10-6急な興奮・行動の混乱
こうふん・せん妄・不穏・行動危機
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 普段の意思疎通、誘因、既存の行動/コミュニケーション計画、痛み、薬剤・物質曝露を確認する。異常行動を精神疾患だけで説明しない。[1][2]
- 意識変容、局在神経所見、急性疼痛、中毒所見:身体疾患として優先評価し上級医へ。[1]
- 刺激を減らした環境と落ち着いた短い声かけ、説明役の一本化、本人の選択や使い慣れた道具を活用する。[1][2]
2鑑別のながれ
- 急な興奮→痛み、意識のゆらぎ、服薬・曝露→せん妄/脳症/中毒を評価。[1]
- 繰り返す危機→特定の刺激や意思疎通の不一致→発達特性や支援環境を含め機能的に評価。[1][2]
3検査
- 可能な範囲で意識・呼吸・循環と痛みを迅速確認。落ち着いてから十分な診察を行い、検査は身体原因を疑う所見に応じる。[1]
4対応の注意
避けること・注意:罰として拘束しない。鎮静で眠ったことを診断や治療終了の根拠にしない。[1][2]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 刺激を減らした環境と落ち着いた短い声かけ、説明役の一本化、本人の選択や使い慣れた道具を活用する。[1][2]
- 非薬物対応で安全を保てない時は上級医と院内手順に従い鎮静・最小限の制限を検討し、呼吸循環監視と再評価を伴う。[1]
フォローと再評価
- 身体・精神状態と使った介入の影響を再評価し、本人・家族と有効だった対応を記録する。[1][2]
根拠と適用範囲
- RCH Acute behavioural disturbance:小児の身体原因除外、緊張緩和、鎮静後監視。豪州法制部分は採用しない。
- NICE NG11 Challenging behaviour and learning disabilities:知的障害のある小児/成人の身体疾患評価と最小限の制限。一般小児の急性鎮静手順ではない。
6帰宅・入院の目安
- 帰宅急性の身体・精神治療が不要と評価され、安全な環境と支援計画がある場合。[1]
- 入院身体原因、持続する危険、鎮静後の監視・診断が必要な場合。[1]
- 搬送・紹介小児急性期、児童精神科、普段の支援者が共同評価する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 強い興奮を見たら、まず鎮静薬を使う?
- 安全な距離と退路を確保し、刺激を減らして短い言葉で声をかける。説明役を一人にし、痛み・低血糖・低酸素・中毒など身体原因を評価する。鎮静が必要な危険状況では上級医と体制を整え、眠らせることだけを目標にせず必要最小限の介入を行う。
根拠:RCH 急性行動障害(海外小児指針) - 発達特性があり普段も興奮するので、今回も同じ対応でよい?
- 保護者から普段の状態と今回の違い、意思疎通方法、落ち着く工夫を聞く。痛みや便秘、感染、薬剤変化を表現できず行動で示している可能性を考える。既存の行動計画を活用しつつ、意識変容や局在所見があれば精神・行動の問題に固定せず評価する。
根拠:RCH 急性行動障害(海外小児指針) - 薬で眠った後は、監視を終えてよい?
- 鎮静後は呼吸、酸素化、循環、意識を継続観察し、累積薬量と有害作用を確認する。眠ったことは原因解決や帰宅可能を意味しない。覚醒後の安全性、再興奮、自傷他害のリスクと支援者を再評価し、次の診療・引継ぎ計画を整える。
根拠:RCH 急性行動障害(海外小児指針)
8家族への説明
本人が何を苦痛と感じ、何が落ち着く助けになるかを共有する。家族も本人も責めず、落ち着いた後に次回の予防策を決める。[1][2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。