リンパ節腫脹(悪性を外す)

緊急

リンパ節腫脹(悪性を外す)

内分泌・代謝・血液β版・逐条レビュー継続中

2026-09-12更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。

施設プロファイル: 二次救急/外科的ドレナージ・リンパ節生検なし/当直帯に頸部エコーは当てられず、末梢血液像も出ない(2026-09-14 確認)。

30秒要約

  • 子どもの頸部リンパ節は、触れるのが普通。当直の仕事は「触れるかどうか」ではなく、「触れてはいけない場所か」「触れてはいけない性状か」「触れてはいけない全身所見を伴うか」を見ること。
  • 場所で切る。鎖骨上窩は原則すべて異常。頸部・腋窩・鼠径は生理的にも触れる。
  • 性状で切る。硬い・可動性がない・癒合している・痛くない・大きくなり続ける=悪性を疑う。
  • 全身で切る。原因が明らかでない発熱・寝汗・体重減少を伴うリンパ節腫大は、リンパ腫を疑う症状。
  • 腫れているのが1か所か、全身か。急ぐのは、①気道を圧迫しているもの ②敗血症になっているもの ③悪性。当直帯にその場で出せるのは血算・LDH・CRPまで。末梢血液像(鏡検)は翌朝、頸部エコーも翌日(2026-09-14 確認)。急ぐ3つはいずれも見た目と呼吸と全身状態で拾えるので、夜に検査が揃わないことは判断を止めない。

レッドフラグ → 次の一手

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見その場で次にやること時間の勝負
119開口障害・含み声・流涎・嚥下困難・頸部の後屈保持深頸部感染症・咽後膿瘍。気道が先(深頸部感染症)即時
119起座呼吸・顔面と頸部の腫れ・頸静脈怒張前縦隔腫瘤による上大静脈症候群。仰臥位にしない・鎮静をかけない(白血病を疑うとき)即時
119発熱+リンパ節腫脹+ショック敗血症(小児敗血症)即時
緊急鎖骨上窩のリンパ節腫大原則すべて異常として扱う。胸部X線・血算・LDH。紹介当日
緊急硬く、可動性がなく、癒合し、痛みがなく、進行性に増大悪性リンパ腫・転移。生検が要る=持てない当日
緊急リンパ節腫大+原因不明の発熱・寝汗・体重減少リンパ腫を疑う症状の1つ当日
緊急リンパ節腫大+蒼白・紫斑・肝脾腫・骨痛白血病(白血病を疑うとき)当日
緊急急速に増大し、発赤・波動・強い圧痛化膿性リンパ節炎の膿瘍化。ドレナージは当院で持てない当日
緊急5日以上の発熱+頸部リンパ節腫脹(片側・1.5 cm以上)川崎病を外す(川崎病)当日
当日全身のリンパ節腫大+咽頭炎+肝脾腫+異型リンパ球伝染性単核症。脾破裂の注意を渡す数日
当日片側頸部の圧痛を伴う腫大、発熱、上気道炎の先行急性化膿性リンパ節炎として治療。48時間で再評価数日
当日小さく、柔らかく、可動性があり、増大しない生理的。経過観察でよい—

まず分ける:1か所か、全身か

分布主に考えるもの次の一手
限局(1領域)化膿性リンパ節炎、川崎病、猫ひっかき病、非結核性抗酸菌症、結核、悪性(リンパ腫・転移)支配領域(頭皮・口腔・歯・皮膚・耳)を全部見る
全身(2領域以上)ウイルス感染(EBV・CMV・HIV・風疹)、白血病・リンパ腫、膠原病(SLE・全身型JIA)、薬剤性、川崎病血算+末梢血液像・LDHが最優先

限局なら「その領域が受けるところ」を探す。後頸部なら頭皮(しらみ・脂漏・湿疹)、顎下なら歯・口腔、耳前なら結膜(結膜炎)、鼠径なら下肢の傷。入り口が見つかれば話が早い。

