11-19鉄欠乏以外の貧血・溶血を疑うとき
ひんけつ・ようけつ・網赤血球
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 食事、感染、薬剤、家族の貧血・黄疸・胆石、出血歴を確認する。[1]
- 蒼白、易疲労、頻脈、息切れ、心不全徴候、黄疸・暗色尿・脾腫をみる。[1]
- 急速な貧血、呼吸循環症状、黄疸・暗色尿を伴う:溶血や重症貧血を疑い血液専門医へ緊急相談し入院評価する。[1]
- 循環状態を安定化し、急性溶血は専門家と原因・監視・治療を決める。[1]
2鑑別のながれ
- 小球性貧血→鉄状態・食事と家族歴を確認→鉄欠乏が多いがサラセミア等も検討する。[1]
- 貧血→黄疸・暗色尿/網赤血球低下・他血球減少→破壊亢進と産生低下を区別し、重症・骨髄病変を専門評価する。[1]
3検査
- 血算・分画・血液像、網赤血球、フェリチン等を起点に原因を絞る。血清鉄単独を貯蔵鉄の指標にしない。[1]
- 溶血ではビリルビン等と経時的血算を確認し、Hbの単回値のみで進行を判断しない。[1]
4対応の注意
避けること・注意:小球性だから鉄欠乏、正常MCVだから軽症と決めない。[1] 原因評価をせず漫然と鉄剤を継続しない。輸血の適応は数値だけで固定しない。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 循環状態を安定化し、急性溶血は専門家と原因・監視・治療を決める。[1]
- 鉄以外の栄養欠乏、慢性炎症、遺伝性疾患等は病態に応じ治療を分ける。[1][2]
フォローと再評価
- 溶血では症状と血算の推移を短い間隔で監視する必要があり、再検時期は専門家と決める。[1]
根拠と適用範囲
- RCH Anaemia:小児貧血のMCV分類、赤旗、網赤血球、溶血評価。
- 日本薬学会 薬学用語解説 貧血:病態分類の国内学会資料。成人薬剤記載は小児処方へ転用しない。
- 日本小児科学会 小児科医の到達目標 第8版:領域16 血液/9 免疫/10 膠原病の一般小児科での認識と紹介。
6帰宅・入院の目安
- 帰宅全身状態が安定し原因の見当と再検・専門紹介の計画がある場合に外来を検討する。[1]
- 入院急性溶血、心不全徴候、他系統血球減少など赤旗があれば入院を考慮する。[1]
- 搬送・紹介血液専門医へ相談し、必要な血液像・検査を共有する。[1]
7診療中の疑問と回答
- Hbが低い。鉄剤を試してから再検でよい?
- MCV、網赤血球、血液像と他の血球、黄疸・尿の色、出血と家族歴を確認する。鉄欠乏を支持しない場合は、溶血や造血不全を考えて検査を選ぶ。急速な低下、頻脈・呼吸苦、他系統減少は経験的鉄剤だけで待たず入院・血液専門医へ相談する。
根拠:RCH Anaemia - 黄疸と暗色尿が出た。溶血の原因検査を待てる?
- 循環、Hbの推移、網赤血球、ビリルビン・溶血所見を評価し、薬剤・感染歴を確認する。急性溶血は急速に悪化し得るため、原因検査と監視・支持療法を並行する。輸血が必要な可能性は早めに血液専門医・輸血部へ連絡する。
根拠:RCH Anaemia - 網赤血球が増えない貧血では何を疑う?
- 造血抑制・無形成や栄養障害を考え、血液像と白血球・血小板を確認する。既知の溶血性疾患の児では感染に伴う無形成発作も念頭に置く。元気さだけで慢性貧血とせず、基準値・過去値との差と推移を専門科に共有する。
根拠:RCH Anaemia
8家族への説明
鉄が足りない以外にも、赤血球を作る力や壊れる速さの問題があること、検査と再検で原因・進み方を確認する理由を説明する。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。