7-6 耳・鼻の異物

緊急

7-6耳・鼻の異物

病態・根拠
このページの目次7項目

1病態と診察で分けること

耳・鼻の異物は、材質と位置で緊急度が変わる。ボタン電池は局所にアルカリを生じ、見た目の大きさ以上に粘膜や鼓膜周囲を傷害する。鼻中隔を挟む磁石は圧迫壊死を起こすため、無症状でも翌日まで待つ対象にしない。[1][2]

片側だけの悪臭を伴う膿性鼻漏や反復する鼻出血では、目撃がなくても鼻腔異物を考える。耳では、丸く滑る物、鼓膜に接する物、出血で見えない物ほど操作による押し込みと鼓膜損傷が問題になる。反対側の耳・鼻にも異物がないか、見える範囲で確認する。[1][2]

2検査と処置の意味

通常の異物を一律に撮影する必要はないが、電池が疑われるのに見えない場合は画像による位置確認が必要になる。材質不明を「普通のビーズ」と決めつけない。電池、鋭利物、深部異物、強い痛みや出血は、耳鼻科に直結できる施設へ連絡する。[1][2]

最初の摘出機会が最も成功しやすく、反復する試行は腫脹・出血を増やして次の処置を難しくする。海外資料には器具による摘出法も載るが、それは技能と設備のある場での手技である。当院では本文の家庭的な方法を一度に限る運用を守り、失敗後に別の器具へ替えて続行しない。[1][2](当院運用)

電池、膨らむ有機物、鼓膜穿孔やチューブ留置の可能性がある耳には洗浄を行わない。摘出後も電池による傷害は進み得るため、取れたことだけで終了とせず耳鼻科で損傷を確認する。家族には、出血・耳漏・聴こえの低下・めまい・顔の動きの左右差を再受診の目安として伝える。[1][2]

3出典

  1. 海外・Children’s Health Queensland:Foreign body in the ear(本文確認:2026-10-23)
  2. 海外・Children’s Health Queensland:Foreign body in the nose(本文確認:2026-10-23)

海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。

4臨床医が迷う場面

5見えている鼻の異物なら何回か摘出を試してよい?

最初の試行が最も成功しやすい。材質、深さ、出血と協力の可否を確認し、当院の一回のみという方針を守る。失敗、奥への移動、出血があれば反復せず耳鼻科へ。強い咳や呼吸症状が出たら気道に落ちた可能性を優先する。

根拠:Queensland 小児鼻腔異物救急指針

6ボタン電池や磁石でも翌日の耳鼻科でよい?

鼻・耳のボタン電池は時間とともに組織障害が進むため直ちに摘出可能な施設へ相談する。左右の鼻にある磁石や複数個の磁石は鼻中隔を挟む危険がある。通常の異物と同じ待機紹介にせず、追加の家庭処置を勧めない。

根拠:Queensland 小児鼻腔異物救急指針

7鼻から取れた後は確認せず帰してよい?

異物が全部取れたか、粘膜損傷・出血と残存物を確認する。悪臭鼻汁や片側の鼻閉が続けば残存や別の病変を考える。電池や磁石では取り出せても組織損傷の追跡が必要で、耳鼻科の再診計画を共有する。

根拠:Queensland 小児鼻腔異物救急指針

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