場所で切る

部位生理的に触れるか触れたときの意味
鎖骨上窩触れない原則すべて異常。胸腹部の悪性腫瘍・リンパ腫・結核
後頸部しばしば触れる頭皮の病変、風疹、伝染性単核症
前頸部(浅在)よく触れる上気道炎に伴う反応性が最多
顎下・オトガイ下よく触れる歯・口腔・顔面の感染
耳前触れることがある結膜・眼瞼・耳介
腋窩触れることがある上肢の傷、猫ひっかき病、BCG接種後(同側)
鼠径よく触れる下肢の傷、外陰部
膝窩・肘部触れない異常

性状で切る

所見良性を示唆悪性・重症を示唆
硬さ弾性軟石のように硬い/ゴム様
可動性よく動く周囲に固着して動かない
癒合単発数珠状に癒合してかたまりになる
圧痛ありない(痛くないほうが怖い)
経過数日で縮む/変わらない週単位で大きくなり続ける
皮膚変化なし発赤・潰瘍・瘻孔(結核・非結核性抗酸菌症)
大きさ小さい大きい(閾値は施設で決める)

鑑別:よくあるもの

病態見分け次の一手
反応性リンパ節腫脹(ウイルス性上気道炎)両側・小さい・軟らかい・可動性あり。上気道炎に伴う経過観察
急性化膿性リンパ節炎片側・圧痛・熱感・発赤。黄色ブドウ球菌・A群溶連菌抗菌薬(院内採用が未定。節「経験的抗菌薬をどう考えるか」)。48時間で再評価(縮まなければ膿瘍・非定型を考える)
伝染性単核症(EBV)発熱・咽頭炎・全身のリンパ節腫大・肝脾腫・異型リンパ球伝染性単核症
川崎病発熱5日以上+他の主要症状。リンパ節腫脹は片側・非化膿性川崎病
咽頭結膜熱・アデノウイルス発熱・咽頭炎・結膜炎咽頭結膜熱
溶連菌性咽頭炎前頸部の圧痛を伴うリンパ節溶連菌
風疹後頸部・耳後部のリンパ節腫脹+発疹風疹。妊婦曝露
BCG接種後の同側腋窩リンパ節腫大接種歴と同側経過観察が原則
正中頸嚢胞・側頸嚢胞・リンパ管奇形リンパ節ではない。嚥下で動く(正中)/柔らかく透光性(リンパ管奇形)エコー(当直帯は当院で撮れない)。専門施設

鑑別:見逃してはいけないもの

病態見逃しの形当院の扱い
悪性リンパ腫「痛くないから様子見」で1か月放置する生検が要る=持てない
白血病リンパ節だけ見て血算を出さない持てない(白血病を疑うとき)
神経芽腫の転移乳幼児の頸部腫瘤・眼窩周囲紫斑持てない
深頸部感染症・咽後膿瘍「リンパ節炎」として抗菌薬を出して帰す持てない(深頸部感染症)
川崎病「頸部リンパ節炎」として抗菌薬を続け、冠動脈瘤を作る当院で治療開始(川崎病)
結核性リンパ節炎慢性・無痛性の腫大を放置。曝露歴を聞かない持てない。届出が要る
非結核性抗酸菌症抗菌薬が効かない片側の腫大。皮膚が薄くなり紫紅色に持てない(外科切除が主)
猫ひっかき病猫との接触歴を聞かない当院で対応しうる
膠原病(SLE・全身型JIA)発熱と皮疹を感染症として扱い続ける専門施設

治療ワークフロー(当院でやること)

順やること
1気道を先に評価。開口障害・含み声・流涎・起座呼吸があれば触診より先に気道
2全身のリンパ節を触る(頸部・鎖骨上窩・腋窩・鼠径)。鎖骨上窩を飛ばさない
3腫れている領域が受ける場所を探す(頭皮・歯・口腔・眼・皮膚の傷・虫刺され)
4肝脾腫を触る。腹部の腫瘤も
5皮膚を見る(紫斑・点状出血・発疹・BCG痕の発赤)
6血算+LDH・CRP。全身性なら必ず。末梢血液像は当直帯に出ないので翌朝にオーダーする
7必要に応じてEBV/CMV・ASO・抗核抗体・結核の検査(IGRA)
8頸部エコー(膿瘍化の有無・内部構造・リンパ節の形)。当直帯は当てられないので、膿瘍を疑う所見(波動・強い圧痛・発赤)は触診と視診で拾い、疑えば翌日を待たずに相談する
9胸部X線(前縦隔腫瘤・肺門リンパ節を探す)
10急性化膿性リンパ節炎として治療するなら、48時間後の再評価を必ず約束する。縮まなければ方針を変える
11生検が要ると判断したら、抗菌薬でごまかさずに紹介する

