5-8 黄疸・肝機能異常(新生児と年長児)

緊急

5-8黄疸・肝機能異常(新生児と年長児)

便色と直接型を評価し、胆汁うっ滞・肝不全を見逃さない
β版 · 紙面の最終確認 2026-10-30

日付は紙面の確認日です。院内承認を示すものではありません。処方・運用は、本文の適用条件と出典、院内の採用薬・手順を確認してください。

このページの目次9項目

ページ内目次

1ポイント

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2鑑別のながれ

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3計算・スコア

スコア

BIND-M:黄疸・ビリルビン脳症の所見評価

医療者が診察して記録する0〜12点の尺度。未評価を0点にしない。ビリルビン値、光線療法・交換輸血の適応を決める計算ではありません。

意識・反応
筋緊張
啼泣
眼球所見

合計 — / 12点

全項目を選択すると判定が出ます。

原著はナイジェリアの黄疸児333例における検者間一致と臨床診断との比較です。日本の一般新生児・超早産児での治療判定式ではありません。原法BIND(9点)と区別してください。鎮静、感染、低血糖等でも神経所見が変わり得ます。

出典:Radmacherら:BIND-M原著・採点表(2015) / BIND-M原著の補足採点票 / 院内採用:村田・井村基準(学会掲載図、PDF 57ページ)

判定

黄疸:ビリルビン分画の評価

生後0〜28日の医療者向け評価補助。単位はすべてmg/dL。診断の確定・除外や、光線療法の自動判定はしません。

直接型と抱合型は測定法が異なります。検査室の項目・基準を確認してください。早期の値は基準範囲と推移で読み、1.0 mg/dL未満を一律正常としません。生後2〜4週の1.0 mg/dL以上はAAP 2025の早急な専門相談の目安です。症状があれば値にかかわらず評価し、院内方針に沿って当日相談します。D/T比20%未満、便色正常、総値の低下だけでは除外しません。

AAP 2025:胆道閉鎖症の早期発見 / 院内採用:村田・井村基準(学会掲載図、PDF 57ページ)

院内では光線療法を行い、村田・井村基準など院内採用表で判断します。AAPの時間齢別治療閾値に置き換えません。低血糖・出血・意識障害・無呼吸・けいれんは入力より先に対応してください。

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4検査

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5対応の注意

避けること・注意:便色正常、総ビリルビンの低下、D/T比20%未満、正常に見えるエコーだけで胆道閉鎖症を除外しない。AST/ALT低下だけで肝不全の改善としない。
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6帰宅・入院の目安

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7診療中の疑問と回答

母乳をよく飲み体重も増える。黄疸は採血せず待てる?
哺乳良好だけで胆汁うっ滞を除外しない。遷延する黄疸では便色・濃い尿、直接型ビリルビンを確認する。便色カードの異常や直接型上昇があれば、その日のうちに専門施設へ相談する。母乳性黄疸と判断する前に胆道閉鎖症などを評価する。
根拠:日本胆道閉鎖症研究会 診療GL第2版公開資料 / NASPGHAN Pediatric acute liver failure position paper
便が真っ白でなければ胆道閉鎖症は否定できる?
淡黄色や時期による色の変化でも注意が必要で、灰白色になるまで待たない。便を実際に見るか写真を確認し、黄疸の経過と合わせて判断する。超音波が正常に見えることだけでも除外せず、疑いがあれば小児外科・肝臓専門へ早急につなぐ。
根拠:日本胆道閉鎖症研究会 診療GL第2版公開資料 / NASPGHAN Pediatric acute liver failure position paper
AST・ALTが下がった。肝障害は改善したと考えてよい?
AST・ALTの低下だけで肝機能回復と判断せず、意識・血糖・PT/INR・ビリルビンを合わせて評価する。肝不全では酵素値低下が機能回復を示さない場合がある。傾眠、低血糖、出血傾向があれば数値の下降に安心せず、集中治療・移植を含む専門施設へ早期に相談する。
根拠:日本胆道閉鎖症研究会 診療GL第2版公開資料 / NASPGHAN Pediatric acute liver failure position paper / NASPGHAN 小児急性肝不全 Position Paper(肝障害と肝機能の評価)
1か月健診まで様子を見てよいか?
見ない。便色カードで1〜3番、または直接型ビリルビン上昇があれば、その日のうちに小児外科のある施設へ紹介する。
淡黄色便=胆道閉鎖症と決めてよいか?
淡黄色便の原因は胆道閉鎖症だけではない(新生児肝炎症候群・アラジール症候群等)が、いずれもビタミンK欠乏による頭蓋内出血の危険があるため、淡黄色便を認める児はただちに入院・精査・治療の必要がある。
新生児の光線療法は当院で行うか?
行う。適応基準は村田・井村基準(または院内採用の基準表)を用いる(院内方針院内)。
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9家族への説明

黄疸が2週間を過ぎて続く、再び出る場合は便色・血液の型を確認します。便が1〜3番に近い、以前より薄い、尿が濃いときは健診を待たず受診。4番でも安心とは限りません。哺乳・反応の低下、出血は急いで受診してください。

一般教育・院内オペ補助。個別診断・治療の代わりにはなりません。β版・逐条レビュー継続中。

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