1-27 麻疹(はしか)

緊急

1-27麻疹(はしか)

病態・根拠
このページの目次9項目

1病態と症状の時間軸

麻疹は空気感染を起こすウイルス感染症で、発疹が出る前の発熱・咳・鼻汁・結膜充血の時期にも感染対策が必要になる。発疹だけを見ると他のウイルス性発疹症や薬疹と紛らわしいため、前駆症状、ワクチン歴、接触・渡航歴を時間軸に並べて評価する。接種歴があっても修飾された症状で発症する可能性は残る。[1][2]

2診断と院内感染を並行して考える

疑い例を通常待合で診察順に待たせない。受診前連絡があれば入室動線を調整し、診察した後に疑った場合も直ちに接触者と滞在区域を確認する。手洗いやサージカルマスクのみで十分な予防になる病気ではない。院内の空気感染予防策と職員の免疫確認を感染対策担当と進める。[1][2]

発熱・発疹の形だけで臨床確定しない。検体採取の時期で結果が変わるため、PCR等の検体と血清学的検査を保健所と相談する。早期のIgM陰性だけで否定したり、検査結果が出るまで感染対策と保健所への相談を保留したりしない。届出の実務は現行の国内基準に従う。[1][2]

3重症度と治療の目的

特異的な抗ウイルス治療を標準として処方する疾患ではなく、水分・栄養と呼吸を支え、肺炎、脳炎、二次感染を評価する。咳や発疹の強さより、低酸素、呼吸仕事量、意識・けいれん、摂取と尿量で入院・搬送を決める。合併症の治療や感染管理の体制が当院で不足すれば、受入先に疑いを事前に伝えて調整する。[1]

4接触者と退院後の確認

曝露後の対応は接触時期、免疫、妊娠や免疫不全の有無で異なる。ワクチンや免疫グロブリンの適否は時間的制約があるため、接触者一覧を早期に感染対策・保健所へつなぐ。本人の回復だけでなく登校・登園の再開条件と、家族・医療者の追加発症への連絡先を確認する。[1][2]

5出典・適用範囲

国内の公的資料を使用。現行届出・就学上の扱いは保健所・学校医と確認する。海外の高用量ビタミンAレジメンや曝露後投与量は本詳細には追加していない。 確認日:2026-10-23。

6臨床医が迷う場面

7発疹が出てからIgM陰性だった。隔離を解除してよい?

発疹出現早期はIgMが陰性となり得る。発症日、接触・渡航歴、ワクチン歴を確認し、保健所と検体の種類・再検を相談する。疑いが強い段階では単回陰性だけで一般待合へ戻さず、空気感染への対応を続ける。臨床診断時の届出も遅らせない。

出典:JIHS 麻疹詳細版 / 厚生労働省 麻しんについて

8同居家族が曝露した。症状が出るまで待つ?

接触時刻、接種・罹患歴、年齢、妊娠・免疫不全をすぐ確認する。曝露後予防には時間制限があり、ワクチンや免疫グロブリンの適否を保健所・専門医と急いで判断する。免疫不全者などへ生ワクチンを安易に選ばず、来院方法も事前調整する。

出典:JIHS 麻疹詳細版 / 厚生労働省 麻しんについて

9治療薬がないなら、解熱だけして自宅でよい?

脱水、呼吸状態、肺炎、意識変化やけいれんを評価する。重症化リスクや家庭での管理可能性に応じて入院を判断する。受診・搬送時も空気感染対策を事前連絡し、処置や病床調整を優先する。熱の推移だけで合併症がないと判断しない。

出典:JIHS 麻疹詳細版 / 厚生労働省 麻しんについて

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