4-23動悸・上室頻拍を疑うとき
どうき・SVT・WPW・じょうしつひんぱく
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30
日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。
このページの目次8項目
1ポイント
- 突然始まり止まる動悸、固定的に速い脈と、発熱・痛み・脱水等に伴う変動する頻脈を区別する。[1]
- 乳児では不機嫌・哺乳不良・発汗・呼吸障害も確認する。[1]
- SVTを疑う規則的な頻拍に循環不良、低血圧、反応低下:応援要請とモニター・除細動器の準備を並行し、同期カルディオバージョンを速やかに実施する。ECG記録・搬送待ちや迷走神経刺激の反復で遅らせない。[1]
- 安定した規則的な狭QRSのSVTは心電図監視下で迷走神経刺激を行い、無効なら薬理停止へ進む。国内採用のATP等の選択・禁忌・用量は施設手順と頻拍の蘇生経路で確認する。幅広い又は不規則な頻拍、とくにWPW合併心房細動は同じ薬剤経路へ入れず専門対応とする。[1]
2鑑別のながれ
- 速い脈→発熱・痛み・脱水に伴って変動する→洞性頻脈の原因を評価する。[1]
- 速い脈→突然発症・固定的頻拍、P波が見えない/QRS後→SVTを想定しECGと安定性を確認する。[1]
3検査
- 可能なら停止前後の12誘導ECG・リズム記録を取り、QRS幅、P波、規則性を確認する。[1]
- 頻拍時の自動血圧計・SpO2値は不正確なことがある。診察と灌流を優先する。[1]
4対応の注意
避けること・注意:眼球圧迫・頸動脈洞マッサージは行わない。[1] 発熱があるからと、固定的な頻拍を洞性頻脈と決めない。[1]。
↑ このページの入口へ5初期対応と継続管理
初期対応
- 安定した規則的な狭QRSのSVTは心電図監視下で迷走神経刺激を行い、無効なら薬理停止へ進む。国内採用のATP等の選択・禁忌・用量は施設手順と頻拍の蘇生経路で確認する。幅広い又は不規則な頻拍、とくにWPW合併心房細動は同じ薬剤経路へ入れず専門対応とする。[1]
- 停止後も原因・WPW等を評価し、初発、低月齢、心不全、電気的治療例は入院を含め相談する。[1]
フォローと再評価
- 再発時の記録方法・緊急症状と循環器フォローを退院時に明確にする。[1]
根拠と適用範囲
- RCH Supraventricular Tachycardia SVT:小児SVTの認識・安定性・ECG・禁忌手技・転帰。2022更新。
- 日本小児科学会 小児科医の到達目標 第8版:領域15に先天性心疾患・不整脈・心筋症・心不全。一般小児科の対象範囲。
- JCS/JSPCCS 2025 学校心臓検診フォーカスアップデート:学校検診・不整脈と心事故の認識。薬量の根拠ではない。
6帰宅・入院の目安
- 帰宅停止して安定し、入院必要性を専門医が評価し、フォローが確保された例で外来管理を検討する。[1]
- 入院初発、低月齢、心不全、電気的治療を要した場合は入院を含め相談する。[1]
- 搬送・紹介小児循環器へ相談。既知SVTは可能なら治療担当チームと共有する。[1]
7診療中の疑問と回答
- 発熱中の頻脈とSVTはどう見分ける?
- 突然の開始・停止、ほぼ固定した心拍、心電図のP波とQRSを確認する。発熱・脱水の洞性頻脈は原因と変動を伴うことが多いが、数字だけでは決めない。乳児の哺乳不良や発汗は長く続くSVTのサインになり、モニター下で早めに評価する。
根拠:RCH Supraventricular Tachycardia - 脈はあるが顔色が悪い。迷走神経刺激を繰り返す?
- 低血圧、意識低下、ショックや心不全があれば不安定頻拍として応援と電気的治療の準備を急ぐ。迷走神経刺激は安定例に限る。幅広い・不規則な頻拍を狭QRSのSVTと同じ薬剤手順へ入れず、循環器と蘇生チームへ相談する。
根拠:RCH Supraventricular Tachycardia - 発作が止まれば帰宅してよい?
- 停止後の12誘導心電図を残し、前興奮、再発、心不全を確認する。初発、低月齢、電気的治療を要した例は入院を含め相談する。帰宅する場合も再発時の受診方法と循環器の再診を決め、薬の開始・変更は担当チームと共有する。
根拠:RCH Supraventricular Tachycardia
8家族への説明
発作の時刻、急に始まったか、脈や症状の記録が診断に役立つこと、呼吸・意識・顔色不良なら緊急対応することを伝える。[1]
一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。