4-4チアノーゼ・動脈管依存性心疾患を疑うとき
ちあのーぜ・どうみゃくかんいぞん・先天性心疾患
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 呼吸努力、灌流、四肢の脈、心音・雑音、肝腫大、出生・発症時期を確認する。[1][2]
- 新生児の中心性チアノーゼ、弱い脈、代謝性アシドーシス・ショック:蘇生評価を行い、循環器・NICU・搬送チームへ直ちに連絡する。[1][2]
- 呼吸循環を安定化し、動脈管依存性心疾患を疑えばPGE1開始の必要性を循環器・NICUと直ちに判断する。必要な治療をエコー・搬送待ちで遅らせない。施設手順・専門指示下で開始し、無呼吸・低血圧を監視して気道確保・呼吸補助を準備する。[1][2]
2鑑別のながれ
- 中心性チアノーゼ→努力呼吸が強い、肺所見を伴う→肺疾患や感染を評価するが心疾患の併存を除外しない。[1][2]
- 顔色不良・哺乳不良→脈が弱い、灌流不良、アシドーシス→動脈管依存性体循環病変も疑い直ちに専門連絡する。[1]
3検査
- 前後動脈管のSpO2、血液ガス・血糖、胸部画像・心電図を検討し、確定診断は心エコーで行う。[1]
- 肺疾患と心疾患が混在しうるため、一つの検査や見た目だけで原因を確定しない。[1]
4対応の注意
避けること・注意:診断確定の検査が自施設にないために専門連絡を遅らせない。[1][2] 高濃度酸素・大量輸液を病態評価なしに反復しない。酸素による肺血管拡張が体循環を悪化させる病変がある。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 呼吸循環を安定化し、動脈管依存性心疾患を疑えばPGE1開始の必要性を循環器・NICUと直ちに判断する。必要な治療をエコー・搬送待ちで遅らせない。施設手順・専門指示下で開始し、無呼吸・低血圧を監視して気道確保・呼吸補助を準備する。[1][2]
- 酸素投与と換気は病態依存。単一のSpO2目標をすべてのCHDへ適用しない。[1]
フォローと再評価
- 確定後の酸素目標・急変時連絡・生活管理は心病変ごとの専門計画を共有する。[1]
根拠と適用範囲
- CAHS NETS WA Congenital heart disease:新生児搬送時のCHD評価と専門相談。薬量は採用しない。
- RCH Recognition of the seriously unwell neonate and young infant:重症新生児の心疾患・感染・代謝・外科疾患の鑑別。
- 日本小児科学会 小児科医の到達目標 第8版:領域15に先天性心疾患・不整脈・心筋症・心不全。一般小児科の対象範囲。
6帰宅・入院の目安
- 入院チアノーゼ・循環不良が持続する新生児は監視・治療可能な専門入院環境で評価する。[1][2]
- 搬送・紹介NICU・小児循環器と新生児搬送サービスへ緊急連絡する。[1][2]
7診療中の疑問と回答
- 酸素を投与してもチアノーゼが残る。流量を上げて様子を見る?
- 波形と測定位置を確認し、呼吸努力、末梢灌流、上下肢の脈、出生後の経過から心疾患を再評価する。酸素化の改善だけを目標に高濃度酸素を重ねず、動脈管依存性循環を疑えば直ちに循環器・NICUへ相談する。敗血症や肺疾患も同時に検討する。
根拠:RCH 重症新生児の認識(海外指針) / CAHS 新生児先天性心疾患・搬送指針(海外) - 心雑音がない新生児ショックでも、心疾患は考える?
- 重症先天性心疾患でも明瞭な雑音がないことがある。哺乳不良、頻呼吸、肝腫大、弱い大腿動脈、代謝性アシドーシスなどを確認する。出生時に元気だった経過も除外根拠にならない。感染評価と並行して緊急心エコー・PGE1の必要性を専門医と判断する。
根拠:RCH 重症新生児の認識(海外指針) / CAHS 新生児先天性心疾患・搬送指針(海外) - PGE1を始めれば、そのまま通常搬送でよい?
- 開始後は無呼吸や低血圧を想定し、換気補助と持続監視ができる体制を整える。薬量と開始時刻、循環・酸素化の変化を搬送先へ共有する。診断確定や効果判定まで搬送相談を待たず、必要な治療を維持してNICU・小児循環器へ引き継ぐ。
根拠:RCH 重症新生児の認識(海外指針) / CAHS 新生児先天性心疾患・搬送指針(海外)
8家族への説明
顔色の変化は肺だけでなく血液の流れに原因があることもあり、心エコーと専門治療が必要なことを伝える。[1]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。