予防接種のスケジュール

予防接種のスケジュール

予防接種・健診β版・逐条レビュー継続中

2026-07-31更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

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30秒要約

  • 予防接種のスケジュール。家族説明と同じ受診サインで切る。
  • まず毒性・気道・循環を見る。迷ったら上級医。
  • 家族には説明ページを渡し、様子見の自己判断を止めさせる。
家族に渡す説明を開く同じ内容を、家族に読める言葉で。URLも渡せます。

レッドフラグ

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見家族に伝えること
119接種後すぐ〜数十分のうちに、顔や唇が腫れる・じんましんが全身に広がる・呼吸が苦しそうにする(アナフィラキシーの可能性)→ 院内にいる間ならすぐスタッフに伝えてください。帰宅後なら すぐに119番(救急車) を呼んでください家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
119唇や顔色が青白い・紫っぽい、ぐったりして呼びかけへの反応が弱い、意識がおかしい → すぐに119番(救急車) を呼んでください家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
119けいれんが5分以上続く → 迷わず 119番(救急車) を呼んでください(5分未満でおさまった場合も、念のため受診してください)家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日高い熱が続く、または熱が下がらず機嫌の悪い状態が続く → 受診してください家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日接種した場所がふだんと比べて大きく腫れる、痛みが強くなっていく → 受診してください家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す
当日(ロタウイルスワクチンを受けたあと)激しい嘔吐をくり返す、血の混じった便が出る、強くお腹を痛がる → 受診してください(腸重積症のことがあります)家族ページの「受診の目安」に載っている。画面を見せて指差しで渡す

問診チェック

初期プラン(コア)

  1. ABC と毒性を先に見る。
  2. 上のレッドフラグで 119 / 今日受診 / 説明して帰宅 を分ける。
  3. 検査・薬は施設プロトコル。用量は書かない。
  4. 家族説明を渡す。

家族に渡す一文

この説明ページに、今日の判断と受診の目安がまとまっています。当てはまるサインがあれば様子を見続けずに連絡してください。
https://ampl-kids-health-guide.pages.dev/patient/予防接種のスケジュールについて_患者説明_2026-07-30.html

エスカレーション

  • レッドフラグ、判断に迷う → 上級医

出典

  • Family Guide vaccine-schedule と整合
詳細リファレンス8章(正本より)

出所: 正本「定期接種スケジュール2025_2026-07-30.md」(起草→敵対的検証→一次資料照合→独立再検証済み)。同期日: 2026-08-14。
用量・基準は「考え方」の記載であり、適用前に一次資料と院内採用・添付文書を確認すること。「医師確認事項」に残る論点は未確定。

  • 区分: 外来編/予防接種
  • 記録日: 2026-07-30
  • 状態: 下書き(要・本人確認)
  • 対象: 小児外来(愛育病院)

⚠ 本ファイルはAIが最新の文献・ガイドラインをWeb検索して起草した下書き。最終的な臨床判断は医師(岡本)が確認して確定する。用量は体重換算の「考え方」のみ・個別患者値や患者情報は書かない。