「様子を見る」を選ぶときの条件

  • 全身状態がよい/発熱がない、または短期間
  • 柔らかく、可動性があり、圧痛があり、増大していない
  • 鎖骨上窩ではない
  • 肝脾腫・紫斑・蒼白がない
  • 再評価の日を決めて、家族に書いて渡している

このどれかが崩れたら、様子見にしない。

検査

検査何がわかるか読み方
血算+末梢血液像芽球・異型リンパ球・血球減少悪性を外す第一歩。当直帯は血算のみ。鏡検は翌朝
LDH細胞回転高値はリンパ腫・白血病を示唆
CRP炎症化膿性か否かの補助
血液培養菌血症発熱+全身状態不良なら
EBV抗体(VCA-IgM/IgG、EBNA)・CMV伝染性単核症伝染性単核症
抗核抗体・補体膠原病長引く発熱があれば
IGRA(結核)結核曝露歴があれば必ず
頸部エコー膿瘍化・内部性状・リンパ節の形当直帯は当院で撮れない(日勤帯の可否は要確認)。膿瘍があればドレナージ=持てない
胸部X線前縦隔腫瘤・肺門リンパ節腫大全身性リンパ節腫大では必ず撮る
造影CT深頸部感染の進展範囲深頸部感染症
リンパ節生検診断の確定当院で持てない

問診チェック

  • いつから、どのくらいの速さで大きくなったか(数日/数週)
  • 痛みがあるか(ないほうが怖い)
  • 発熱の期間、寝汗(着替えが要るほどか)、体重減少
  • 動物:猫との接触・引っかき傷(猫ひっかき病)
  • 結核の曝露歴(同居家族・高齢者)、渡航歴
  • 口・歯・頭皮・皮膚の傷
  • 薬(抗けいれん薬など薬剤性リンパ節腫脹)
  • BCG・ワクチン接種歴(同側腋窩)
  • 既往のリンパ節腫大、家族歴(悪性腫瘍・免疫不全)

経験的抗菌薬をどう考えるか(第一選択は未確定)

狙う菌は黄色ブドウ球菌とA群溶連菌——これは蜂窩織炎や皮膚・軟部組織感染と同じ組み合わせ。

手がかりになる国内の一次資料: J-SSCG2024 Table 9-1-1(日本版敗血症診療ガイドライン2024)は、皮膚・軟部組織を感染巣とする小児について、原因微生物を「Group A Streptococcus, Staphylococcus aureus」、抗微生物薬の例を「第1世代セファロスポリン」、使用例を「CEZ(セファゾリン)150 mg/kg/day・8時間毎」としている(全表は小児敗血症に転記)。

ただし、これをそのまま第一選択にはできない。理由は3つ。

  1. J-SSCG の表は「敗血症に至った例」の経験的治療であって、外来で抗菌薬を出して48時間後に再評価する普通のリンパ節炎の第一選択として検証されたものではない。
  2. 原典自身が「各施設の疫学・アンチバイオグラムなどを踏まえたうえで」決めるものとしている。
  3. 第1世代セファロスポリンは MRSA を覆えない。 市中MRSAの頻度は地域差があり、当院の分離状況を見ないと決められない。

本シートでは、小児の急性頸部リンパ節炎に特化した国内の一次資料(第一選択薬を明示したもの)を確認できていない。 上記は「同じ菌を狙う別の場面で、国内ガイドラインが挙げている薬剤クラス」という位置づけで読むこと。

当直帯の当院での意味: 経口・静注いずれの抗菌薬も投与自体はできる。頸部エコーは撮れないので膿瘍化を画像で外せない(腹部エコーと同じ制約)。だから発赤・波動・強い圧痛があれば、画像を待たずにドレナージのできる施設へ。抗菌薬で様子を見るのは、その所見が無いときだけ。48時間の再評価の約束が、画像の代わりになる。

送る/持つ(当院=二次救急・生検/ドレナージなし)

