1-24 百日咳

緊急

1-24百日咳

乳児の無呼吸発作・アジスロマイシン・入院適応
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3重症度の目安

軽症〜中等症(年長児の典型例)咳のみで呼吸障害・無呼吸なし当院で対応できる。抗菌薬・届出・出席停止・家族への予防内服の説明
中等症〜重症(入院適応)ワクチン未接種・未完了の乳児(特に生後4か月未満)/呼吸障害・チアノーゼ・無呼吸・肺炎・経口摂取不良・痙攣のいずれか入院加療が望ましい
重症(当院で持てない)無呼吸・チアノーゼ・呼吸不全、白血球著明高値・肺高血圧集中治療のできる施設へ相談・搬送する。交換輸血・ECMO等の適応は専門施設で評価する
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4検査

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5処置・処方例

Rp. 1アジスロマイシン 生後1か月未満〜5か月:10 mg/kg/日 1日1回 5日間。生後6か月以降:1日目10 mg/kg/日、2〜5日目5 mg/kg/日、1日1回 内服
第一選択(新生児も)。カタル期の投与で症状軽減と伝播予防が期待できる。痙咳期は二次感染防止目的で投与する
  1. 生後1か月未満〜5か月:アジスロマイシン小児用細粒10%(1g中100mg)で1日 —(10 mg/kg/日として換算)を1日1回、5日間内服する
  2. 生後6か月以降:1日目は1日 —(10 mg/kg/日)、2〜5日目は1日 —(5 mg/kg/日)を1日1回内服する(合計5日間)
Rp. 2クラリスロマイシン 15 mg/kg/日 分2、7日間 内服
生後1か月未満には推奨されない
  1. クラリスロマイシンDS10%小児用(1g中100mg)なら、1日 —(15 mg/kg/日として換算)を1日2回に分け、7日間内服する
Rp. 3エリスロマイシン 40 mg/kg/日 分4、14日間 内服
新生児・乳児では肥厚性幽門狭窄症(IHPS)のリスクがあるため、アジスロマイシンを優先する
  1. エリスロシンドライシロップ10%(1g中エリスロマイシン100mg)なら、1日 —(40 mg/kg/日として換算)を1日4回に分け、14日間内服する
Rp. 4ST合剤(マクロライド耐性疑い時の併用) 内服
マクロライド耐性菌(MRBP)が疑われる場合にマクロライド系薬に加えて併用を検討(正本に治療量の記載なし)。新生児・低出生体重児・妊婦には禁忌
同居家族への曝露後予防内服(すべて保険適用外):アジスロマイシン10 mg/kg/日1回/日5日間、クラリスロマイシン15 mg/kg/日2回/日7日間、エリスロマイシン40 mg/kg/日4回/日14日間、ST合剤8 mg/kg/日(TMP量)2回/日14日間(低出生体重児・新生児は禁忌)。学会は無症状でも同居人全員への曝露後早期(遅くとも7〜10日の潜伏期以内)の内服を提案しているが、当院で処方するのは生後4か月未満の乳児・妊婦等ハイリスク同居者がいる場合に限る(保険適用外である旨を説明する)。 避けること・注意:エリスロマイシンは新生児・乳児の肥厚性幽門狭窄症リスクがあるため新生児の第一選択にしない。β-ラクタム系は一般的には推奨されない。ST合剤は妊婦・低出生体重児・新生児に禁忌。
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6送る/持つ

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7診療中の疑問と回答

抗菌薬が終わっても咳が続く。別の薬へ変える?
痙咳期には除菌後も咳が残るため、咳だけで耐性や治療失敗としない。病期、投与量・服薬、菌検査、肺炎や無呼吸の有無を見直す。悪化・重症例や耐性が疑われる場合は、国内追補に沿って専門医と代替治療を相談する。乳児に成人の代替薬を流用しない。
根拠:日本小児呼吸器・感染症学会 百日咳追補2025 Ver.1.1 / CDC 百日咳の診療
乳児の咳が軽ければ、自宅で内服を始めればよい?
早期乳児では咳が目立たず無呼吸・チアノーゼで重症化することがある。月齢、接種歴、哺乳、酸素化、白血球の推移を評価する。無呼吸や呼吸障害、摂取不良は入院対象であり、重症化を疑えば検査の完成を待たず集中治療可能な施設へ相談する。
根拠:日本小児呼吸器・感染症学会 百日咳追補2025 Ver.1.1 / CDC 百日咳の診療
家族への予防内服は、ワクチン接種済みなら不要?
接種済みでも家庭内伝播は起こり得る。発端者の発症日と接触、妊婦や乳児などハイリスク同居者の有無を確認する。当院の処方範囲はハイリスク同居者がいる場合に限る既存方針とし、対象・時期・適応外使用の説明を整理する。既に症状があれば予防ではなく診療する。
根拠:日本小児呼吸器・感染症学会 百日咳追補2025 Ver.1.1 / CDC 百日咳の診療
咳がなければ百日咳は除外できる?
できない。乳児期早期はまれに咳が先行しない場合がある。無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止と進展することがある。
抗菌薬はいつでも咳を短くする?
しない。カタル期(発症1〜2週以内)の投与は症状軽減と伝播予防が期待できるが、痙咳期は咳症状の改善は期待できず、二次感染防止目的で投与する。
同居家族に予防投与は必要?
家庭内2次感染率は約50%で、学会は無症状であっても同居人全員への曝露後早期(遅くとも7〜10日の潜伏期以内)の予防内服を提案している。当院で処方するのは生後4か月未満の乳児・妊婦等ハイリスク同居者がいる場合に限る(保険適用外)。
交換輸血を考える基準は?
白血球数25,000/μL以上+リンパ球数12,000/μL以上+心原性ショック/肺高血圧症/臓器不全のいずれか、白血球数48,000/μL以上+リンパ球数15,000/μL以上、または白血球数30,000/μL以上+リンパ球数15,000/μL以上+24時間で50%以上の上昇、のいずれかで重症百日咳を疑う。ただし当直帯は自動分画も鏡検も出せずリンパ球数がその場でわからないため、この基準は当直帯の自院検査だけでは判定できない(院内方針院内)。白血球数の推移や無呼吸・チアノーゼ・肺高血圧などの臨床所見から重症を疑ったら、判定を待たず集中治療のできる施設への搬送を急ぐ。
治療を始めても咳が続くときは?
痙咳期には治療後も咳が続く。咳の持続だけで耐性と確定せず、病期・服薬・菌検査・重症化を再評価する。マスク着用等の咳エチケットも指導する。
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9家族への説明

百日咳では咳が長く続き、遅い時期の抗菌薬は咳そのものを短くする効果が限られます。処方を守り、勝手に延長や変更をしないでください。小さい赤ちゃんは咳がなくても息が止まることがあり、無呼吸・顔色不良・飲めないときはすぐ受診してください。同居家族の予防内服は、乳児や妊婦などのリスクと接触状況を確認して相談します。登園・登校は、特有の咳が消えるまで、または5日間の適正な抗菌薬治療が終わるまで休みます。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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