2-4 こどもの肺炎(市中肺炎)

緊急

2-4こどもの肺炎(市中肺炎)

呼吸仕事・酸素化・毒性で見る
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3重症度分類(GL2022・8項目)

軽症SpO2 93%以上・他の所見に異常なし外来治療を検討
中等症SpO2 93%未満、または他所見のいずれか1つでも異常入院を検討。SpO2が93%以上でも、全身状態・経口摂取・呼吸数・陥没呼吸/呻吟・無呼吸・循環・意識のいずれか1つでも異常があれば中等症以上として扱う
重症酸素投与下でもSpO2 93%未満入院・上級医相談
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4検査

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5処置・処方例

Rp. 1アモキシシリン(細菌性肺炎の第一選択) 30〜40mg/kg/日・分3〜4、5日間 内服
外来の細菌性・肺炎球菌等を想定した通常の市中肺炎。海外の高用量レジメン(90mg/kg/日)とは別物なので混同しない
  1. ワイドシリン細粒20%(200mg/g)で1日 —〜—(30〜40mg/kg/日)を分3〜4に分けて内服、5日間
  2. ペニシリンアレルギーの反応型・重症度を確認して代替薬を選ぶ。重篤な即時型反応・重症薬疹では上級医へ相談し、セフェムへ自動変更しない
Rp. 2セフジトレンピボキシル(メイアクトMS、ペニシリンアレルギー時) 9〜18mg/kg/日 分3(上限600mg/日) 内服
正本は『ペニシリンアレルギー時は第三世代セファロスポリンを検討』とするのみで用量の記載がない。小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017は市中肺炎・細菌性の第2選択薬としてセフジトレンピボキシル9〜18mg/kg/日 分3を挙げている。採用品で確認。アナフィラキシー等の重篤な即時型アレルギーの既往がある場合はセファロスポリンも使いづらく、マクロライド系(次項)を検討する
  1. メイアクトMS小児用細粒10%で1日 —〜—(9〜18mg/kg/日、上限600mg/日)を分3、食後
  2. 抗菌薬治療期間はアモキシシリンと同様に5日間を目安とする
Rp. 3マクロライド系(マイコプラズマ疑い・確定、学童中心) アジスロマイシンは1日1回・3日間、クラリスロマイシンは分2〜3・10日間 内服
マクロライド感受性であれば投与後48時間以内に大多数(8割以上)が解熱する。48〜72時間で解熱しなければ耐性を考慮する
  1. アジスロマイシン(ジスロマック細粒小児用10%、100mg/g)で1日 —(10mg/kg/日、上限500mg/日)を1日1回、3日間
  2. クラリスロマイシン(クラリス/クラリシッド ドライシロップ10%小児用、100mg/g)で1日 —〜—(10〜15mg/kg/日、上限400mg/日)を分2〜3、10日間
  3. 48〜72時間で解熱しなければ診断・服薬状況・混合感染・合併症を再評価し、代替薬が必要な肺炎と判断した場合にトスフロキサシンを検討:1日 — を分2(1回6mg/kg、1日最大360mg)、7〜14日間が目安
  4. 代替薬が必要と判断した場合の選択肢としてミノサイクリン(ミノマイシン顆粒2%、20mg/g):1日 —〜—(2〜4mg/kg/日、1日最大200mg)を分2、7〜14日間が目安。8歳未満は他薬が使用できないか無効の場合にのみ検討する
Rp. 4アンピシリン(入院時) 1回30〜40mg/kg・1日3回、5日間 点滴静注
入院例。外来のアモキシシリンから切り替える
  1. 1回 —〜— を1日3回、点滴静注で5日間
避けること・注意:ウイルス性が強く疑われる軽症例への抗菌薬投与、キノロン系薬のマイコプラズマ肺炎へのルーチン第一選択使用、正当な理由のない広域抗菌薬の外来第一選択使用。
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6紹介・入院の閾値

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7診療中の疑問と回答

抗菌薬開始翌日、まだ発熱している。変更する?
全身状態・呼吸・飲水が改善傾向なら、24時間の発熱だけで広域薬へ変更しない。外来例は24〜48時間で再診を設定し、48〜72時間で改善が乏しければ用量、飲めた量、診断、胸水などの合併症を再評価する。酸素化低下や呼吸苦の悪化はその時点で評価し、予定の再診まで待たない。
根拠:RCH:小児市中肺炎(海外指針)
マクロライドを2〜3日使っても解熱しない。耐性で決まり?
耐性を疑う時点だが、無効だけでは確定しない。服薬状況、マイコプラズマ診断、他病原体・混合感染、胸水や重症化を再評価する。日本小児科学会2025年改訂は必要性を判断した肺炎例で代替薬を考慮とし、自動変更は勧めていない。8歳未満のテトラサイクリン系は他薬が使えないか無効の場合に限って検討する。
根拠:日本小児科学会:小児のマイコプラズマ肺炎(2025年改訂)
マイコプラズマ抗体陽性ならマクロライドを始める?
単回のIgM・抗体陽性だけでは既感染との区別が難しい。肺炎の臨床像と採取時期を合わせ、必要なら核酸同定・迅速抗原で急性期診断を補う。検査陽性だけで治療を延長しない。解熱後に咳が残る場合も、呼吸状態と経過を再評価してから変更を決める。
根拠:日本小児科学会:小児のマイコプラズマ肺炎(2025年改訂)
胸部X線がまだ白い。抗菌薬を延長して撮り直す?
順調に回復した非合併性肺炎では、陰影の残存だけで延長したり全員に再撮影したりしない。発熱・呼吸症状の悪化や48〜72時間の治療不応で画像を再評価する。反復して同じ部位に起こる場合は背景病変を調べる。胸水・膿胸など合併性肺炎の画像フォローは別に計画する。
根拠:RCH:小児市中肺炎(海外指針)
点滴から内服へ変えるのは解熱してから何日?
一律の日数より、呼吸状態・酸素需要の改善、飲水と内服の確実さ、合併症の有無で判断する。非重症では入院中も内服で治療できる場合がある。膿胸、菌血症、重い基礎疾患は通常の外来コースと分ける。変更時は抗菌薬の総治療日数を整理し、内服開始日を「1日目」にして漫然と延長しない。
根拠:RCH:小児市中肺炎(海外指針)
ペニシリンアレルギーなら自動的にセフェムへ変える?
原因薬、投与から発症まで、蕁麻疹・呼吸循環症状、粘膜障害などを具体的に聴取する。即時型重症反応や重症薬疹では安易なβラクタムへの置換を避け、病原体・重症度に応じ上級医へ選択を相談する。「アレルギーあり」だけで一律に広域薬へ変更しない。
根拠:RCH:小児市中肺炎(海外指針) / RCH:ペニシリン・セフェムアレルギー申告児の抗菌薬選択
熱と咳だけで肺炎と決めていい?
決めない。呼吸仕事・酸素化・毒性が主役。頻呼吸の年齢別閾値(2か月未満60回/分以上など)と陥没呼吸・SpO2・聴診で判断する。
抗菌薬はいつ始める?
細菌を疑うときだけ。ウイルス性が強く疑われる軽症例には投与しない。
画像がないと診断できない?
典型的な軽症例は臨床診断でき、ルーチンX線は不要。診断不確実・中等症以上・合併症疑いでは単純X線を使う。当院の夜間に胸水の性状を評価しきれない場合は、全ての画像を揃える前に専門施設へ相談する。
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9家族への説明

熱と咳の数字より、息の苦しさ・水分・活気を見てください。唇の色が悪い、肩で息をする、飲めないときはすぐ連絡してください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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