化膿性関節炎・骨髄炎

化膿性関節炎・骨髄炎

整形β版・逐条レビュー継続中

2026-09-13更新
β版用量は適用前に一次資料と院内採用を確認。このβ版について

施設プロファイル: 二次救急/小児の関節ドレナージができない/当直帯にエコー・MRIは使えない(2026-09-14 確認)。当直帯に使えるのは診察所見と血算・CRPだけ
跛行の入口は歩かない・手足を動かさない

30秒要約

  • 主訴は「歩きたがらない」「腕をあげない」小児の化膿性骨髄炎は、「歩きたがらない」、「腕をあげない」など、痛みによる可動域制限を主訴に来院することが多く、ときに発熱を伴う熱がないこともある
  • 関節炎と骨髄炎を分ける骨髄炎は抗菌薬で治りうるが、化膿性関節炎は外科的ドレナージが要る。当院に関節ドレナージがないなら、関節炎を疑った時点で送る
  • 化膿性股関節炎は緊急疾患診断の遅れ、不適切な治療などによって関節の破壊、変形をもたらし、重篤な後遺障害を残し得る後遺障害を予防するために、適切な抗菌薬の投与および外科的ドレナージをできる限り早期に実施することが重要
  • 起因菌の8割は黄色ブドウ球菌MRSAが10%3歳未満ではS. pneumoniaeやKingella kingaeが原因となることがある
  • 当直でやることは3つ①関節を動かして痛がる部位を特定する ②血液培養を採る ③送る

レッドフラグ → 次の一手

所見があったときにどれだけ急ぐかと、家族に何を伝えるかの対応表。3列目の文言は家族説明ページに同じ言葉で載っているので、画面を見せながら渡せる。

緊急度所見その場で次にやること時間の勝負
119発熱+ショック徴候(頻脈・CRT延長・末梢冷感)敗血症として動く。血培→抗菌薬(小児敗血症即時
119股関節を全く動かさない乳児+発熱・不機嫌・哺乳低下化膿性股関節炎は緊急疾患持てない即時
緊急単関節の熱感・発赤・腫脹+他動運動で強く痛がる化膿性関節炎関節穿刺とドレナージが要る=当院で持てない即時
緊急股関節を軽度屈曲・外転・外旋位に保って動かさない関節内に液体が溜まっているサイン。この肢位そのものが所見で、当直帯はエコーで確かめられない。疑った時点でドレナージのできる施設へ即時
緊急骨の一点を押すと強く痛がる(長管骨の骨幹端)骨髄炎。血培は当院で採る。X線は夜間も撮れるが、早期の骨髄炎はX線に写らないMRIは当直帯に撮れない=決め手は送り先で当日
緊急外傷歴がないのに、肢を使わない外傷でないものを探す。感染・腫瘍当日
緊急発熱+跛行が2日以上単純性股関節炎として様子を見ない当日
緊急新生児・乳児で、肢を動かさない(偽性麻痺)所見が乏しいまま進む。閾値を下げる即時
緊急血算・CRP・赤沈の上昇+局所所見血培を採ってから抗菌薬を考える当日
当日外傷歴が明確で、熱なし、全身状態良好外傷として扱う(骨折歩かない数日

まず分ける:関節か、骨か

化膿性関節炎化膿性骨髄炎
痛がる場所関節そのもの。あらゆる方向の他動運動で痛がる骨幹端の一点。関節は(初期は)動かせる
姿位関節内圧が最も低い肢位で固定(股関節なら軽度屈曲・外転・外旋)特定の姿位はない
緊急度関節破壊が進む。時間の勝負緊急だが、関節炎ほど分単位ではない
治療抗菌薬+外科的ドレナージ(報告例は全例に切開排膿、洗浄およびドレナージ術4〜6週間の抗菌薬治療。小児は内服への切り替えが利く
当院の扱い持てない持てない(診断と初期治療の相談は可)

この2つは別物として扱う。 本シートが読んだ2本の報告が、そのまま対照になっています。骨髄炎の側は「4〜6週間の抗菌薬治療」で、46例中45例が内服に切り替えられ、中央値18.5か月の経過で再燃・再発を認めなかった。関節炎の側は「全例に切開排膿、洗浄およびドレナージ術が施行された」うえで、国内141例の集計で成績不良例が17.0%、報告例には脚長差の後遺症が含まれます。