0. 要点(3行)
  • 2024年4月に四種混合+ヒブ単独から五種混合(DPT-IPV-Hib)へ移行、2025年7月に四種混合が販売終了(同年12月最終ロット失効)。以後は在庫切れ次第、既接種回数にかかわらず五種混合へ切替可 [1][10]。
  • 小児用肺炎球菌は2024年10月にPCV13の供給が終了し、PCV20が原則・PCV15も選択可(開始した銘柄を原則継続、PCV13開始児はPCV20へ切替可)[1][3][4][17]。
  • HPVは2026年4月改訂で2価・4価が定期接種対象から除外され女性は9価(シルガード9)のみが定期接種。男性は2026年7月22日に厚生科学審議会小委員会(第35回・ワクチン評価に関する小委員会)で議題として審議されたが、議事録は本人確認時点(2026年7月31日)でも「-」(未公開)のまま——決定事項の公表はなく定期接種化は未確定(自費・自治体助成の任意接種にとどまる)。この動向は厚労省審議会ページで一次確認済み。製薬企業(MSD)のステートメント[14]は参考情報にとどめ、規制動向の根拠にはしない [1][26]。
1. いつ使う・いつ使わない(適応/非適応)
  • 使う(適応):
  • 予防接種法上の定期接種スケジュールに沿った標準的接種(本ファイル§2)。標準期間から外れても、定期接種の「接種可能期間」内であれば公費対象。
  • 日本脳炎特例対象者(平成7年4月2日〜平成19年4月1日生まれ、20歳未満まで定期接種扱い)への積極的な声かけ・接種完了支援は引き続き有効 [6][1]。HPVキャッチアップ接種(対象=1997年4月2日〜2008年4月1日生まれ〈平成9年度〜平成19年度生まれ〉の女子で、令和4年4月1日〜7年3月31日の間に1回以上接種した者)は、公費で残り回数を完了できる経過措置が令和8年3月31日(2026年3月末)で終了済み——2026年7月時点の外来では「まだキャッチアップに間に合う」という誤案内をしないこと(詳細は§2・§4)[17][28]。
  • 早産・低出生体重児でも暦年齢(修正月齢ではない)で定期接種スケジュールを進める(BCGなど一部は個別配慮あり)。
  • 無脾症・免疫不全・慢性疾患(心・肺・腎)児への肺炎球菌・インフルエンザ菌b型(Hib)の年齢上限を超えたキャッチアップ検討(個別に学会見解・添付文書を確認)。
  • 使わない・過剰になりがち:
  • ロタウイルスワクチンの生後15週0日以降の初回接種開始(腸重積リスクの観点から推奨されない)[5]。
  • 四種混合が「まだ使える」という思い込みでの継続処方(2025年12月で完全に使用不可)[10]。
  • 小児インフルエンザワクチンを「定期接種」と誤って案内すること(予防接種法上は任意接種。自治体独自の公費助成があっても法的位置づけは定期接種と異なる)[1]。
  • HPV男性への接種を「定期接種で無料」と案内すること(2026年7月時点で継続審議中・実現は自費または自治体助成が前提)[1][26]。
  • 免疫不全・けいれん既往・重度喘息などの既往を確認せずに、生ワクチン(BCG・MR・水痘)・五種混合・経鼻弱毒生インフルエンザ(フルミスト)を一律「定期接種だから打つ」と判断すること。添付文書上の接種不適当者・接種要注意者の確認が必須(詳細は§2-2)。
  • 異なる種類のワクチンを接種する際に、旧ルール(不活化6日・生27日を全パターンに適用)のまま間隔を空けすぎる、または注射生ワクチン同士なのに間隔を空けずに接種すること(現行ルールは§2-1)。
2. 実際(読み方・基準値・手技・スケジュール等)

出典: 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」2026年4月1日版(医療関係者用)[1]、各ワクチン厚生労働省ページ [2][3][5][6][7][8][9]、厚生労働省 定期接種実施要領(感発0331第5号、令和8年3月31日最終改正)[17]。

