1-18生後3か月未満の発熱(Well-Appearing Febrile Infant)
38.0℃以上・見た目良好でも精査前提
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
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このページの目次10項目
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1ポイント
- 生後3か月未満(0〜89日)の38.0℃以上は、機嫌がよくても精査前提。低体温(いつもよりはっきり低い/36.0℃未満)も感染症のサインになりうる。
- ill-appearingは年齢を問わず低リスクアルゴリズムの対象外。ABCの安定化、可能な検体採取、経験的治療、入院・搬送相談を並行する。
- 点状出血・紫斑、大泉門膨隆、けいれん・意識異常は緊急評価。LPは新規巣症状・瞳孔異常・重度/進行する意識低下で保留し、治療と相談を遅らせない。
- 当院は院内生後8-28日に血液・尿・髄液の評価と入院、生後29-60日に原則入院を採用。LPの安全条件を優先する。0-7日・61-89日の具体的院内方針院内は未確定で上級医へ相談。
- 当院は院内夜間に髄液細胞数・糖・蛋白・グラム染色を測定可。ただし培養は夜間提出不可で保管条件は未確認。ANC・PCT・尿沈渣/定量も使えず、検証済み低リスクルールを完全には適用できない。
AAPの8〜60日アルゴリズムは38℃以上の発熱がある正期産で全身状態の良い児が対象。免疫不全・明らかな局所感染巣等の除外条件も確認する。低体温、7日以前・61〜89日、具合の悪い児には機械的に適用しない。当院は22〜28日もフルワークアップと入院。AAP・Evaluation and Management of Well-Appearing Febrile Infants 8 to 60 Days Oldを参照。
↑ このページの入口へ2年齢区分
| 生後0-7日 | 当院方針未確定 | AAP 2021の適用範囲外(より厳格な新生児プロトコルの対象)。上級医に相談 |
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| 生後8-21日 | 全例評価・入院 | 血液・尿・髄液を評価。LPは安全に実施可能な場合。安定化・経験的抗菌薬・入院を待たない |
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| 生後22-28日 | 当院は髄液を含む評価・入院(院内方針) | LP禁忌時は保留し、安定化・治療・相談を先行する |
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| 生後29-60日 | 外来管理の余地はあるが、当院は原則入院(院内方針) | 尿検査・血液培養・炎症マーカー。マーカー陽性は髄液検査を追加 |
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| 生後61-89日 | 当院方針未確定 | AAP 2021の適用範囲外。上級医に相談 |
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↑ このページの入口へ3計算・スコア
判定
発熱乳児 3か月未満の初期評価
日
この年齢帯は典型的な感染徴候に乏しいまま重症化しうる。全身状態が良く見えても年齢帯の方針を優先する。60日を超える場合はこの表の対象外で、通常の発熱児のトリアージへ。
いつ使う
生後3か月未満(8〜60日)の発熱。日齢で必須検査と腰椎穿刺の扱いが変わる。生後8日未満は本表の対象外で、新生児早期として別に評価する。
落とし穴
- 生後8-21日は例外なくフルワークアップ。炎症マーカーが陰性でも省略の余地はない
- 22-28日はマーカーで分岐するが、陰性でもLPは任意=臨床判断であって「不要」ではない
- 29-60日は外来管理の余地が最も大きいが、shared decision makingが前提
出典
本シート「発熱乳児 3か月未満 初期評価プロトコル」§2の年齢帯表。
↑ このページの入口へ4検査