起因菌(経験的治療の前提。用量は院内で決める)

割合・条件
黄色ブドウ球菌MSSA+MRSA 10%で、黄色ブドウ球菌が全体の8割を占める
Streptococcus pyogenes12%
グラム陰性桿菌5%
Streptococcus pneumoniae / Kingella kingae3歳未満では原因となることがある
Haemophilus influenzae type b以前は10〜15%を占めていたが、ワクチンの導入により先進国ではほとんど認めなくなった

国内の化膿性股関節炎の集計(2002〜2012年に報告された14文献141例)では、MRSA 18.4%、PISP 2.1% が検出され、インフルエンザ菌が6.4%成績不良例が17.0%に認められた。→ 早期の外科的処置と耐性菌を考慮した適切な抗菌薬を選択する必要がある

初期治療抗菌薬については、グラム染色の結果、年齢による起因菌の想定、想定起因菌の薬剤感受性に基づき経験的に選択されている。

なぜ小児は骨髄炎になるのか(説明に使える)

成人の化膿性骨髄炎が外傷や手術後に発症するのに比べて、小児では血行性感染からの発症が大半を占める。成長に伴い血流が供給される長管骨骨端では、解剖学的に血管が渦を巻くように発達しているため細菌がトラップされやすく、一時的な菌血症から同部位の骨髄に感染を起こす。

入り口の傷がなくても起きる。「けがをしていないから感染ではない」は成立しません。

治療ワークフロー(当院でやること)

当院の仕事は「疑う・培養を採る・送る」。ドレナージも長期抗菌薬も持てない。

やること
1バイタル。敗血症徴候があれば小児敗血症
2全身の関節を見る乳児は服を全部脱がせる。動かさない肢を探す
3痛がる部位を特定する:関節の他動運動 vs 骨の一点圧痛
4血液培養を採る血液培養)。抗菌薬の前に
5血算・CRP・赤沈・生化
6X線(初期は陰性のことが多い。骨破壊が写るのは発症から1〜2週後という記載を当院で確認のうえ使う。下の医師確認事項)
7関節エコー(関節液貯留を見る)。当直帯は当院で撮れない(2026-09-14 確認)。肢位・自動運動の拒否・熱感で代える
8関節液の穿刺は、ドレナージができる施設で行うのが原則。当院で穿刺だけ行うかは要確認
9抗菌薬を当院で始めるか、搬送先で始めるかを電話で決める培養を採った後なら開始してよい
10搬送。関節炎を疑うなら急ぐ

専門施設での治療(家族への説明と申し送りのため)

  • 化膿性骨髄炎は4〜6週間の抗菌薬治療を要する。
  • 成人では静注薬で治療が完遂されることが多いのに対し、小児では骨への血流が豊富であるため、内服治療の有用性について検討されてきた。
  • ある施設の内服スイッチプロトコールは、条件を①症状の改善 ②菌血症合併例では最低2週間の静注抗菌薬の投与 ③内服が可能の3項目とし、骨髄炎患者46名中45名(98%)がプロトコールに準じて内服スイッチされ、フォロー期間18.5カ月(中央値)で再燃・再発を認めなかった内服薬は82%でセファレキシンを選択
  • 化膿性関節炎では、全例に切開排膿、洗浄およびドレナージ術が施行された(国内5例の報告)。

鑑別:跛行・関節痛の見分け

病態見分け次の一手
単純性股関節炎(一過性滑膜炎)発熱が軽い〜なし、全身状態良好、歩けることが多い化膿性を外してから。外せないなら送る
化膿性関節炎高熱・強い痛み・関節を全く動かさない持てない
骨髄炎骨幹端の一点圧痛、発熱持てない
骨折・外傷受傷歴、腫脹・変形骨折
肘内障引っぱられた、腫脹なし肘内障
若年性特発性関節炎朝のこわばり、多関節、数週の経過専門施設
白血病・骨腫瘍夜間痛・体重減少・蒼白・紫斑・血算異常持てない白血病を疑うとき
IgA血管炎紫斑・腹痛紫斑・出血斑
急性リウマチ熱移動性の関節炎・先行する咽頭炎・心炎溶連菌
Perthes病・大腿骨頭すべり症亜急性〜慢性、発熱なし、肥満(後者)整形へ
虐待説明と合わない通告歩かない