ワクチン生/不活化接種回数標準的スケジュール定期接種の接種可能期間2025〜2026年の要点
ロタウイルス(1価/5価)生(経口)1価:2回/5価:3回生後2か月から開始1価:出生6週〜24週0日まで/5価:出生6週〜32週0日まで初回は生後14週6日までに完了が必須(15週0日以降の初回接種は非推奨)[5]。禁忌: 腸重積症の既往・先天性消化管障害(未治療)・重症複合免疫不全(SCID)→§2-2 [23][24]。経口生ワクチンのため他ワクチンとの27日ルール(§2-1)の対象外
B型肝炎(ユニバーサル)不活化3回生後2か月・3か月・7〜8か月(標準)生後1歳になるまでHBs抗原陽性母体児の母子感染予防(健康保険・生後12時間以内+HBIG+1か月+6か月)とは別スケジュール。両者を混同しない [7][8]
五種混合(DPT-IPV-Hib)不活化初回3回+追加1回生後2・3・4か月(初回、21〜56日〈3〜8週〉間隔)+生後12〜18か月(追加、標準)生後2か月〜7歳6か月未満2024年4月定期接種化。四種混合は2025年7月販売終了・同年12月失効。既に四種混合+ヒブ単独で開始した児は在庫切れ後、ヒブ接種回数にかかわらず五種混合へ切替可 [1][2][10]。接種不適当者(禁忌)は明らかな発熱・重篤な急性疾患・本剤成分へのアナフィラキシー既往等の一般項目のみで、現行添付文書上「接種後7日以内の脳症」「進行性神経疾患」という項目名の記載は確認できず→詳細と実務上の判断は§2-2 [21][22]
肺炎球菌(PCV15/PCV20)不活化初回3回+追加1回生後2・3・4か月(初回)+生後12〜15か月(追加)生後2か月〜6歳未満2024年10月よりPCV13供給終了、原則PCV20・PCV15も選択可PCV13開始児はPCV20へ切替可(1・2・3回目までPCV13で接種済みの児は残りをPCV20で接種可)、PCV15開始児は原則PCV15を最後まで(「PCV15で接種を開始した場合は、原則として同一のワクチンで接種を完遂してください」と厚労省ページQ8に明記・非対称ルールの所在を確定)[1][3][4][17]
BCG1回生後5か月〜8か月未満(標準)生後1歳になるまで地域の結核罹患状況により自治体が接種時期を前倒し案内する場合あり。禁忌: 免疫機能に異常のある疾患(原発性免疫不全等)を有する者・免疫抑制をきたす治療を受けている者(播種性BCG感染症のリスク)→§2-2 [18]
麻疹風疹混合(MR)第1期・第2期各1回第1期:1歳(12〜24か月未満)/第2期:5〜7歳未満(就学前1年間)各期の年齢区分内令和6年度特例措置(確定): 厚労省事務連絡(令和7年3月11日付)により、令和6年度の第1期対象者(生後24月に達する/達した者・概ね令和4.4.2〜5.4.1生)・第2期対象者(概ね平成30.4.2〜31.4.1生)のうち、MRワクチンの地域的な偏在等により接種を受けられなかったと市町村長が認める者は、令和7年4月1日〜令和9年3月31日の2年間、接種対象期間を超えて定期接種を実施可 [1][6][29]。注意: 対象生年月日の児全員に自動適用される措置ではなく、供給偏在が原因での未接種であることの市町村長の認定が要件(単なる「未接種」だけでは対象外の可能性)。運用は自治体ごとの案内を確認する。禁忌: 免疫不全児(重症複合免疫不全・進行したHIV感染等)→§2-2
水痘2回1回目:12〜15か月/2回目:1回目から6〜12か月後(標準)12〜36か月未満、最低間隔3か月禁忌: 免疫抑制をきたす治療を受けている者(ワクチン株による水痘肺炎等、全身播種性感染のリスク)→§2-2 [19][20]
日本脳炎不活化第1期初回2回+追加1回、第2期1回第1期:生後6か月から可能(標準3歳)+4歳(追加)/第2期:9〜12歳(標準9歳)第1期:生後6か月〜7歳6か月未満/第2期:9〜13歳未満特例対象者(平成7.4.2〜19.4.1生まれ)は20歳未満まで不足分を定期接種として接種可 [1][6][17]
HPV(女性)不活化9価:2回または3回標準:中学1年(小6〜高1相当の期間内)小6〜高1相当2026年4月改訂で2価・4価が定期接種対象から除外、9価(シルガード9)のみ。15歳未満で1回目を接種する場合、1・2回目の間隔が5か月以上あれば2回接種、5か月未満なら3回接種(2回目は1回目から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上)。15歳以上で1回目なら原則3回接種(2回目は1回目の2か月後、3回目は初回の6か月後)[1][27]。キャッチアップ経過措置(1997.4.2〜2008.4.1生まれ〈平成9年度〜平成19年度生まれ〉の女子で令和4.4.1〜7.3.31に1回以上接種した者が対象)は令和8年3月31日(2026年3月末)で終了済み——本人確認時点(2026年7月)では新規の公費キャッチアップ接種は受けられない [17][28]
HPV(男性)不活化9価:2回または3回(女性と同じ間隔ルール)中学1年相当を目安(JPS表に参考掲載)定期接種の対象外(2026年7月時点、未確定)4価は男性適応ありだが販売中止方向、9価は2025年8月に男性適応拡大取得。定期接種化はまだ未決定(自費または自治体助成の任意接種、90超の自治体が独自助成)。2026年7月22日の厚生科学審議会小委員会(第35回)で議題化されたが、議事録は2026年7月31日時点で未公開(「-」表記)であり結論の公表なし。厚労省審議会ページで一次確認 [1][26][27]
インフルエンザ(季節性・小児)不活化/経鼻弱毒生13歳未満:2回、13歳以上:1回(毎年)10〜11月頃、生後6か月から接種可能予防接種法上の定期接種対象外(定期接種B類は65歳以上等が対象)経鼻弱毒生(フルミスト)は2歳以上19歳未満に任意接種として利用可能。要注意者: 重度の喘息を有する者または喘鳴の症状を呈する者(絶対禁忌ではないが、慎重な適否判断と十分な説明・同意が必要)→§2-2 [1][25]