状態当院の扱い
気道圧迫(深頸部感染・前縦隔腫瘤)持てない。119
鎖骨上窩の腫大持てない。紹介
悪性を疑う性状(硬い・固着・無痛・進行性)持てない(生検が要る)
血算・末梢血液像の異常持てない(白血病を疑うとき)
膿瘍化した化膿性リンパ節炎ドレナージが要る=持てない
結核・非結核性抗酸菌症の疑い持てない。結核は届出
川崎病当院で治療開始(川崎病)
伝染性単核症当院で対応(伝染性単核症)
単純な反応性リンパ節腫脹・急性化膿性リンパ節炎当院で対応。48時間で再評価

エスカレーション(施設オーバーレイで上書き)

  • 要確認:リンパ節生検ができる紹介先(小児外科/耳鼻科/小児血液)
  • 要確認:頸部膿瘍のドレナージができる紹介先(夜間・休日)
  • 確定(2026-09-14):当直帯に頸部エコーは撮れない。日勤帯に誰が撮るかは要確認
  • 要確認:IGRA・抗酸菌培養の院内実施可否と結果までの日数
  • 要確認:急性化膿性リンパ節炎の第一選択抗菌薬(院内採用)。狙う菌(黄色ブドウ球菌・A群溶連菌)と薬剤クラスの手がかりは節「経験的抗菌薬をどう考えるか」に書いた。残るのは院内採用と、MRSAをどう扱うか
  • 決定:英語文献(Bazemore, Morland)に基づく目安を出典明記の上で採用する(論点:リンパ節の「大きさの閾値」を当院でいくつに引くか(下記))

家族に渡す一文

「子どもの首のリンパ節は、触れるのがふつうです。かぜやのどの炎症のあとに腫れて、しばらく小さいまま残ることもよくあります。今日の診察では、急いで調べたほうがよい形・場所・硬さではありません(/急いで調べたほうがよい所見があります)。次に見る日を決めましょう。それまでの間、腫れが急に大きくなる、皮膚が赤く腫れて痛みが強くなる、熱が下がらない、汗で寝間着が濡れるほどの寝汗、体重が減る、あざや鼻血が増える、顔がむくむ・横になると息が苦しい、このどれかがあれば、日を待たずに来てください。」

出典

  • 国立がん研究センター がん情報サービス.リンパ腫〈小児〉について(更新・確認日:2022年08月17日).https://ganjoho.jp/public/cancer/malignant_lymphoma/about.html (2026-09-12閲覧)。「発症年齢のピークは明確ではありませんが、10歳前後からの発症が多く、乳幼児での発症は頻度が低くなります」「大きくはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに分けられますが、小児では多くの場合、非ホジキンリンパ腫です」「痛みのないリンパ節の腫れ、原因が明らかでない発熱や寝汗・体重減少などはリンパ腫を疑う症状の1つです。しこりなど腫瘤により気道や血管、脊髄などの臓器が圧迫されると、呼吸困難(気道閉塞)、血流障害、麻痺などの症状があらわれ、緊急で治療が必要となる場合もあります」。
  • 国立がん研究センター がん情報サービス.白血病〈小児〉(更新・確認日:2022年06月06日).https://ganjoho.jp/public/cancer/leukemia/print.html (2026-09-12閲覧)。「代表的な症状は、貧血、出血、感染、肝臓や脾臓の腫れ、発熱、骨痛などです」「血液中の細胞の増減を調べます。赤血球数や血小板数は減少していることが多いですが、白血球数は増加している場合から減少している場合までさまざまです。顕微鏡で詳しく調べると、血液中に白血病細胞が存在していることがあります」。
  • 本シートの部位別の生理的リンパ節・性状の見方・ワークフローは、上記の一次資料が挙げる「疑う症状」を当直で使える形に組み直したものであり、組み立て自体に一次資料の裏付けがあるわけではない。診断基準としてではなく、判断の順序として使うこと。川崎病・深頸部感染症・伝染性単核症・風疹の各記述は、それぞれのシートの出典に依拠している。
  • 日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024).日集中医誌 2024;31:S1165-1313.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/31/Supplement/31_2400001/_pdf (2026-09-14 に pdftotext で本文照合)。CQ9-1 Table 9-1-1「小児の市中発症の感染巣と抗微生物薬の例」のうち皮膚・軟部組織の行:原因微生物「Group A Streptococcus, Staphylococcus aureus」、抗微生物薬の例「第1世代セファロスポリン」、使用例「CEZ: 150 mg/kg/day,8 時間毎」。および「Table 9-1-1 は、各患者の詳細な背景、各施設の疫学・アンチバイオグラムなどを踏まえたうえで、抗微生物薬を決定するための参考になることを想定している」。本表は敗血症例の経験的治療であり、外来で治療する急性リンパ節炎の第一選択として検証されたものではない。小児の急性頸部リンパ節炎に特化した国内一次資料は本シートで確認できていない。
病態・根拠9章
病態と診察の焦点

