11-10 紫斑・出血斑(ITPとIgA血管炎)

緊急

11-10紫斑・出血斑(ITPとIgA血管炎)

血小板減少・触知可能紫斑・出血症状
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次10項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3ITP修正Buchanan出血重症度分類

Grade0〜2皮膚出血のみ無治療経過観察
Grade3L/3H粘膜出血あり治療介入が必要
Grade4重い粘膜出血・内出血緊急の治療介入。持てない(IVIGを開始しつつ搬送)
Grade5頭蓋内・致死的出血緊急の治療介入。持てない
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4検査

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5処置・処方例

Rp. 1プレドニゾロン 2mg/kg/日を5〜7日間。血小板数が3〜5万/μL以上になったら速やかに減量し、最長14日までとする 内服
粘膜出血のある新規診断ITP(Grade3以上)。小児血液専門医に相談のうえ開始する
  1. プレドニゾロン散「タケダ」1%(10mg/g)で1日 —(2mg/kg/日)を分2〜3、5〜7日間
Rp. 2免疫グロブリン(IVIG・ITP) Grade3以上は血小板数にかかわらず国内承認用量0.2〜0.4g/kg/日を5日間まで(ガイドライン推奨量は用いない) 静注
Grade3(粘膜出血。非致死的)は小児血液専門医に相談のうえ開始する。Grade4〜5(生命を脅かす重大出血)は相談を待たず直ちに開始しつつ搬送する。ほかに重症感染症・糖尿病合併・水痘接触歴などステロイド禁忌時、緊急の外科手術前も対象
  1. Grade3(粘膜出血):小児血液専門医に相談のうえ、血小板数にかかわらず国内承認用量で開始する:1日 —〜—(0.2〜0.4g/kg/日)を5日間まで点滴静注
  2. Grade4〜5(生命を脅かす重大出血:頭蓋内出血・消化管出血等):専門医への相談を待たず、血小板数にかかわらず直ちに開始する(用量は上と同じ)。開始しつつ搬送する
  3. 製剤(ヒト免疫グロブリン製剤)の濃度・希釈方法・投与速度は添付文書に従い、当院採用品で確認する
  4. 副腎皮質ステロイド療法の併用も検討する
  5. 血小板1万/μL未満で出血コントロールが困難なら血小板輸血を追加で検討する
  6. 投与中・投与後はアナフィラキシー、無菌性髄膜炎(頭痛・嘔気嘔吐)、発熱、発疹、溶血、血栓症、腎障害に注意する
Rp. 3免疫グロブリン(IVIG・IgA血管炎/院内方針) IgA血管炎で入院時、開始量1.0 g/kg。 点滴静注
当院の入院時方針。全例への一般的推奨と区別し、製剤の承認適応と個別指示を確認する。
  1. 開始時の量:—(1.0 g/kg)。投与回数・反復・速度はこの量から自動設定しない。
  2. 入院3日目・7日目ごろに血液検査を行う。悪化時は予定採血日まで待たず再評価する。
  3. 採用品の添付文書と個別指示を確認し、投与中・投与後の症状や腎機能などを観察する。
セカンドライン薬(エルトロンボパグ・ロミプロスチム・リツキシマブ)はわが国では小児での用法・用量が承認されておらず、当院では扱わない。慢性・難治例は専門施設へ紹介する。 避けること・注意:血小板数だけでITPの治療要否を決めること(重症度と生活の質で決める)、当直帯に末梢血液像を見ずにITPと決めつけて帰宅させること、IgA血管炎で消化器症状が先行する例を紫斑が出るまで見逃すこと。
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6IgA血管炎:当院の入院時方針

院内方針院内(2026-10-28確認)。IgA血管炎で当院に入院した場合の運用であり、一般的な全例への第一選択を示すものではない。

入院時:IVIGで治療開始

入院3日目ごろ:採血・経過評価

入院7日目ごろ:再採血・以後の計画

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7帰宅・入院の目安

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8診療中の疑問と回答

血小板がとても低い。無症状でも必ずIVIGを使う?
数値だけで治療せず、口腔・鼻・消化管などの粘膜出血と生活上のリスクを評価する。典型的ITPの皮膚出血のみなら、専門科の追跡と安全指導を確保して経過観察できる。頭痛、嘔吐、神経症状や重篤出血は直ちに入院・救急対応する。
根拠:RCH Immune thrombocytopenic purpura
ITPと思ったが貧血や白血球異常もある。ステロイドを始める?
典型的ITPは孤立性血小板減少で、血液像を含め他の異常がないことを確認する。他系統の異常、骨痛、肝脾腫、リンパ節腫脹があれば白血病等を除外する。診断前に安易にステロイドを開始せず血液専門医と検査を相談する。
根拠:RCH Immune thrombocytopenic purpura
血小板数が改善したらすぐ通常生活に戻す?
出血症状、数値の推移と活動の外傷リスクを合わせて決める。頭部打撲時の対応と新たな粘膜出血の連絡先を確認する。鎮痛薬は血小板機能を妨げる薬を避ける方針を共有し、再検日とスポーツの再開条件を専門科と決める。
根拠:RCH Immune thrombocytopenic purpura
ITPは血小板の数で治療を決める?
決めない。重症度(修正Buchanan分類)と生活の質で決める。粘膜出血のない皮膚出血だけなら血小板数にかかわらず無治療経過観察が原則。
Grade2とGrade3の境目は?
口の中の粘膜出血の有無。口腔内・鼻腔・皮膚を全身くまなく見る。
IgA血管炎はいつまで尿を追う?
紫斑が消えても検尿・血圧を追う。既存の6か月計画を最初の節目とし、国内2026年資料の6〜12か月の定期検尿を踏まえて継続期間を決める。尿異常・再燃や高血圧があれば6か月で終了しない。腎専門科と連携し、次回の検査日と担当先を明確にする。
ぶつかるスポーツはいつまで止める?
血小板数と各スポーツの接触リスクから参加を決める。明確なデータはないため、頭を打たないことを優先する。
IgA血管炎で入院した場合の当院の治療と採血は?
IVIG 1.0 g/kgで治療を開始し、入院3日目・7日目ごろに血液検査を行う院内方針院内。採血項目や追加投与は個別に指示する。症状が悪化すれば予定日を待たず評価し、退院後も検尿・血圧を追う。
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10家族への説明

ITPの場合:血を止める血小板という細胞だけが、免疫のはたらきで減っている状態です。子どもでは6か月から1年のうちに自然に治る方が多く、長引くのは4人に1人くらいです。大事なのは血小板の数そのものより、どこから出血しているかです。皮膚のあざや点だけで、口の中や鼻・おしっこ・便に出血がなければ、お薬を使わずに様子を見るのが原則です。頭を打たないことがいちばん大事なので、ぶつかるスポーツはいったん止めてください。強い頭痛、吐く、ぼんやりする、5分以上止まらない鼻血、血尿、血便、このどれかがあればすぐ来てください。 IgA血管炎の場合:足を中心に出る、押しても消えない盛り上がった紫色の斑点で、血管の炎症によるものです。血液が止まりにくくなっているわけではありません。関節の痛みは3人に2人、お腹の痛みは2人に1人くらいに出ます。紫斑そのものはたいてい1か月以内に良くなります。いちばん大事なのは、あとから腎臓に炎症が出ることがある(およそ2人に1人)ことです。紫斑が消えても、決まった時期におしっこの検査に来てください。強いお腹の痛み、吐く、便に血が混じる、おしっこが赤い、まぶたが腫れる、このどれかがあれば時間を待たずに来てください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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