用量の考え方: 注射薬はいずれも接種量が体重によらず固定量(多くは0.5mL、一部0.25mL)。体重換算での増減は行わない。HBIGも固定用量(施設基準に従う)。ロタウイルスワクチン(経口)も同様に年齢・体重によらず製剤ごとに定められた固定量の懸濁液を用いる(1回量は各製剤の添付文書量、個別の体重換算はしない)。

2-1. 異なるワクチン間の接種間隔ルール(27日ルール)

2020年10月1日の定期接種実施規則改正で、異なる種類のワクチンを接種する際の間隔ルールが簡素化された。現行ルールは次の2点のみ [16][17]。

  1. 注射生ワクチン→注射生ワクチンは27日以上あける。対象は乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(MR)・麻しん単独・風しん単独・水痘・BCGの5種類(いずれも注射剤の生ワクチン)。このうちどれか同士を接種する場合のみ、中27日以上の間隔が必須(原文: 「乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経皮接種用乾燥BCGワクチン又は乾燥弱毒生水痘ワクチンを接種した日から、[同リスト]の予防接種…を行うまでの間隔は、27日以上おくこと」)[17]。注記: 厚労省リーフレット・実施要領の列挙は定期接種の対象ワクチンに限られる(=定期接種の枠組みを定める文書であるため)。任意接種の注射生ワクチン(おたふくかぜ・黄熱)も同じ「注射生ワクチン」であり、この27日ルールの対象となる。定期接種の5種類に載っていないことを、任意接種の2種が対象外である根拠にはしない。
  2. それ以外の組み合わせは間隔制限なし。不活化ワクチン同士、不活化↔生(注射・経口とも)、経口生ワクチン↔他のどのワクチンも、発熱がなく体調が良ければ翌日でも接種可(かかりつけ医の判断による)。
  • ロタウイルスワクチンは「経口生ワクチン」であり、上記1.の27日ルールの対象外。ロタ接種の翌日にBCGやMRを打つ、あるいはその逆でも間隔制限はない(誤ってロタにも27日ルールを適用しないよう注意)。
  • 同一ワクチンを複数回接種する場合の間隔(例: 五種混合の初回3回は21〜56日〈3〜8週〉、PCVの初回間隔27日以上など)は本ファイル§2の表のとおり別ルールであり、この27日ルールとは無関係。

出典: 厚生労働省リーフレット「異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルールが一部変更されます」(2020年9月作成・2020年10月1日施行、原文をpdftotextで直接確認)https://www.mhlw.go.jp/content/000674724.pdf [16]/厚生労働省 定期接種実施要領(感発0331第5号、令和8年3月31日最終改正・令和8年4月1日施行)「18 他の予防接種との関係」(原文を直接確認)[17]。

2-2. 生ワクチン・特定ワクチンの禁忌/要注意者(安全性の要点)

