4-24 熱性けいれん

緊急

4-24熱性けいれん

発熱に伴うけいれん・意識障害
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

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このページの目次11項目

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1ポイント

判断の流れ

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発熱に伴うけいれんで発作持続、意識回復、複雑型や髄膜炎を疑う所見を確認する判断図
持続中はABC・血糖・時刻を確認し、5分に達したら停止処置。停止後も回復不良、焦点性、反復、髄膜炎を疑う所見があれば単純型として帰宅判断しない。日本小児神経学会・熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023を参照。
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2鑑別のながれ

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3病型

単純型(軽症)全身性・15分以内に自然頓挫・24時間に1回経過観察。ルーチンの画像・髄液検査は不要
複雑型(中等症)焦点性所見/15分以上持続/24時間以内に複数回精査対象(当院当直帯は画像不可。確かめずに上位施設と相談)
重積状態(重症)5分以上持続治療介入(頓挫)を考慮→けいれん重積の初期治療へ
重積・遷延(最重症)30分以上持続、または意識が戻らないまま反復長期後遺症のリスクに注意→けいれん重積の初期治療へ
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4計算・スコア

計算

アセトアミノフェン頓用量

kg
いつ使う

発熱・疼痛のつらさ緩和目的の頓用。解熱剤は「つらさ緩和」であり治癒判定ではない(本シート正本の記載)。熱の数字を下げること自体は目的にしない。

落とし穴
  • 1回上限と1日上限は別々に効く。体重26kg以上では、1回量の上限を4〜6時間ごとに4回打つと1日上限(1,500mg)を超える。上の「1日の回数」はその逆算で、数字が4未満なら間隔を空けるか1回量を下げる
  • 1回500mg・1日1,500mgの上限を超えない(体重約33kg以上では体重換算より1回上限が先に当たる)
  • ここに出るのは体重換算の「考え方」。個別の処方値は診察で決定し、基礎疾患・併用薬を確認する
次の一手

解熱の有無にかかわらず、水分・反応・呼吸の観察を続ける。受診判断は本シート上部のレッドフラグ表へ。

出典

カロナール(アセトアミノフェン)添付文書(PMDA): 1回10〜15mg/kg・4〜6時間以上あけて投与・1日総量60mg/kgを限度(1回500mg・1日1,500mgを超えない) 添付文書(正本で照合済み・2026-08-14リンク更新)

判定

熱性けいれん 病型・重積の判定

定義(GL2023・すべて満たすことが前提)

発作の持続時間

そのほかの所見

—

  • —

乳児・低年齢児では髄膜刺激徴候が乏しくても細菌性髄膜炎は除外できない。全身状態(活気・哺乳・機嫌・意識の質)を優先する。5分以上の発作、特にベンゾジアゼピン反応不良例では血糖測定を必須とする。

いつ使う

発熱+けいれん様エピソードの受診時。病型の判定が、脳波・画像などの検査適応と紹介の判断に効く。判定の前にレッドフラグ(髄膜刺激徴候・意識回復不良・Todd麻痺・繰り返す嘔吐・点状出血/紫斑)を外す(本シート§1)。

落とし穴
  • 定義のいずれかを外れるものは「熱性けいれん」ではない — 生後6か月未満の初発は髄膜炎・代謝異常・てんかんの除外診断を優先する
  • 複雑型で脳波を考慮する場合は発作後7日以降が望ましい(直後は非特異的異常が出やすく予測精度が落ちる・CQ3-3)
  • 髄膜刺激徴候の陰性を除外根拠にしない
次の一手

単純型で全身状態が良ければ検査は原則不要、帰宅指導へ(本シート§3・§6)。複雑型・重積、または定義から外れる場合は検査・紹介の適応を検討する。

出典

日本小児神経学会「熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023」(定義・病型分類・CQ1-1〜1-3・CQ3-3)。URLは本シート詳細リファレンス参照。