検査

検査何がわかるか読み方
血液培養起因菌抗菌薬の前に。骨髄炎は血行性が大半なので陽性率が意味を持つ
血算白血球・貧血・血小板末梢血液像も見る(白血病を外す)。当直帯に鏡検は出ないので翌朝に回す(白血病を疑うとき
CRP・赤沈炎症経過のフォローに使われる。初期は上がっていないことがある
X線骨破壊・骨膜反応初期は正常。陰性でも否定しない
関節エコー関節液貯留化膿性関節炎の入口。当直帯は当院で撮れない(日勤帯の可否は要確認)
MRI骨髄浮腫・膿瘍診断の決め手になる当直帯は撮れない決め手は送り先にしか無い。だから当院は「決め手を待たずに送る」
関節液(穿刺)細胞数・グラム染色・培養ドレナージができる施設で
骨シンチ多発病変専門施設

問診チェック

  • いつから、どの動きができないか(歩く・立つ・腕をあげる・おむつ替えで泣く)
  • 発熱の有無と期間熱がないこともある
  • 外傷歴ないことがむしろ手がかり
  • 先行感染(咽頭炎・皮膚の傷・とびひ・水痘)
  • 予防接種歴(Hib・肺炎球菌
  • 基礎疾患(免疫不全・鎌状赤血球・カテーテル留置)
  • 夜間痛・体重減少・寝汗(悪性腫瘍を外す)
  • 抗菌薬の使用歴(培養が出にくくなる

送る/持つ(当院=二次救急・関節ドレナージなし)

状態当院の扱い
化膿性関節炎を疑う持てない時間の勝負として搬送
化膿性股関節炎を疑う持てない。緊急
骨髄炎を疑う持てない(4〜6週の治療が要る)。血培を採って搬送
敗血症を伴う初期輸液・抗菌薬は当院で開始。持てない
単純性股関節炎として矛盾がない当院でフォロー可再診の条件を必ず渡す
化膿性か単純性か決められない決められないこと自体が搬送の理由。送る

エスカレーション(施設オーバーレイで上書き)

  • 確定(2026-09-14 確認)当直帯に院内の整形外科はいない疑ったら院外へ。関節ドレナージができる夜間・休日の紹介先は要確認(施設名・番号は保留中)
  • 確定(2026-09-14)当直帯に関節エコーは撮れないこのシートは肢位と血算・CRPで疑い、確かめずに送る前提で書いてある
  • 確定(2026-09-14・当直帯)MRIは当直帯に撮れない。当日〜翌日の日勤帯に撮れるかは要確認
  • 要確認:経験的抗菌薬(MRSAを考慮するか)本シートは意図的に薬剤名と用量を書いていない
  • 要確認:当院で関節穿刺を行うか(ドレナージができないなら、穿刺だけ行う意義を整形と相談)
  • 要確認:赤沈を当院で出せるか
  • 要確認:単純性股関節炎を当院でフォローする場合の再診間隔

家族に渡す一文

足を使わない、腕をあげないというのは、子どもが痛みを訴える言い方です。原因は、けが・ばい菌の感染・血液の病気など、いくつも考えられます。特に、関節にばい菌が入る病気(化膿性関節炎)は、時間が経つほど関節が壊れてしまうので、早く見つけて、関節にたまった膿を出す処置が必要になります。この処置は当院ではできないため、できる病院にお願いします。熱がないから感染ではない、けがをしていないから感染ではない、とは言えません。今日はばい菌を調べる血液の検査(培養)を採らせてください。お薬を始める前に採らないと、原因のばい菌がわからなくなるためです。」

医師確認事項(要・岡本判断)

