪夢、睡眠麻痺などがあります。」

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