10-10自傷・自殺念慮の安全評価
じしょう・希死念慮・自殺予防・安全計画
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 身体損傷の緊急性を確認すると同時に、本人の言葉で現在の念慮、過去の行動、苦痛、支援者、家庭・学校の安全を聴く。[1][2]
- 現在の自殺念慮、切迫した危険、見守りを確保できない:一人にせず安全な診療環境を確保し、緊急精神評価につなぐ。[2]
- 本人と安全計画を作り、悪化のサイン、助けを求める人・場所・連絡方法、危険物へのアクセス管理を具体化する。単なる「もうしない約束」では代替できない。[2]
2鑑別のながれ
- 自傷がある→意図・苦痛と現在の念慮を直接確認→意図を外見で決めず身体と精神の両面評価。[1]
- 「消えたい」などの訴え→切迫性、支援、家庭安全→保護と当日専門評価の必要性を検討。[1][2]
3検査
- 可能な範囲で本人と個別に面接し、現在の具体的計画・実行意図・実行時期・手段へのアクセス・過去の企図を直接確認する。切迫危険時は一人にしない。保護者情報も得るが、虐待や家庭の危険があれば保護者を唯一の安全資源としない。[1][2]
4対応の注意
避けること・注意:尺度や低/中/高の分類だけで帰宅を決めない。身体治療終了だけで対応を終えない。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 本人と安全計画を作り、悪化のサイン、助けを求める人・場所・連絡方法、危険物へのアクセス管理を具体化する。単なる「もうしない約束」では代替できない。[2]
フォローと再評価
- 帰宅前に初期フォローの実施責任者と再接触期限を決める。安全懸念が続く場合は48時間以内の初期アフターケアを手配し、悪化時はその期限を待たず即時再評価する。[1][2]
根拠と適用範囲
- NICE NG225 Self-harm:小児から成人の心理社会的評価、リスク尺度の限界、入退院・アフターケア。直接HTTP本文確認。
- NIMH Youth Outpatient Brief Suicide Safety Assessment:米国10~24歳・ASQ陽性後の訓練済み医療者用。国内法制度や米国相談番号は転用しない。
6帰宅・入院の目安
- 帰宅心理社会的評価後、安全な環境、支援者、記載したケア計画、確実な早期フォローが整う場合に個別判断。[1][2]
- 入院切迫危険、保護の懸念、十分な評価ができない状態は安全な場で継続評価する。[1][2]
- 搬送・紹介小児に習熟した精神保健担当へ当日相談し、帰宅時も次の受診先を明確にする。[1]
7診療中の疑問と回答
- 『もうしない』と約束したら帰宅を決めてよい?
- 約束だけでは安全を保証できない。現在の念慮、過去の行動、苦痛、支援者と見守り、危険物へのアクセスを確認する。本人と具体的な安全計画を作り、危険が切迫する、帰宅先で安全を保てない場合は一人にせず当日の専門評価につなぐ。
根拠:NIMH 若者の外来自殺安全評価(海外) / NICE NG225 自傷(海外) - 自傷の傷が軽いので心理評価は後日にしてよい?
- 身体損傷の程度と自殺の危険性は一致しない。身体治療と並行して本人の言葉で背景と現在の安全を確認する。保護者の前では話せないことにも配慮し、秘密保持の範囲と安全上共有が必要な情報を説明する。軽傷を理由に評価を省略しない。
根拠:NIMH 若者の外来自殺安全評価(海外) / NICE NG225 自傷(海外) - 評価尺度が低リスクなら、通常予約だけでよい?
- 尺度だけで帰宅や紹介を決めない。臨床状況と本人・家族の支援可能性を評価し、悪化時の連絡先、再診時期、誰が見守るかを具体化する。危険の増大や支援者不在があれば予定を早める。必要なフォローへの接続を確認してから対応を終える。
根拠:NIMH 若者の外来自殺安全評価(海外) / NICE NG225 自傷(海外)
8家族への説明
話してくれたことを受け止め、責めずに安全を一緒に考える。本人の「大丈夫」という回答だけで安全を保証しない。[2]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。