  • 要確認:本シートは日本小児感染症学会「小児感染免疫」27巻4号(2015年)の2本の報告を一次資料としている。一方は46例の単施設プロトコール検討、もう一方は5例の症例報告+国内文献141例の集計であり、診療ガイドラインではない。起因菌の割合(黄色ブドウ球菌8割ほか)は同報告が引用するArnoldらの報告(海外)に由来する。
  • 要確認:「骨髄炎と関節炎は分けて考える」という近年の整理は、検索で「小児化膿性骨髄炎・関節炎における最新知見」(小児科診療)の抄録が示唆していたが、本シートは原著を読んでいないため引用していない。本文の対照は、実際に読んだ2本の報告の数字だけで組み立てている。
  • 要確認:「X線で骨破壊が写るのは発症から1〜2週後」は本シートで一次資料を確認していない。載せるなら裏取りが要る。本文では確認していない旨を添えて書いている
  • 要確認:関節炎と骨髄炎を姿位・圧痛で分ける整理は本シートの実務上の組み立てであり、引用元の記載ではない。
  • 要確認:Kocher基準(化膿性股関節炎と単純性股関節炎の鑑別スコア)は本シートに載せていない。国内の一次資料を確認できなかったため。当院で使うなら別途根拠が要る。
  • 要確認:経験的抗菌薬MRSAが国内の化膿性股関節炎集計で18.4%という数字があるため、初期選択にMRSAを含めるかは当院とアンチバイオグラムで決める必要がある。本シートは薬剤名・用量を書いていない
  • 要確認:当院で関節穿刺を行うか。ドレナージができない施設で穿刺だけ行う意義と危険を整形と詰めたい。
  • 要確認:単純性股関節炎として帰す基準。本シートは「決められないなら送る」としか書いておらず、閾値を決めていない。

出典

  • 磯貝美穂子、森野紗衣子、廣瀧慎太郎、森川和彦、伊藤健太、堀越裕歩.骨髄炎治療における抗菌薬内服スイッチの有用性の検討.小児感染免疫 27(4): 297–, 2015.https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/02704/027040297.pdf (2026-09-13閲覧)。「小児の化膿性骨髄炎は、「歩きたがらない」、「腕をあげない」など、痛みによる可動域制限を主訴に来院することが多く、ときに発熱を伴う」「成人の化膿性骨髄炎が外傷や手術後に発症するのに比べて、小児では血行性感染からの発症が大半を占める。成長に伴い血流が供給される長管骨骨端では、解剖学的に血管が渦を巻くように発達しているため細菌がトラップされやすく、一時的な菌血症から同部位の骨髄に感染を起こす」「Arnoldらの報告によると、化膿性骨髄炎の原因菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が10%と、黄色ブドウ球菌が全体の8割を占める。次いで、Streptococcus pyogenes 12%、グラム陰性桿菌5%がみられる。また、3歳未満ではStreptococcus pneumoniaeやKingella kingaeが原因となることがある。Haemophilus influenzae type bは以前は10〜15%を占めていたが、ワクチンの導入により先進国ではほとんど認めなくなった」「化膿性骨髄炎は4〜6週間の抗菌薬治療を要し、成人では静注薬で治療が完遂されることが多い。それに対し、小児では骨への血流が豊富であるため、内服治療の有用性について以前より検討」。内服スイッチの3条件(①症状の改善 ②菌血症合併例では最低2週間の静注抗菌薬の投与 ③内服が可能)、46名中45名(98%)がプロトコールに準じて内服スイッチ46名中26名(57%)で原因菌が同定され、そのうち81%がMSSA内服薬は82%でセファレキシンを選択フォロー期間18.5カ月(中央値)での再燃・再発は認めず
  • 間宮範人、伊藤美津江、東川正宗.当院で経験した小児化膿性股関節炎の5症例.小児感染免疫 27(4): 291–, 2015.https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/pdf/02704/027040291.pdf (2026-09-13閲覧)。「小児の化膿性股関節炎は、診断の遅れ、不適切な治療などによって関節の破壊、変形をもたらし、重篤な後遺障害を残し得る緊急疾患である。後遺障害を予防するために、適切な抗菌薬の投与および外科的ドレナージをできる限り早期に実施することが重要であるとされている」「初期治療抗菌薬については、グラム染色の結果、年齢による起因菌の想定、想定起因菌の薬剤感受性に基づき経験的に選択されている」「全例に切開排膿、洗浄およびドレナージ術が施行された」「2002〜2012年に報告されたわが国の14文献141例の集計でも化膿性股関節炎の起因菌として、MRSA(18.4%)、PISP(2.1%)が検出されていた。薬剤感受性は不明であるが、インフルエンザ菌が6.4%検出されていた。成績不良例が17.0%に認められた。以上より、早期の外科的処置と耐性菌を考慮した適切な抗菌薬を選択する必要があると考えられた」。脚長差の後遺症を残した1例は1カ月の乳児で、症状出現から切開排膿まで15日を要していた