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5検査

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6処置・処方例

Rp. 1ジアゼパム坐剤(例:ダイアップ坐剤) 0.4〜0.5mg/kg/回(1回最大10mg)。1日総量は1mg/kgを超えない 坐剤(発熱時の予防投与・家庭常備)
適応は次のどちらか:①15分以上の遷延性発作の既往、②次の6項目(焦点発作/24時間以内の反復発作・熱性けいれん前からの神経学的異常/発達遅滞・熱性けいれん/てんかんの家族歴・初回発作が生後12か月未満・発熱後1時間未満での発作・発作時体温38℃未満)のうち2つ以上を満たす熱性けいれんが2回以上ある場合。単純型へのルーチン投与はしない
  1. 発熱(目安37.5℃前後)に気づいた時点で1回目を挿肛:—〜—
  2. 38℃以上の発熱が8時間後も続く場合に限り、同量を2回目として追加して終了
  3. 1日総量は1mg/kgを超えない(添付文書上の日量上限)
避けること・注意:単純型に対するルーチンのジアゼパム坐剤予防投与、解熱薬をけいれん再発の予防目的で投与すること、ブコラムを熱性けいれんというだけの理由で処方すること。
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7帰宅・入院の目安

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8診療中の疑問と回答

短い単純型を1回起こした児に、次の発熱に備えてジアゼパムを出す?
初回の短い単純型だけを理由に一律処方はしない。発作の長さ・焦点性・反復、発達歴などから本文の予防適応を確認する。適応がある場合も、再発を減らす利益と眠気・ふらつき、呼吸抑制や感染性の意識障害を見分けにくくする不利益を説明し、家庭での観察・救急要請の手順を一緒に決める。
根拠:熱性けいれん診療ガイドライン2023:ジアゼパム坐剤
解熱薬を定時に使えば予防薬の代わりになる?
ならない。別の発熱機会での熱性けいれん再発を、解熱薬で防げる根拠はない。苦痛を和らげ飲水しやすくする目的で使う。同じ発熱中の反復についての研究結果と、次の発熱時の再発予防は分けて説明する。熱が再上昇すること自体を恐れ、解熱薬を過量・頻回に使わせない。
根拠:熱性けいれん診療ガイドライン2023:解熱薬
予防坐剤を使ったのに発作が起きたら、追加して待ってよい?
発作の持続時間、呼吸と反応を先に確認する。5分以上持続する、反復して意識が戻らない、呼吸が悪い場合は救急要請・重積対応へ進む。予防坐剤は速やかな発作停止を保証しない。前回の薬名・量・時刻を搬送先に伝え、家庭で予定外の追加を重ねない。
根拠:熱性けいれん診療ガイドライン2023:初期対応 / 熱性けいれん診療ガイドライン2023:ジアゼパム坐剤
解熱後も眠い児を、坐剤の副作用として帰してよい?
薬の眠気だけで説明せず、呼びかけへの反応、呼吸、左右差、発熱源を再評価する。意識が改善しない・悪化する、反復発作や髄膜刺激所見がある場合は中枢神経感染症・急性脳症を考える。当院の当直帯に画像が撮れなくても、必要な上位施設への相談を遅らせない。
根拠:熱性けいれん診療ガイドライン2023:初期対応 / 熱性けいれん診療ガイドライン2023:ジアゼパム坐剤
予防坐剤を何歳まで続ける?再処方時に何を確認する?
発作がなくても自動更新せず、最終発作日・発作型・現在の年齢・副作用を確認する。ガイドラインは最終発作から1〜2年、または4〜5歳までを見直しの目安としているが、明確な期間の根拠はない。無熱性発作、年長期の反復、発達の退行があれば、予防処方の延長より診断再評価・小児神経紹介を優先する。
根拠:熱性けいれん診療ガイドライン2023:ジアゼパム坐剤
軽症の単純型にもジアゼパム坐剤の予防投与を使う?
使わない。単純型へのルーチンの予防投与はガイドライン上推奨されない。
予防接種はしていい?
できる。熱性けいれんの既往があっても、十分な説明のうえですべての予防接種を接種してよい。
解熱薬でけいれんの再発は防げる?
防げない。解熱薬をけいれん再発の予防目的で使う医学的根拠はない。発熱の苦痛緩和目的の使用は問題ない。
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10家族への説明

あわてず横向きにして、時計で時間を測ってください。口の中には何も入れないでください。5分以上続く、または終わっても反応が戻らないときは119番です。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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