1-21伝染性単核症(EBV)
このページの目次7項目
1咽頭炎に全身所見が加わる理由
2検査で「いつの感染か」を確認する
異好抗体検査は小児で陰性になりやすく、偽陽性もあるため、それだけでEBV感染を確定・除外しない。VCA-IgM、VCA-IgG、EBNAなどは出現時期が異なり、症状と採血時期を合わせて解釈する。VCA-IgGの高値だけでは最近の感染を意味しない。[2]
初期の抗体陰性でも完全に除外できない場合があり、非典型的・長引く経過では診断を見直す。血算と肝機能は、支持所見だけでなく貧血・血小板減少・肝障害など合併症を評価する目的で使う。悪化する全身状態や持続する血球異常を「EBVだから」と説明し続けない。[1][2]
治療の中心は水分と休養、疼痛管理である。EBV単独に抗菌薬は効かず、アモキシシリン・アンピシリン投与時には発疹の問題がある。細菌感染の併存を疑う場合はその根拠を確認する。[1]
脾腫を伴うため接触・衝突のある運動を避け、本文の院内採用方針に沿って復帰を診察で判断する。超音波による脾臓評価だけで破裂リスクがゼロになったとは説明しない。腹痛や失神・顔色不良があれば、運動再開前後を問わず直ちに受診するよう伝える。[1](当院運用)
3出典
- 海外・CDC:About Infectious Mononucleosis(本文確認:2026-10-23)
- 海外・CDC:Laboratory Testing for EBV(本文確認:2026-10-23)
海外資料の薬剤・処置は国内の承認・院内採用を意味しない。本文の施設条件を前提に適用する。
4臨床医が迷う場面
5抗菌薬で良くならない扁桃炎。さらに広い薬へ変える?
EBVなどの単核症、膿瘍や別の感染を再評価し、リンパ節・肝脾腫・血算・肝機能を確認する。EBVが疑われる場合はAMPCなどを漫然と追加しない。呼吸・嚥下障害や脱水があれば、外来で薬を替えるだけにせず入院評価を考える。
6解熱したので接触スポーツへ戻してよい?
解熱だけで脾腫や脾破裂リスクがなくなったとはいえない。腹痛、脾腫、全身状態を再評価し、復帰時期は既存の運動制限方針と担当医の判断に従う。左上腹部痛、肩痛、失神や顔色不良は直ちに救急評価し、腹部への衝撃を避ける。
7だるさが数週続く。抗菌薬の追加が必要?
単核症では回復後もしばらく疲労が残り得る。睡眠・飲水・学校活動を調整しつつ、発熱再燃、黄疸、出血、体重減少などを再評価する。長引くことだけで抗菌薬を追加せず、経過が非典型なら別の感染症や血液疾患を検討する。
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