§2の表の標準スケジュールだけでは見落としやすい、安全性上必須の確認事項をまとめる。個々の製品の添付文書ベース(2026年7月確認)。

生ワクチン共通:免疫不全がある児への禁忌

  • BCG・MR(麻疹・風疹)・水痘は生ワクチンであり、明らかに免疫機能に異常のある疾患(原発性免疫不全症候群など)を有する者、および免疫抑制をきたす治療(副腎皮質ステロイドの全身投与、免疫抑制薬、抗がん剤治療、造血幹細胞移植前後等)を受けている者は接種不適当者(禁忌)である。
  • BCG: 免疫抑制状態での接種は播種性BCG感染症を招くおそれがあり、特に慢性肉芽腫症など細胞性免疫不全では重症化しやすいとされる [18]。
  • 水痘: 免疫抑制下での接種は、ワクチン株ウイルスの感染が増強・持続しワクチン株による水痘肺炎など全身播種性感染につながるおそれがあるため、免疫抑制的な治療(白血病の強化療法、広範な放射線治療等)を受けている者は接種不適当者とされる。ただし造血器悪性腫瘍等で水痘予防を目的として医学的に接種が必要と判断される場合の例外規定がある点に留意 [19][20]。
  • MR・ロタウイルス(経口生)も同様の理由で、重度免疫不全(重症複合免疫不全・進行したHIV感染等)児には禁忌に準じる扱いとなる。
  • 判断に迷う症例(先天性免疫不全の疑い、ステロイド全身投与中、生物学的製剤使用中等)は、接種前に専門医(小児免疫・感染症科)へ相談する。

五種混合(百日せき成分)

  • 現行の添付文書(ゴービック・クイントバック、2026年7月確認)の「接種不適当者」は、①明らかな発熱、②重篤な急性疾患、③本剤成分へのアナフィラキシー既往、④その他予防接種を行うことが不適当な状態、の4項目のみで、「接種後7日以内の脳症」「進行性神経疾患」という項目名での禁忌記載は確認できなかった [21][22]。
  • 「接種要注意者」には、心臓血管系・腎・肝・血液疾患等の基礎疾患、接種後2日以内の発熱またはアレルギー症状、過去のけいれんの既往、免疫不全の既往または近親者の先天性免疫不全、成分アレルギーのおそれ、(筋注時の)抗凝固療法中・血小板減少症等が挙げられている [21][22]。
  • 国際的には、百日せき含有ワクチン接種後7日以内に発症した脳症(他に原因が説明できないもの)や、進行性の神経疾患(点頭てんかん・進行性脳症等)は接種の可否を特に慎重に判断すべき代表的な状態として知られる。国内添付文書には独立項目としての明記はないため、該当する既往・診断がある児は上記④「予防接種を行うことが不適当な状態にある者」に該当しうるものとして、接種前に小児神経科など専門医へ相談のうえ個別に判断する。

ロタウイルスワクチン

  • 添付文書上の接種不適当者(禁忌): ①腸重積症の既往歴が明らかな者、②先天性消化管障害を有する者(治療により治癒した者を除く)、③重症複合免疫不全(SCID)の所見が認められる者 [23][24]。
  • 初回接種は生後14週6日までに開始(§2既出)に加え、この3項目は接種可能期間内であっても絶対的な確認事項。

経鼻弱毒生インフルエンザ(フルミスト)

  • 喘息・喘鳴は添付文書上「接種不適当者(絶対禁忌)」ではなく「接種要注意者」に分類される。「重度の喘息を有する者又は喘鳴の症状を呈する者」は、健康状態・体質を勘案し診察のうえ接種適否を慎重に判断し、必要性・副反応・有用性を十分説明し同意を得たうえで注意して接種する、とされる [25]。
  • 臨床試験では2歳未満で接種後の喘鳴リスク増大が報告されている。対象年齢(2歳以上)であっても、直近1年以内に喘息発作・治療歴がある児では特に慎重に判断する。

出典: [18] BCGワクチン医療関係者向けFAQ(日本ビーシージー製造株式会社)https://www.bcg.gr.jp/medical/faq/qa.html/[19] 水痘ワクチン関連資料(厚生科学審議会)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000128414.pdf/[20] 乾燥弱毒生水痘ワクチン添付文書(一般財団法人阪大微生物病研究会・Biken)https://www.biken.or.jp/upload/product/document_pdf/fa-v_tk/info_fa-v_tk_20250623.pdf/[21] ゴービック水性懸濁注シリンジ添付文書情報 https://medley.life/medicines/prescription/636140FG1020/doc//[22] クイントバック水性懸濁注射用添付文書情報 https://medley.life/medicines/prescription/636140FG2027/doc//[23] 東京都保健医療局「ロタウイルス感染症の定期予防接種について」https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/info/rotavirus/rotavirus/[24] IMICライブラリ「ロタウイルスワクチン接種の禁忌として腸重積症の追加」https://www.imic.or.jp/library/mmwr/15377//[25] フルミスト点鼻液 医療用医薬品情報(KEGG/JAPIC)https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00071428

