1-27 麻疹(はしか)

緊急

1-27麻疹(はしか)

空気感染・院内で広げないことが最大の仕事
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3検査

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4処置・処方例

Rp. 1人免疫グロブリン製剤(曝露後発症予防) 1回15〜50 mg/kg 筋注 筋注
曝露から6日以内に投与すれば発症を予防できる可能性がある。筋注用製剤のみ麻疹発症予防に健康保険適用があり、静注用製剤は適用がない。院内在庫の有無を先に確認する
  1. 筋注用人免疫グロブリン製剤(濃度は採用品の添付文書で確認)を、1回15〜50mg/kg=—〜— 大腿外側広筋へ筋肉内注射
  2. 単回投与。曝露から6日以内に。血液製剤なので、免疫が無い/不十分な接触者にのみ使う
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5麻疹疑い時の初動

  1. 受付段階で発疹の有無を確認し、疑いがあれば専用の別入口・個室動線へ誘導する
  2. 待合に戻さず個室管理体制へ(空気感染対策が可能な体制、可能なら陰圧室)
  3. 対応する職員を限定する(麻疹抗体陽性が確認されている者、または1歳以上での2回接種が記録で確認されている者)
  4. 免疫が不十分な者がやむを得ず対応する場合はN95マスクあるいはそれ以上の性能のろ過マスクを着用する
  5. 保健所へ直ちに届け出る
  6. PCR/ウイルス分離とIgM抗体を並行して検査に出す
  7. 接触者リストを作る(直接接触/2m以内/同一時間に空間を共有した者)
  8. 接触者のワクチン接種歴を記録で確認する(記録がなければ受けていないと考える。0歳での接種は回数に含めない)
  9. 免疫が無い/不十分な接触者へ72時間以内のワクチンまたは6日以内の免疫グロブリンを当院で速やかに実施する(期限が短いため保健所・かかりつけへは回さない。院内方針院内)
やってはいけない・落とし穴
  • 外来で感受性者が麻疹患者と20分未満空間を共有した後に感染・発症した例が報告されている
  • 臨床診断例(検査未実施)でも届出対象
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6送る/持つ

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7診療中の疑問と回答

発疹が出てからIgM陰性だった。隔離を解除してよい?
発疹出現早期はIgMが陰性となり得る。発症日、接触・渡航歴、ワクチン歴を確認し、保健所と検体の種類・再検を相談する。疑いが強い段階では単回陰性だけで一般待合へ戻さず、空気感染への対応を続ける。臨床診断時の届出も遅らせない。
根拠:JIHS 麻疹詳細版 / 厚生労働省 麻しんについて
同居家族が曝露した。症状が出るまで待つ?
接触時刻、接種・罹患歴、年齢、妊娠・免疫不全をすぐ確認する。曝露後予防には時間制限があり、ワクチンや免疫グロブリンの適否を保健所・専門医と急いで判断する。免疫不全者などへ生ワクチンを安易に選ばず、来院方法も事前調整する。
根拠:JIHS 麻疹詳細版 / 厚生労働省 麻しんについて
治療薬がないなら、解熱だけして自宅でよい?
脱水、呼吸状態、肺炎、意識変化やけいれんを評価する。重症化リスクや家庭での管理可能性に応じて入院を判断する。受診・搬送時も空気感染対策を事前連絡し、処置や病床調整を優先する。熱の推移だけで合併症がないと判断しない。
根拠:JIHS 麻疹詳細版 / 厚生労働省 麻しんについて
潜伏期・臨床経過は?
潜伏期通常10〜12日。カタル期2〜4日(38℃前後・コプリック斑)→発疹期3〜4日(39〜40℃に再上昇、耳後部→頸部→顔→体幹→上肢→下肢の順に広がる)→回復期7〜9日で解熱・色素沈着を残す。
曝露者はいつまで健康観察する?
接触から5〜21日間(免疫グロブリンを投与した場合は4週間まで)麻疹を発症する可能性がある。
肺炎・脳炎の頻度は?
肺炎は6%(乳児の死亡例の60%は肺炎に起因)、脳炎は1,000例に0.5〜1例(約60%は完全回復、25%に後遺症、致命率約15%)、中耳炎は約7%。
妊婦・免疫不全者が接触者にいたら?
麻疹含有ワクチンは接種不適当。直ちに麻疹抗体検査を実施し、抗体価が陰性または低い者(EIA法10.0未満/PA法1:64以下)は免疫グロブリン投与を検討する。
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9家族への説明

麻疹(はしか)の可能性があります。この病気は空気を介してうつる力が非常に強く、マスクや手洗いでは防げません。他の患者さんと同じ場所で待てないので、個室でお待ちいただきます。熱がいったん下がってから再び上がり、発疹が出るという経過をとります。発症の1日前から、熱が下がって3日経つまでは人にうつします。ご家族やまわりに、麻疹にかかったことがなく予防接種も受けていない方がいたら、接触から72時間以内なら予防接種で、6日以内なら注射で発症を防げる可能性があるので、すぐに教えてください。登園・登校は、熱が下がってから3日経つまで休みます。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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