手技

手技

化膿性関節炎・骨髄炎はその場で疑い、培養して送る

当直の仕事は「疑う・培養を採る・送る」。ドレナージも長期抗菌薬も当院では持てない。化膿性股関節炎は関節破壊が進む緊急疾患で、時間の勝負として扱う。

始める前に

  • 小児の化膿性骨髄炎は、「歩きたがらない」、「腕をあげない」など、痛みによる可動域制限を主訴に来院することが多く、ときに発熱を伴う
  • 関節炎と骨髄炎を分ける。骨髄炎は抗菌薬で治りうるが、化膿性関節炎は外科的ドレナージが要る。当院に関節ドレナージがないなら、関節炎を疑った時点で送る
  • 股関節を軽度屈曲・外転・外旋位に保って動かさない場合は関節内に液体が溜まっているサイン。エコーで確認する
  • 新生児・乳児で肢を動かさない(偽性麻痺)場合は所見が乏しいまま進むため、疑う閾値を下げる
  • いつから、どの動きができないか(歩く・立つ・腕をあげる・おむつ替えで泣く)
  • 発熱の有無と期間(熱がないこともある)
  • 外傷歴(ないことがむしろ手がかり)
  • 先行感染(咽頭炎・皮膚の傷・とびひ・水痘)
  • 予防接種歴(Hib・肺炎球菌)
  • 基礎疾患(免疫不全・鎌状赤血球・カテーテル留置)
  • 夜間痛・体重減少・寝汗(悪性腫瘍を外す)
  • 抗菌薬の使用歴(培養が出にくくなる)

手順

  1. 1

    バイタルを確認する。敗血症徴候があれば小児敗血症の対応へ

  2. 2

    全身の関節を見る。乳児は服を全部脱がせ、動かさない肢を探す

  3. 3

    痛がる部位を、関節の他動運動 vs 骨の一点圧痛で特定する

    この関節/骨で分ける整理は本シートの実務上の組み立てであり、引用元の記載そのものではない(要確認)

  4. 4

    血液培養を採る

    抗菌薬の前に

  5. 5

    血算・CRP・赤沈・生化を調べる

  6. 6

    X線を撮る

    初期は陰性のことが多い

  7. 7

    関節エコーで関節液貯留を見る

  8. 8

    関節液の穿刺は、ドレナージができる施設で行うのが原則

  9. 9

    抗菌薬を当院で始めるか、搬送先で始めるかを電話で決める

    培養を採った後なら開始してよい

  10. 10

    搬送する。関節炎を疑うなら急ぐ

やってはいけない

  • 血液培養を採る前に抗菌薬を開始しない(培養を採った後なら開始してよい)
  • 発熱+跛行が2日以上を単純性股関節炎として様子を見ない
  • 熱がないから感染ではない、けがをしていないから感染ではない、とは言えない
  • 新生児・乳児で肢を動かさない場合、所見が乏しいことを理由に様子を見ない(偽性麻痺は所見が乏しいまま進む)

終わったあと

  • 単純性股関節炎として当院でフォローする場合は、再診の条件を必ず渡す

この場で持てない・送る

  • 化膿性関節炎を疑う → 持てない。時間の勝負として搬送
  • 化膿性股関節炎を疑う → 持てない。緊急
  • 骨髄炎を疑う → 持てない(4〜6週の治療が要る)。血培を採って搬送
  • 敗血症を伴う → 初期輸液・抗菌薬は当院で開始。持てない
  • 単純性股関節炎として矛盾がない → 当院でフォロー可
  • 化膿性か単純性か決められない → 決められないこと自体が搬送の理由。送る
  • 要確認:小児の関節ドレナージができる紹介先(夜間・休日)
  • 要確認:当院で関節エコーを当直帯に撮れるか、誰が撮るか
  • 要確認:MRIを当日〜翌日に撮れるか
  • 要確認:経験的抗菌薬(MRSAを考慮するか)。本シートは意図的に薬剤名と用量を書いていない
  • 要確認:当院で関節穿刺を行うか
  • 要確認:赤沈を当院で出せるか
  • 要確認:単純性股関節炎を当院でフォローする場合の再診間隔

手順・適応・禁忌はすべて本シートの正本の記載のみ。院内の器材・採用薬・搬送先は施設ごとに違うため、適用前に院内ルールを確認すること。

同じ場面のシート

ほかに開く

↑↓ 移動 / Enter 開く / Esc 閉じる