注記(一次資料の性質について): [21][22][25]はmedley.life/KEGGという添付文書の二次データベースをAIが要約したもの。禁忌・要注意者の項目立てそのものは複数の独立した抽出で一貫していたが、最終的な文言確認は必ずPMDA添付文書検索(www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)または各製品の最新添付文書原本で本人が行うこと。

3. 鑑別・拾える疾患/注意すべき病態
  • 未接種・接種歴不明の乳児が発熱+発疹で受診→麻疹・風疹・水痘の可能性を必ず接種歴確認とセットで評価する。
  • 百日せき様の遷延性咳嗽(湿性ラ音なし・スタッカート様咳)→五種混合の接種完了状況を確認、未完了なら百日せきを鑑別に残す。
  • 無脾症・鎌状赤血球症・免疫不全(先天性/後天性)・HIV・慢性腎不全・臓器移植予定児→肺炎球菌・Hibの年齢上限を超えたキャッチアップや追加接種(PPSV23との連続接種を含む)が必要になりうる。個別に専門医(感染症科・免疫科)と学会見解を確認する。
  • 免疫不全(原発性・続発性)の既往がある児に生ワクチン(BCG・MR・水痘)接種歴がある場合→播種性BCG感染症、ワクチン株による麻疹・風疹様症状、ワクチン株水痘肺炎など、生ワクチン由来の播種性感染症を鑑別に加える(§2-2)。
  • 麻疹曝露歴があるが未接種の乳幼児→曝露後72時間以内のMRワクチン、またはガンマグロブリン投与の適応検討(本ファイルの対象範囲外・詳細プロトコルは別途確認)。
  • 水痘曝露歴がある未接種児→曝露後72〜120時間以内のワクチン接種で発症予防・軽症化の可能性(院内フロー要確認)。
  • ロタウイルス腸炎様の激しい嘔吐・下痢+不機嫌→ワクチン未接種または初回接種が生後15週以降で完了できなかった児で重症化リスクが相対的に高い可能性を念頭に置く。腸重積既往のある児はロタワクチン自体が禁忌(§2-2)である点も併せて確認する。
4. 忘れがちポイント・落とし穴 ★
  • 異なるワクチン間の27日ルールを旧ルールのまま運用しない: 2020年10月以降、間隔制限があるのは「注射生ワクチン→注射生ワクチン」(BCG・MR・水痘)の27日以上のみ。それ以外(不活化同士・不活化↔生・経口生のロタ↔なんでも)は制限なし。ロタ接種の後に間隔を空けすぎて他の定期接種が遅れる、逆に生ワクチン同士を空けずに接種してしまう、の両方向の誤りに注意する(§2-1)[16][17]。
  • 生ワクチン×免疫不全の禁忌を見落とさない: 肺炎球菌・Hibのキャッチアップ検討(§1・§3)はいずれも不活化ワクチンの文脈。BCG・MR・水痘という生ワクチンは、原発性/続発性免疫不全児・免疫抑制治療中の児には禁忌であり、播種性BCG感染症・ワクチン株水痘肺炎などの重篤な合併症リスクがある。予診票の基礎疾患欄・内服薬欄(特にステロイド全身投与・免疫抑制薬)を必ず確認する(§2-2)。
  • 五種混合の神経学的既往確認: 現行の国内添付文書には「接種後7日以内の脳症」「進行性神経疾患」という項目名の禁忌記載はないが(§2-2)、けいれんの既往は接種要注意者に明記されている。脳症様症状の既往・進行性神経疾患の診断がある児は個別に小児神経科へ相談する運用を院内で決めておく。
  • ロタウイルスワクチンの禁忌3項目: 「生後15週以降の初回接種非推奨」だけでなく、腸重積症の既往・先天性消化管障害(未治療)・重症複合免疫不全(SCID)は年齢にかかわらず接種不適当者である(§2-2)。予診票にこの3項目の確認欄があるか要点検。
  • フルミストの喘息既往確認: 経鼻弱毒生インフルエンザは絶対禁忌ではないが、重度喘息・喘鳴既往のある児は接種要注意者として慎重な適否判断と説明・同意が必須(§2-2)。「注射が嫌だから鼻ワクチンを」という安易な案内で喘息既往を見落とさない。
