4-6意識障害・反応が悪い
このページの目次10項目
1鑑別の考え方:意識を戻す前に、脳への二次的な障害を防ぐ
意識障害は診断名ではなく、低血糖、低酸素、循環不全、感染、外傷、中毒、発作などの結果として現れる。気道と換気、灌流、血糖を同時に評価し、修正できる原因に対処する。普段の発達や障害によって反応の基準が異なるため、家族の「いつもと違う」という観察を重視する。AVPUや年齢に合うGCSを用い、単回値より変化を記録する。[1]
2発作後か、発作が続いているか
目立つけいれんが止まっても、非けいれん性の発作が続く場合がある。発作の持続、投薬時刻、呼吸への影響、回復の推移を確認する。薬剤による鎮静や通常の発作後状態も候補だが、それだけと決める前に低血糖・呼吸循環障害・持続発作を評価する。非けいれん性重積の確定には脳波が重要で、神経専門診療へつなぐ。[2]
3検査で分かることを区別する
迅速血糖は直ちに修正できる代謝原因を調べる。電解質・血液ガス・肝腎機能等は病態に合わせ、外傷、感染、中毒の情報を並行して集める。血液検査が正常でも頭蓋内出血や脳炎は否定できない。頭痛・嘔吐、局在所見、瞳孔や姿勢の異常は頭蓋内病変の評価につながる。頭蓋内圧亢進や全身不安定が疑われる状況では、腰椎穿刺を先行しない。[1]
4当院では、安定化と搬送相談を並行する
5一度反応が良くなった後も、原因と再発を確認する
6出典と適用範囲
- [1] RCH Altered conscious state。原因横断の初期評価、家族の観察、検査と転帰。
- [2] 日本小児神経学会 小児けいれん重積治療GL2023 第1巻。けいれん重積と非けいれん性発作の評価・治療の根拠。
意識障害の原因ごとの薬剤量、画像前後の処置は該当する院内手順と専門医判断で確認する。
7臨床医が迷う場面
8低血糖を補正したのに覚醒しない。ブドウ糖を重ねる?
まず血糖を再測定し、補正されたかを確認する。正常化しても反応不良なら、低酸素・ショック、中毒、頭蓋内病変、非けいれん性重積などを並行評価する。血糖だけに原因を固定せず、気道が危うい場合はその場で応援と搬送調整を始める。
9眠剤の誤飲らしいので、眠りから覚めるまで待てる?
薬の種類・時刻・残量を確認するが、推定量だけで安全としない。呼吸数・換気、酸素化、循環、血糖、意識の推移を監視する。原因不明の意識低下を単なる眠気とせず中毒情報と相談する。家庭で吐かせず、気道保護が難しければ集中治療可能な施設へつなぐ。
10熱があり意識が悪い。髄液検査を先に済ませる?
初期安定化を優先する。瞳孔不同、異常肢位、局在神経所見、呼吸循環不安定などでは腰椎穿刺を急がない。中枢神経感染症を疑う場合も、検査の完了を待って抗菌薬や専門連絡を遅らせず、検査可能な上位施設と安全な順序を相談する。
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。