小児の頸部リンパ節は上気道感染に反応して腫れ、感染症状が消えた後も数週から数か月触れることがある。一方、片側で圧痛・発赤が強い腫れは細菌性リンパ節炎を、無痛性に増大する腫れや全身症状は悪性疾患を含む病態を考える。長さだけで良悪性を決めず、経時変化と分布を重視する。[1][2]

鑑別を深める問診・所見

局所だけでなく他部位のリンパ節、肝脾腫、皮膚・頭皮、歯科感染を確認する。発熱の持続、寝汗、体重減少、紫斑、猫との接触、結核曝露や渡航、治療への反応は鑑別を変える情報である。開口障害、含み声、嚥下困難は単純な表在性リンパ節炎より深い頸部感染を疑う。[1]

経過・所見評価の方向
元気で上気道感染後、縮小傾向反応性として観察を検討。[1]
片側の圧痛・発赤、波動細菌性炎症・膿瘍。抗菌薬に加え排膿の要否を評価。[1]
増大する無痛性腫脹、体重減少・寝汗リンパ腫などの専門精査を急ぐ。[2]
呼吸困難、顔面浮腫、神経症状腫瘤による気道・血管・脊髄圧迫を考え緊急対応。[2]
検査の意味と選び方

良好な全身状態で典型的な反応性腫脹なら一律の採血・画像は不要である。持続・増悪例や全身所見があれば血算・血液像、炎症、LDHなどを病歴に合わせて選ぶ。超音波は膿瘍や局所構造を評価するが、良性を保証する検査ではない。生検が必要な場合は専門科と検体の取り方を先に相談する。[1]

治療と再評価

細菌性が疑わしい場合は起炎菌と感染入口を考え、院内基準で抗菌薬を選ぶ。外来治療では短期に痛み、発赤、大きさ、全身状態を再確認する。改善しなければ薬剤変更だけを反復せず、膿瘍・非典型感染・悪性疾患などを再検討する。排膿・生検ができず、夜間のエコー・鏡検もない当院では、その検査を翌朝待てる状態かを上級医と判断する。[1][2]

出典・適用範囲

[1]は豪州小児施設の経路、[2]は国内の公的な小児リンパ腫解説。敗血症用の抗菌薬表を、安定した外来リンパ節炎へそのまま適用しない。 確認日:2026-10-23。

臨床医が迷う場面
首のしこりが数週間残る。全員に抗菌薬を出す?

ウイルス後の反応性リンパ節は長く触れることがある。全身状態、縮小傾向、圧痛・発赤・片側性を確認し、細菌性を疑う所見がなければ抗菌薬を漫然と使わない。鎖骨上窩、硬く固着する腫瘤、体重減少・寝汗は別に評価して紹介する。

根拠:RCH Cervical lymphadenopathy

化膿性リンパ節炎で内服2日後も改善しない。薬を増やす?

48時間前後の診察で発熱、腫脹、痛みと内服状況を確認する。波動や増大があれば膿瘍を疑い超音波・外科相談を考える。頸部運動制限、流涎、呼吸・嚥下障害は深頸部感染として急ぐ。耐性菌だけを想定して内服変更を繰り返さない。

根拠:RCH Cervical lymphadenopathy

ステロイドで腫れを小さくしてから紹介してよい?

原因不明の持続性・進行性リンパ節腫脹に診断前のステロイドを安易に使わない。悪性疾患などの評価を妨げる可能性がある。血算・血液像と全身所見を確認し、必要な画像・生検を専門科と相談する。呼吸苦や臥位困難なら緊急紹介する。

根拠:RCH Cervical lymphadenopathy

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