  • 四種混合→五種混合の移行: 2025年7月に四種混合が販売終了、同年12月に最終ロットが失効。「病院に四種混合の在庫が残っているはず」という前提で予診票を作らない。既に四種混合+ヒブ単独で開始した児は、四種混合の在庫がなくなり次第、ヒブの接種回数にかかわらず五種混合へ切替可能(厚労省が市町村へ通知済み)。カルテ上でヒブ単独回数と五種混合回数の通算を必ず確認する [10]。
  • PCV13→15/20の切替: PCV13は2024年10月で供給終了。PCV13で1〜3回接種済みの児は残りをPCV20(またはPCV15)で継続でき、交互接種の有効性・安全性は薬事審査で確認済み(厚労省 定期接種実施要領で確認 [17])。一方PCV15で開始した児は原則PCV20へ切替せずPCV15で完遂する(非対称ルール)。所在は厚労省「子どもの肺炎球菌ワクチン」ページQ8「途中までPCV15を接種していますが、2024年10月以降はPCV20に切り替えて接種可能ですか?」への回答「PCV15で接種を開始した場合は、原則として同一のワクチンで接種を完遂してください」で確定した(2026-07-31 WebFetchで原文確認)[3]。
  • ロタ初回は生後14週6日まで: 母子手帳や予診票で「生後2か月から」とだけ案内すると、体調不良などで受診が遅れた場合に期限を超過するリスクがある。初回のみの期限であり、2回目・3回目は上限が緩やかな点も合わせて説明する [5]。
  • 日本脳炎の特例対象者: 平成7年4月2日〜19年4月1日生まれは20歳未満まで定期接種扱いで不足分を接種できるが、「接種開始時点で20歳未満」であって「接種完了が20歳未満」まで求められる点、また特例対象者であることの説明を親が把握していないケースが多い。転居・転院児では特に接種歴の突合を怠らない [6][17]。
  • HPV男子への適応は未確定: 2026年7月22日の厚生科学審議会小委員会(第35回・ワクチン評価に関する小委員会)でHPVワクチン男性接種が議題化されたことは厚労省審議会ページで一次確認済み。ただし議事録は2026年7月31日時点で「-」(未公開)のままで、その日の結論そのものは一次資料からは確認できない(「結論に至らず継続審議」は議事録非公開・決定公表なしからの合理的推定であり、議事録に明記された事実ではない)。自民党議連が2027年4月実現を要望しているという報道もあるが、これは要望であり決定事項ではない。現時点(2026年7月時点)で定期接種ではない。院内で「もうすぐ無料になる」と断定的に案内しない。自治体助成の有無は居住地によって異なるため個別確認が必要 [1][26]。
  • HPVキャッチアップ世代の経過措置はすでに終了: 対象は1997年4月2日〜2008年4月1日生まれ(平成9年度〜平成19年度生まれ)の女子で、令和4年4月1日〜7年3月31日の間に1回以上接種していた者。残り回数を公費で完了できる経過措置は令和8年3月31日(2026年3月末)で終了済み。本ファイル記録時点(2026年7月30日)ではすでに4か月経過しており、「まだ間に合う」という誤案内・逆に「もう手遅れ」という誤解の両方に注意し、対象者には終了済みである旨を正確に伝える [17][28]。
  • MR令和6年度供給不安特例は事務連絡で確定(実施要領本文ではなく別文書): 「令和7.4.1〜9.3.31」の期間表記は、厚労省事務連絡「麻しん及び風しんの定期の予防接種に係る対応について」(令和7年3月11日付、健康・生活衛生局感染症対策部予防接種課)の原文「令和7年4月1日から令和9年3月31日までの2年間、接種対象期間を超えて接種を行って差し支えない」と完全一致(2026-07-31、PDFをpdftotextで直接確認)[29]。定期接種実施要領本文に条項がないのは、この措置が実施要領とは別の単発の事務連絡で措置されているため。ただし対象は「令和6年度の第1期・第2期対象者のうち、MRワクチンの地域的偏在等により接種を受けられなかったと市町村長が認める者」に限定——単に期間内に打たなかっただけの児が自動対象になるわけではない点に注意。窓口では「うちの自治体で対象と認定されているか」を確認する案内にとどめる。
