当院の入院時方針(2026-10-28確認)
IgA血管炎で当院に入院した場合は、IVIG 1.0 g/kgで治療を開始し、入院3日目・7日目ごろに血液検査を行う。これは本チャットで診療担当者から明示された院内方針院内であり、IgA血管炎の全例に対する一般的な第一選択の推奨ではない。ITPのIVIG用量とは区別する。
| 時点 | 当院で行うこと |
|---|
| 入院時 | IVIGの開始量1.0 g/kg。投与回数・反復・速度は採用品と個別指示で確認 |
| 入院3日目ごろ | 血液検査。症状、腎所見、IVIG投与後の経過と合わせて評価 |
| 入院7日目ごろ | 再度血液検査。以後の治療・退院・外来フォローを判断 |
採血項目は当日の病態と個別指示で決める。予定日とは別に血圧・尿所見・尿量、腹痛・血便を追い、悪化時は採血予定日まで待たない。退院後の検尿・血圧フォローも継続する。一般診療上の観察と合併症評価はRCH IgA vasculitisを参照する。この外部資料は当院のIVIG開始量や採血日程の出典ではない。
押さえる数字
- 小児(4〜7歳がピーク)に多く、男女比は1.2:1.8で、秋冬に多く、夏に少ない。
- 症状の出現頻度:血小板減少および血液凝固異常を伴わない皮疹(100%)、関節痛・関節炎(60〜75%)、消化管症状(50〜65%)、腎炎(20〜55%)の各症状が順不同に、さまざまの程度で出現する。
- 消化器症状は紫斑の出現以前に出現することが稀ではなく(14〜36%)、本症の診断がなされないまま不要な外科手術が施行されることもあるので注意する。
- 小児IgA血管炎では、腎炎を除く全ての症状は1か月以内に寛解することが多い。寛解後2/3の症例は再発せず、1/3は4か月以内に少なくとも1回再発するが、最初の症状より軽症である。
- 紫斑病性腎炎:IgA血管炎の約50%に合併する腎炎(日本小児腎臓病学会)。IgA血管炎の発症後、多くは2週間前後から血尿・蛋白尿が認められる。年間10万人あたり約20人発症し、好発年齢は3〜7歳。
- 腎炎発症の危険因子:発症年齢(4歳以上)、強い消化管症状、1か月以上持続する紫斑、血漿第XIII因子活性低下、血漿第XIII因子補充療法、ステロイド治療を受けた既往歴。
診断
- 2006年のEULAR/PreSによる小児血管炎分類基準では、小児IgA血管炎は蛍光抗体直接法所見がなくても診断できる。小児血管炎の中でIgA血管炎は90%以上を占め、他の小型血管炎の可能性がほとんどないためと考えられる。
- → 小児では、典型的な臨床像なら皮膚生検をせずに診断してよい。
- IgA血管炎の診断がついていれば、血尿・蛋白尿が見られた時点で紫斑病性腎炎の臨床診断は可能。軽い血尿のみであれば腎生検の必要もなく経過観察となるが、蛋白尿の量が多い場合や腎機能障害が認められる場合は、早期に腎生検を行う必要がある。
尿のフォロー(帰すときに必ず組む)
リバプール大学小児病院のプロトコール(皮膚血管炎ガイドライン2023に紹介):
| 段階 | 内容 |
|---|
| 診断後1週間以内 | 尿検査を施行。尿蛋白+1以上か否かでフローチャートが分かれる |
| 尿蛋白 異常 | 2週、1か月、2か月、3か月、4か月、6か月の定期的検査 |
| 尿蛋白 正常 | 1か月、3か月、6か月の定期的検査 |
国内2026年資料は発症後6〜12か月の定期検尿を示す。上表の6か月計画は初期の節目とし、検尿・血圧の継続期間を専門科と計画する。尿異常や再燃があれば6か月で終了しない。詳細と原典は末尾の「IgA血管炎では腎臓を追う」を参照。
| 検査内容 | 血圧、尿検査による尿潜血、尿アルブミンクレアチニン比、顕微鏡的血尿、血液検査による血清アルブミン、GFR |
「紫斑が消えたら終わり」ではない。尿を追わないと紫斑病性腎炎を落とす。