- 採尿はカテーテル導尿または膀胱穿刺。バッグ採尿は使わない(汚染率が高く偽陽性の原因)
- 生後0-7日:当院方針未確定(AAP 2021の適用範囲外・より厳格な新生児プロトコルの対象)。上級医に相談
- 生後8-21日:血液培養・尿検査(培養含む)・安全に実施できる場合の髄液検査(細胞数・グラム染色・糖・蛋白)。結果を待たずに治療へ
- 生後22-28日:尿検査・血液培養・炎症マーカーを全例。当院は院内安全に実施できる場合に腰椎穿刺も行う(院内方針院内)
- 生後29-60日:尿検査・血液培養・炎症マーカーを全例。マーカー陽性なら髄液検査
- 尿の培養は血液培養・髄液培養と同じく夜間に検査室へ提出できない(当院は院内尿は定性のみ夜間に出せる)。保管条件・翌朝提出の可否を検査室/受入先に確認
- 夜間はPCT・ANC不可。CRP・白血球数・体温・全身状態で臨床評価するが、検証済み低リスク判定の代用とはしない
- 髄液は当直帯で細胞数・糖・蛋白・グラム染色まで可。培養は夜間に検査室へ提出できないため、採取後の保管・提出条件を検査室/受入先に確認
- 生後8-21日は結果を待たずに経験的抗菌薬(アンピシリン+セフォタキシム)を開始。用量は院内新生児プロトコルに従う
- HSVリスク因子(母体HSV既往・周産期発熱、児の水疱、けいれん、無呼吸、低体温、粘膜潰瘍)があればアシクロビル追加を検討
- LPは安全に実施できる場合。新規巣症状・瞳孔異常・重度/進行する意識低下、呼吸循環不安定では保留し、安定化・抗菌薬・緊急相談を先行する。
↑ このページの入口へ5対応の注意
避けること・注意:生後8-21日児で炎症マーカー陰性のみを理由に抗菌薬・入院・髄液検査を省略すること、バッグ採尿の結果のみで細菌尿を確定・除外すること、高ビリルビン血症リスクのある児にセフトリアキソンを漫然と第一選択にすること(ビリルビン置換によるリスク)。
↑ このページの入口へ6入院の目安
- 入院生後8-21日:例外なく入院+経験的抗菌薬(結果を待たない)、生後22-28日:全例フルワークアップのうえ入院(院内方針院内)、生後29-60日:GL上は外来管理も選択肢だが、当院は院内原則入院(院内方針院内・24時間以内の再評価を確実にするため)
- 搬送・紹介生後0-7日:当院方針未確定(より厳格な新生児プロトコルの対象)。上級医に相談、ill-appearing・HSVリスク因子陽性・生後8-21日のいずれかは上位施設(NICU/小児感染症科)へ紹介・搬送を検討
↑ このページの入口へ7診療中の疑問と回答
- 受診時には解熱し機嫌もよい。精査は不要?
- 家庭で確認された発熱も評価対象とし、正確な日齢・在胎歴・測定方法・最高体温を確認する。来院時の解熱や見た目だけで侵襲性細菌感染を除外しない。当院の年齢別入院方針を適用し、判断に使う検査が出せない場合は低リスクと断定しない。
根拠:CPS 生後90日以内の発熱乳児 - ウイルス迅速陽性なら尿や血液の評価を省ける?
- ウイルス感染があっても尿路感染や菌血症を完全には除外できない。日齢と全身状態に応じた検査を先に検討し、陽性結果だけで通常の年長児発熱へ切り替えない。若い日齢、哺乳不良、低体温、循環不良では培養・治療・入院判断を急ぐ。
根拠:CPS 生後90日以内の発熱乳児 - 外来観察を選ぶ場合、検査結果待ちはどう管理する?
- 当院で外来可能と合意された例に限り、家族の理解、連絡手段、速やかな再受診、翌日の再評価と培養結果確認担当を確保する。電話で連絡がつかないリスクも事前に考える。哺乳低下、反応低下、呼吸異常、再発熱は予約時刻を待たず再受診する。
根拠:CPS 生後90日以内の発熱乳児
- 見た目が良ければ検査を減らせる?
- 生後28日未満は見た目の良さが重症除外の根拠にならない。フルワークアップが原則。
- 夜間にプロカルシトニンが出ないときはどう判断する?
- PCTだけでなくANCも夜間不可。CRPと白血球数だけでは既存の低リスクルールを再現できないため、当院の入院方針と経時的評価で判断する。
- 尿はバッグ採尿でよい?
- 使わない。カテーテル導尿か膀胱穿刺。バッグ採尿は汚染率が高く偽陽性の原因になる。
↑ このページの入口へ9家族への説明
この月齢は、機嫌がよく見えても検査が必要になることがほとんどです。熱38.0℃以上、または体温がいつもよりはっきり低いときは、様子を見続けずに連絡・受診してください。