  • 小児インフルエンザは定期接種ではない: 自治体の公費助成があっても予防接種法上の位置づけは「任意接種」。健康被害救済制度の適用範囲が定期接種と異なるため、説明文書・同意取得のプロセスを他の定期接種と混同しない。
  • B型肝炎のユニバーサルと母子感染予防を混同しない: 同じ児に両方の接種歴が記録されているケースで、スケジュール・接種主体(定期接種か健康保険か)が異なることをカルテで明示する。
5. 患者・保護者への説明(要点)
  • 「五種混合になって、これまで2本だった注射が1本にまとまりました。ワクチンの中身は変わりません」
  • 「肺炎球菌のワクチンは種類が新しくなりましたが、これまで受けていた回数分はそのまま活かせることがほとんどです。ただし途中から種類が変わる場合は、念のため打ち直しが必要かどうかを確認させてください」
  • 「ロタウイルスのワクチンだけは、最初の1回目を生後14週6日(生後3か月半ば)までに済ませる必要があります。体調不良で予定が延びそうなときは早めにご相談ください。おなかの手術を受けたことがある、免疫の病気があると言われている場合は、先に必ず教えてください」
  • 「日本脳炎のワクチンを受け損ねたまま大人になってしまった方向けの特別な救済制度があります。心当たりがあればお声がけください」
  • 「子宮頸がんワクチンは、2026年4月から女の子は9価タイプ1本に統一されました。男の子への接種はまだ国の定期接種にはなっていませんが、自費や自治体の助成で受けられる場合があります」(参考: 国内では2013年に積極的な接種案内が一時見合わされ、2022年4月に案内が再開された経緯があるため、保護者から過去の経緯を聞かれた際は個別に補足する)
  • 「対象の学年で1回でも受けたことがある方向けの追加の救済期間は、2026年3月末で終了しています。今からの接種は通常の定期接種の年齢内であれば公費のままですが、それ以外は自費になります」
  • 「インフルエンザの予防接種は、他の予防接種と違って『定期接種』ではなく『任意接種』です。毎年秋ごろの接種をおすすめしています。鼻から吸うタイプ(フルミスト)は、重い喘息やゼーゼーが出やすいお子さんでは慎重に判断しますので、喘息の既往があれば教えてください」
6. 院内ローカルルール(愛育・要確認)
  • 要確認:院内採用の五種混合ワクチン銘柄、PCV15/PCV20のどちらを標準採用としているか
  • 要確認:四種混合在庫が残っている場合の運用方針(在庫切れ時期の見込み)
  • 要確認:日本脳炎特例対象者をカルテ上でフラグ管理する運用の有無(HPVキャッチアップは経過措置終了のためフラグ対象から外してよいか要判断)
  • 要確認:他院からの転院児・里帰り出産児の接種歴突合フロー(母子手帳確認担当・記録先)
  • 要確認:予診票・説明文書の最新版(HPV男性・HPVキャッチアップ終了・MR特例措置反映版)への更新状況
  • 要確認:小児インフルエンザ任意接種の院内案内・費用体系
  • 要確認:免疫不全・けいれん既往・重度喘息既往などがある児について、生ワクチン/五種混合/フルミストの接種可否を院内でどう判断するか(小児神経科・免疫科・アレルギー科への相談ルートの有無)
7. 出典(日本のGL優先・URL+版年)

改定が速い領域(特にHPV男性の定期接種化動向・MR特例措置の適用期間・PCV15/20切替の非対称ルール)は、運用前に必ず日本小児科学会・厚労省の最新版スケジュールを再確認すること。

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