5-12小児MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)
しょうにしぼうかん・MASLD・NAFLD・MASH
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 肥満・インスリン抵抗性・脂質異常等があり、症状が乏しくても肝障害を評価する。[1][2]
- 脾腫、黄疸、出血傾向等の肝疾患の危険所見:脂肪肝だけと断定せず、他の肝疾患/進行肝障害を専門医へ相談する。[1][2]
- 家族と食事・活動・睡眠と代謝合併症の改善を計画し、成長を守りながら継続支援する。[1][2]
2鑑別のながれ
- ALT上昇+肥満→代謝リスクがある→MASLDを考えるが他の慢性肝疾患も除外する。[1][2]
- 肝脂肪化+幼少/非肥満→通常の代謝背景と合わない→遺伝代謝性等の別疾患を疑い専門紹介する。[1]
3検査
- ALTを含む肝機能、代謝合併症、薬剤・家族歴を確認し、ウイルス・自己免疫・遺伝代謝等の代替/併存病態を評価する。[1][2]
- エコーは構造異常の確認に役立つが、脂肪化の軽い例を見逃すため正常画像だけで除外しない。生検は診断不確実/進行疑い等で検討する。[1][2]
4対応の注意
避けること・注意:肥満を理由にALT上昇を全てMASLDとしない。成人の血液線維化指標や薬物療法を小児へ自動適用しない。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 家族と食事・活動・睡眠と代謝合併症の改善を計画し、成長を守りながら継続支援する。[1][2]
フォローと再評価
- 肝機能と代謝リスクの推移を確認し、再検が正常でもリスクの変化に応じて追跡する。[1]
根拠と適用範囲
- NASPGHAN Clinical Practice Guideline for Pediatric NAFLD:2017年旧NAFLD基準。本文推奨を確認、新名称との差は未統合
- NIDDK Diagnosis of NAFLD and NASH in Children:MASLD/MASH併記の患者資料、検査概念
6帰宅・入院の目安
- 帰宅肝不全の所見がなく原因評価と定期再検を確保できる例は外来管理を行う。[1][2]
- 入院入院は肝不全/重い合併症など病状別に判断し、単なる脂肪肝画像だけで一律に決めない。[1]
- 搬送・紹介低年齢、非肥満、危険所見、持続する肝障害や診断不確実は小児肝臓専門医へ相談する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 肥満児でALT高値。脂肪肝と決めて食事指導だけでよい?
- 薬剤、感染、自己免疫、代謝性など他の肝疾患を除外する必要がある。経過と家族歴、肝脾腫、黄疸、検査を合わせ、画像の脂肪沈着だけで原因を確定しない。持続高値や脾腫・出血傾向では小児肝臓専門へ相談する。
根拠:NIDDK 小児NAFLD/MASLDの診断 - エコーで脂肪肝なら線維化の程度も分かる?
- 通常のエコーだけで炎症や線維化の程度を確定できない。肝機能、代謝合併症と経過を合わせ、追加画像や肝生検の必要性は専門医が判断する。成人の線維化スコアをそのまま小児の治療・紹介の判断に用いない。
根拠:NIDDK 小児NAFLD/MASLDの診断 / NASPGHAN 小児NAFLD診療GL:線維化評価の限界 - ALTが少し改善したらフォローを終了できる?
- 単回値だけで終了せず、成長、食事・活動、肥満と糖代謝・脂質などの背景を追う。改善が続くか、他疾患を見落としていないか再評価する。無理な減量やサプリの自己使用を避け、本人と家族が続けられる支援を専門医と計画する。
根拠:NIDDK 小児NAFLD/MASLDの診断
8家族への説明
肝臓の脂肪だけでなく、他の病気や血糖・脂質も調べる。本人を責めず家族で続けられる生活の調整を行う。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。